・・・暗い。
目が覚めた?時には目の前が真っ暗だった...
でも、心地いい。ずっとここに居たい。そう思えるほどだった。
「くっくっくっ」
突然、声が聞こえた。振り向きたくても振り向けない。声を出したくても、出せない。私はもう、自分の意思で動けなかった。
「奴らが来る前に完成させないとな」
完成とは?何をやっているのか見たかったがまだ麻痺状態が治っていないのだろう。
ようやく、目だけ開けるようになったら私は容器の中に入っていた。
「くっくっく...ようやく目覚めたか。あなたには死んでもらっては困ってるんですよねぇ...」
何を言っているんだか分からなかった。
「あなたの闇はこれを作り上げるのには欠かせないんですよねぇ。」
くっ...痛い。何かを入れられたような痛みだった。
「あなたは私の操り人形ですからね。あいつに勝つためにあなたは必要なんですよぉ...」
私の意識はそこで切れた。○○が言っていることは、何一つわからなかった。
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「ここは?」
目が覚めた時は喋れるようになっていた。
『ここは、あなたの
そこには、『私』がいた。
「私の
『そう。あなたが逃げるために作った居場所。ほら、そこに外が見えるでしょ?』
そこにあった外には、さっきいた男がいた。
もう1人、女の子がいた。
「彼女は誰?」
『彼女は、あなた。そして、私。』
よくわからなかった。
「彼女が私?」
そこだけはわかったが、目の前にいる女の子が私だとはわからなかった。
『そうだよ、彼女は私達の闇。』
闇...誰もが持っているもの。
『私達の闇は、人より深いよね。お姉ちゃんには認められず、弟には蔑まれ、周りからもね...』
「・・・て」
『それでも、信じていた姉には裏切られ...』
「・・・めて!」
「もうやめてよ!あなたに何がわかるの?」
『わかるよ?さっきから言ってるじゃん。私はあなた。』
「それがよくわかんないよ!」
『そう...私はあなた。あなたが嫌った、強さがあの子。私は、あなたが嫌った記憶。ねぇ、覚えてる?私達の両親がどうしていなくなったのか?』
そんなの知るわけがなかった。
「知るわけないよ..」
『そうだよね...私も知らないもん。』
・・・え?
『その先が大事なの!その後、姉が何をしてきたか覚えてないの?』
・・・覚えていなかった。何一つとして...
『覚えてないよね...小学校1年くらいだもんね...』
『姉が暴力を振るってきたのがその時だもんね。「お前が出来損ないだから!」って言って殴ってきたんだもんね。』
え?私は何もわからなかった。覚えてない。
『だから、私はあなたの記憶。あなたが捨てた記憶が私。』
「あ..な..たは..わた..し..?」
『そうだよ、私!だから、私を受け入れて欲しいの!』
「でも、私は...あなたのことを嫌っているんだよ?」
『私はあなたなんだよ?それぐらい知ってるよ。でも、あなたは前に進まないとダメなの!あなたのことを好きでいてくれる人がいるから!』
「私は...前に進めるのかな?」
『進めるよ。あなたは1人じゃないんだから...』
『そろそろ、時間だね...もっと喋りたかったな...』
そう言うと、わたしは消えかかっていた。
「ねぇ待ってよ!私はまだあなたがいないとダメだよ!」
私は泣きながらその光を追っていった。
『大丈夫だよ!私だもん。言ったでしょ?あなたは1人じゃない!私だって、あなたの中にいるんだから!あの子は、私より手ごわいよ?でも、あなたなら乗り越えられるよ。頑張って!それじゃあね...』
そう言って、光は私の中に消えていった...そうすると、私の無くした記憶が蘇ってきた。モンド・グロッソのことや、昔のことを...
ふと前を見ると大きな扉が現れた。
『さぁ行こうよ...』
私は前に進んだ。私と決着をつけるため。
グダグダに終わらせました...
次回。SAO編、最終回です