~歯車の止め方~
使徒と言う新たな隣人、そして抑止力の誕生は必ずしも全ての人類に受け入れられてはいない。特に一部の者達、戦いという行為によって利益を得ていた者達にとっては、平和な世界を提唱しているシイの存在を危険視し、排除しようとする動きもある。
着々と使徒を受け入れる体制を整える一方で、全ての鍵を握っているシイを巡る戦いは、水面下で激しさを増していた。
ゼーゲン特殊監査部主席監査官である加持は、本部に与えられた執務室で業務に励んでいた。過去に三重スパイとして活躍し、各方面にパイプを持つ彼はに内部監査では無く、他組織と非公式な情報交換や協力体制の構築等、多種多様な任務が与えられている。
そんな加持は今、目の前のパソコンに表示された情報に表情を曇らせていた。
「シイ君の身柄を狙う連中、か」
つい先程、保安諜報部からリークされた極秘情報に、自然と加持の視線が鋭さを増す。短くなった煙草を灰皿に押しつけると、更に報告を読み進めた。
どうやらあるテロ組織が、シイの身柄確保を狙って日本に侵入したらしい。こうした手合いは隠れ蓑となる表の顔を持っている事や、その国の公的機関の一部と繋がりを持っている事も多く、入国を完全に阻止する事は困難であった。
時間を掛ければ正体を掴む事も可能だろうが、その時には目的を達成されているケースが多い。現に保安諜報部からの情報も、肝心のテロ組織については調査中とあった。
(万が一、シイ君が奴らの手に落ちれば……不味いな)
この世界情勢でシイを失うリスクは、想像出来ない程大きい。平和な世界を訴えた少女に何かあれば、人類は踏み出そうとしていた未来を見失うだろう。
シイ自身に特別な力があるわけでは無い。だが碇シイと言う存在は、輝かしい戦績と実績によって彩られた、ある種の象徴であり要であるのだ。
だからこそ、彼女の安全確保はゼーゲンにとって最優先にすべき問題であった。
(まず司令達に報告して護衛の人数を増やすか。ただ本格的な戦闘になれば、うちの連中だと分が悪いな……戦略自衛隊にも応援を頼むとして……)
加持は即座に対策を打ち立てると、実行に向けて動き出す。
(こりゃ、ミサトとリョウトに会えるのは当分先だな)
暫くは帰宅できないだろうと覚悟を決め、加持は愛する妻と息子を思い浮かべながら、小さくため息をついた。
~邂逅~
賑やかな第三新東京市の繁華街を、マユミは一人歩いていた。やはり昨晩も同じ夢を見て、いよいよレイに問いかける決意をしたは良いが、生憎と今日は学校が休み。
まだ連絡先の交換もしていない為、仕方なく本を買いに街に出てきたのだが、心にモヤモヤが残っているせいか、その表情は何処か浮かない。
(はぁ……せめて電話番号を聞いておけば良かった)
迂闊な自分を責めるが、実際レイの連絡先を知っていても、自分から電話を掛けられるかと言えば疑問だ。これまでクラスメイトに電話をする事など、連絡網くらいしか無かったのだから。
(休日に電話したら迷惑かも知れないし……うん、月曜日に会えるからその時にしよう)
「あれ? ひょっとして山岸さん?」
気持ちを切り替えて本屋に向かおうとしたマユミの背後から、呼びかける少女の声が聞こえてきた。自分に声を掛けてくれる人など居ないと、マユミが驚きと戸惑いを感じながら振り返ると、そこには同じ転校生であるマナの姿があった。
「あっ……き、霧島さん」
「やっぱり山岸さんだ。おはよう。今日は買い物?」
「え、えっと……はい」
親しげに歩み寄るマナに、マユミは気後れしたように俯きながら返事をする。友人に対する態度では無いのだが、マナは欠片も気にせずに微笑む。
「こんな都会に来たんだし、やっぱ色々見て回りたいもんね」
「……その、霧島さんも……」
「半分正解かな。まだお店とかよく知らないし、案内して貰おうと思って」
「案内?」
「うん。あ、丁度来たみたい。こっちだよ~」
大きな声で手を振るマナに周囲の視線が集まる。当の本人はまるで気にしていないが、隣に立つマユミは居心地悪そうに身を縮め、マナの視線の先を追う。
するとそこには、お揃いのワンピースを着たシイとレイの姿があった。
(れ、レイさん!?)
会いたいと思い、しかしそれは果たせないと諦めていた人物の登場に、マユミは思わず目を疑う。だが独特の容姿を見間違うはずも無い。自分達の元へ近づいてくるのは、確かに碇姉妹であった。
「おはよう霧島さん。それに山岸さんも」
「……おはよう」
「おはよう、シイちゃん。レイちゃん。今日はよろしくね」
笑顔で挨拶を交わす三人から少し離れた位置で、マユミはレイを見つめる。予期せぬチャンスの到来に、何と声を掛けて良いのか迷っていたのだが、それをマナは違う意図で読み取った。
「ねえ山岸さん。もし良かったら一緒に行かない?」
「え?」
「ほら、私と同じでまだ不慣れだと思うし、時間があれば。二人も良いよね?」
マナの問いかけにシイとレイは勿論だと頷く。新しい友人との交流を深める事が目的なので、シイ達に断る理由は無い。
「わ、私は……その」
「迷惑じゃなければ、一緒に遊んでくれると嬉しいな」
「……用事があるのなら、断ってくれても構わないわ」
「へ、平気です。よろしくお願いします」
こうして碇姉妹と転校生達は、共に休日を過ごすことになった。
~交流~
第三新東京市には多くの施設があり、セカンドインパクト後の日本では一際栄えている都市であった。生活必需品から娯楽品まで、繁華街を歩けば一通り手に入る。
シイのおすすめのお店や、ディスカウントストア、そしてマユミの希望通り本屋などを回った四人は、チルドレン御用達のレストランで休憩を兼ねて昼食を摂ることにした。
ランチセットを堪能しながら、マナは満足げに隣に置いた買い物袋を叩く。
「流石は第三新東京市だね。良い物が安く手には入って、助かっちゃった」
「あそこのお店は私も良く行くの。洗剤とかは特売がおすすめだよ」
「碇さん……主婦みたい」
「……あながち間違いでも無いわ」
家事能力が欠如していた葛城家を支えた小さなお母さんは、今現在もユイと共に碇家を支えている。ゼーゲンのお嫁さんにしたいランキングでトップに輝いたのは、そう言った家庭的な面も大きいだろう。
(家庭的な女の子……どう見ても英雄の姿じゃ無いけど)
笑顔を崩さないまま、マナはこの機会に少しでもシイの情報を得ようとする。何気ない会話を装いつつも、シイの人となりや趣味趣向、幼少期から今に至る経歴や経験を、実に自然な流れで聞き出す。
それは彼女が明らかに普通とは違う、訓練された話術の持ち主である事を何より雄弁に語っていた。
「へぇ~。シイちゃんの妹にも、マナって子が居るんだ」
「うん。他にイブキちゃんにフタバちゃんに……」
総勢二十名のシイスターズの名前を挙げるシイに、事情を知らないマユミは思わず驚いてしまう。
「ぜ、全員妹さん……なの?」
「そうだよ」
「……ご両親、仲が良いのね」
「……養子よ。私も含めて」
感心したように呟くマユミに、レイがそっとフォローを入れる。すると複雑な家庭事情があると思ったのか、マユミは申し訳無さそうに頭を下げた。
「ご、ごめんなさい」
「?? どうして謝るの?」
「……気にする必要は無いわ。血の繋がりは無くても、家族は絆で繋がっているもの」
ユイの遺伝子が元になっている為、血縁関係が全く無いかと言えば微妙だが、それでも碇家でそれを気にしている者は居ないだろう。家族とは血では無く絆で結ばれた集合体なのだから。
「山岸さんはちょっとだけ、気を遣いすぎかもね」
「そう……かしら」
「友達と喋ってる時位、もう少し気楽にしても良いんじゃない?」
怒られたくない、嫌われたくない、そうした想いが謝罪を口にする。マユミのそれは他者との関係に臆病であるが故の、防衛行動なのだろう。
マナは鋭い観察眼でそれを見抜いていたが、同時に改善は難しいだろうとも思っていた。こうしたものは、育ってきた環境などの要因が大きく影響している事が多いからだ。
「ん~山岸さんは、私達と居るのは嫌?」
「そ、そんな事無い。……私、友達が少なかったから、こんな風に遊べるなんて嬉しくて……」
「私も山岸さんとお話するの凄い楽しいよ。もっと山岸さんの事を知りたいし、自分の事を知って欲しいって思ってる。迷惑かな?」
力強く首を横に振るマユミに、シイは嬉しそうに微笑む。
「えへへ、ならこれからは遠慮無く山岸さんの事を聞いちゃうね。だから山岸さんも遠慮しないで、色々お話しようよ。そうすればきっと、今よりもっと楽しくなると思うから」
「碇さん……」
「改めてよろしくね……マユミちゃん」
「……こちらこそ、よろしくお願いします。シイちゃん」
名前を呼びながら差し出されるシイの右手を、マユミは初めて見せる柔らかな笑みで握り返した。シイの向ける暖かな好意は、強固なマユミの心の壁を崩す切っ掛けとなりえるだろう。
「あ~ずるい。私の事もマナって呼んで欲しいな」
「えっと……マナちゃんだと一緒だから、マナさんで良い?」
「それなら呼び捨てで構わないからさ」
「うん、それじゃあ……マナ」
何処か言いづらそうなのは、シイが同級生であっても基本的に呼び捨てをしないからだろう。レイですらさん付けであり、唯一呼び捨てなのはアスカだけ。
名前が同じと言う理由があったにせよ、特別な呼び方をされるマナを、レイは少しだけ羨んだ。
その後も追加のドリンクバーで粘り、四人は心ゆくまで交流を楽しんだ。シイは純粋に友人と触れ合える事が嬉しく、マナにはシイの情報を得られる絶好の機会。マユミは友人と同じ時間を過ごすと言う経験に喜びを感じ、レイはシイが楽しんで居れば問題無いと、全員の意思が揃った結果でもあるだろう。
充分に堪能した四人がファミレスから出たときには、赤い夕日が街を照らす時間となっていた。
「う~ん楽しかった。今日は付き合ってくれてありがとうね」
「私もすっごい楽しかったよ」
「噂の惣流さんが退院したら、また遊びたいな」
「……そうね」
「それじゃあまた学校で。ばいば~い」
満足げな笑顔で手を振りながら、マナは雑踏の中へと消えていった。
「……私達も帰りましょう」
「うん。夕ご飯の支度をしないと。じゃあマユミちゃん、また来週だね」
「……さよなら」
「ま、待って」
別れを告げてマンションに帰ろうとしたシイとレイを、マユミが呼び止める。何処か思い詰めたような表情で右手を伸ばす彼女の様子に、二人は足を止める。
「えっとマユミちゃん。何かあったのかな?」
「ごめ……ううん。その、レイさん。お話をしたい事があるの。時間を貰えませんか?」
咄嗟に出かかった謝罪を飲み込み、マユミは真っ直ぐにレイを見つめながらお願いをした。するとレイはその言葉を予想していたのか、さほど驚いた様子も無く小さく頷いた。
「……構わないわ。場所を変える?」
「出来れば静かな所が……」
「……なら家に行きましょう。着いてきて」
ゆっくりと日が沈む中、三人は揃って碇家へと向かった。
~真相への到達、そして~
家に戻ってくると、シイは素早く二人分のお茶を用意して、自らは台所で夕食の準備に取りかかる。正直マユミの話に興味はあったが、彼女がレイと一対一での会話を望んでいる事を察したからだ。
(きっと大切なお話だもんね……あ、折角だしマユミちゃんにもご飯を食べて貰いたいな)
閉じられた襖の向こうから意識を切り替え、シイは手際よく調理を進める。一方のリビングでは、テーブルを挟んでレイとマユミが向かい合っていた。
マユミは話し出す切っ掛けを掴みかねていたが、お茶を一口飲むと意を決して言葉を紡ぎ始める。
「レイさんに聞いて欲しい事があるの」
「……ええ」
「実は――」
レイが頷くと、マユミは自分の身に起こった事を語った。毎晩見続ける同じ夢と、必ず登場するリリスを名乗るレイそっくりの少女。そして自分がリリスに選ばれた存在と告げられたのだと。
自分が客観的におかしな事を言っているのは、マユミも自覚している。突然夢の内容を語り出し、しかもそれが神様に選ばれたとあらば、変な子だと思われて当然だろうとも。
それでもマユミは悩み抜いた末に、レイに全てを伝える事を選んだ。それは彼女が心の何処かで、自分を変えたいと望んでいたからかも知れない。
「教えて、レイさん。あの夢は私の妄想? それとも……」
「……私に話をした時点で、もう答えは出ているのでしょ?」
「それは……そうだけど」
「……貴方が私に本当に伝えたかった事を聞かせて」
リリスの呼びかけに対し、マユミはどう答えを出したのか。全てはその一点に集約しており、その答えによってレイは対応を変える必要があった。
「私は……私を必要としてくれるのなら、役に立ちたいと思ってる」
「……本当に?」
「これまで私は、居ても居なくても良い存在で、それが自分だって諦めてた。……でも誰かに必要とされたら、変われるかもしれない。そう思うから」
「……そう」
マユミの答えを聞いたレイは、小さく頷く。目の前の少女はリリスに選ばれ、それを受け入れた。ならば全てを伝えなければならないと、今度はレイが話をする番となった。
世間一般に公表されている情報に加え、リリスと自分の関係等の最重要機密を、レイは惜しげも無くマユミに伝える。あまりにスケールの大きな話に、マユミは驚いた様子を見せていたが、それでも真剣な表情で最後まで聞き続けた。
「……この話を聞いても、意思は変わらない?」
「はい」
「……貴方の人生を、人類の為に使う事になるわ」
「そんな生き方が出来るなら、それはとても嬉しい事だと思うの。きっとこのままだと、何も出来ずに何の役にも立てずに、終わっちゃう気がするから」
「……後悔はしない?」
「何もしない方がきっと後悔する。そう思います」
真っ直ぐに自分を見つめるマユミの姿に、レイはリリスが彼女を選んだ理由の一端を察した。この少女はより良い方へ変わろうとする、意思を秘めていたのだ。
リリスが人類に求める変化を、等身大で体現しようとする少女だからこそ、自らの意思を受け継いでくれると思ったのだろう。
魂の波長が合った等、他の要因も当然あるだろうが、山岸マユミという少女の成長と変化に、リリスは人類の姿を重ね合わせて居るのかも知れない。
「……ありがとう。それと、これからもよろしく」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
差し出されたレイの手を、マユミは微笑みながら握り返す。内気な少女が自分の殻を破り、未来へ羽ばたく翼を得た瞬間であった。
~寝耳に水~
その夜、帰宅したゲンドウとユイに、レイはマユミを紹介した。リリスが選んだ少女と聞かされ、流石の二人も戸惑いを隠せなかったが、共に夕食を摂りながら少しずつ事情を理解していく。
「リリスが選んだ人類の代表……か」
「あなた。女の子をそんな風にジッと見ては駄目ですわ」
「……司令。山岸さんが怯えています」
「むっ、すまない」
強面のゲンドウに見つめられ、萎縮したように俯くマユミをレイ達がフォローする。本人に悪気は無いのだが、無意識に相手を威圧してしまう癖は抜けないらしい。
「大丈夫だよ、マユミちゃん。お父さんは本当は優しいから」
「う、うん」
「……彼女にはゼーゲンへ参加して貰おうと思います。良いですか?」
「席を用意する事は可能だ。リリスとお前の推薦ならば、反対する者は居ないだろう」
今現在、レイはゼーゲンの準職員という身分に過ぎない。だが先の一件によって、リリスの代弁者たるレイの発言力は、無視出来ない程大きくなっていた。
一般人であるマユミの抜擢も異例ではあるが、不可能では無い。
「でも貴方は良いの? 変な言い方をするけど、普通の生活は難しくなるわよ」
「はい。こんな私を必要としてくれるなら、頑張りたいんです」
「……手続きを進めよう。可能な限り学生生活に支障が出ないよう配慮するつもりだ」
不器用ながらも優しさを感じさせるゲンドウの発言に、マユミは頭を下げて感謝した。
~来訪者の憂鬱~
シイ達がマユミと共に夕食を摂っている時、マナは一人暗い部屋で定時連絡を行っていた。会話の内容は何時もと同じ、シイに関する情報の提供だった。
経歴や趣味趣向、考え方や信念等を自分の所見を交えつつ報告する。レストランでのやり取りで、マナは多くの情報を得る事に成功しており、報告相手を喜ばせた。
『どうやら順調みたいだな。碇シイとも大分親しくなったのでは無いか?』
「はい。彼女には友人として、認識されていると思います」
『結構な事だ、が』
報告相手の男は上機嫌に笑うと、しかし急に声色を真剣な物へと変える。
『分かっていると思うが、君の任務はあくまで諜報だ。信頼関係を築く事は大切だが、一線を越えてしまうと別れが辛くなるぞ』
「……承知しています」
『……いや、私にこんな事を言う資格は無いな』
自嘲気味に呟く男に、何処か違和感を覚えたマナだが追求はしない。上司が伝えない事は、自分が知らなくても良い、知ってはいけない事なのだから。
『とにかく、報告ご苦労だった。残りの期間もこの調子で頼む』
「はい、了解しました」
報告を終えたマナは携帯を置くと、ペットボトルのお茶を飲んで喉の渇きを潤す。何度経験しても、上官への業務報告は緊張するものだった。
「はぁ……」
明るく元気で誰とでも直ぐに仲良くなれる少女。そんな霧島マナを演じているマナだったが、少しずつ心にモヤモヤが育っているのを感じていた。
理由は分かっている。シイ達と過ごしている間に、自分にある感情が生まれているのだ。仮面を被らない本当の霧島マナとして、一切の思惑無く友人になりたいと。
いっそ全てを打ち明けてしまえたら、どれだけ楽なのだろうか。
(でもそれは許されない。組織間の関係もあるし……)
シイのスパイをしていたと明らかになれば、ゼーゲンとマナの所属する組織の関係に、少なからぬ影響を与えてしまうだろう。
世界の中心になりつつあるゼーゲンとの関係悪化は、避けるべき事態であったが、マナが恐れている事はもう一つ。
(シイちゃん達に……嫌われたく無い)
情報収集の為に近づいていたスパイだと知られたら、あの友人達は自分を嫌悪して離れていってしまうに違いない。それがマナには耐えられなかった。
無事に任務を果たせば、仮初めであっても友人として終わることが出来る。伝えたいけど伝えられない。そんなジレンマがマナを苦しめていた。
暗い部屋で一人悩むマナを、窓から差し込む月の光だけが優しく包み込むのだった。
投稿期間が空いてしまい、申し訳ありません。
タイトル通り、今回は山岸マユミのエピソードです。
原作ゲームではルートによって、その役割が大きく変化した彼女ですが、本作品ではリリスの意思を受け継ぐ人間として、頑張って貰います。
次はもう一人の転校生、霧島マナの出番ですが……彼女の場合は事情が少々ややこしく、どうやら一筋縄ではいかなそうです。
次回もまたお付き合い頂ければ幸いです。