ゴーレムとオーバーロード   作:NIKUYA

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語彙力も、美味い飯を食べた経験も少ないので、上手く書けたかはわからない。 寿司食べたい。


石と骨と食事会

 

 

 

 

食事会が始まる。

先ずは乾杯したお酒を飲み干す。

日本酒『超越』。アインズさんにのみ開封を許された、超越者の為の酒。アインズさんは基本的に飲食不要・不可なのに何故専用のお酒があるのかは知らないが、フレーバーテキストを見る限りはアンデットに対する回復効果、つまりは負のエネルギーが込められてるわけでは無い。普通に、お酒だ。

ぐいっと一口。口の中に広がる質のいいアルコールの爽快感に続いて、仄かな甘みが広がる。それは長く続くものではなく、すぐに喉元を過ぎていく。後に残るのは、爽やかな喉越しと、アルコールの香りのみ。

 

「うむ。」

 

アインズさんの為のお酒という事もあってか、お気に召したようだ。表情が柔らかい。支配者の威厳はまだギリギリあるか。

 

それから、先付、吸物、向付と食していく。

初めて食べた味に、驚愕と感嘆が溢れる。俺はジャンクフードのほうが好きだと思っていたが、なんというか、魂に刻まれた記憶が和食を欲しているように感じる。リアルで和食とか食った覚えないのに。

 

「この『お吸い物』というものは、仄かな部分に手間隙がかけられているのが良いですね。香りだけでも、様々な趣向が施されているのがわかります。」

 

デミウルゴスは、お吸い物を大変気に入ったようだ。

確か海外では、ジャパニーズクリアスープと呼ばれているらしい。透き通っているのに深い味わいがあるので、日本通の外国人は日本食初心者にまずコレを勧める事もあるとかないとか。

 

「生の魚というのも、今まで敬遠してましたが、美味しいものですねっ。」

 

ルプーは刺身が気に入ったようだ。狼って生食のイメージしかないけど、生魚は食わず嫌いだったんだな。意外。

 

 

続いて、煮物、揚げ物、焼物。

 

素材本来の旨味に、調味料の絶妙な加減がマッチしている、最高の逸品ばかりだ。

 

「家庭的な味というものが、こういうことなのだと舌に叩きつけられたような気分ですわ。私も、精進しないと…」

 

「アルベド、新婚の奥さんは初夜に肉じゃがをつくるそうだよ。ね、アインズさん。」

 

「うむ、うま……え?なんですか?肉じゃが?食べたいですね、確かに。」

 

ああこいつ飯に集中して半分聞いてなかったな?

アルベドがクネクネとやばい動きをしだしたが、俺以外は誰も気にしていない。いや、そんなことより煮物食べよう。

 

揚げ物は、それぞれ好みが分かれると思ったが、皆が皆、全部を均等に賞賛していた。ルプーとか野菜の天ぷらを食べないと思ってたんだけどな。「にがうま〜!」って。

 

「たまご天は良いな。サクッ、プニッ、トロッと。噛むのが楽しくなってくる。」

 

「アナゴ天やべぇな。弾力も、肉汁も、とても魚とは思えないわ。すげぇ美味い。」

 

「大葉の天ぷらは、油で揚げているのに、爽やかで、不思議な感覚ですね。」

 

「コーン天ですか。揚げることで甘みが増しているように思えますね。これは、塩一択でしょう。」

 

「ニンニク天うまー!生姜天うまー!ごぼ天うまー!アインズ様、ししとう天美味しいですよ!」

 

「かしわ天も美味しいですけれど…エビ天も美味しいですわ。この抹茶塩というものも、奥深さがあって好みですわ。」

 

みな、楽しんでいるようだ。アインズさんとルプーは、互いのお勧めを食べて喜んでいる。他の子も、アインズさんにお勧めを聞きだした。其々に別の物をお勧めするあたり、人のことをよく見てるというか。それに、まだ食べてない物を勧めているようで。

 

「NIKUYAさんは、さつまいも天食べてないですよね?これ、すごく甘くて美味しいですよ!」

 

「えー、芋でしょ?フライドポテトみたいなもんじゃないんですか?…………うま、あま。甘い!さつまいもって美味いんだな!すげぇ!」

 

じゃがいもとは全然違う味だわ。さつまいも甘くて美味い。

 

そして、さんまの塩焼き。

これがもう、言葉が出なくなるほど美味い。

パリッと焼けた皮、芳ばしく香る脂、引き締まった身、味を引き立てる塩気。

ポン酢をかけ、大根おろしを乗せ、口に運んだ瞬間に全てが混ざり合い味覚を支配する。これが美味さだと、脳が、身体が理解する。

 

「うま…」

 

だれが言ったか。自分か、隣の人か。そんな事はもはやどうでもいい。 他の事は、コレを食い終わってから考えればいい。

 

「はぁ…」

 

アインズさんが完食した。美味さをかみしめているのか、空いた皿をみて嘆いているのか。

…そんな目で見ても俺のはやらんぞ。追加で頼めばよかろう。

 

 

 

「ふぅ、食ったな。」

 

塩焼きを完食し、次は蒸し物、ウニの茶碗蒸し。

まだ先は少しあるのだが、ここまでで凄く満足している。美味いって幸せなんだな。

 

「ウニはもっと大人の味なイメージがあったけど、意外に甘いんだな。温まってるからか?」

 

ウニの茶碗蒸し、もう少し苦いものだと思っていたが、まろやかでとろけるような甘さが素晴らしい。お酒が進む方向の甘さだな。

 

続いて、ご飯、沢庵、アサリの味噌汁。

昔は、これがTHE・朝ごはんだったそうだが。贅沢すぎやしませんかね?

噛めば噛むほど甘さが溢れるお米、それに塩気と味気を加える沢庵、それらを掻っ込む味噌汁。パーフェクトモーニングセットだろうこれは。

あさりの貝から身を取るのは、楽しかった。貝柱が残ってしまうことがあったが、勿体無いとはいえ僕の前で下手な事はできない…大丈夫、まだあさりはある。

 

「ふぅ。心が洗われるような気分ですわ。」

 

「極悪である私達が心を洗われた場合、一体どちらに数値が振れるのでしょうね?」

 

「ちゃぶ台前に正座してこれ食ってるセバスとかすごい似合いそう。アインズさん、どうかな。」

 

「いや、部下で遊ばないでくださいよ。…パンドラも連れてきたらよかったな。」

 

あの子は他の仕事があるからなあ。仕方ない。

今度、食事にでも誘ってみよう。

 

 

最後に、デザート。

無花果の田楽、抹茶アイスクリーム、わらびもち。

 

アインズさんとデミウルゴスは無花果の田楽が、アルベドとルプーは抹茶アイスクリームが、俺とソリュシャンはわらびもちが気に入った。

ルプーは冷たくて面白かったからだそうだ。まぁ、どれも美味いからな。

ソリュシャンは、自分に似てるとかなんとかいっていた。いや、わらびもちは取り込まないからね。纏うだけだからね。きな粉うま。

 

 

「ご馳走様でした。」

 

 

 

 

 

 

『アインズさん、最近思うんですけど。』

 

『なんですか?』

 

『うちのNPC…いや、元NPC達、少し気安くなってきた気がしません?』

 

『……確かに。どう思います、NIKUYAさん。』

 

『そうですね、アインズさんと同じ考えかもしれませんね。』

 

『そう、ですよね。やっぱり。』

 

『ふふっ。その姿だと、表情がわかりやすくていいですね。』

 

『えー、やめてくださいよ。骨だとポーカーフェースで誤魔化せるんですからね。』

 

『ま、それもそのうち不要になるかもしれませんし。』

 

『そうなってくれると、肩の荷が降りるといいますか。』

 

『今後にも期待、ということで。』

 

『ええ。…いい傾向だと、思いますよ。』




モンハンの3rdのHD版を買ったので執筆鈍くなります。ガンランス練習します。
いつもコメント、誤字報告ありがとうございます。

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