異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜   作:銀鈴

99 / 234
おお、身が震える。魂が叫ぶ。これが歓喜か、これが恐怖か!私は今、生きている!!
(訳 白猫で茶ミレイユと茶エシリアのロリ×2が当たった、死ぬ程嬉しい。けど、かなり島を掘ってしまった自分が怖い)


第4章 出会いと再会の魔界
第1話 プロローグ


 獣人界のとある場所にある渓谷。そこには今、もうもうと濃い紫色の毒霧が立ち込めていた。その中からは、キラキラと光る魔力の光と断続的に続く爆音が響いている。つまり、毒霧の中で誰かが何かと戦闘をしているという事だ。

 

「「シュガアァァァァ!!」」

「砂糖でも食べてろおぉぉぉ!!」

 

 刀身に入ったひびのような部分から光を漏らす大鎌を手にした、年端もいかない小さな女の子と、元は九つの首があったヒュドラが交差する。そして次の瞬間、残っていた片方の首を切り落とされヒュドラは普通の龍となんら変わりのない状態になってしまった。

 

 というか私です、イオリです。ヤバい戦闘中なんで色々後で! 

 

「焔よ、雷のように疾く広がれ!!」

 

 そして私が唱えた魔法によって、他の場所同様少女と同じくらいの大きさの切り口は焼きつくされた。これでもう、ヒュドラ特有の斬っても斬っても首が生えてくるという事は無くなった。

 厨二っては言わないで欲しい、再発した自覚はしてるから。

 

「シュガアァァッ!」

「っ!!」

 

 が、次の瞬間空中にいて踏ん張りの利かなかった私は、唸りを上げて迫ってきた尻尾に壁に……いや、崖? に叩きつけられてしまった。この大鎌のおかげでしばらく放っておけば済むレベルの怪我だが、見事に埋まってしまって動けない。

 無論向こうがこんな隙を見逃してくれる訳もなく……

 

「ブレスか……フロー! こっちもファイアブレス!!」

「きゅるあぁっ!」

 

 ちょっとそれは洒落にならないので、こちらもブレスで対応する。あ、フローっていうのは分かってるかもしれないけどあの幼龍ね。名前がないとかわいそうだからつけてみた。もう私と同じくらいの大きさだから幼龍とは言え……るね。うん。

 

 って、そうじゃなくて。どうにかジタバタして落下していく最中、頭上でブレス同士がぶつかり合って爆発を起こす。余波で穿いてるスカートは捲り上がる中、私は大鎌の一つの機能を使うために歌う。

 

 ──Gatrandis babel ziggurat edenal

 Emustolronzen fine el baral zizzl──

 

 作った時は、リミッター解除って言ったらやっぱり絶唱でしょって気分だったんだ、仕方なかったんだ。そう自分に言い聞かせながら歌いきると、大鎌がドクンと脈打った感じがした。

 

「終虐! Ne破aァ乱怒(ネバーランド)ッ!!」

 

 ズドンと着地した後、鎌をクルクルと回しながらヒュドラに突進して、最後の一本の首に向かって大鎌を振り抜く。絶唱だから、戦技の名前よりこっちがあってると思うんだ。

 

「せいやぁぁぁっ!」

 

 最後の首を両断され、そのままその巨体を渓谷の底の大地に沈ませた。そして頭の中にレベルアップの音が流れる。ということは戦闘が終わったという事だ。

 それに安心し、私は鎌を変形させて背負い座り込む。女の子座りだけど気にしちゃいけない。

 

「はぁ……疲れた。やっぱりフローの時みたいに魔法でやる方がいいよなぁ……ここじゃ無理だけど」

「きゅう?」

 

 近くに来たフローの頭を撫でながらそんな事を呟く。流石に元行商人の人のルートを壊したら何言われるか分からないし。

 

「あ〜……回収回収。あ、そこに落ちてるのは食べてていいよ」

 

 そんな思い出を振り払い、私は最初の頃再生させまくったせいで、ヒュドラの顔が大量に見えるこの現状をどうにかすべく次々に異次元収納の中に詰め込んでいく。フローが美味しそうにヒュドラ(首)を食べてる、言っといてなんだけど大丈夫なのかな? 

 

 と、まあそれは置いといて。

 

 あの事件があってこら約3ヶ月、私は宣言通り魔法を教えたり観光をしたりしていた。レーナさん達に魔法を教えていた頃には、リュートさんと模擬戦してたら何故か獣王様が混ざってきたり(協力しても全敗)よんじゅうし? って人達が色々絡んできたけど結構楽しい日々だった。

 そして旅に出てからは、観光地を場所を一人で旅している。Sランクという事もあり、お金には困らなかったのだが、モーブのような輩がわんさか絡んできたとだけ言っておこう。まあ、末路はわかるよね? 

 

「えっと、リュートさんに頼み込んできたのが1週間前だから……結構急がないと」

 

 そして最近わかったことがある。そう『一人旅は寂しい』って事だ。魔界に行こうと思い立ったのはいいけどそう思った私は、この前リュートさんに涙目+上目遣い+泣き声のコンボを決めて頼んできた。勿論OKしてくれたよ。

 よく小説だと新しい場所で新しい仲間とパーティーをって事が多いけど、私としてはリュートさん達の方が安心出来る。

 

「待ち合わせ場所は、魔界の方のこっち側の橋の街だから……って、着替えないと」

 

 今の私の格好は、最近寒くなってきたけど夏場とあんまり変わってない。こんな格好でフローの上に乗って移動したりなんてしたら確実に風邪をひいちゃう……うん、多分ひく。

 まあ、私の着替えシーンなんで見ても詰まらないよねって事でカットして、私はフローの上に乗る。格好? Fate/zeroの方のイリヤって言えば分かりやすいかな。色も形も、髪も下ろしてるし。

 

「さて、橋の街にれっつごー!」

「きゅああ!」

 

 フローに跨って、テンション高めで私は橋の街に向かっていった。

 

 そういえば確か、王の財宝の中にはヒュドラの肉が入ってたような気が……よし、出来たら食べ比べよう! 毒抜き? 魔法と包丁の効果でゴリ押しかな。

 




4月6日18:30からNHKBSプレミアムで、カードキャプターさくらが再放送すると聞いて若干嬉しい今日この頃。

そして実は今日が私の誕生日だったりする。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。