異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜   作:銀鈴

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学校に登校したら、いつの間にか自クラスが衆道至高天に汚染されてた。ちょっとその理に取り込まれるわけにはいかないから、流出(求道)をして耐えてたら、いつの間にか性欲界紳士道とせめぎ合ってた。多分その2人はちょっと姿が見えなくなってたから、特異点に落ちてたんだと思う。
…いつからうちのクラスは神座世界になったんだ


第34話 タバコも二十歳になってから

「──、よしよし。怖くない怖くない」

 

 悪夢から意識が戻った私に、誰かがそんな風に優しい声で話しかけてきている。なんだか気分はふわふわしてて、安心するしこのままいいかなぁ〜なんて思うけど、一応最後の記憶を確認してみる。

 えっと確か、新しい職業を取ったけどなんかイラついたから席に戻って……そうか、お酒を飲んじゃったんだ。ていう事は……

 

「私お持ち帰りされた!?」

「うわっ、起きてたのイオリさん!?」

「リュートさん!? ハッ、きせいじじつ!? 離せー!!」

「ちょ、危ないって!」

 

 そんな事をされたら、三重くらいの意味で私は死んじゃうから全力で暴れてリュートさんにおぶられてる状況からの脱出を試みる。予想どおりリュートさんの背中から落ちたけど、そのまま着地してリュートさんから距離をとる。

 

「きょ、今日という今日はもう許さないよ!! もう真っ暗だし、そこら辺の路地裏にでも私を連れ込んで! お、美味しくいただくつもりだったんでしょ!」

「だからしないって!! 話せば分かるから!」

 

 リュートさんがそんなことを言ってるけど、それは犯人が言う言葉だし信じない。大鎌の錆にしてくれ……って入ってない? あれは私とクラネルさん以外が触ったらアウトなやつだから大変なんだけど!? 

 いや、それも全部リュートさんから聞き出せばいいや。

 

「オーリーハールーコーンッ!!」

「うわっ、眩しい」

 

 引き抜いたナイフの若干赤っぽい刀身がピカーっと光を放ち、リュートさんの目をくらます。そのナニを斬り飛ばしてやると思い、走っていこうとすると。

 

「話を聞いてっ! 天の鎖よ!!」

「ふぁっ!!」

 

 リュートさんの使ったずっとも鎖に絡め取られてしまった。後ほんの少しで刀身が届きそうなところで止められたので、まるで某ライダーのサーヴァントのような格好だ。しかも本当に動けない。

 

「くっ、なんで! クラネルさんは引きちぎってたのに!」

「イオリさん、僕よりもレベルが低いし職業的にもこれとは相性が良くないしね。で、話は聞いてくれる気になった?」

「うぬぬ……仕方ない」

 

 疲れ切った顔をしてるリュートさんを見てると、なんか罪悪感が湧いてきたから抵抗するのをやめる。するとすぐに天の鎖から解放してくれた。

 

「で、なんで私はリュートさんにお持ち帰りされてる訳? 大鎌も無くなってるし」

「イオリさんがお酒を飲んで悪酔いしたからだよ。大鎌もその時に僕が回収して「リュートさん今すぐそれ出して! 絶対に触らないで!」え?」

「王の財宝の中なんでしょ? 宝具喰われちゃうから!」

「わ、分かった!」

 

 私が必死にそう言うと、すぐにあの大鎌が金色の波紋から吐き出された。で、やっぱり予想どおり大鎌は何というか……ツヤツヤしててステータスも上昇してた。

 

「うわぁ……絶対宝具何個か喰ってたよ」

「一体何なのさその武器は……まあ、師匠とイオリさんが造ったやつ何だからマトモな訳ないからいいか。それより、随分とうなされてたし寝言も言ってたけど大丈夫なの?」

「ふぇ?」

 

 その判断は若干納得のいかない所もあるけど、うなされてたとか寝言を言ってたとかって何? 大鎌を背負いながら、首を傾げる。

 

「『僕だよ、ソーヤだよ』とか『みんな置いてかないで』とか色々泣きながら言ってたから心配だったんだよ」

 

 ほら、と肩の辺りにある染みをリュートさんは指差す。……夢の中でも泣いちゃってたけど、現実の方でも泣いてたんだ……私。

 

「えっと……あんまり気にしないで」

 

 夢の内容をはっきり思い出して泣きそうになってしまったので、精一杯笑顔を作ってリュートさんにそう言う。

 

「まあ、大丈夫ならそれでいいよ」

「うん! ありがと、リュートさん。それじゃ、早く王城帰ろう? お酒飲んじゃったせいか、私眠くなってきちゃったし……お城まで競争だー!」

「ちょっと待って! 今王城には──」

 

 両手を挙げてわーって走っていると、もうすぐ城の門の近くになるという所で、何か……恐らく獣人の誰かにポフンとぶつかってしまった。

 

「ワプッ、すみませんでした。周りを見ていなくてぶつかってしまいました」

「ははっ、別に構わないさ。君がイオリちゃんなんだろう?」

「はい、でも、何で私の名前を……?」

 

 顔を上げ、見上げると、そこには見たことの無い獣人が立っていた。赤い髪の多分ライオンの獣人で、口にはタバコのようなものを咥えている。嫌な匂いがしないので、有害では無いのだろうが……と、ここでリュートさんが追いついてきた。

 

「はぁ……はぁ……イオリさん速……い……。じゅ、獣王様!?」

 

 リュートさんがNRSを起こしそうな顔でそんな事を言う。察するにリュートさんの内心は『アイエエエ! ナンデ? ジュウオウサマナンデ!?』ってところだろう……じゃなくて! それが本当なら私はこの国の王様にぶつかっちゃったって事だよね!? もしやセプクをしないと駄目な状況!? 

 

「えぅ……あぅ……す、すみませんでした!」

「ははは、構わないよ。子供は元気が一番だからな」

 

 そう言って私が下げていた頭をワシャワシャと撫でてくれた。むむま……駄目だ、やっぱり雰囲気が友達の家の休日のお父さんだ。

 ん? あながち間違ってはないのか? 

 




大鎌には、ARAGAMI要素とDG細胞な要素が含まれてるみたいです。

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