異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜 作:銀鈴
-追記-
首にチョップは死ぬとの事だったので、展開を若干修正しました。
大まかな流れは一切変わってないです。
紅い花が咲いた事件があったものの、その後は特に何事もなく宴会は進んでいった。
かく言う私も、今は実は初めてギルドの飲食スペースを使ってる。保護者代わりのリュートさんと一緒の席で、お酒は飲めないし飲みたくないから、プリアとかいう魔法少女に変身できそうな名前の果物のジュースを飲んでる。リンゴみたいな味で美味しい。
「そういえばリュートさんってさ、今レベルどれくらいになってるの? 私の所もそうだったから、多分そっちにも凄い量の魔物いたんでしょー?」
やったっていう話は聞いていたけど、具体的にどうなってたのかは聞いてなかったなぁと思い、なんとなくそんな事を聞いてみる。椅子に座ってても、足がつかないからパタパタさせてるけど気にしないで欲しい。
「えっと、今は確か85だったかな。確かにいたよ、ボスみたいなのは真っ黒い目玉に触手が生えた浮いてる奴で、その他にも強そうなのから弱そうなのまで沢山」
「……このロリコンめ!! とか、言われなかったの? 私を抱っこしてたんでしょ?」
今聞いた限りの特徴だと、やっぱりバックベアードが頭に一番最初に頭に浮かんでくる。いや……口があったりするなら、びほるだー?
「明らかにヤバイ気配がしてたから、とりあえず武器を撃ちまくって何かさせる前に倒したから分からないかな。そういうイオリさんこそどうなの? レベルは」
「ふぇ、私? 確か78に……って、78じゃん!!」
私はガタンと椅子から立ち上がる。丁度プリアジュースも飲み終わったところだし、行ってこなきゃ。
「いきなりどうしたの?」
「ちょっと新しい職業とってくる!」
「あ、うん。いってらっしゃい」
確か25レベル刻みで新しい職業はゲットできた筈だし、ギルドに居るんだから取ってこないと。そんな事を思い私は受付のお姉さんと一緒に転職部屋に入っていった。
◇
それからしばらく、お酒を飲みながら(勿論酔いすぎないように加減はしてる)他の冒険者の人達と話したりしていると、喜んでるような怒ってるような微妙な顔をしたイオリさんが帰ってきた。
「どうしたの? イオリさん。そんな微妙な顔して」
「むぅ〜……聞いてよリュートさん! 新しい職業とってきたのはいいけと、名前がスクナヒコナだったんだよ!」
「スクナヒコナ? どこかで聞いた事があるような……」
僕が厨二病だった頃に聞いた事のあるような気がするから、どうせ多分また最上級の職業なんだろうけど……なんて思っていると、プンプンと怒っているイオリさんが何だか説明してくれた。う〜ん、全く怖くない、むしろ可愛い。
「スクナヒコナって、神様の名前だけど一寸法師だよ一寸法師! 防御もスピードも上がったし魔法とか薬とかを作るのに補正がかかるみたいだから嬉しいけど、私はそんなにちっちゃくないよ!」
「いや、イオリさんが言ってもそれは……」
現に僕の胸より少し下くらいしかイオリさんの身長は無いわけだし……というか、多分まだ7歳っていうなら普通だろうに。って、イオリさんの様子が若干おかしいような。
「とったけど、もう身長伸びなくなっちゃうかも知れないじゃん! ふんだ、どうせ私は背も胸も無いですよーだ」
そう言ってるイオリさんの顔は赤い。……もしや、
「イオリさん、ちょっとそのコップ貸して欲しいんだけど」
「や、やだよ! どうせ私が口をつけた所をペロペロするんでしょ、変態!」
「そんな事しないよ! って、やっぱりお酒じゃん」
そんな風に僕は思われてたのか……いや、色々前科があるからそう思われてても仕方ないけど。なんだか悲しくなって僕ははぁ……とため息を吐いた。
「あ、今ため息吐いた!! やっぱりロリコンなんでしょ! でゅえるだけっとーだ!」
「いやいやなんでそうなるのって、そんな物ここで出したらダメだって!」
赤い顔で酔っ払ってる感じのイオリさんがどこからか取り出した、どこかサイコパスのドミネイターを連想させる身の丈程のメカメカしい長方形が、展開して大鎌になった。色は青、黒、銀……ワンポイントで赤とイオリさんを連想させるもので……
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魔型聖鎌・ヴィターエトモルテ
STR +600
DEF +520
AGL +570
MIND +530
LUK +80
【属性】混沌
【斬れ味】鋭利(平均)▼詳細
【耐久】頑丈(自動回復)
【重量】3.8kg
【刃渡り】110cm
《スキル》
特攻術・
エネルギー吸収 Lv── 変形 Lv──
リミッター解除 Lv── 選定 Lv──
《備考》
イオリとクラネルが協力して造ったユニーク装備の大鎌。余りに色々な要素を詰め込み過ぎたせいで始めはステータスがバグってしまっていた。が、転生神リィンネートと■者の手によってバグが修正された。聖遺物では無いので創造とかは出来ないが、出来そうな気分にはなる。
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明らかにヤバイやつだった。師匠とイオリさんが造ったっていうだけで良くない感じがしてたのに、神様とか■者とやらが関わってるってもう絶対ロクなもんじゃない。
周りも騒ついてきちゃったし……
「天の鎖よ!」
とりあえず鎌ごとイオリさんを拘束する。が、天の鎖を出しているのに使っているMPが大鎌にガリガリと吸われていく。厄介な。
「やめてー! 私に乱暴する気でs「言わせないよ!? あぁもう、落ち着いてイオリさん!」むぅ……」
えっと、確かヴォダンに行く最中に取っておいたネムリ茸をしまっといた筈だから……
「喰らえきのこのほうし!!」
「りゅーとさんは……ガッサだっ……た……」
酔ったイオリさんをこのまま放置していたら、明らかに面倒な事になるのでとりあえず眠ってもらった。僕はポイズンヒールでもほうしでもない。
とりあえず鎌を……触るのは危ない感じがするから、直接王の財宝に収納して。
「ご迷惑をおかけしました」
そう言って頭を下げてから、イオリさんをおぶって僕はギルドを後にした。昨日もこんな感じで背負ってた気がするけど、まあいいや。