異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜 作:銀鈴
時よ(成長)止まれ!君は(ロリ)誰よりも可愛いらしいから!
永遠の君(エタロリ)に願う!俺を高みへと導いてくれ!
(まあ橋をズパンって斬ったって言うけど、多分天上院のエクスカリバーもどきでなら出来ないことはないだろうし、橋を落とすのは一番楽な追撃を防ぐ方法だろうしね)
目の前で馬から降りた騎士っぽい人とアンナさんがどこかに歩いていくのを見ながら、私はそんな事を考えていた。
「まあ、いっか別に。みんなも……かは分からないけど、とりあえずは生きてるみたいだし」
そう思いながら、私はマイク剣改を仕舞う。 元々コレは、後でリュートさんに見せて驚かせようとしてたやつだから、今はあんまり見せたくない。
「さて、そんな事よりおっふろ〜おっふろ〜♪」
「ちょっと待ってイオリさん」
そう言いながらお風呂へ行こうとした途端、リュートさんに呼び止められた。そういえば誰か探してる風だったし、それが私だったってことかな?
「どーしたの、リュートさん?」
「さっきイオリさんの言ってた、『みんなも……』って言うのが気になってね。なんか言い方がその、引っかかるっていうか……」
「え、口に出てた?」
「普通に喋ってましたよ? イオリちゃん」
自分じゃそう考えただけなのに喋っちゃってるって……あうぅ。
「そう、イオリさんが勇者側みたいな言い方だからだ! 何か隠してたりしない?」
「うっ」
若干頭の中で恥ずかしがっている時にそんなことを言われ、身体がビクッと反応する。だ、大丈夫、まだリカバリーは利く。
今ここで、勇者と繋がってるなんて思われたら王城から追い出されかねない。それは避けねば、ていうか元々繋がってないけど!
「な、なななんのことかな? わわ私は何も隠し事なんてしてないのでアリマスヨー」
「いや、明らかに何か隠してるでしょ。その反応」
随分昔に感じるけど、こういう時元の僕なら顔色一つ変えずに対応出来たのに! ちっちゃくなってから、こういう時に感情の制御が利かないのは不便だなぁ……
「お、乙女の秘密を暴こうなんて、最低だよリュートさん!」
「いや、イオリさんってTS幼女って言ってたから、心は男なんでしょ?」
「ば、ばーかばーか、心だってもう女の子ですもんねー!」
「ぐぬっ」
はっはっはー、どうだ! これ以上私に追撃はできまい! 自分で自分を女の子って言うと、地味にしっくりきた事にびっくりしていると、レーナさんが私に話しかけてきた。
「それじゃあ、私だったら話してくれる? 女の子って、そういう話とかをするんでしょ? イオリちゃん教えてくれたもんね」
「い、いや、あれは私が読んだ本の話の中だけであって……そ、そうだ! 私今汗臭いし、お風呂入ってこないと!」
「んー、それじゃあ私も一緒に行ってもいいい? イオリちゃん一人じゃ、髪とか洗い辛そうだし」
「そ、それくらい出来るよ!」
「イオリさん、そろそろ諦めたら?」
私がバタバタしながらレーナさんと話してると、リュートさんが私の肩に手を置きながらそんなことを言う。あぁーうぅーあぁー、はっ!
「そうだ! ジャンケンで決めよう!」
「まさか、そのネタを本当に言う人がいるとは思わなかったよ……じゃあ、僕が勝ったら話してね」
「う、うん」
よかった、リュートさんが乗ってきてくれた。よし、この世界の運は数値化されているんだ、流星群でレベルも上がってるし最大値ではないかもだけど、60弱もあるんだから負ける事は無いはず!
「せーの」
「「じゃーんけんぽん!」」
結果は、私←チョキ、リュートさん←グーだった。ま、負けた……
「それじゃあ、約束通り話してね? イオリさん」
「う、うぅ……女の子の秘密を無理やり暴くなんて……サイテー」
泣きそうな眼でリュートさんを思いっきり睨みつけるが、そういえば、リュートさんには効かないんだった。むしろ凄く喜んでる、雰囲気が。
「あぁもう! 言えばいいんでしょ言えば!! あー……でも、大声じゃ言えないから……ちょっとしゃがんでリュートさん」
「大声で言えないことって何さ……あ、天の鎖よ」
リュートさんがしゃがんでくれた。と、同時に私の左手に金色の鎖が巻き付いた。逃げるのは無理か……仕方ない、もうどうにでもなっちゃえ!
「えっと、私はTSだけじゃなくて、クラス転移もしてました。橋をぶった斬った勇者は多分委員長で、元親友です! あ、別に繋がってる訳じゃないよ」
「えっ、ちょっ、は? 最後のはまあ信じるけど、勇者って小学生?」
「いや、高校生だけど」
「それじゃあ、色々辻褄が合わない気がするんだけど……」
リュートさんが渋い顔をして首を捻っている。んー……そうだ、私は今幼女だった。前に元15歳って言ったけど、信じてもらえなかった気がするし……
「あんもう! どうにかしてよ神様!」
「何言ってるの? イオリちゃん」
私が頭にあの女神様を思い浮かべそう大きな声で言い、レーナさんが首を傾げた次の瞬間、ポンッと言う聞き慣れた音がなり紙がヒラヒラと落ちてきた。え、嘘?
「これ、イオリさんがやったの?」
「いや……女神様に頼んだだけだけど……」
「えっと……」
呆然としてる私とリュートさんを置いてきぼりにして、レーナさんが落ちてきた紙を読み始める。
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そうまで頼られちゃ仕方ないわね☆どうも、私がその娘を女の子にして転生させた転生の女神リィンネートです。文字に起こすと非常に長くなるので、裏面にその娘のクラスの集合写真を貼っておきました。正直面倒なんでそれでどうにかしてください。
この手紙は、読み終わってから30秒後に爆発します。
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「爆発!? ちょっとレーナさん、裏側見せて見せて!」
「う、うん」
ぴょんぴょんとジャンプしてレーナさんを急かし、裏側の写真とやらを見せてもらう。そこには、ちゃんと集合写真が写っていた。ただしそれは、学園祭の時の物で私は女装していた。神様ぇ……
「えっと、これが私でこっちが委員長。で、私はこの女神様のせいでみんなとは違う場所に幼女化されて召喚されて、元の世界に戻れるなんて確証はないからいっそ旅をしようと思ったから勇者に正体がバレたくなくて逃げ出した時にリュートさん達に会いました! はぁ……はぁ……これでいい?」
「えっと、まあ、うん。とりあえず分かったよ」
私が早口でそう言い終わると、リュートさんはとりあえず分かってくれたようだった。
「だけどさ、イオリちゃん……」
「「本当に元男?」」
「本当に元男だよ! ちゃんと元15歳だよ! よく女装させられてたし、そのせいで趣味もそういうのが多いけどね!」
うぅ……その事は若干コンプレックス気味だったんだよぉ……
「え、ちょ、なんでいきなり泣きそうになってるの!?」
「『精神が肉体に引きずられる』ってやつだよバカァ……。その事は、昔からコンプレックスだったんだよぉ……。ひっく、なんで男友達といるだけで彼氏彼女扱いされるんだよ……他の女子の目が痛いんだよぉ……」
な、泣いてなんかないもんね! まだ! これは汗だよ汗!
「髪を切ればよかったんじゃないですか?」
「一回やろうとしたら、周りの人全員から止められたんだよ……」
一回髪の毛を纏めて帽子を被り、男っぽい格好をしたら、死ぬ程似合わなかったのを覚えている。ふぇ……なんか思い出したら涙が……
「ふ、ふえぇぇんレーナしゃぁん」
「よしよし、いい子いい子」
リュートさんには
レーナさんのお母さん力が天元突破してる……安心する……
\(≖‿ゝ○)/
ハッ、私は一体なにを!?