異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜 作:銀鈴
PC持ってないから、中古でいいからPSP版売ってないかなぁ…
あ、次の投稿は多分予告通り24日です
「はぁ……やっと終わった……」
私は、頭の少し上辺りから聞こえたそんな呟きで目が覚めた。それと同時に、抱き抱えられてる感覚もする。さっきの声から考えるに、多分私を抱っこしてるのはリュートさんだろう。バレたら面倒なので目は瞑ったままだ。
(まあ、助けてくれた訳だしこれくらいの役得はあってもいいか。減るもんじゃないし、私もまだ眠いし)
勿論変な場所を触ったりした場合はその限りでは無いけどね。まあ、偶にはこう、抱っこされてるのも安心していいかなぁ〜なんて思ったり。頭に顎を乗せられてるのも不問にしてもいい。
そんな事を思いもう一眠りしようと思った時、リュートさんがスンッと鼻を鳴らした。
「……いい匂いがする」
前言撤回、やっぱりロリコンには抱っこされてちゃダメだ。されるならラファーさんにしよう、そうしよう。
「《バインド・
私は久しぶりに使う拘束系の魔法を発動してから目を開け、固まってるリュートさんの腕の中から脱出する。場所は、予想通りヴィマーナの上だった。杖は……よし、ペンダントに戻って首にかかってる。ランドセルは多分リュートさんの王の財宝の中だろう。
そう当たりをつけて、私を抱っこしていた体勢のまま光輪に拘束され冷や汗をダラダラと流しているリュートさんに、満面に笑みを浮かべながら話しかける。
「リュートさん♪ 先ずは助けてくれてありがとう! だから選ばせてあげるね!」
「あ、う、うん。あ、アレ? どうしてだろう? イオリさんの背後にレーナみたいな般若が見える」
失礼な、私みたいな元男の現幼女があんな怖いスタンドみたいなのを出せる訳が無いじゃないか。そう思いリュートさんをジト目で見ると、ビクッと一際大きく反応しリュートさんの流している冷や汗の量が増えた。
「ま、まあそれはいいか。えっと、僕は何を選べばいいの? イオリさん」
「えーっとね……メテオに当たるか、大鎌で斬られるか、クラネルさんにボコられるか、どれがいい? 30秒以内に答えないと、今私にした事とかある事ない事泣きながら言いふらすから。この街中に」
寝ている女の子の匂いを嗅ぐとかいう事をしたんだから、これくらいの仕打ちは当然だよね。そんな事を思いながら大鎌を取り出し、肩に担いでカウントダウンを始める。
「にじゅーきゅー、にじゅーはちー、にじゅーななー、にじゅーろくー、にじゅーごー、にじゅーよんー、にじゅーさんー、にじゅーにー、にじゅーいちー、にじゅー」
リュートさんが顔を青ざめさせながら必死に頭を回しているように見える。そういえばリュートさんには言ってなかったけど、今回のメテオはどっちかっていうと《KEITO☆TENTUI》な感じだから、舐めてかかると防御も出来ずに潰されるだけだね!
(まあ発動はこのMPじゃ出来ないから、後日になるけども)
「じゅーさんー、じゅーにー、じゅーいちー、じゅー」
「弁明の機会を下さい」
カウントが10を切った時、唐突にリュートさんがそう言った。ちっ、まあいいか。けどね、
「気絶してる私の匂いを嗅いだ理由を、キチンと説明できるなら許してあげるよ! 制限時間は……」
そこまで言ってそう言えばここはどこだろうと思い、ヴィマーナの下を見渡す。えーと、結構離れた草原の上か。多分南の。ヴィマーナがこの速度のまま動くと考えると……5分くらいで街に着くだろうから……
「街に戻るまでだね! あ、速度は落としたら言いふらす」
「あは、あはは……」
シヤルフから少しばかり離れた上空で、私のリュートさんに対する尋問が始まった。
◇
「……という訳で僕はイオリさんの事を何回も助けてるし、これくらいの役得があったっていいと思うんだ。別に減るもんじゃないでしょ!? 元男のよしみで許してくれない!?」
「最後のは除くとして、レーナさんとかミーニャちゃんとかに同じ事言えるの? リュートさん」
「うっ」
アレから3分とちょっと、私はリュートさんを論破し続けてる。いや、ちょっと、うん。流石にあの修羅場で漏らした事を指摘された時は不味かった。けど、これまでのセクハラ(仮)をクラネルさんにバラすって言ったら引き分けになった。
「ふっふっふ……そろそろ時間切れだけど、どの罰を受けるか決め……た?」
フラついた身体を、大鎌を杖代わりにしてどうにか支える。あちゃー、やっぱり体力もMPも回復しきってない状態で無理し過ぎたか。なんだろう、論破するのも疲れてきたし……
「くっ、やっぱ師匠にボコられるのが一番マシか。多分生死の境を彷徨うだけで済むだろうし……」
「リュートさんリュートさん」
俯き物々と喋っているリュートさんに近づき、私は喋りかける。
「な、何? 強制執行?」
「ううん、そうじゃないよ。なんか面倒臭くなったから、ランドセル返してくれて私をお城まで運んでくれるだけでいいや」
「え、本当に? 本当に死にかける事はない? はい、ランドセル」
「本当の本当だよ。だって眠いし面倒だし、運んでもらえればいいよ。ん、ありがとう」
リュートさんが王の財宝から取り出した私のランドセルを《異次元収納》に仕舞い、私はそう言う。よくよく考えると、疲れきってるし早起きしすぎたし眠いんだよ。
「ほら早く。おんぶ」
「え、でもそれって」
「変なことしなければいいから。ほら早く」
「りょ、了解」
それを聞いた私は、重い装備を全て《異次元収納》に放り込みリュートさんの背中に飛び乗る。
「おやしゅみ……」
「えっ、寝るの!?」
「くー……」
「やっぱりいい匂いがするなぁ……」
リュートさんは全く懲りてなかった。
(2人には言っておこ……う)
ギリギリ残ってた私の意識は、リュートさんの大きな背中に揺られているうちに沈んでいった。
久々に真面目に勉強したら、テストが思ったより行けた件
流石にNO勉とじゃ分かりやすさが違うね!