異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜   作:銀鈴

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お、お気に入り登録が1,000件突破は嬉しいのだけど……一体昨日のお気に入り登録ラッシュはなんだったんだろうか…
とりあえず、こんな小説を見てくださりありがとうございます。

調子乗って大会なんて出るんじゃなかった…風邪再発
38度とか…


第16話 りょーよーちゅー その3!

 異次元収納に出しまくった金属を仕舞う作業が一段落したところで、リュートさんに話しかける。

 

「そういえばさ、歴史とは関係なくなるけど昨日リュートさんに聞きたい事があるっていったじゃん?」

「そういえば言ってたね」

「リュートさんって、スキルに《獣化》って持ってるじゃん。それって変身してステータスを上げるスキルってことで良いの?」

 

 大体小説とかに出てくる同じ名前とか似た名前のスキルはそんな効果だった。だからそう当たりをつけてリュートさんに聞いてみる。

 

「そうだね。僕達みたいな方の獣人だと、バイトさんみたいなタイプに変わって、バイトさんみたいなタイプだと、完全に動物っぽくなるね。因みに、僕達みたいなタイプだと一部だけ変身とかも出来るけど、それがどう……まさか」

「いやいや、教えて貰おうとまでは思ってないよ。私は獣人って言ってもエセだし。私の魔眼って、情報の認識・解析がメインみたいだからさ、一回目の前でやってみて欲しかったんだよ」

 

 手を合わせ、お願いしてみる。弱点的なのが無いか探したいし、あわよくば私も出来るようになりたい! 諦めはしないさ。

 

「う〜ん、まあ良いか。全身までやるとすごく疲れるけど」

「そうなんだ」

 

 リュートが、あまり乗り気では無いようだが、やってくれるようだ。魔眼と情報系スキル全開にして、ベンチから立ち上がったリュートさんをまじまじと観察する。

 

「《獣化》」

 

 そう言ったリュートの姿が見る見るうちに変わっていく。瞳孔? が縦方向に割れ、首元からはフサフサした毛が生えてくる。ライオンの獣人らしいからね、リュートさん。そして手足も相応の物に変化していき、一回り大きくなったところで変化は止まった。あ、服。

 

「これで良い?」

「うん! て言うか低くなった声カッコイイね!」

「そ、そうかな?」

「とりあえずそのセリフは死ぬ程似合わない」

 

 リュートが溜息を吐いているが、無視して観察を続ける。

 むむ、むむむ……分かりづらいけど、スキルレベルが上がってたことで、一気に処理できる情報の量が増えている。もう少し、もう少し……

 

 ──スキル 情報処理 のレベルが7になりました──

 

 そのアナウンスが流れた時、靄がかかっていた思考がパッと晴れた。

 

 ──EXスキル 獣化 の解析に成功しました──

 ──EXスキル 獣化 の取得に失敗しました──

 ──銀狼の腕輪 の特殊効果が発動します──

 ──EXスキル 獣化 を最適化しています──

 ──EXスキル 変身 を取得しました──

 ──種族 銀狼族 に変身可能です──

 

「ぷはっ、息止めてた……。リュートさん、ありがとう。もう解いてもいいよ」

 

 そう私が言うと、プシューという音が聞こえそうな感じでリュートさんが萎み、元の姿に戻った。……上半身裸で。無言で取り出した適当な服を渡しておく。

 

「はぁっ……疲れた。そんな顔してるってことは、なんかスキル手に入れられたって事だよね?」

「うん。獣化じゃなかったけど……」

 

 早速私は手に入れたスキルに、魔眼を使う。そして出た結果はこうだ。

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 変身

 自分が望む姿に変身する事が出来るスキル。変身しても性別は変わらないが、一部の変身ではステータスが上昇する。

 変身可能 : 人族・銀狼族【部分獣化・獣化】

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 うん、流石EXスキル。強いね。

 

「変身出来るスキルゲットした。一応獣化も出来るみたい」

「マジで!? 見せて」

「もちろん! 《変身》!」

 

 まずは脚だけ獣化させてみる。靴下は履いてないので何かが破れる事は無い。変身が終わったのを感覚で感じ、見てみると見事にフサフサになっていた。ステータスはAGLが上がっていた。

 

「うおぉ、本当になってる。凄っ……チートめ」

「バビロン持ってるリュートさんが言うかぁぁ!」

 

 今の身体の状態じゃそんなに力は込められないのでポカポカとリュートさんを叩くが、何処となく嬉しそうだったのでやめた。くそぅ……

 

「我々の業界ではご褒美です」

「うん、途中から気づいてた。それにしても、鍛冶が出来ないとやる事無いなぁ……」

「偶にはそういう日も良いんじゃないの?」

「なにかしてないと、なんというかムズムズするんだよ」

 

 そんな事を言いながら、私は今の自分が出来ることを考える。うーん、護符的な物の魔法陣を刻むのはリュートさんが見てるだけになっちゃうし、鍛冶は出来ないし走れもしないし……あ、そうだ。

 

「バターケーキ、だったかな?」

「何か言った? イオリさん」

「いや、ちょっと思い出した事があってね」

 

 小麦粉はこの前買い足したから結構な量あるし、バター的なものもそこそこ残ってたはずだし……よし。

 

「リュートさーん、ちょっとお菓子作るから手伝って欲しいな」

「いきなりなんで? それに僕が手伝っても邪魔なだけなんじゃ……」

「あー、レーナさん喜んでくれると思ったんだけどなー」

「くっ、やるよ」

 

 そんな私の棒読みのセリフに見事にリュートさんが反応した。まあ、私とリュートさんが一緒にできる事なんてこれくらいしか無いからね。

 そういえばあの名前が長かった小説、読み終わる前にこっちの世界に来ちゃったんだよなぁ……こっちの世界は楽しいけど、やっぱり帰りたい、かなぁ……

 

「暗い話は無し無し。さて、やろっか!」

「もう僕は、キッチンを出したのには驚かないよ」

 


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