異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜   作:銀鈴

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うーん、やっぱり本編の方にステータス表記を入れるとなんかなぁ…


第3話 ドラゴン(ティラノ)ステーキ

 その日の夜

 

「今日はこの前戦った、オリハルコンティラノを食べようと思いまーす!」

「「おぉー」」

 

 いつの間にやらこのPTの料理担当になってる私が宣言すると、拍手が起こる。ノリがいいね。

 

「でも、何でいきなり言い出したの?」

「昼間強くするって言った手前、何もしないのは癪でね。ドラゴンステーキって、なんか強くなりそうじゃん?」

「そんなゲームじゃないんだから……」

「それは食べてみてからのお楽しみだよ……」

 

 そう言って私はティラノを取り出した。

 鱗に皮などの素材に使えそうな部分を取り除き、目の前に現れたのはきめ細やかな霜降りが点在した見事な赤身だった。

 鉱石ばっかり食べてたのに意味がわからないがこれは……

 

「たしかに……」

「な、なんか凄そう……」

(とりあえず焼きますか)

 

 そんな感想を聞きながら、ある程度の大きさに肉を切り分け、鉄板で焼いていく。結構高かった上にそんなに量もないけれど、胡椒も惜しみなく使う。

 勿論包丁は私が作ったやつで、斬れ味抜群だ。

 

「美味しそう……」

 

 鉄板の上でジューッと音を鳴らす肉を見て、レーナがそう呟いた。

 持っている素材でどうにかやりくりして、あんまり同じ料理にならないように色々と頑張っているせいでかなり疲れてきている私にも、この単純な料理はヤバかった。ステーキなんてファミレスでしか食べた事はなかったけれど、なんだろう、一目でレベルが違うことがわかった。

 そして焼き終わり、各自の座る場所の前に置かれた肉は、程よく焼き目が付いておりとても美味しそうな匂いを放っており、トッピングには、野菜各種や薬味……あとは今日の魔眼(調理済み)を自分のだけには置いてある。溜め込んでいる食料を大放出だ。

 

「「「いただきます」」」

 

 それだけを言うと、三人は一気にそれを口に運んだ。

 一噛みすれば、旨味というかなんというか、肉のすべてが凝縮されたような味が口の中全体に広がり、それは私達の喉を通り抜ける。その時私、の頭の中に音が響く。

 

 ──スキル 予見・超隠蔽 のレベルが最大になりました──

 ──スキル 衝撃耐性 が 物理耐性 に成長しました──

 ──条件を満たしました。スキル 超解析・超隠蔽・鷹の眼・未来予測 を統合し、EXスキル 情報の魔眼 へ進化させます──

 ………………

 

 などの情報が一気に頭の中に流れ、頭をブン殴られたような衝撃が走る。く、自分のにだけあの焼けた魔眼を添えたのがいけなかったのか!? 

 

「あばばばばばば……」

 

 料理を作った人としてこれはまずいと思い二人を見ると、こちらが驚く反応をしていた。

 リュートは何が明鏡止水なスーパーモードな感じになっており、本命のレーナさんは黒い揺らめくオーラのような物が噴き出していた。

 

(光と闇が合わさると、最強に見え……る)

 

 私はその言葉を心の中で呟くと同時に、ぱったりと気を失った。

 

 ◇

 

「ん……んぅ?」

 

 目を開けて周囲を確認する。リュートさん、レーナさんは机に突っ伏して寝息を立てていた。とりあえず、無事なようだ。

 

「なんか……ヤバイ量のメッセージが来てたような……」

 

 そう言って何気なくステータスを見て、私は自分の眼を疑った。

 ______________________________________________

 

 イオリ・キリノ

 種族 人族(偽・銀狼族)

 性別 幼女

 年齢 7

 職業 ヘーパイストス・ドヴェルグ(空き1)

 LV 56

 HP 768/782 +600

 MP 1702/1702 +600

 

 STR 525

 DEF 485

 AGL 432

 DEX 5750

 MIND 487

 INT 1088

 LUK 55

 

《武技》アルジェントスラッシュ

 

《スキル》

 職業

 ヘーパイストス LV 74 ドヴェルグ LV 59 (空き1)

 

 EX

 家事万能 無詠唱

 情報の魔眼【超解析・超隠蔽・未来予測・視界倍率変更・千里眼】

 

 通常

 異次元収納 LV 8 別腹LV 6 並列思考 LV 3

 情報処理 LV 3 思考加速 LV 3 HP自動回復 LV 1

 MP自動回復 LV 1

 

 戦鎚術 LV 14 二刀流 LV 12 大鎌術 LV 19

 気配操作 LV 2 身体能力強化•改 LV 19 暗殺術 LV 9

 

 痛覚大耐性 LV 4 物理耐性 LV 1 状態異常耐性 LV 4魔法耐性 LV 5 精神攻撃耐性 LV 3

 

 爆炎魔法 LV 14 鉱石魔法 LV 15 旋風魔法 LV 13

 聖光魔法 LV 11 迅雷魔法 LV 1

 生活魔法 LV ──

 

《称号》

 NEW!! 

 魔眼の行使者・オッドアイ

 _____________________________________________

 

「うっそ、食べ物一つでここまで強くなるって……トリコじゃあるまいし……」

 

 もしかしたら、グルメ細胞とかあったりして。

 なんてことを呟きながら片付けというか後始末をしていると、リュートが起き上がってきた。

 

「頭がガンガンする……」

「大丈夫? リュートさん」

「うん、一応……って、え?」

 

 リュートさんが私の顔を見てとても驚いたような顔をする。そしてなんのことか分からず首を傾げる私の左眼を指差す。

 

「その、イオリさん。左眼がなんか真っ赤に染まってるけど、何があったの?」

「なんかいろんなスキルが混ざって魔眼になっちゃいました! テヘッ☆多分リュートさんも色々変わってると思うよ?」

 

 それっぽく、ウインク+横ピースをしながら言ってみる。

 オッドアイって書いてあったから色が変わってるのは知ってたけど、真っ赤ねぇ……。銀髪、ロリ、紅蒼オッドアイ、鍛冶師(自分で言ってて違う気がする)、巨大武器……ドンドンキャラとしての属性が増えてきてる気がする。

 

「え? 本当だ。ステータスも上がってる、流石ドラゴンステーキと言うべきか……それともどこのトリコだよ! と言うべきか……あと、横ピース似合わないよ」

「うぐっ……まあ、私としてはレーナさんにも効果があったみたいだからいいんだけど」

 

 なんか色々スキルが統合されていたみたいで心配だったが、今までと殆ど使い勝手は変わらないみたいだ。いつもの解析と隠蔽に、顕微鏡と望遠鏡が加わった感じ? みたい。未来予測はわからない。

 

「まあ、イオリさんの目的? は達成できてよかっただろうけど……」

 

 私は気絶しているレーナさんを抱っこして、移動し始める。幼女が、幼女と少女の中間くらいの女の子をお姫様抱っこ……非常にシュールな光景だ。

 

「まあ、とりあえず今日はお開きって事でいいかな? イオリさん」

「レーナさんがこうなっちゃった以上、そうするしかないでしょ」

 

 またこんな機会があればいいなぁ、と思いながら今日は終わっていった。


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