異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜   作:銀鈴

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初投稿の小説となります。
色々と拙い部分も多いと思いますが
よろしくお願いします。
気楽に読んでくれるとありがたいです。
それではどうぞ!


第1章 異世界転移?いいえ、転生です
第1話 転生したら幼女になってたんだが


 異世界転移という物を知っているだろうか? 

 それは、ネット小説ではありふれたタイトル。異世界からの勇者召喚のような物や神様の不注意が原因の物などを始めに、似たような物は探せば探すだけ無数にある。

 帰り道、家の中、事故にあった後。様々な場面で現れるそれは、世の年頃の男子なら一度は憧れる物だ。

 

 何故いきなりこんな話をしてるのかって? 今まさに、目の前で読んだことのあるようなことが起きているからだ。

 目の前には光り輝く魔法陣、慌てる教師にクラスメイト達。そんな状況に追いつけず、口を開けたまま固まってしまっていた僕は、目の前で炸裂する光に飲まれた。

 

 目を開けると、そこには大草原が広がっていた。

 

「あれ?」

 

 ふと疑問に思った。異世界召喚なら、それ相応の場所に呼ばれるはず。

 とりあえず起きて現状を確認しようと起き上がった。どの方向にも、近くに池のようなものはあるものの、建造物らしき物は……あ、なんか城壁みたいなのがあった。しかしそれだけだ。

 

「……なにここ?」

 

 そう呟いたところで、ふとおかしい事に気がついた。声が高い……というか俗に言うアニメ声になってる。しかもロリい。

 よく見れば自分の服装や体もおかしい。着ている服は自分の通っていた高校の物だが女物で(スカートから判断)、目線は低いし (体感だと120cmくらいかな?) 殆ど無いに等しいが、男なら持ってないはずの膨らみが……

 

「ってはい!?」

 

 一応胸がある!? 僕が少しでも男らしくなろうと筋トレを続けていたのに、筋肉がまな板に!? 慌てて自分の胸以外の体を触りまくる。男らしいがっしりした腕が柔らかくなっている! 足もほっそりとして真っ白くなっている……僕の日焼けしまくり(大嘘)の男らしい足が……すね毛は元々なかったけど。というか全体的にプニプニした感じになってる!! そして髪は腰まであり、サラサラした銀髪。

 

 うん、完璧に女になってしまっている。しかも幼女。

 男らしくなろう! そう決意して色々としていたのに何故か女になっている自分の体にテンションが下がっていると、足元に手紙が落ちてることに気づく。なになに? 

 

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 どうも〜、あなたの女神だよ☆ いや〜……なんかあまりにも顔が可愛かったから、勇者召喚だったんだけど、女の子に転生させちゃいました☆ ごめんね♪ 

 それとクラスのみんなとは違う場所に転移させたから頑張れ! 

 その分チートで強化しといてあげたから、どうにか頑張ってね☆

 

 PS:通行証と武器はアイテムボックスの中にあるし、ステータスは《ステータスオープン》って言えば開けるからね♪ ☆

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 気がつけば、僕は手紙をビリビリに破り捨てていた。フーッフーッ落ち着こう、そう、まずは水でも飲んで落ち着こう。そう思い、僕は池らしきものに向かって歩き出した。

 

 

 僕の名前は白沢蒼矢。高校1年生の15歳だ。いまさら自己紹介してもやや遅い気がするがしておこう。 僕は生まれつき顔が女らしかった。そのせいで男子にはからかわれ続け、時にはイジメられ、女子に「かわいい」なんて言われてしまうような男だ。

 中学生の頃からは、ゲームをやり始めてのめり込んだ事で男友達も増えたが、相変わらず女子から話しかけられる事の方が多く、高校に入ってもそれは変わらなかった。

 こんな嫌な記憶をなんで僕は説明してるんだろう? テンションが落ちてるせいで何かとナーバスになっているのかもしれない……

 そんな事を考えているうちに池に着いたようだ。

 

「なにこの女の子……」

 

 水面に映っていたのは、非常に可愛らしい女の子だった。綺麗な蒼色の眼に、小さい子特有のプニプニしてそうなほっぺ、銀色の髪なんてファンタジーがとても似合っている。そんな女の子が、小さな口を開けてポカーンとしている。

 

「これが……僕?」

 

 若干面影は残ってるけど本人にしか分からないレベルだろう。いや、姉ちゃんとかパ……お父さんとかお母さんなら分かるか。

 

「ハッ! 水飲めるよね?」

 

 確認できないまま飲んで、腹でも壊したら一大事だ(現実逃避)なんとか確認する方法が無いかと考えていると、先ほどの手紙に書いてあったことを思い出した。異世界転移ならあの有名なスキルがあっても不思議では無い筈! 

 

「《ステータスオープン》」

 

 そう言うと、目の前に半透明の青の画面が現れた。

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 イオリ・キリノ

 種族 人族

 性別 女

 年齢 7

 職業 ヘーパイストス

 Lv1

 HP 31/31

 MP 100/100

 

 STR 25

 DEF 20

 AGL 15

 DEX 200

 MIND 10

 INT 20

 LUK 12

 

《スキル》

 職業

 ヘーパイストス LV1

 

 EX

 家事万能 無詠唱

 

 通常

 アイテムボックス LV5 隠蔽 LV5 鑑定 LV5

 

 槌術 LV1 身体能力強化 LV1

 

 火魔法 LV1 土魔法 LV1 生活魔法 LV ──

 

《称号》

 転生者・神の気紛れ・幼女

 

《加護》

 世界神の加護++ (スキル成長補正)

 鍛治神の加護++ (DEX+150 +成長補正50)

 

《装備》

 武器・初心者の槌

 

 防具・制服 上下 靴下 白 運動靴

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 予想通り鑑定もある。どうやらチートで強化しといてあげたからというのは本当のようだ。けれど、名前も変わってるし年齢が下がってるとは……はぁ……

 それに、この世界の人の平均的ステータスくらい教えてくれてもいいじゃないか、女神様って言うならさぁ……

 

「あ、そうだ。水! 《鑑定》!」

 

 独り言は止めだ止め。いらない事を考えてしまいそうだ。

 

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 池の水

 

(状態・普通)

 ポーションなどの素材に使える。

 飲料用

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 どうやら飲めるようだ、とりあえず《鑑定》のスキルを信用して飲む事にする。

 ごくっごくっ

 水を飲んで落ち着くと、一つの疑問が頭に浮かんできた。あれ? この世界がファンタジーなら魔物もいるんじゃないの? と。

 

 こういう時の僕の予感はいやに当たるので、気になり耳を澄ますと、ガルルルッという音が聞こえた。やっぱりと思いそちらを見ると、オオカミがこちらを睨みつけていた。


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