異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜   作:銀鈴

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それではどうぞ!


第19話 作戦会議です!

「イオリちゃんって本当に軽いわね〜、ちゃんと食べてる?」

「食べてますよ、自分で作ったり買い食いだったりはしますけど」

 

 討伐に出発する

 ↓

 周りが歩いているのに対して、僕は小走り。

 要するに、僕歩くのが遅い。

 ↓

 すぐに息切れ

 ↓

 見かねたシンディさんが背負ってくれた(いまここ)

 

 はい。という訳で今、僕はシンディさんに背負われながら話をしています。まあそうは言っても、最近は塩を振った串焼きと薬草のサラダくらいしか作ってないんだけどね。あ、炭水化物はパンを買い溜めして食べてました。お米が食べたいです。

 

「それに、アイテムボックスの中は時間が止まってますからね、今も実はかなり入ってますし。具体的には2週間は生きていける量がですね」

「なんでそんなに入れてるんだよ……」

 

 話を聞いていたロイドが、呆れたように言う。むう……そんな事言われてもさ……

 

「いざっていう時の為だよロイドくん。私、身寄りが無いからね……」

 

 若干目を伏せながら僕は言う。身寄りがないから養って貰えるわけじゃないし、何も準備がないままお金が尽きたりしたら生きていけないからね。作った武器を売れって? 僕の見た目を考えてみてよ、絶対買い叩かれるだろうね。

 

「そうか……ごめん」

「大丈夫、私は気にしてないよ」

 

 こういう時は……笑えば、いいと思うよ……ハッ、なんかの電波が……ええと、ひぐらしの人っぽく……

 

「にぱー☆」

 

 ……Oh、ロイドくんが顔を真っ赤にして顔を背けてしまった。何これ威力高ぇ。そんなになるようなものなのかな? 

 なんて事を考えて首を傾げていると、森の近くに着きヒッグスさんが声を上げる。

 

「ここで一旦休憩とする! パーティーリーダー、及びソロで参加する者は集まってくれ! 作戦の詳しい内容を説明する!」

 

 僕はシンディさんの背中から降りて話しかける。

 

「そういえば《ストームブリンガー》のリーダーってメイさんなんですか? それともシンディさん?」

「私達のリーダーはメイの方だよ。だからほら、行ってきなイオリちゃん」

「はい!」

 

 背中を押され、僕は人が集まっている中へと向かっていった。

 

 ◇

 

「先程も言ったように、詳しい作戦を説明する」

 

 ヒッグスさんがそう言っている中、周りを見渡すがパーティーを組んでいた人達の顔しか無かった。勇者からは天上院だけが出てきているが……僕ボッチかよ……あ、やば、涙腺が。

 

「まずは《ストームブリンガー》の方々の代名詞、暴風魔法《ツイスター》で一当して数を減らし、そこから湧き出てくるであろうオークを冒険者、勇者共に分散して各個撃破だ。ただし、オークキングなどと遭遇した場合、可能ならば逃げて応援を呼べ」

 

 最後のは、視線が僕に向いていた。まあ、流石にAランクとまともにぶつかって勝てるとまでは思いあがってはいませんよ。

 

「最初に大規模な攻撃をした《ストームブリンガー》の方々には、敵が集中するだろうが存分に頼らせてもらうぞ」

「ああ、問題ない」

 

 そう胸を張って答えるメイさんをカッコイイと思う反面、僕は何かが違うような、とても嫌な予感がしていた。

 

(作戦自体は問題ないし、勇者っていう戦力にSランクパーティーも居る……だけど、なんだろうこの気持ち悪い感覚は。そう、何か……何かが違うような……)

 

 ──スキル 予見 を入手しました──

 

 そう頭にメッセージが流れる。そんなスキルが手に入ったってことは、絶対に何かがあるんだよなぁ……

 そんな事を思っている間にも、会議は進んでいたようでヒッグスさんが締めに入る。

 

「よし、これで作戦は全てだ。何か意見がある者はいるか?」

 

 そう言われるが、誰も質問は無いらしく声を出さない。僕のこの不安感を言いだそうか迷っていると、ヒッグスさんが質問を閉め切ってしまった。

 

「作戦開始は完全に夜になってからだ。今夜は三日月なので、襲撃には丁度いい。全員、生きて帰るぞ!」

 

 そう言って会議は終了となった。集まっていた人達がバラバラになり、各自で話し合い始める中、僕はこの不安感をせめて伝えておこうと思いシンディさん達に近づいていく。

 

「あらイオリちゃん、どうかしたの?」

「シンディさん。いきなりなんですが……なんだかこの作戦、凄く嫌な予感がするんです。私なんかが言う事じゃないかも何ですけど、本当に気をつけてください」

 

 僕は頭を下げてお願いする。一番の激戦区になるであろう、シンディさん達には言っておきたかったのだ。杞憂に済むならそれに越したことは無いけれど……

 

「忠告、ありがたく受け取っておくわ。イオリちゃんも気をつけてね」

「はい!」

 

 僕はそう返事をし、無理やり笑顔を作りその場を離れていった。

 

「さて、私も装備しないとな……」

 

 そう言って僕は、装備一式を装備していく。武器や防具は、ちゃんと装備しないと効果がありませんよっと。

 そう思いながら装備を付け終わった僕の姿は、魔女のような帽子に四つの肩当て。大鎌を持ち、色は黒とミスリルの緑で、この姿はまさに……

 

「デスデスデース!」

 

 なんて事を小声で言いながら大鎌を構えてみる。下がワンピースとは言え、かなりの恥ずかしさが押し寄せ顔が赤くなる。

 が、まとわりついた不安感は晴れず、モヤモヤした気持ちのまま僕は作戦の決行を迎えた。

 

 わ、私は常識人デース! 

 




シンフォギアの好きなキャラ、奏者の中ではきりしらデス。

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