異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜 作:銀鈴
ブックマークじゃないことに今更気づく筆者。
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それではどうぞ!
勇者召喚から一カ月、戦闘系の職業を持っていたメンバーでパーティーを組み、僕達は所謂ダンジョンに潜っていた。生産系の職業を持っていた人は付いてきてる人もいない人もいる。
僕はというと、王国の聖剣とやらを授かりすっかり勇者風の装備でリーダー的立場に立っている。
「皆、下がって!」
『『了解!』』
後方から響いてきた声に、攻撃をしていた俺がいる隊が下がる。そして、入れ違うように飛んできた様々な攻撃魔法が直撃し、ダンジョンのボスであった魔物は絶命した。
「お、レベル上がった」などの声が後ろから響いてくる。ザッと見渡してみるが、誰一人欠けていないようだ。
その戦闘に貢献すれば、それに応じて経験値が入手できる。そのシステムのお陰で、俺たちは楽にレベルアップすることができている。
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タクミ・テンジョウイン
種族 人族
性別 男
年齢 16
職業 勇者・聖騎士・(空き1)
Lv 50
HP 701/701
MP 799/799 +1000
STR 520
DEF 535
AGL 460
DEX 510
MIND 540
INT 810
LUK 53 +100
《スキル》
NEW!!
勇者 LV55 聖騎士 LV41
異次元収納 LV2 解析 LV6 暗視 LV9
超隠蔽 LV8
聖剣術 LV15 魔法剣 LV18 身体能力強化•改 LV3
気配感知 LV 7
打撃耐性 LV4 斬撃耐性 LV4 刺突耐性 LV4
聖光魔法 LV15 生活魔法 LV──
《称号》
覚醒者・ダンジョン踏破者・魔物殺し
聖騎士・ガラティーンの勇者・探索者
《装備》
武器・聖剣 ガラティーン
防具・ミスリルの軽鎧 +10・ミスリルの小手 +10
ミスリルの腰当て +10・学制服・旅人のブーツ +3
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聖剣のお陰で、MPに+1000、LUKに+100の補正が入り、かなり強くなっている。そしてこれなら……
「これでレベル50か……捜索範囲がまた広げられるな……」
「まだ白沢くんのこと探しているの?」
そう柊さんが話かけてくる。確かに俺は、この世界に来てから随分と蒼矢のことを探しているが、見つかる気配は一向にない。普通なら諦めるのだろうが……俺には諦めるという考えはなかった。
「そりゃあね、あの状況で一人だけこっちに来てないっていうのはおかしな話だし」
「随分信頼してるのね。っていうか、それよりももっと……もしかして、白沢くんの事が好きだったり?」
「…………………………チガウヨ」
「その間は何!? しかも片言だし!」
「なんでも無いから行った行った!」
そう言って俺は柊さんを押しのける。違う、俺はホモじゃないはずだ……
頭に満面の笑みを浮かべた、文化祭の仮装で女子の制服を着ていた蒼矢の顔が浮かぶ。……………………………………違う……はずだ。
「蒼矢、本当にどこに行ったんだよ……」
そんな感情を無理やり押しのけてでたその呟きは、勝利に沸くクラスメイトたちの声に紛れて消えていった。
王城に帰還すると、王様が俺たちを呼び出した。
「勇者達よ、お主らに対して救援の文が届いた」
「はっ。それで、私達は何をすればいいのでしょう?」
一応代表ということになっているので、俺が代表として王様の言葉に答える。
隙を見て解析した王のレベルは76、王女ですら62という高レベルだった。騎士団長は84だったし、まだ逆らってもメリットも勝てる見込みも一切無い。強くならないと……
「うむ、今回の依頼は辺境での魔物の大量発生ということでな、戦ってもらうことになる。行ってくれるか?」
後ろをチラリと見るが、誰も嫌な顔はしていない。これなら大丈夫だろう。
「勿論です、王様」
こうして俺たちは、救援要請のきた街へと向かうことになった。
◇
街に着いて俺はその光景に目を見開いた。救援要請では、今にも攻めてきそうだという話なのに、まさかお祭りをやっているとは……
(一応リーダーだししっかりやっておくか……。確か攻勢に出るのは明日って話だったし……)
「全員今日は自由行動でいいよ! ただしハメは外しすぎないようにね!」
そんな事を考えていると、先生がそんな事を言い俺にウインクをして来た。いつも頑張ってるお礼という事でいいのだろうか?
とりあえずその厚意に甘える事にして、僕も街に繰り出していった。
そこで開催されていたお祭りは、日本の物にとてもよく似ていた。カキ氷やたこ焼きの屋台に、パチンコでの射的……そんな物を見たりしながら歩いていると、広場に人だかりができていた。
「これは、何があったんですか?」
「これか? 見てみろよ、ほら」
そう言ってその人が指さした先には1人の女の子がいた。その子の近くには、あり得ないほどのたこ焼きのパックなどが置かれており、その口はリスのようになっていた。
ただそれだけの筈なのに、僕はなぜかその子のから目を離す事ができなかった。暫く見ていると、その子は周りの光景に気づいたのか、そそくさとどこかへ行ってしまった。
(今の子、どことなく蒼矢に似てたような気が……うん、気のせい気のせい。でも、あんな楽しそうにこの街で暮らしてるんだもんな……守らないと)
その子が去った後そんな事を思い出し、多少嫌気が差していたこの街の防衛にやる気が出てきた天上院であった。それが本人であった事など知る由も無い。