異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜   作:銀鈴

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元々ズブの素人が趣味で書いてる小説なんだよなぁ…
ところで、番外編って纏めるとしたら1番上と下どっちがいいですかね?


第20話 ちょっと訳わかんないです

「そういえば、確かに殺されてた筈なのにティアさんはどうやって復活したんですか?やっぱり神様だからとか?」

 

 王城へ向かって…正確にはアルさんが戦っていた場所に走る中、俺は無表情で飛行しているティアさんに聞いてみる。俺が覚えてない間に何かあったのかもしれないが、ちゃんと聞いておきたかったのだ。

 

「まだ遠いし別に構わない。けど、無駄に長くなる」

「あ、はい」

 

 移動速度が少しだけ落ち、ティアさんが説明を始める。

 

「まず、この私っていうのは、本体の私の極一部、言わば触覚という事を理解できなきゃ、話が進まない」

「えっとそれは…神座万象シリーズ的な?」

「そう。知っての通り私の本体はヨグ=ソトース、本来世界には入れない存在。理由は分からないけど、私はこの世界で活動する為に生み出された分身」

 

 冗談のつもりで言ったことが認められ、サラッととんでも無い事を無表情で口にされた。やっぱり様とか呼ぶときにつけた方がいいのかな。

 

「さんで構わない。それより、理解はできた?」

「はい、一応は」

「ならいい。ここからは復活出来た理由の説明に入る」

 

 そう言って、ティアさんはあの長杖を取り出して構えた。アレを見るだけで、ナニカを思い出しそうになって頭痛がするけどまあ今はいい。

 

「そして、この身体は色々な部分に分けられるけど、今回重要なのは、私を私たらしめている意識と記憶」

「その他の部分はいいんですか?」

「どうでもいい…らしい。そこで登場するのがこの杖」

 

 眉を顰めながら、ティアさんが杖を睨み付ける。俺としては、確実に蒼矢の影響でカドケウスにしか見えない杖だ。

 

「なんでも、その私たらしめる部分を情報としてコピーして、この杖とそれを起点に、私本体に接続、肉体を召喚させる…らしい」

「はい?」

「しかもそのままじゃ、死の記憶を持ってるから云々らしくて、この羽のパーツがまたおかしな働きをする」

 

 そういって、大きく広げられた羽状のパーツを指差す。もう正直何を言ってるのかよく分からないけど分かった!(錯乱)

 

「ここに使われてる金属は元々、マスターが自らの命を燃やして焼き入れした槍。それを鋳つぶして作られている」

「は、はあ」

「マスターは転生させられて、1度体を根本から作り変えられている。下手人は女神。そのせいで若干の神気が全身に浸透している」

 

 ちょっと待って。蒼矢に嫌われてるとはいえ、その女神は1発殴らないと気が済まない。

 

「それは後で私達がやる。そんな身体で、命とも言える髪を焚べ鍛えられ血で焼き入れされた槍。やっぱり頭のオカシイ効果を持ってた」

「えっと、その効果っていうのは?」

「刺したモノの強制的な変質。相応の魔力は消費するけどね」

「それって、際限は」

「確かめる前に鋳つぶされてたから不明。けど、おそらく際限はない」

 

 何そのチート武器。本当に色々とシャレにならない性能じゃん。一撃必殺な上にほぼ何でも書き換え可能って…

 

「だから『あれ?これ抑止力とかに殺されない?』って思って鋳つぶしたらしい。性質は鋳つぶした時に消えたらしいけど、神様を脅して復活させたらしい」

「何やってんだよ蒼矢…」

「長くなったけど、私本体からの極大の魔力供給によって、私自身を死の寸前まで書き換えて、死んだという結果を無かった事にしているらしい」

 

 そんな事を考えつく蒼矢の頭がおかしいのか、作る蒼矢の腕がおかしいのか…いや、それじゃどっちにしろ蒼矢がおかしい。

 

「因みにデメリットってあるんですか…?」

「その認識で間違ってないし、デメリットは勿論ある。性質上、安全に使用するなら、一月は間隔を空けないといけない。失敗したら私は消えていなくなるし、無理に使い続けても変質は避けられない。最悪本体が召喚されて滅亡」

「」

「白目、剥くな」

 

 もう考えるのがバカらしくなった頃、今まで続いていた道が…というか街が急に無くなった。これは、一体?

 

「ふむ、やっぱりあの人の戦闘は規格外」

「あの人って事は、アルディートさん?」

「当たり前。それに、そっちにも探せば見える筈」

 

 そう言われて慌てて辺りを見渡す。すると、結構離れた場所に大の字で転がっている大柄な男の人と、そこから更に離れた場所で倒れている女の人を発見した。

 

「両方とも消耗が酷い。パスの繋がりから見て女の人が不死鳥の(あるじ)

「こらからどうするんです?」

「マスターが来るまで待機。私は誰かを癒すと言うのは苦手だから、回復はそっちに任せる」

 

 そう言うと、例の長杖をむき出しの地面に突き刺し、ティアさんはそれによりかかり何処からか取り出した本を読み始めてしまった。深い緑色の表紙に見慣れない文字が刻まれたその本からは、ラノベ程度の大きさなのに名状し難い気配が漏れ出ている。

  ああうん、クトゥルフだもんね。

 

「とりあえず合流までは待機するしかないか…《ヒーリングサークル》」

 

 俺自身の回復魔法も大した物ではないけど、とりあえず魔法を発動させる。蒼矢ならもっと上手くやれるんだろうけど…あれ?なんで俺はこんな事知ってるんだ?蒼矢が回復魔法を使ってるのなんて今まで見たことないのに。

 

「まあ、そんなに気にする事じゃないか」

 

 もしかしたら勘違いかもしれないし、もし本当でも不都合はない。合流が何時になるかは分からないけど、警戒しながら待つ事にしよう。

 




今回の話の簡単まとめ
どうして復活できたの?→小難しい理論
→ソウナノカー(棒)→とりあえず合流まで待機しよ

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