異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜 作:銀鈴
…決してクトゥルフTRPG見てたりアニメデモンベインが楽しくて執筆してないとかじゃない。ないったらない。どっちかといえば夏休み明けの開幕テスト2連ちゃん(予定)のせい。
召喚されたタナトスみたいなポーズでゆっくりと地面に降りていく中、ガチャガチャと音を鳴らしながら道の向こうからタクがこちらに向かってくる。
「あ、やっほータク元気ー?」
「さっき振り」
「いや、元気ではないけど…さっきの魔法は蒼矢が?」
手を振ってみたら、思ったより早く近づいてきたタクがそんな事を聞いてくる。流石に目立ったかな…アレ。
「そうだよ?あ、第二陣の敵は殲滅しておいたから」
「あ、うんそれはありがとう。でもあんな大魔法……蒼矢って本当に鍛冶師なの?」
「マスターは、キチガイ鍛冶師だから気にしても無駄」
キチガイだなんて酷いとティアに目線で訴えてみるけど、そもそもこっちを見てくれないから意味がなかった。そもそも、MPとDEXとINTを除けば平均より私って弱いらしいし。
だから、モーブみたいなのが二度と出ないように牽制するみたいな意味もあったけど。
「まあ私の魔法の話なんて置いておいて、街の中の敵は今どうなってるの?」
「一応俺とロイド君を筆頭に、かなりの冒険者の人達が出てるけどまだ全滅させるには遠いかな」
「やはり、マスター達が取りこぼしたやつだから?」
確かに戦ってた感じからすると、Aランクは少ししかいない代わりにあの蜘蛛みたいな大量のSランクモンスターと、リーダー的なSSランクの魔物がいた。SSSも数体いたけど、それは全部責任持ってコロコロしたから落ちては無いはず。
「因みに、出てる冒険者の人達ってランクは?」
「CからAが殆どで、Sランクが蒼矢達を含めて6人」
「どうりで、終わらない訳」
「取りこぼしの大半がSランクだからね…」
あはは…と私は苦笑いを浮かべる。私のところで30は取りこぼしてるから、ロイドとフローの担当も含めたら100は少なくとも街に潜んでることになる。
「正直休みたかったけど、こりゃ休んでる暇無いね…」
「私とマスターも、街中の敵の殲滅に移る」
私は大鎌を握り直し、ティアは杖をしまって大鋏を取り出す。あ、ちゃんと鋏状態で使ってるくれるんだ。嬉しいからあとで釘バットとマラカスもあげよ。
「一応言っておくけど、さっきみたいな魔法は街中じゃ使わないでね?」
「当たり前」
「使わないって決めてるから、魔物が降ってきた時にあんな程度の魔法しか使えなかったんだよぅ」
頬を膨らませて半眼でタクを睨む。流石に私だってそこまで馬鹿じゃあーりーまーせーんー。フローは今回は出したら一緒に攻撃されそうだから出せないって事だってちゃんと分かってますー。
「あとタク。あの私に突っかかってきた忍者っているじゃん?」
「うん、今は確か地下の営倉にいるね」
「手は足りてるから、早く何とかしてこないとダメな気がする。私に突っかかってきた時点で色々壊れて…じゃないか、不安定になってる部分があったから自分の好きな人にまで敵対されたら多分狂っちゃうよ?」
思い出すだけでムカつくけど、アレでも一応元クラスメイト。私だってれでぃなんだから、あれ位は大目に見ないとね!多分おかしくなっちゃったのは、こんな状況にいつまでもいたせいでしょ!
「それに、あなたはどちらかと言えば何かを守る方が良さそう。攻撃はアタッカーに任せる」
「2人がそう言うなら行くけど…なんでそんな事予想できるの?」
「誰も味方がいない1人の状況になった事があるし、暗い牢屋に入れられた経験もあるもん。それに……私も好きな人いるし」
空いてる左手で、奇跡的に無事だった四葉のクローバーの髪留めを撫でる。流石幸運の魔導具だね。正直頑張ればロイドの現在地も分かったりするけど、べ、別に私ヤンデレじゃないし。私と深く関わってる以上、どんな危険に巻き込まれるか分からないから心配なだけだし!
「お、おう。とりあえず、助言通り少し話に行ってみるよ。けど、俺の事を好きとか信じられ無いんだけど…」
「タク、昔からおもってたけどさ…いい加減自分が『え、なんだって?』が常用できるレベルの鈍感だって気づきなよ」
「はよ行け」
私のため息と一緒に、ティアの回し蹴りがタクにヒットする。ズドムって音をたてて吹き飛んで行ったけど大丈夫かな…
「よしっ、それじゃあ楽しい楽しい素材狩りの時間と行きますか!」
「マスター、そう言えば私も結構素材あるから、あとであげる」
「ヤッター!ありがとティアー!!」
後に、髪留めを触ってた時のマスターまじ乙女とティアは語ってくれた。映像と音声付きで。恥ずかし過ぎるからやめて、ほんとやめて。
◇
ガチャリと入り口の鍵を開け、水の滴る音のみが響く薄暗い地下に俺は踏み込んでいく。物理的に尻を叩かれたから一応来てみたけど、正直今もまだ信じられない。
「というか、ここって営倉って言うより普通の牢屋だよね…」
それに確か、暗いところに閉じ込めて水の音だけ聞かせる拷問があるってどこかで聞いたような聞いてなかったような…
「っと、確かここだっけ」
牢に架かっていた錠に魔力を流して開け、まだ暗闇に目が慣れてない俺にはほぼ真っ暗に見える牢に入る。実際何も見えないけど…間違ってないよね?場所。
「鈴華さん、いる?」
「天上院…くん?」
とりあえず呼びかけてみると、奥の方から半分くらい目からハイライトが消えてる鈴華さんがフラフラとしながら現れた。だけど、なんだろう、何か…物凄い違和感を感じる。
「鈴華さん、何かあったの?」
「ええ、少しね。でも天上院くんの事を思っていたら特に苦じゃなかったわ」
「ふぁっ!?」
何かがおかしいと思って解析を使うけど、ステータス上は何も変な部分は無い。いや、本当にこれどうなってるの?
「それで、何か地上で起きてるみたいだけど私は何をすればいい?私、天上院くんに頼まれたならなんでもできる気がするわ」
え、ちょ、ほんとどうなってるのこれ(2回目)ちょっと凄く…怖いです。コッソリ太腿を抓ってみるけど普通に痛い、夢じゃ無い、生きてる証拠だよ!(混乱)
「と、とりあえず今はまだここにいてくれるかな?俺の独断じゃ鈴華さんを出してあげる事はできないし…」
「分かったわ。天上院くんがそう言うならしばらくここで待ってる事にするわ。他の奴らなんて、全て滅べばいいのに」
「そ、それじゃあまたね」
最後のボソッと呟かれた言葉を聞かなかった事にして、できる限り動揺を押さえ込んで返事をして牢から出る。もう一度鍵をかけておく事も忘れない。
…ほんと何あれ?(3回目)
描写、ド下手だなぁ…