異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜 作:銀鈴
あとやっぱりリゼロのアニメ、レムりん可愛いよレムりん(疲れて混乱し始める作者)
「えっと、イオリ? これまで終わらないのか?」
「うん、まだちょっと待ってね。ここの部品をこれに変えて、魔力の配線がこうなるからここが変わって…」
そう言って私は、開いたロイドの義手いじりを続ける。かれこれこの
一応義手本体にも修復機能はあるけど、戦闘で使ってる分傷むのは早いし。それにこれを作った時と今とじゃ、ぎじゅちゅ…技術力が違いすぎるし。
「それに確か、今日はあの勇者の聖剣を打ち直すんじゃなかったのか?」
「んー…それはそれで楽しみだけど、こっちを直して改良してる方が楽しいし」
そう言いながら、アダマンタイトとオリハルコンの合金で出来ていた芯になってるパーツを、新しく色々と混ぜて圧縮したパーツに交換する。後は必殺技をカートリッジ式に変えるからここを変形させて、強化パーツの呼び出しをできるようにパーツを追加して…あ、流石に感覚はシャットダウンしてるよ?
「あ、ロイドのアイテムボックスって容量の空きある?」
「ああ。基本的に装備品しか入れてないからな」
「ふむふむ、それじゃあ完成したらあれは渡すとして…」
既に魔眼でも見えないのに、更に早くなるパーツをなんで渡そうとしてるんだろう? そう考えながらも義手を改装しながら、高速で組み直していく。
「よしっ! これで完成!」
最後の装甲板を付け終えて、魔力を叩き込んで義手の機能を再起動させる。 魔力の回路よし、通りよし、関節部の駆動よし。カラーも見た目も前と変えてないけど、解析する限り強化されてる。
「やっぱり腕があるのとないのとじゃ大違いだな」
「そうだね!それで、義手の調子はどう?」
「ちょっと重くなったけど、前より反応が良くなった気がする」
「ふふん、そりゃあ性能上げましたから」
右手で汗を拭って私は言う。素材を変えて強化したり、今までと違って関節部にナノゴーレム使って動きやすくしたり、新しいパーツ詰め込んだりしたから、これで強くなってなきゃおかしい。
製作者も使用者もOK出してるなら問題は一切ないね。
「そういえばロイドって、これから用事ってある?」
「いや、特にないけどどうかしたのか?」
「それなら、新しい装備に慣れてもらうついでにフローと遊んで貰おうかなって。試作品のだけど、ここって広いし」
そう言って飛んできた羽根型パーツを追って、フローもこっちに飛んでくる。デザインは某白い猫のゲームの英雄リアムの羽根だね、デザインはカッコイイしもん。効果? 勿論速度UPがメインかな。
「ああ。いきなり渡されて使えなくちゃ意味がないからな」
「名前はまだ付いてないから、着装って言うと展開されて飛べるようになるから」
「分かった。着装」
さっき仕込んだ義手のパーツがキチンと作動したみたいで、ロイドの背中にメカメカしい羽根型一対展開される。これは直接ついてる訳じゃなくて、次元魔法でそうたいきょり? を固定して付いてくるようにして…うん、まあなんやかんなで浮遊してるってこと!
(マスター、天上院が来たよ)
(りょうかーい)
そこまで話してロイドが飛び始めた時、ティアからそんな念話が届いた。因みにティアはまた本を読んでたけど、名前にルルイエって書いてあったから私は読みたくないかな。
ロイドに手を振ってから、一旦門から宿の部屋に戻る。
「とりあえず来たけど…なにその門?」
「私の工房? とりあえず入りなよ」
半分門に入りながらタクを手招きする。一応、私の生活空間の場所は遠くにずらしたからまあ問題ない。そんな事を考えながら再び門の中に入り、いつも鍛冶をしている所に行こうと思ったのに後ろでタクが立ち止まる気配がした。
「どうかしたの?」
「ちょっとここ、ツッコミ所が多すぎるんだけど…」
「そう?」
周りを見渡してみるけど、特にいつもと同じで変わりはない。別に突っ込まれる所はないと思うんだけど…
「そんな不思議そうな顔されても…そもそもこの空間は?」
「私のスキル」
それにはそう答えるしかない。うん、確かにそこは不思議か。私も初めて来た時はビックリしたし。だってまだ、私だってここの広さも高さも分かってないもん。そう思ってたら、タクは遠くにある魔物素材の山を指して言う。
「じゃああっちにある、SSSランクも混ざった魔物の山は?」
「9割私が倒した、素材だったり食材だったりだね」
「あそこの木が積み上がってるのは?」
「素材だね。キリから黒檀までなんでもあるよ」
8割くらいが魔法で作ったやつだけど、ユグドラシルの枝とか黒檀とかは魔法で作れないからちゃんと買ってる。私の個人的な出費は、結構ここが大きかったり…
「うわぁ…それじゃああの金属の山は?」
「鉄からヒヒイロカネまである鍛冶の素材だね」
今度タクが指差したのは私の金属のストック。こっちはまあ、全部魔法で作ったやつだね。よく使うから、在庫確認必須の所。
「えっと、面倒だから先に説明するよ。あっちが剣とか近接武器の保管庫で、その隣が銃とか弓とか爆弾とかの遠距離武器の保管場所。その向こうに防具が置いてある場所があるよ」
「あんな量を全部……自作?」
「うん」
1日50本くらい作ってるだけなのに、何がおかしいんだろう? まあそれは置いておいて、次の説明に移る。
「あそこがポーションとかのアイテムが置いてある場所で、その隣が普段の私の生活空間。近寄らないでね」
「流石に武器を作ってくれって頼んでる身だし、そんな事はしないよ」
「ふーん。で、ここが鍛冶場だね」
いつも使ってる炉や金床が置いてある場所に立って、タクの方を振り返りながら言う。
「さて、それじゃあ話し合いを始めよっかタク」
「話し合い?」
そういうタクは、さっきの私みたいに頭の上に?マークが浮かんでいる。むぅ…一応私はこれでも鍛冶師、仕事と私情は切り離さないと。
「幾ら何でも、素材だけ渡されて作れって言われても無理だから、どんなのにしたいのか聞かないと。できる限りの要望は聞くよ」
「なるほどね。それじゃあやっぱり日本と「却下」なんでさ…」
できる限りの要望は聞くって言ったけど、いきなりそう来るとは思わなかった。いやね、レーナさんは最初っから刀みたいなのを使ってたから作ったけど…
「うーん、まあ見るのが早いか。えい!」
武器の山から、折れてもいい適当な日本刀を二本持ってきながら、目の前に鉄柱を二本生やす。
「私はタクよりステータスは低いけど……」
一山いくらの刀だけど私が作った武器、ある程度他の武器も使える私が降り下ろした刀は、鉄柱をキレイに斜めに切断していた。
「こんな感じで斬れるんだけど…やってみて? 完全に同じ性能の刀だから」
「え? それなら普通に俺だって…」
そうほざいているタクに日本刀を渡して、私は少し離れる。ゴメンね日本刀さん、多分君折れちゃうから…
「せいっ! って、あれ?」
そう内心刀に謝っていると、私の予想通り刀は鉄柱にぶつかった瞬間ぴしりとヒビが入り、そのまま折れてしまった。あーあ。お金請求ですわ。
「円運動とか刃筋を立てたりとか色々あるけど…これでもまだ刀がいい?」
「……素直に今までと同じタイプにします」
「それがいいよ。で、大きさとか重心とか刃渡りとかだけど…」
「それについては、一応この剣を参考にお願い」
そう言ってタクは、一本の直剣を渡してきた。えっと、持ち手が20cmくらいで刀身が大体100cm。特に装飾はなくて、手元付近に重心が来てる両刃…やっぱり西洋剣的な?
「うん、了解。とりあえず聖剣の欠片を溶かしてインゴットにして、剣に再構成するとして…流石に完成は明日になるかな?」
「また随分と早いね…」
「勿論、プロですから」
タクが凄く驚いた顔をしてるけど、異世界な目線で見れば普通なんじゃないの? あ、そうだそうだ。
「多分メインウェポンでしょ? その片手剣」
「そうだね。劣化版なら幾らでもあるけど…」
「はい、じゃあこれ貸してあげる」
こっちに持ってきていた片手剣の鞘を右手で掴んで、タクに差し出す。代車みたいな感じだから…代剣?
「え、何これエリュシデータ?」
「モドキだね。壊したらお金請求するから」
「まさかの有料…?」
「当たり前じゃん。あ、さっき折った刀も別料金だから」
「えっ」
そんなやり取りの後、粉々になってる元聖剣を受け取ってタクには帰ってもらった。さて、まずは溶かしますか。
イオリちゃんの魔の手にかかった義手=サン
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浪漫式義手・右腕【改】
STR +630
DEF +600
AGL +657
DEX +620
MIND +600
【属性】混沌
【耐久】頑丈(自動回復)
【重量】1.4kg(最適化待機中)
《スキル》
擬似・幕引きの拳(6/6回)
擬似・理想送り(6/6回)
最適化 Lv-- パイルバンカー Lv-- スラスター Lv--
魔力生成 Lv-- 魔力無効化(一部) Lv-- 最適化 Lv--
武具召喚 Lv--
耐久超化 Lv6 物理大耐性 Lv1 魔法大耐性 Lv1
寄生 Lv 4
《備考》
イオリがロマンを詰め込んだ義手を、更にイオリが改造した義手。全体的な性能UPや必殺技の
使用者の熟練度により隠し機能が解放される。
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