異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜   作:銀鈴

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自分のキャラをそのままコピーしたキャラをヒロイン(・・・・)にした小説を3話分くらい書いてみたけど、我に返って死にたくなったためお蔵入り。
-追記-
ヒロイン(女主人公)にしたやつは生えました。


第3話 次元の狭間にて

 バカみたいな魔力を使った、しかも世界を超えるなんて言うそれこそ神様とか一握りの天才って言われるような人達しか出来ない御技を使った所為か、非常にガタガタと揺れる感覚を味わっていると不意にその感覚が途切れて眩い光が目の前に広がった。

 

「うわぷっ」

「むぎゅ」

 

  光が消え去ったと同時に目に入ってきたのは、まるで私とティアの持ってる《もう一つの世界(アナザーワールド)》みたいな、真っ白な空間だった。しかもいつの間にかデカップリングしてるみたいで、頭が少しだけ痛い。

 

「もしかして、失敗した?ティアはいるけど、リュートさん達はっ!?」

 

  周りを慌てて見渡すけど、ティア以外人っ子ひとりいない…というか何もない、気配もない。スキルは使えるみたいだけど、魔力はうんともすんとも言わない。本当にどうなってんのこれぇ!?

 

「どうどう、落ち着く。多分そろそろ来る」

 

  焦りでバタバタしている私をティアがおちつかせるためにそう言ってくる。誰が暴れ馬……そろそろ来る?どゆこと?

 

「ん〜、画面越しじゃなくて実際に見た方がやっぱり可愛いわねー!!」

 

  何の前兆もなく私の背後に突如現れた気配が、そんな事を言いながら私に突進してきた。

 最近は魔法で撃退することが多くなっていたから咄嗟に魔法を使おうとしてしまい、けど魔力が何故か使えないこの空間じゃ意味はなくそのままなす術もなく、私は抱きしめられてしまった。

 

「あぁ〜、やっぱり小さい女の子っていいわね! 温かいし、プニプニしてるしいい匂いだし何より可愛い!!!」

「うにゃーっ!!いきなり出てきてなんなんですかあなたはー!?」

 

 声からして女の人みたいだし、現れ方からして只者じゃないんだろうけどクラネルさんとか姉ちゃんと全く同じ空気を感じる。うわっ、なんで匂い嗅いでるのさ! 一応毎日お風呂には入ってるけど!! すりすりするなぁっ!! 

  そんな混乱の極みにある思考の中、妙に通るティアの声が聞こえた。

 

「久しぶり、リィンネート」

「げっ」

「何が『げっ』」

 

  その声を聞いて大人しく抵抗を止め上を見上げてみると、大体ロイドと同じか少し高いくらいの場所に、すっごい綺麗な顔の人がいた。頭にも背中にも柔らかい感触は無いけど、黒髪黒目のこの人はかなりの美人さんではあると思う。抱き枕なのはもう諦めた。

 

「ふぇ?りぃんねーとって事は、女神様?」

「そうだよ〜、あなたの女神様だよ☆」

 

  この若干引くレベルのハイテンション…うん、確かに女神様だね。語尾に☆って、どうやって発音してるんだろう?

 

「無視しないで」

「えっと…封印されていた元同僚が、ロリ化して私の送り込んだ転生者と一緒に帰ってきたのにはなんて言えばいいのか…」

「確かに」

 

  ティアと女神様が元同僚…だと。いや、確かにティアのステータス欄には神族って書いてあったからそうなのかもしれないけど……

 

「あれ?ティアって記憶喪失なんじゃなかったの?」

「全部って訳じゃない。意味記憶は全部残ってる、エピソード記憶も、小さな欠片レベルならある」

「世界滅ぼしたりしないでよ?」

 

  そんな風に何時もの調子で話しているうちに、ようやく頭が落ち着いてくる。そして何個かの疑問が浮かび上がってくる。

 

「女神様、リュートさん達はどうなってるんですか?」

「揺れが酷くなっただけで無事よ?ただ魔法の核になってるあなた達がいないから、本来より魔法の時間が長くなってるわね」

「私達が戻ったら?」

「即座に転移が実行されるわね」

「よかったぁ…」

 

  もしもリュートさん達が、怪我でもしようものなら壊毒ばら撒きを実行するところだったよ…

 

「そ、それはシャレにならないんだけど……それに、ここは私が魔力が動かないように固定してるはず!」

「女神様って、手紙と随分テンション違いますね。それと私に魔法を使わせないようにしたいなら、大鎌を没収しとくんでしたね」

 

  だって創造使っちゃえば、ある種自分だけの異界が作れるんだし魔法も使えるようになるんだもん。なんでかは知らないけど。

 

「それで、私達をここに拉致ってきた理由は何?」

「それはね……」

 

  ティアのそのもっともな疑問に対して、ぐっと貯めて女神様は言う。

 

「癒しよ!!!」

「ひゃぅ…」

 

  耳のすぐ近くでそんな大声が響いたせいで、反射的にビクッとしてしまいそのまま女神様ごと後ろに倒れてしまう。

 

「もうほんっと嫌なのよ。毎日毎日仕事仕事仕事仕事、神格だから不眠不休で働けるせいで会社はもはや真っ黒だし!新入社員は気に入らないからとか言ってすぐ世界を滅ぼそうとするし!!八百万の神って言うんなら本当にそのくらいの人数揃えなさいよー!!」

「わーわー、聞きたくない、聞きたくないです神様のそんな内情なんてー!!」

 

 座り込んでしまった状態の女神様にガッチリと抱きしめられながら、私はいやいやと首を振る。不眠不休で労働なんて真っ黒じゃないですかやだー。

 

「うーん、後はアレね」

 

  そして、優しい口調で女神様が私に囁くように言う。アレってなんだろう?

 

「あなたが必死に考えないようにしてたけど、つい昨日リュートさんに聞かれて改めて考えてちゃって、実はあんまり眠れてな「わーわーわーー!!」

「マスター…」

 

  ちょっ、なんでそんな事暴露するのさ!確かに知ってると知ってないとじゃ違うとか言ったけど、改めてそんなこと聞かされたら恥ずかしいに決まってるじゃん!

  目の前で立ったままのティアが、哀れみの目を向けてきているけどそんなのは知らない。

 

「まあ、それに関してなんだけどね?私が手ずからあなたの身体を弄ったから、あなたは間違いなく本物よ。そんな絶望を見るのは私の趣味じゃないわ」

「……ほんとうに?」

 

  自分はコピーかも知れないとか、別人かも知れないとかそういう事は考えなくてもいいの?前の自分と今の自分を区別して考えたりとかも?

 

「口ではあんなに大丈夫な風に振舞ってたのに、実際の内心はこんなだったのね〜。うりうり〜可愛いやつめー」

「……」

「マスターが、無抵抗!?」

 

  抱っこされて頭をグリグリされるけど、無抵抗で受け入れる。嗅いだことない匂いだけど、花の匂いもするし暖かいせいか安心するし、しばらくはこのままでいいかも…

 

「うぅ…マズイわね。私もずっとこうしていたいけど、そろそろあなた達を戻さないと魔法が壊れちゃうわ」

 

  パッと抱きしめられていた腕から解放される。うぅ…もうちょっと抱っこされてたかった…

  振り返って女神様を見てみると、和服とドレスが混ざったような不思議な格好をしていた。今度、こういうタイプの服を作ってみるのもいいかも?

 

「名残惜しいけど、最後に何かあるかしら?」

「ない」

「つれないわね…あなたは?」

 

  ティアが即答でそう答えるけど、最後にか……あ、もしかしたら神様だし出来たりするかも?

 

「えっと…換金、お願いできませんか?日本円と」

 

  そう言って私は、金貨を2枚、女神様に手渡した。

 




イオリ は 20万円 の 換金 に 成功 した ‼︎

あと、ちゃっかり生死感だけは弄られてます。でも言わない、神様だから。

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