異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜   作:銀鈴

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お気に入りが2,000突破、感想は220もあるし評価も70も貰っている。記念にダイスの所為で消えた部分をSSで書こうと思ったけど、男子高校生特有のエロトークで顔が赤くなる程度の私にはR18は書けなかったよ…


第24話 場違いな水着回 ぜんぺん

「熱っ……くはないけど、何これ?」

 

視界は一面炎で何も見えないのに熱くはないし、状況を把握しようと思って《ディメンション》を使ってみるけど失敗するし、下手に動いて変な風になったらヤバイから動けない。

一瞬だったのかそれとも数分だったのかも分からない炎に包まれた時間が終わるとそこには、さっきまでいた場所と違って体育館くらいの大きさの空間が広がっていた。少し離れた場所には完全に水没している大きな階段があって、そこから溢れているのか足元もパシャパシャいうくらいには水が溜まっている。

 

「今度は強制的に水中戦闘……って、リュートさん達は!?」

 

いつもと違って、なんかSAN値が下がりそうな転移をした所為で混乱したけどハッと我に返る。転移→分断なんてよくある手じゃん! そう思ってリュートさん達のいた後ろを向こうとして、私は何かに足を取られて転んでしまった。

 

「ぐえっ」

「ぐえって何さ。私、装備含めても30kgちょっとしか体重ないんだけど」

 

ロイドの胸に打ち付けた額を押さえて、ほっぺを膨らませながらロイドに文句を言う。鍛冶って結構体力使うし、戦闘もしてるし私が重い訳がない。というか、このシチュエーションって立場が逆ならラキスケ的……おい誰だ平坦っつったのバラして素材にするぞ。いや事実ではあるんだけどね?

 

「それでも、いきなりのしかかられたら痛いものは痛いんだよ…」

「むうぅ……まあいいや。リュートさん達は?」

「ちゃんといるよ、イオリちゃん」

「あざとい、今のはあざとい」

 

 私がそんな風に呟くと、後ろから見知った2人の声が聞こえてきた。振り返ってみるとちゃんとリュートさんとレーナさんが立っている。

 

「偽物……じゃないみたいだね」

「いきなり偽物呼ばわりって酷……くはないか、この状況なら」

「そうだよ! こんなクトゥルフ感満載な中であの変な炎、どこぞの無貌な神様が出張って来てもおかしくないもん」

 

うがーと手をバタバタさせながら私は言う。溜まっている妙にしょっぱい水と、嫌に目につく暗い緑色の所為で何が待ってるのかは薄々気づいてはいるけど万が一が無いとは限らないもん! この若干海水とは違う匂いがするのも気になるし……

 

「私にはよく分からないけどイオリちゃん、そろそろ退いてあげたら?」

「ふぇ? あ、ごめん」

レーナさんにそう言われて、慌ててロイドの上から降りる。流石に乗っかったままジタバタしたのは悪かったかもしれない。

 

「いたた……それで、これからどうするんだ?イオリ」

「どうするって?」

「進むのか?それとも帰るのか?」

「えっと…」

 

そう言われて辺りを見渡してみるけど、例の水没してる下に続く階段以外階段は見当たらないし、魔法陣らしき物も見当たらない。転移魔法もこの感じだと…

「うーん、進むしかないんじゃないかなぁ?帰る方法無さそうだし」

「イオリさんって転移魔法使えたよね?」

「使えるけど多分…」

 

両手をかざして、たまに使う転移門を開こうと頑張ってみるけど、スパークの走る薄紫色の波紋が揺らめくだけで一向に安定しそうにない。

 

「うん、やっぱり無理みたい。かなり無理すれば使えないことも無いだろうけどね」

「その無理っていうのは?」

「私が制御できる限界以上の魔力で無理やり発動。成功率はそんなに高くないだろうし、失敗したらここら辺全部巻き込んでボン」

「……進むしか無さそうだね」

 

リュートさんが諦めたようにそう言った。非力な私を許してくれ、いやどっかの白い盾よりは働いてると思うけど。

 

「でもリュートくん、進むって言っても水浸しだよ?」

「そうなんだよね、だから帰れないかと思ったんだけど…」

 

チラッとリュートさんが私を見る。出来ないものは出来ないって、1日くらいあれば出来るかも知れないけどさぁ…

 

「夏、1人で海に行った時に艦これごっこしてたから、私とレーナさんはとりあえず先に進めるよ?」

「イオリさんなら何かありそうだとは思ってたけど、何してたのさ」

「貝とかお魚取ってた。この前の鯛っぽい魚もその時取ったやつ」

 

 沖に出て釣りをしてたのにあんまりにも釣れなかった時に、作ってみたんだよね。誰もネタが分からないから凄く寂しかったけど、快適に作業は出来た。

 

「まあなんのコスプレだかは知らないけど、アホみたいに性能は高いんだろうね。僕達はどうすればいい?」

「ゴーグルと息できるシュノーケルしかないからそれかな。けど、ロイドって線が細いし身長もそんなに大きくないから、いっそ女装させちゃえば丁度いいかも…フ『ロリ』アントライアングルになるし」

「誰が上手いことを言えと」

「ロリが増えるよやったねリュートさん!」

「おい馬鹿やめろ、誰が酷いこと言えと!? 後むしろ僕レーナにやられた側なんだけど」

「あ、そっか。リュートさんってリオレウス…」

「うぐっ」

「ちょっといいか?」

 

 話が盛り上がり、最後にヘタレってオブラートに包んで投げつけたところで、今まで会話に参加してなかったロイドが会話に入ってきた。

 

「念のため言っておくが、俺は女装する気は無いからな?」

「えー、つまんないのー。レーナさん、着替えちゃお?」

「でもどこで? 隠れられる場所も無いし…」

「うん、だから《金属生成》!」

 

不意打ち気味に、リュートさんとロイドの周りに適当な金属で高めの壁をつくり視界を遮る。

「もし覗こうとしたら、そこは焼却炉になるんでよろしくね!」

「分かってるよー、ロイド君も変な気を起こさないように」

「わ、分かってますよ!」

 

とりあえず敵が来るような様子も無いので、私達は着替え始めた。リュートさん達? 最低限防具付けとけばなんでもいいんじゃないの? 自分で乾かせるだろうし(辛辣)




イオリ→まあ持ち物で分かるかな?

レーナ→????
※1点だけキャラと違う所があります

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