がっこうぐらし!The world in confusion   作:ウィングゼロ

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chapter5

先程までの平穏なときは嘘かのように巡ヶ丘は荒れている。

 

そこら中で奴等が徘徊し生者を貪る。

 

俺達は細い裏路地で様子見する。

 

後ろには音姉が体育座りでうつむきその瞳も虚ろは眼差しであった。

 

そして奴等は先程より数が多い、やはり噛まれたもの達は奴等になって増えている、つまり時間が経つにつれて身動きがとれなくなっていくということだ。

 

今のうちに動かなければならないが宛もなく移動するのはリスクしかない…だが個人的だが目的はある…

 

悠里…そしてるーちゃん、若狭家のみんなの安否が気になっていた。

 

だが住所が全くわからない…これでは助けにもいけない…

 

思い出せ、何か…何が些細なことでもいい!

 

思考を巡らせて記憶を呼び起こしひとつだけ可能性を導き出す

 

雄也「あっ」

 

これは半年ぐらい前のこと…電話で悠里と話していた時のことだ。

 

 

…最近は園芸部の部活動が忙しくてね、帰るのが遅くなるのよね

 

…ふーん、なんか大変なんだな…でもやりがいがあるだろ?

 

部活動!そうだ!つまりまだ学校にいるかもしれない!

 

微かな希望にすがるしかない、俺は直ぐに行動をしようも近場で拾った鉄パイプを右手にもち、音姉の前にたつ。

 

雄也「音姉、此処も危ない安全な場所までいこう」

 

音姫「安全な場所ってそんなところどこにあるっていうの!?」

 

いつもの音姉は何処にもなく、既に錯乱状態だ。

 

雄也「此処にいても危険だ!けど巡ヶ丘中等学校なら屋上で籠城ができるはずだ」

 

あそこは設備がよかったはずだこんな事態でも機能するかもしれない、それに園芸部の活動も屋上だったはずだ。

 

音姫「どうしてそんなことわかるのよ!此処は私達の世界じゃないんだよ!」

 

失言だった、これでは俺は知っていると言っているものだ、俺も冷静さを欠けていたと悔やんでしまう。

 

雄也「あそこには…多分屋上には俺の幼馴染みがいるはずなんだ」

 

音姫「え?どういうこと?」

 

俺の知り合いがいるということに困惑を隠せない音姉、だが今は説明する時間がない。

 

雄也「ごめん、今は説明できない、頼む俺を信じてくれ音姉!」

 

俺は音姉に手を差し伸べ音姉はその手を着かんで立ちあげさせる。

 

雄也「急ごう、敵が増えてきてる、時間がたつと厄介だ、絶対に俺から離れるなよ」

 

音姫「うん、わかった」

 

音姉も決心ができたのか、少しだけ元の音姉に戻り、それを確認したあと裏路地から左右を確認し行けそうだったので飛び出て音姉もその後ろをついていく。

 

目指すのは巡ヶ丘中等学校だ

 

……

 

夕日が暮れてきて漸く巡ヶ丘中等学校の校門前に到着した。

 

雄也「漸くたどり着いたか」

 

音姫「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

此処まで最小限のゾンビを蹴散らし車などで道路を塞いでいたところをよじ登るなどで体力を使い、音姉の体力もかなり限界に近い。

 

雄也「音姉、あと少しだけ頑張ってくれ」

 

音姫「う、うん」

 

校門から入り、昇降口の入り口まで大体50メートルと言ったところだろう、辺りには奴等と棒立ちしている生存者がいた、後者は町中のあれと同じだ、現実を認識していないのだ。

 

雄也「行くよ、音姉」

 

音姫「わかった」

 

音姉と掛け合い、そして学校の敷地内に入り昇降口へと一直線に走り出した。

 

近くのゾンビを回避しながら速度を緩めず近づいていく。

 

近くでは襲われている人もいる…

 

音姫「雄也くん…」

 

音姉が言いたいことがわかる…助けてあげたいのであろう…けどいまそんな暇がない…見捨てるしかないのだ…

 

本当に最低だ…俺は何かなすということは、何かを犠牲にする…今、俺は音姉を守り、悠里の安否を確認しにいくという行動をし今襲われている人達を切り捨てている…あのときとロストロギアを回収して『1つの国を滅ぼした時と』

 

不謹慎だがPT事件と闇の書事件が奇跡だと思えたくなる。

 

音姫「雄也くん!!」

 

音姉の声で思考の海から抜けて目の前には奴が立ち塞がっていた。

 

雄也「邪魔だ!!」

 

直ぐに鉄パイプで頭部を破壊して昇降口前にたどり着き校内へと入った。

 

既に構内も荒らされており油断を残せない状態だ。

 

雄也「こっちだ!」

 

立ち止まってはいられない俺達は直ぐに動き上へと目指すそして二階に差し掛かったとき怪我おった男性を担ぐ女子生徒が同じ様に上へと駆け上がっているのがわかった。

 

そして屋上へと差し掛かる時、屋上から扉をノックする音がしてきて警戒しながら屋上に辿り着くと先程の女子生徒がノックしていたようだ。

 

少女「開けてくれ!おい!誰かいないのか!?」

 

少女も辛くも奴等から掻い潜って来たのだろう既に必死であった。

 

俺は音姉が屋上にたどり着いたのを確認してから少女に近づきすると足音で気づいたのかこちらに無理向いて俺の服装をみて血の気が退く。

 

雄也「安心しろ、全部返り血だ」

 

少女「そ、そうか…」

 

雄也「ってこんな余裕ぶっこいてる場合じゃない、屋上あかないのか?最悪こじ開けるが…」

 

そうすると屋上の鍵が開いた音がして扉が開かれると教師であろう女性が現れた。

 

教師「恵飛須沢さん!?」

 

少女「めぐねえ!よかったまだ此処は無事なんだな…」

 

そういって屋上の外へと出て直ぐに扉の鍵を閉めて辺りを見渡す、屋上には菜園が設置されており、人は先程のめぐねえと呼ばれた人と変な帽子をかぶった女の子そして…

 

少女「ゆう…くん?」

 

戸惑いの色を隠せないのはこの学校に来た理由である俺の幼馴染みの若狭悠里だ。

 

悠里「ゆうくん?どうして…」

 

雄也「その話は追い追い話す、いまはそれどころじゃねえ」

 

戸惑いを隠せないのはわかっているが今は本当にそれどころではない。

 

めぐねえ「ひどい怪我!急いで保健室に…」

少女「下はダメだ!」

 

雄也「俺も同感だ…多分保健室ももう落とされてるだろうし」

 

悠里「落とされてる?どういうことなの?ゆうくん!説明して」

 

女の子「なに…あれ?」

 

悠里が説明を求めて来るが帽子をかぶった女の子が外の状況をみて悠里とめぐねえと呼ばれた教師の視線はグラウンドに向く。

 

百聞は一見に如かずという、聞くより見た方が早い。

 

悠里「人を喰ってる…?」

 

少女「あいつら行きなり現れてああいう風に人を襲ってきて陸上部もそれに巻き込まれて…あたしは先輩を背負って此処まで…なああんた…あんた達外から来たんだろ?外はどうなってるんだ?」

 

雄也「………一言で言うとな…」

 

正直、長々と話すのも嫌気がさすために手短にする

 

雄也「地獄だ」

 

俺が言った瞬間建物で爆発が起こる、恐らく火を使っている時に奴等に襲われたのであろう。

 

女の子「どうして?……どうして…こんな…… 」

 

既に許容範囲を越えている出来事が連発で何故このようなことになったのかと混乱しているとそれに追い討ちを駆けるように屋上のドアを強く叩く音が響き俺たちの視線はそちらにいく。

 

恐らく奴等であろうしかも異様な邪気がかなりの数がいる。

 

そしてドアの窓ガラスが奴等の腕力で割れて窓から奴等の手が出てくる。

 

女の子「キャアアアァァァァァァッ!!!!!」

 

めぐねえ「え、園芸部のロッカーを!」

 

雄也「俺も手伝おう」

 

いち早く動きだした、教師がドア近くに存在するロッカーを動かして突破させまいと行動し俺もそれに手伝おうと動き出す。

 

ロッカーをドアの前に配置を完了して俺と教師が体重をかけて押さえようとするが奴等の力が強力で押し返されそうになるがそこに悠里も押し加わる。

 

めぐねえ「若狭さん」

 

悠里も必死なんだここを突破されれば自分も死ぬとわかるから必死ににもなる。

 

めぐねえ「丈槍さん!そこの洗濯機をこっちに」

 

雄也「音姉も!手伝って!」

 

音姫「う、うん!」

 

そして帽子の女の子と音姉も奴等の進行を足止めするためにこちらに来て手伝う。

 

少女「先輩?」

 

止めるのに必死になっている時、不意に後ろから少女の声が漏れて振り返るとあの怪我を負っていた先輩が起き上がっていた。

 

ありえない、正直、あの怪我しかもかなりの出血もしていた、起き上がるなど普通は無理だ。

 

だがひとつだけ……もし奴等なら…

 

めぐねえ「恵飛須沢さん!逃げて!」

 

少女「え?」

 

突然の逃げろという叫びに戸惑うが奴等と化した男性が少女を押して倒れさせる。

 

少女「っ!!」

 

少女は男性の顔をみて漸く理解することができた、必死に連れてきた男性は既に奴等の仲間と化しているということに

 

どうする!?正直今の俺は押さえるので精一杯動くことができない。

 

ならばこの鉄パイプを投げて倒すか?奴に…しかも頭に当てるなど命中率は低くその上武器がなくなるということでリスクが高すぎる。

 

そうこうしているうちにも奴は少女に襲いかかろうとしている。

 

少女「うわあぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

そして奴が今まさに手に駆けようとしたときそれより先に少女が近くにあった園芸部のシャベルで奴の首元に直撃し、体が脆い奴はそこから血が出血する。

 

そして奴は倒れるがまだ動くやはり頭部を叩かない限り死なないのであろう。

 

少女はシャベルを構え直して今だ動く奴の止めを刺すべく頭部にシャベルを突き刺した。

 

何度も何度も既に動かない奴にシャベルを、突き刺していく。

 

音姉も悠里もその惨劇に目を反らし教師はただ見ているしかなく俺も見るに耐えなかったが現状で動けじまいだった。

 

そんな中動いたのは帽子の女の子であり彼女は走って少女の元へと行き泣きながら抱きつく。

 

少女は持っていたシャベルを落とし右手を女の子の頭に触れる

 

少女「…どうしてお前が泣いてるんだよ…つうか、お前誰だよ…変な帽子…」

 

どうやら女の子のお陰で冷静さを取り戻してくれたようだが現状はいっこうに変わらない、未だに後ろでは奴等が扉を叩いている。

 

悠里「これからどうすれば…学校も外も…先生!先生!!」

 

どうすればいいかわからない悠里は教師に聞くがその教師もどうすればいいかわからずその場で立ち尽くすしかなかった。

 


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