がっこうぐらし!The world in confusion   作:ウィングゼロ

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chapter47

学校の避難所から離れた俺達、リバーシティへと向かうこと既に二時間ほどが過ぎた。

 

もうすぐ昼時であり小腹がすくなか既に自衛隊の安全圏外にででいるため奴等を処理しながら向かっていた。

「よっと、いっちょ上がりと」

 

そういいながら、アークで頭を切り落としここら一体の奴等は倒した。

 

「うーん、これじゃあなかなかたどり着けないね」

 

と、後ろからついてきている圭がそういうのも一理ある。

 

まだまだリバーシティまでの道程は長いこのままでは今日中に辿り着けるかどうかも怪しいところだ。

 

「なんか、いいものでもかな~ん?」

 

ふと辺りを見渡していると俺の目にひとつの看板がうつる。

 

「……」

 

「どうしたんですか?雄也先輩?」

 

黙りこむ俺にたいして圭は首をかしげながら訪ねてきた。

 

「早くつく方法を思い付いただけだよ」

 

そう微笑みながら答えて俺達が入った場所はカーショップ…

 

「あの雄也先輩?まさかだとは思いますけどでは車をつかっていくとかじゃないですよね?」

 

そう恐る恐る聞いてくる圭に俺は涼しい顔をしてこう応えた。

 

「その通り…よくわかってるじゃないか」

 

「いやいや!流石に車の運転なんてできるんですか!?」

 

答えが当たっていて焦り出す圭を前に俺は平然と言葉を返す。

 

「安心しろ、車の運転はよくやってる」

 

「…あの、先輩って私のひとつ年上ですね?」

 

「ああ、少しあってな…あれは大体二年ぐらい前…だったかな」

 

 

回想

 

とある世界に逃げ込んだ犯罪組織を追いかけるために俺と教官が追いかけていたんだが犯罪組織の中心角が車で逃走したときのことだ。

 

「くそ!よりによって車で逃走するか!?」

 

あのとき必死に追いかけて車で逃げられたことに悔しい思いをしたけど、次の瞬間教官がしたことに悔しさなんて吹きとんだった。

 

「雄也、これを使うぞ!」

 

教官が呼び掛けると連れられてきたのは奴等が使っている逃走車と同じジープが置いてあったんだ。

 

「これを使って追いかけるぞ」

 

「なるほど、これなら追い付けるかも…流石教官です!」

 

直ぐ様周囲を確認して使えるものを使う…その判断力に感服していた…教官が助手席の方に座るまではだ。

 

「…あの…教官?」

 

「どうした、雄也」

 

「何故、助手席に座っているんですか?教官は運転席に座るとばかり思っていたのですが…」

 

 

あのときの疑問は本当にごもっともだった…そんな俺に決まってるだろと言わんばかりの顔で教官は…

 

「お前が運転するんだ雄也」

 

下された違法行為

 

「い、いやいやいや!無理ですって!俺まだ中学1年ですよ!運転する年齢でも」

 

「…雄也よ、よく聞け確かにお前が言うことは一理ある…だが、いざというときにその技術がなければ助けられないこともある…だから駄目だと思っているものでも…自分の技術として会得しておくことが大事なんだ…」

 

…無茶苦茶なことをいってるよ…教官

 

 

その後一通りの操作を一分いないに教えられて俺が運転した。

 

 

回想終了

 

 

「と、いうわけで大丈夫だ、問題ない」

 

「法的には滅茶苦茶問題ありだと思うんですけど!?」

 

「でも、その技術が今生かせてるだろ?大丈夫大丈夫♪」

 

そう言いながら俺は車の鍵を探し荒らす。

 

「…雄也先輩も何気にその教官さんに毒されてるような気がする」

 

圭がそんなことを言っていたとは知らずに鍵を見つけた俺は新品の車を調達し発進の準備が完了すると荷物などを積んでリバーシティへと車を走らせた。

 

「盗んだ車で走り出す~」

 

運転して既に五時間ほどが経過していた。

 

俺のドライブテクニックで障害物にはぶつけず、奴等は引きながら走行し続けそろそろ目的地に到着する頃であった。

「まんま、今の雄也先輩だと思いますよ」

 

そんな俺の隣の助手席に座る圭は皮肉な言い方で言ってくる。

 

「これは盗んだんじゃなく調達したんだ…決して盗んだ訳じゃない」

 

決して人のものを盗んだ訳ではない!そこにあったからありがたく使わせてもらっているだけだ!

 

「それより、あれじゃないか?リバーシティ・トロンって」

 

前方に見える巨大な建物それが俺たちが目指していたリバーシティ・トロンではないかと圭に訪ねると圭はそうだと頷いた。

 

「美紀…私、帰ってきたよ」

 

隣の圭はこれまでの道程を思い浮かべているのか、笑みには漸く目的が果たせる嬉しさに満ちていた。

 

そんな中俺はさらにアクセルを踏みスピードを上げる。

 

「せ、先輩?」

 

いきなりスピードを上げたことに隣の圭は疑問を持つ

 

「私…嫌な予感がするんですけど…」

 

「圭、しっかりなにかに捕まってろよ」

 

そう警告した直後俺はハンドルを切り車体は急カーブするようにドリフトし車は180度回転し道路の端にぴったりと停車した。

 

「…………」

 

「うん、腕は落ちてないな…いやよかったよかった」

 

「よくないですよ!今冷や汗かきましたよ!!」

 

少し放心していた圭は直ぐに正気に戻り怒りだす。

 

[これはマスターが悪いです]

 

…相棒にも言われる始末…解せぬ

 

「えっと、悪かった」

 

一応謝り圭の怒りのほとぼりが冷めた後荷物を持ってリバーシティ・トロンの玄関前にやって来た。

 

「漸く帰ってきた…」

 

「さて、早いことその友達に会いに行こうぜ」

 

そういって中に入ろうとしたときであった。

 

「…す…て!」

 

「っ!!」

 

微かにだが奥から声がした。

 

「圭!」

 

「この声…美紀だ!美紀が危ない!!」

 

圭が先頭だって走り出す。

 

俺もとっさに先走る圭の後ろを付いていく

 

圭の友人…助けられればいいが

 

一刻を争うために急いでその場に向かった。

 

リバーシティ・トロンに中に入ると血塗られた広間、無数の奴等…その奴等の先、ピアノの上には生存者…圭と同じ制服に身に纏う少女がいた。

 

「いた!美紀!!」

 

十中八九思っていた通り彼女が直樹美紀で間違いなさそうだ!

 

「っ!圭!?…生きてた…」

 

直樹も俺達を視認したのも束の間群がる奴等に足を掴まれて遂にピアノの上から引きずり下ろされた。

 

「美紀!!」

 

「くそ!仕方がない!ライトブリンガー!」

 

直樹を巻き込むかもしれないがこの方法しかないと踏みきり俺は斬撃を飛ばし群がる奴等を大半を吹き飛ばした。

 

「美紀に近づくなぁ!!」

 

そして斬撃を放った後圭は跳躍してベレッタで喰おうとする奴等をヘッドショットで倒し美紀の目の前に着地する。

 

「美紀!?大丈夫!?奴等に噛まれてない!?」

 

回りに奴等がいるなかで圭は直樹の心配をして体を調べると噛まれた後はどこにもなかった。

 

「よかった…感染してない」

 

「圭!感動の再会で悪いがその子をつれて2階へ!」

 

水を指すことに気が引けるがこの状況では仕方がない、俺は圭にとっさに指示し圭は直樹を連れてエスカレーターで2階へとのぼりその後を俺が追いかけながら魔法の口頭を詠唱する。

 

「くらえ!サンダー!!」

 

大体広間全体にサンダーが降り注ぎ感電した奴等はバタバタと倒れていく。

 

「ふぅ…かなり広範囲だったから魔力を結構食うな」

 

あらかた先ほどのサンダーで片付いたのを確認し圭達の方に向くと再会を噛み締めていた。

 

「ごめんね、美紀、私美紀に生きているだけでそれでいいのって…酷いことを…」

 

「ううん、圭は悪くないよ…こっちこそ…ごめん…圭の言う通りだよ…ずっとあそこに閉じ籠っていても何も変わらなかった…」

 

互いに謝りあい、それが20分近く続き…割れた窓から外を見てそろそろ日がくれそうだと思い二人に近づく。

 

「圭、話し合いは山々だがまずは安全な場所にいこう…もうすぐ暗くなるし…どこか安全な場所あるか?」

 

「え?ああ、それならここにいたときに籠ってたあの部屋なら大丈夫だと思うよ…」

 

「なら、話は決まりだなとっとといこうぜ」

そういって直樹は圭に連れられて移動しリバーシティの五階に位置する一部屋…倉庫にやって来て、そこは直樹が生活していた感じが残っており、ドアを段ボールでふさいで俺たちは一息をつく。

 

「漸く一段落だな」

 

「あの…助けていただきありがとうございます」

 

直樹が俺にたいしてお礼を言うと、先ほどから気になってたことがあるのか率直に訪ねてきた。

 

「あの、あなたは…月宮雄也…さんですよね…あの映像に…圭と映っていた」

 

恐らくこの部屋の窓から見たのだろう…突然俺の名前も素性も知ってるわけで警戒されているようだ。

 

「ああ、その雄也で間違いない…警戒するなとは…難しいな…仮にも管理局にいたわけだし」

 

「美紀、雄也先輩は管理局とはもう関係ないの…お願いだから信じてあげて」

 

「……先ず、どうして、圭が一緒にいたのか…説明してくれませんか?」

 

半信半疑の中直樹はどうやって知り合ったのかを気になったのか説明を求めてくる。

 

俺は圭と互いにうなずくとこれまでの話を話す。

 

錯乱した男性に襲われそうになったところを俺が助けたこと、あの地下拠点での戦い、祠堂家での悲劇…そして自衛隊と管理局の戦争…これまでの経緯を直樹に話した。

 

「というわけで漸くここまでこれたわけだ」

 

「……」

 

一通りの話はしたが直樹は黙ったままだ…だが表情からして納得いっていないようだが…

 

「取り合えず、ここを脱出するのは明日だ…今日はここで体を休めることにしよう」

 

そしてこの部屋で持ってきた食べ物で食事をとってできる限り早めに俺達は眠りについた。

 


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