がっこうぐらし!The world in confusion   作:ウィングゼロ

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chapter40

Side雄也

 

部屋から走り出して一階のエントランス、避難していた人たちは玄関前から離れるように逃げ惑い、その玄関前には壊れた扉から第二陣と思われる奴等がはいりこんでいた。

 

既にまた犠牲者が出ている奴等とかした死体が立ち上がる。

 

「これ以上!やらせるかぁ!!」

 

もうこれ以上の被害を出したくないという強い思いと共に玄関前の奴等を1体2体と次々と撃破していき中に入ってきたであろう奴等は一掃できたが直ぐにまた次が来る。

 

「早く2階に避難してください!階段付近でバリケードを張って侵入を防ぐんだ!!その事を聞いている人は聞こえていない人にも伝えたください!!」

 

俺は大声で避難民に伝える。

 

「みんな!2階に逃げろ!!」

 

「急げ!」

 

周りがが2階にと大声でまた叫びぞろぞろと2階に押し寄せていく。

 

「ふん!でりゃあ!!」

 

入ってくる敵を1体1体着実に潰していき、後はあちらの押し寄せる数を全て倒せば何とか…

 

「お兄ちゃん!」

 

「ん?何してる!早く2階に逃げるんだ!」

 

俺に近づいてきたのは朝から一緒に遊んでいた一人だ、その近くには子供たちを世話をしていた大人の女性も一緒にいた。

 

「あの!琢磨くんと美海ちゃん見かけなかった!?この屋敷に入る前から姿が見えなくて…」

 

「なんだって!?」

 

屋敷に入る前つまり最悪のケース外に取り残されている確率があるということだ。

 

「早く来るんだ!バリケードももうじき!」

 

目線を彼女ではなく階段に向けると簡単ながらのバリケードが設置されていた。

 

「あれなら少しなら耐えられるはず…俺が探してきます!ですから早く2階へ!」

 

そう指示して女性は渋々と承諾して2階へと向かう。

 

[マスター、既にこの屋敷の生体反応は2階のみです…つまりですが…]

 

「つまり、いるなら外で奴等が大勢…生存確率はあまりにも低すぎる…そういいたいんだろ?」

 

アークが言いたいことは重々にわかっているだけど

 

「例え、生きている確率が低くても俺は…救い出せる命があるならもう命を見捨てたくない!」

 

俺ができる範囲でそして今外に出て助けことができるのは俺ただ一人!だから!

 

「敵が誰でも…どんな敵だろうと…俺は俺の信じる信念を貫く!!」

 

そう叫びと共に上段の構えをとっていた俺は光を纏わせたアークを振り落としライトブリンガーを放ちその放たれた白き輝く斬撃は壊れた扉を飲み込んで外の入り口前に集っていた奴等諸とも飲み込んで吹き飛ばした。

 

「行くぞ!!」

 

その掛け声と共に俺は外へと飛び出す助けを待っているはずの人を探しに。

 

SIDE圭

 

雄也先輩が去って少しするとここも騒がしくなった。

 

私はまだ動いていない…少し先輩のお陰で心の整理ができたけど…お母さんの目の前でお父さんを殺したことには変わりはない。

 

「圭…」

 

お父さんを殺してから初めてお母さんが口を開いて喋り私は身を震わせる。

 

やはり、何を言われるのか恐怖は収まらない。

 

「ごめんなさい…」

 

…え?

 

非難の声を想定していた私はお母さんから出た謝罪に戸惑ってしまう。

 

「ごめんなさい…って私はお父さんを…!」

 

怒られても…非難されても可笑しくないことをしてしまった。それなのに…

 

「それはお母さんを守ろうとしてでしょ?お母さんを守って圭はお父さんを殺した…その事実は本当に変わらないわ、けどねその行動で誰かを守れたことを忘れないで…現に私は圭に守られたわ…」

 

母親なのにねと苦笑いを浮かべる…笑う余裕なんてないはずなのに

 

そう思っているとお母さんは私を優しく抱き締める。

「圭、なにかを恐れたら駄目よ…恐れていたらなにも始まらないもの…決心してそれから行動する…テストだって運動だって恋愛だってそうよ」

 

「え、ええ!?」

 

れ、恋愛って…雄也先輩はそれは格好いいしモテそうだから…ってなんで雄也先輩のこと考えてるの!?

 

「さっきの男の子に惚れちゃったかしら?」

 

私が…雄也先輩を?

 

 

 

……

 

「……ボン!」

 

顔をゆでタコのように真っ赤になり取り乱す。

 

「あの子、格好いいから誰かに取られる前にとらないと手遅れになるわよ」

 

私が…雄也先輩のこと…

 

そんなことを考えているとエントランスの方から衝撃と爆音が聞こえてきた。

 

「ひゃっ!にゃ、なに!?」

 

「エントランスの方からだわ…圭、いってあげて」

 

「…うん」

 

お母さんありがとう

 

私は部屋を出てエントランスの方へと向かう。

 

すると向こう側から来た人たちに状況を聞いて理解する。

 

正直に奴等の群れのなか戦い回れるほど強くはない、ベヒモスの時は1体だったからうまくいったのだ…

 

けど雄也先輩の元へ行けなくても支えることは出来る!

 

そうして私は部屋にもどってドラグノフを手にとって2階の正面テラスにたどり着く下の避難所は火が燃え移りその明かりで奴等の位置がはっきりとわかる。

 

「雄也先輩、私も戦います」

 

私も一人じゃない!だから、戦える!

 

SIDE雄也

 

これで何体目かわからない…

 

既に四方八方は敵だからけ奴等のなかには老人や子供もいる。

 

「くっ!」

 

次々と奴等を撃破していくけどそういった奴等を切り捨てながら辺りを見渡す。

 

だがどこもかしくも奴等のみ…生存者がいない

 

やはり、もう全滅と頭によぎり判断を鈍らせて背後から奴等が来ていることに反応が遅れる。

 

「しまった!?」

 

一瞬の油断が命取りとなる戦場で油断してしまった俺は死を悟ってしまったときだった。

 

何処からともなく銃声が鳴り響き背後の奴等の頭を撃ち抜きそのあとも銃声は鳴りやまずに周囲の奴等を一撃ヘッドショットで倒していく。

 

《雄也先輩!聞こえますか!!》

 

「っ!?圭!!」

 

つけっぱなしだった通信機から圭の声が聞こえてきて近づいてくる奴等を切り捨てながら耳を傾ける。

 

《先輩の地点から左側の方に見える木の下に先輩が探している子供たちが居ます!奴等もその近くに!》

 

圭の声にしたがい俺は左手の木を視認する。

 

確かにあっちにはまだいっていない!

 

「直ぐに向かう!」

 

そういって邪魔な回りの奴等を一掃し木がある方向へ跳躍し邪魔な障害物を通り越していく。

 

そして木の根本を見ると昼に遊んだ子供、二人が奴等に囲まれて絶体絶命の状況に陥っていた。

 

「来るな!来るなぁ!!」

 

「お父さん!お母さん!!」

 

男の子は必死になって女の子を守ろうとしているが腰が引けている。

 

俺がその場に行く前に二人が喰われてしまう!だが斬撃を放つとしても二人を巻き込んで…

 

俺が思考を巡らしながらもその時は着実と進んでいく。

 

《任せてください!!!》

 

通信で圭がそういうと銃声と共に子供たちの近くの奴等をヘッドショットした。

 

これなら俺の到着の方が早い!!

 

俺は着地と同時に残っている子供たちの周囲の敵を蹴散らしていく。

 

「え?」

 

「あ…」

 

突然のことに呆然と立ち尽くす子供たち俺はその二人に優しく語りかける。

 

「大丈夫か?怪我してないか?」

 

「う、うん」

 

「そうか、琢磨くんだったね、よく美海ちゃんをここまで守っていたね、偉いぞ」

 

「う、うわあぁぁぁぁん」

 

子供たちは緊張の糸が切れたのか涙がボロボロと流して俺に抱きついてくる。

 

「おいおい、まだ泣くのはもう少しあとだぞ」

 

《あの…雄也先輩、早めに二人をこっちに連れてきてください…ライフルの弾も有限なんですから》

 

銃声が響くなか残り弾数を心配しだす…もう何発も撃っているのだ当然かもしれない

 

「あいつらまた来た!」

 

琢磨くんが怯えた目で奴等を見る…だけどそんな怯えるのもこれまでだ。

 

「大丈夫!」

 

俺は二人を抱き上げてそのまま高く跳躍そして飛行魔法を使って空をとんだ。

 

「お空飛んでる!」

 

「……」

 

空を飛んでいることに美海ちゃんはキラキラと驚いていることにたいして、琢磨くんは非現実的なことに完全に唖然としていた。

 

そして俺は屋敷のテラスに降りると近くにいた圭は俺に近づいてくる。

 

「飛べるんだったら、普通に使ってください」

 

「いやぁ…まあな」

 

言えない…完全に飛行魔法使えるの忘れていたなど…このごろ色々あって忙しかったから…

「琢磨くん!美海ちゃん!」

 

そこに屋敷の中から二人を視認できたのか大人の女性がこちらにやって来る。

 

「うえええええん!こわかったよ~」

 

二人とも怖かった思いから女性に抱きつく。

「さてと、俺達は退散するか…というか、下の奴等をどうにかしないとな」

 

まずはまた入り込んできているであろう奴等を掃討して安全圏を確保しなくては

 

「先輩私も行きますよ」

 

俺は圭を見るとライフルを背中に携えて手にはベレッタを持っていた。

 

「…圭はそれでいいのか?」

 

正直少し前に父を失ったことを引きずると思っていたが圭のその瞳には覚悟の強さが宿っていることが直ぐにわかった。

 

「…行くぞ」

 

そう短く言うと圭はそれに頷いてエントランスへと足を運ぶ。

 

エントランスはまた奴等が沢山入り込んでおり生存者を喰らうため階段をゆっくりと上がってきていた。

 

「圭」

 

ここまで来たら残れとかは言わない。

 

「背中は任せた」

 

「はい!私の背中も先輩に預けますね!」

 

それじゃあ頼りにしてるぜ、パートナー!

 

互いに背中を任せることを決めて下の奴等を見据える。

 

さてと…さあ…行くとするか!!


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