がっこうぐらし!The world in confusion   作:ウィングゼロ

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作者から一言

メリークリスマーーース!!



chapter24

「まだ、獲物がいたか」

 

局員は後ろを振り向くと不気味な笑みでこちらを睨む。

 

「恵飛須沢さん!逃げて!」

 

めぐねえの悲痛な声で逃げるように言われるが見捨てるつもりはなかったのでシャベルを構える。

 

「全く、まさかまだここにいるなんてな…まあいい、たっぷり味会わせてやるよ!」

 

そういって局員は以前とは違う槍を振り回してくる、それを後ろに下がって避けた。

 

「ああ、なんだ?さっさと狩られろよ!」

 

[あ~俺は気分が乗らないぜ]

 

「うるせえ!お前は俺に使われていればいいんだよ!」

 

謎の声が槍から聞こえてきてそれに局員が激怒した。

 

「おらおらおら!」

 

荒く振りかぶる攻撃は攻撃が来るまで掛かるためにシャベルの棒状の所で防いでいく。

 

[中々やるじゃねえか嬢ちゃん]

 

「何野蛮人を誉めてんだよ!このポンコツ!」

 

何故か槍に誉められた…

 

「っ!おりゃぁ!」

 

大きな隙をみてシャベルを切り上げて槍を飛ばしてそのままシャベルで脇腹を強打させる。

「あ、ぐぅ!」

 

短い悲鳴を鳴らすあいつにシャベルの先を突きつける。

 

「終わりだこのまま帰ってくれ…」

 

「…ふざけるなぁ!!!」

 

私の警告に激昂する局員、だが今完全に武器を持っていない状況で何もできないはずだ。

 

[嬢ちゃん!あぶねえ!]

 

あの槍が私に警告するとあいつの手には前に所持していた槍が出現し切り上げられて咄嗟に防ごうとしたシャベルを真っ二つにして私の体に浅い傷をつけた。

 

「ああっ!?」

 

「恵飛須沢さん!!」

 

衝撃でその場で倒れ伏せる。

 

その間にもあいつは私に近づこうとしている間違いなく殺す気だ。

 

動かなきゃ…

 

痛みをこらえながら後ろの階段から急ぎ走りでかけ上がってくる足音が二つ聞こえてきた。

 

なんだ?りーさんじゃ…ないよな

 

「もうやめるんだ!」

 

上がってきたのは二人とも男性でその一人が私の前にたって静止をするようにいった。

 

「あ!?どういうことだよ?」

 

「兄さん!」

 

「もう殺すのは止めてくれ!」

 

「てめえ、本気でいってんのか?俺達に取っては都合が悪いやつらなんだぜ」

 

局員の話からいまきた人達も同じ局員だと頷ける。

 

「それでも、僕は命が消えていくところを見逃すことができない!頼む!」

 

「…しゃあねえな」

 

必死の懇願からあいつは構えていた槍をおろした。

 

「それじゃあ…っ!?」

 

「お前も殺すわ」

 

一瞬だった、直ぐに槍を構え直して局員の胸を一刺しで貫いた。

 

「ごふぅ!」

 

「兄さん!!!」

 

一突きにされた局員は口から大量の血を吐いてそれをみて弟である彼は悲痛な叫びをあげた。

私はそれ以上に仲間であるはずなのに殺したということに血が上る。

 

「お前…仲間を何で刺した!?」

 

「ああ!?そんなの邪魔だからに決まってるだろ?裏切りは重罰だそれにあのポンコツを作ったやつだしな…殺して清々した」

 

仲間を殺して清々しただと?こいつ…!!

 

「お前ぇぇぇぇぇ!?」

 

兄を刺されて弟であろう局員があいつに突っ込む。

 

「お前も裏切るんだな?なら兄弟一緒にあの世に送ってやるよ!!」

 

突き刺していた槍を抜いて今度は弟を刺し殺そうと突きを入れるが少し横に避けて突きを避けてそのまま接近して顔面に拳を入れた。

 

「ぐふぁ…!?この魔力も少ししか持たないしたっぱが!?」

 

顔面を打たれて完全に激怒した、あいつは槍を振り回すが最小で避けて弟の拳と蹴りの連撃を食らわせる。

 

「ぐっ!」

 

その間に私は立ち上がっることはできたが今の私に何ができるか

 

「…そこの…君…」

 

かすれる声で私に呼び掛けたのは先程刺された局員だ。

 

「君達…に…頼みが…」

 

「喋るな!しっかりしろ」

 

傷から大量の血が流れているのをみて敵だったはずの人を心配する、いや、そんなの今はどうだっていい。

 

「弟…を…頼む…ジュ…ドは…まだ…はいっ…て…浅い…だか…らあいつに…罪は…」

 

何となく途切れ途切れだが彼が言いたいことは何となくわかった。

 

私は彼の最後の話を聞いてるしかなかった。

 

「うぐっ!」

 

ここから少し離れたところで彼の弟があいつと戦っていたが肩を槍が掠めて血が少量飛び出し少し顔を歪めている。

 

あのままじゃ不味い!駆けつけたいが今の私には…

 

[嬢ちゃん!武器がいるなら俺を使え!]

 

そんな悩みを解消する声は先程の捨てられた槍であった。

 

[俺だってマイスターがこんなにされて今弟が殺られそうになって黙ってるわけにはいかないんだ]

 

どういう仕組みかは全く知らないけど今はそれが一番いいかもしれない。

 

そう思って捨てられていた槍を拾って手に持ってあいつに不意打ちで脇腹に棒状の所で強打される。

 

「き、きさまぁ!?」

 

一撃で怒りの矛先は私に代わり槍を振るってくるがそこは対処して防ぐ。

 

[いい腕してんじゃねえか嬢ちゃん]

 

「なんだ!?魔力が消費が激しいだと!?」

 

[そいつはな、武器強化に使ってる魔力を俺がぶつかるときに吸収してるからな…]

 

「な、なんだと!?」

 

[ありがたくもらった魔力は使わせてもらってるぜ]

 

「こ、このポンコツがぁ!!」

 

…何をいってるのか全くわからないためについていけない。

 

「おりゃぁ!!」

 

そんなこと考えるのは止めて、あいつの体制を崩すと後ろにいた彼の弟があいつに取っ組み合い窓に近づいて窓の外へと投げ飛ばす。

 

「この!」

 

「うわぁ!」

 

飛ばしたのだが最後の抵抗かあいつは彼の弟の腕を持ってそのまま一緒に放り出され咄嗟に彼の弟の手を握って落ちずに保っている。

 

「くそ…!」

 

「僕はいい!このまま落としてくれ!」

 

「なっ!お前正気か!?」

 

下には奴等が群がっている落ちれば最後死ぬのは確実だ。

 

「バカ言うな!絶対引き上げる!」

 

お前の兄にも頼むと言われたしな、だが引き上げるにも一番したのあいつが落ちてくれれば…

 

「あいつだけ落ちてくれたら…」

 

私は思っていたことを口に漏らす、といっても言っても何も変わるわけじゃあ

 

「あいつを落とせばいいのね」

 

不意に漏らした言葉に返答したと思ったら私の横の窓から体を乗り出して素早く放ち、放ったものは一番したのあいつの肩に刺さった。

 

「っ!!」

 

痛みから手の力が緩みあいつは彼の弟のつかんでいた手を誤ってはずれ下へと落ちていった。

 

「くそ!く、くるな…くるな!下等生物!俺は…俺は…」

 

 

「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!?!?!?!?!?!?!!!!!」

 

大声の断末魔が響きあいつは奴等の群れの中に貪られながら消えていった。

 

「せーの!」

 

奴等の貪りが続くなか私はなんとか彼の弟を引き上げることに成功して気を緩めたからか疲れが一気に出てくる。

 

「助けてくれて…ありがとうございます」

 

「別にいいって…」

 

彼を助けることができたのも束の間先程援護をしてくれたりーさんがあろうことか彼にまで弓を向けていた。

 

「りーさん!?」

 

「この人も管理局の人間なんでしょ?だったらゆうくんの敵だから!」

 

管理局の人間を目の前にしたことから彼を殺そうと弦を引いていく。

 

そんななか私は咄嗟に彼の前にたった。

 

「待ってくれ!りーさん!こいつは敵じゃない!私や由紀達を助けてくれたんだ」

 

「若狭さん、雄也くんは復讐なんて望んでないよ、だって雄也くんだよ、若狭さんが一番よく知ってるはずだよ」

 

「私は…私は…」

 

弓を下ろしその場でへたりこむ。

 

「うっ!…ジュ…ド」

 

「っ!!兄さん!!」

 

掠れた兄の声に彼は反応して兄のそばに駆け寄る。

 

「だめ、出血が止まらない」

 

すぐ横で看病していた音姉とめぐねえは止まらない出血を見て打つ手がない状況だった。

 

「今止血するから!」

 

そういうと雄也が使っていた物と同じ陣が現れて両手をその人に当てるがその人は首を横を振りそれを拒んだ。

 

「今…回復…魔法を…使っても…もう……手遅れ…」

 

「そんな!まだ!」

 

「回復…魔法は…傷ついた…二人に…使え…」

 

「兄さん…」

 

恐らく二人と言うのは私とめぐねえのことをいっているのであろう。

 

「急げ…あの…バリケード…が壊れているんだ…生物…兵器は来るぞ…」

 

「っ!!」

 

確かに既に下の階からは呻き声がかなり聞こえてきていた。

 

「直ぐにバリケードを!」

 

「早く…!もう救えない…命より…救える命を…っ!!!」

 

そういうと体はピクリとも動かなくなり息を引き取った。

 

「兄さん…兄さぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!」

 

彼は兄の亡骸の前で涙を流した。

 

 

 


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