がっこうぐらし!The world in confusion   作:ウィングゼロ

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chapter19

 

……

 

「お、俺は…」

 

不意に意識を取り戻し辺りを見渡すと先ほどの場所とは全く違う、何もない真っ白な空間…

 

「俺は死んだのか?」

 

あの状況で考えられるのはそれが一番可能性があるが…

 

「まだ死んじゃいねえよ」

 

不意に聞きなれた声が後ろから聞こえてきて振り向くと目の色や、着ている服装など違う点があるがまさしくその姿は…

 

「よう、久しぶりだな俺」

 

正しく、俺そのものであった。

 

こいつは何者だ?なぜ俺の姿をしている?それに久しぶりだと?

 

俺の記憶の中にはこんな俺と同じ姿をしたこいつとは一度もあった覚えはない。

 

「はっ!どうやら覚えてねえみたいだな、もう6年ぐらい前にもなるんだからな」

 

6年だと?つまり…PT事件や闇の書事件の中であっていたというのか

 

「お前は…何者だ?」

 

「俺か?俺は…お前だ…」

 

「俺…だと?」

 

こいつは自分を俺といったどういうことだ

 

「ここは俺達の真相心理…言わば俺達の精神世界というわけだ」

 

「…それでお前はなんで俺の前に現れた」

 

「何、簡単な話だ…俺に体の主導権を寄越せ」

 

「なんだと!?どういうことだ!?」

 

「ここで死んじまうと俺も不都合だからな…俺ならお前以上に暗黒剣を扱うことができるしな」

 

「俺…以上に?」

 

こいつが俺以上に暗黒剣を使えるだと?

 

「お前は闇を恐れている、故にその心があるかぎり暗黒剣を全力では扱うことができない…ダークフォースの副作用がそうだ、自分が知らないうちに闇を拒んでしまったゆえだ」

 

「俺が闇を…」

 

「だが、俺は違う!俺はお前の闇そのもの言える存在だ、暗黒剣を自由に使うことができる」

 

こいつは歓喜満ちた表情をしながら自分は俺の闇と暗黒剣の新の所有者と象徴する

 

「そんなわけあるか!お前が俺だと認めるものか!」

 

そういって俺はアークの剣先をあいつに向ける。

 

「はっ!やっぱり、あのときと同じで俺を否定するんだな」

 

俺の返答がわかっていたあいつは黒いアークに疑似している剣を構えた。

 

構えも同じか…

 

「っ!」

 

先に動いたのは奴だ

 

高速魔法による加速で左側に迫ってきており、振られた攻撃をアークで受けきり、鍔迫り合いに持ち込んだ。

 

「くっ!」

 

「初撃は受け止めたか、まあそう来なくちゃな!」

 

奴の口振りからまだ俺を倒す余裕があるようだ。

 

アークで奴の剣を弾き返しその隙に脇腹に一撃いれようと横切りでアークを振るう。

 

「あめえよ、ダークカノン」

 

奴の空いている左手の掌に闇が生成されてそれを放たれる。

 

至近距離であったが初撃と二撃目のカノンは弾いたが3発目は弾ききれず左腕に直撃直撃する。

 

勿論痛みが走る、まあ真相心理のはずなのに痛みがあるのも可笑しいものだが。

 

奴は既に体制を立て直し剣には暗黒を纏って俺に切り掛かってくる。

 

「ダークスラッシュ」

 

暗黒剣の一撃を受け止めるのならここは俺も暗黒剣を使うのが一番だと踏んで闇を使おうとしたが

 

「なっ!?」

 

全く暗黒を纏う様子がなく、戸惑うなか奴は射程範囲内に入っており咄嗟に後ろに下がったが胸に肉薄で切られて痛みが走った。

 

「どうして…」

 

少し前まで使えていた暗黒魔法が使えなくなっていることに困惑する俺に奴は知っているように話しかけてきた。

 

「あたりまえだろ?なんたって俺は闇そのものだからな…今のお前に闇は使えねえ…まあ、諦めて体を差し出すんだな力の差は歴然だ」

 

奴のいっていることは確かにそうだ

 

 

正直、俺の持つ魔法は殆どが暗黒魔法からのもので、その根元と言われる闇を使えなくては話になれない。

 

それにさきほどのダークカノンは俺も使ったことがない技だ…これでは認めざる終えなくなる。

 

「くそ!どうすれば」

 

自問するがそんな答えでるわけない…ただ抵抗する他には…

 

「防戦一方だな…まあ、そうだよな、理由もなく戦ってるやつに俺が負けるはずもねえ」

 

「なんだと!?」

 

咄嗟にひていしたが、こいつのいつ通りかもしれない、今の俺には何もないのだ。

 

真実を知りたいというが大雑把すぎて話にならないし、それも集団的な理由だ、それは今巡ヶ丘にいる全員が知りたいことだし

 

俺はなんのために戦っていたのか…

 

「俺はある!戦いたいから戦うんだ、俺に歯向かうやつらを全滅させて、戦って戦って戦い抜く!」

 

「快楽者の野望だな全く」

 

こんなやつに体を渡してはいけない…けど、俺に勝てるのか?力を失い、戦う理由もない俺に…

ここからの俺は完全に防戦一方だ

 

奴の過激な攻撃を防ぐことで手が一杯で反撃をすることができない。

 

「くそ!どうすれば!」

 

「どうすることもできねえよ!このまま心の奥底で眠ってな!」

 

剣を弾いた瞬間奴の右足が俺を捉えて吹き飛ばした。

 

「かはぁっ!」

 

地面に叩きつけられて息づかいも完全に荒くなり意識も失いかけていた。

 

くそ!このままじゃ…あいつに体を持ってかれる…これじゃあ『探し出すこともできない!』

 

「っ!?」

 

俺は…なにを?何を探そうとしていたんだ?

 

この戦いの真実?いや違う、これはもっと昔に決心した…あの日…闇の書の事件のクリスマスで…

 

「そうだ…」

 

思い…だした

 

「あ?」

 

「あの日から…誓ったじゃないか…」

 

あの戦いで感じ助けてくれたあれは本物だと信じて…

 

「へっ!まだ立ち上がるかよ…でもよこれで…終わりだ!!」

 

奴はデスブリンガーをはなちその斬撃がこちらに迫り来る。

 

「立ち止まれない…こんなところで…」

 

アークを握りしめて上段の構えをとりそして…

 

「立ち止まれるか!!!」

 

アークの刀身に何かが纏い一気に振るうと斬撃を放ってデスブリンガーを相殺した。

 

「なっ!」

 

デスブリンガーを相殺したことに驚くあいつの前に俺はアークを見る、まだ刀身には暗黒とは違う何かが纏っている。

 

「なんだ…これ」

 

纏っている魔力は暗黒とは違って…暖かく優しい感じが…

 

「光…か」

 

「光?」

 

奴は完全に剣を下ろしこの力のことをいい始めた。

 

「お前、聖騎士伝説の文書…読んだことあったよな」

 

「確かに読んだが…」

 

聖騎士伝説…遥か昔、今の魔法もなくベルカ戦役前の世界を描いた一人の暗黒騎士の物語、その暗黒騎士が苦難を乗り越え聖騎士となり世界を救ったとされる物語だ。

 

一応一通り読んではいたがあれは空想上の物語だと思っていたが…

 

「つまり、闇と光、この二つの力は表裏一体だ…そしてお前は光に目覚めた…」

 

「何がいいたんいんだ?」

 

「今のお前に闇は必要ない…今は手を引いてやるよ…けど諦めたわけじゃねえ、決戦の場所にふさわしい場所で闇か光かどっちが体を持つかふさわしいか」

 

今は引くということで俺はアークを下ろし奴の話に耳を傾ける。

 

「それと、そろそろ目覚めた方が良いぜ…外ではベヒモスに戦ってるやつがいるからよ」

 

戦ってるやつ?っ!?まさか!

 

「圭か!?」

 

「じゃあな、次会うのは決戦の地…忘れ去られた世界の終着点の聖剣の眠っていた神殿でだ」

 

そういって奴は消えた…奴がどこを示したのかはわからないが…今は

 

「圭、待ってろ!今向かう!」

 

今はここから目覚めるのが先だとおもい急ぐのであった。

 


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