何故俺は鈍感と言われるのか解らない   作:元気

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遅くなりました。

いいわけは…しません。

もぅ、スランプ状態で、ヤバいです

あれ、言い訳して…

さぁ、今回は双子ちゃんがメインです!

どーぞ!!


鈍感男と双子の想い

「センパイ。0.4秒遅刻です。」

「うっ、……べつにそれぐらいなら許してくれるよな?」

「ダメに決まってるじゃないですか。 って、言いたいところですが、今日は、生徒会の活動が途中で入ってしまったので、《今日だけ》は許してあげましょう。」

「うん。まぁ、ありがとう…。」

 

 何なんだ…コイツ……初めて会ったときや、屋上での時との態度が全然違いすぎるんだけど……なんで?

 

 

 今日の部活は、この双子ちゃんの練習に付き合う。という約束は、まぁ、先程の会話通り合わなかった。

 

 理由はとても明確である。ただ単に生徒会室で萌那さんと色々話していたら、時間がいつの間にか過ぎて、残り1分ってところで気づいて、全力ダッシュしてきたのだけれど、間に合わなかった。と言うオチだ。

 

 

 自分でも、俺が悪いと言うことはわかっている。自業自得なのだ。しかし…、何でこんなにも陽乃ちゃんが冷たいのか解らない。

 

「ホラ、さっさと演技のコツとか教えてくださいよセンパイ。さもないと殴りますよ?」

「おねーちゃん……流石に…言い…過ぎ」

 

 そう言って月乃ちゃんは、陽乃ちゃんの頭をポンッと、優しく叩いた。

 

「イタッ。」

「いや、どうみても痛くなかっただろ、今の。」

 

 俺が苦笑しながら言ってみると、陽乃ちゃんはムスッとした顔になり、地面に穴があくんじゃないかって思うくらい、グリグリと陽乃ちゃんの靴で俺の足を踏んできた。

 

 

 俺、一応先輩だよね? 何でこんなことになってんの?

 

 そんなことを思いながら、踏まれている足を動かそうとするが、力が強いあまりにびくともしない。

 

 

 俺の足を踏みつけている張本人の陽乃ちゃんの目が……俺のことを軽蔑してるような、馬鹿にしてるような、そんな感じで視てきて、とてつもなく怖い。うん。姉貴がキレる寸前の時の顔とにていて、とても怖い。

 

 

 そんなことを思いっていると、腕を組ながら俺を見上げる陽乃ちゃんが、冷たい目のまま俺に向かって

 

「これは、センパイに触りたくてやっているのではなく、ただのストレス発散です。なので気にしないでくだ………さいっ!!」

「いっつぅ!?」

 

 先程よりも倍の勢いをつけて、陽乃ちゃんは俺の足を踏みつけてきた。

 

 

 あぁ、ヤバい、痛すぎて感覚が無くなってきたんだけど…。

 

 そこでやっと、俺の足の現状に気づいた月乃ちゃんが、驚いた顔をしたあとに、慌てて俺の足を思いっきり踏んでくる陽乃ちゃんを止めに入った。

 

 

「おねーちゃん…!? なに…やってるの!? まもる先輩が、痛そう…だよっ!?」

 

 双子の姉を少し強く押して、俺と距離をとらせる月乃ちゃんに心から感謝した。

 

 俺の右足は、解放されたが、ジンジンと痛みが右足の甲に広がって、なんとも言えないような感覚に襲われる。うぅ、俺なんか悪いことしたかな? イタタ……

 

 

 そんな俺の様子を観ていたのか、月乃ちゃんは俺の前に来て頭を下げた。

 

「ごめん……なさい。おねーちゃんが、酷いことを…して…。」

「えっ、あ、ううん。俺のせいだと思うし、別にいいよ。」

「………」

 

 月乃ちゃんは頭をあげるが、その顔は少し悲しそうだった。そして、陽乃ちゃんの方は、黙って俯いたままだった。

 

 

 そんな双子を目の前にしている俺は、つい、クスッと笑ってしまった。俺が笑ったことに驚いた二人は同時に俺を見る。そして、そんな息ぴったりな双子の姉妹の頭を、少し乱暴に撫でた。

 

「気にするな。これでも一応先輩なんだ。後輩を大切にするのは普通だろ?」

 

 笑顔で二人に言うと、陽乃ちゃんは俺の手を振り払って、ズカズカと近づいてきた。

 

「おねーちゃん…!?」

 

 また何かするのではと思った月乃ちゃんは、焦りと不安が混じったような声で陽乃ちゃんを呼んだ。が、その心配は、陽乃ちゃんの一言で消え去った。

 

「センパイは、ズルいです…………………………バカ。」

 

 

 台詞的には、結構心にグサリと刺さるモノが来るけれど、その言葉とは裏腹に、陽乃ちゃんの顔は笑顔で満ちていた。

 

「でもセンパイ。調子に乗らないでくださいよ。」

「いや、乗らないから。ってか、何に対して言ってるんだよ?」

「それは…私がセンパイのことがすk「まもる先輩!」

「うおっ!?」

 

 月乃ちゃんが、陽乃ちゃんの言葉を遮るように、俺の右腕に抱きついてきた。するとどうだろう、右腕から何か、柔らかいモノがフニフニと当たって、俺の理性を削ぎ落としにきた。

 

「あぁっ!? ……センパイ、やっぱり殺します。」

「えぇ!?」

 

 

 そのあとは、貴意先輩に見つかって、三人して怒られたけれど、怒られた後に、楽しく演技を教えることができてよかった。けれど、やはり陽乃ちゃんの態度は変わることもなかった。…いや、少しは変わったかな? なんか柔らかくなったと言うか…まぁ、そう言うことにしておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 陽乃side

 

「あああぁあぁぁぁ!!!」

 

 私は自分の部屋に入ると同時に、叫びながらベッドにダイブした。そうでもしないと、恥ずかしさが込み上げてきて倒れてしまうからだ。

 

「何で素直になれないのー!! 私のバカァーーー!!」

 

 猫の肉きゅうをイメージして作った、買いたてホヤホヤの新品枕に顔を突っ伏して、とにかく叫んでみた。

 

 

「ううぅ…………センパイ…。」

 

 センパイの顔を思い出しながら、先ほど撫でられた自分の髪の毛を弄ってみる。優しい瞳が私をとらえて、笑顔で頭を撫で続けてくれるセンパイをもう一度思い出すと、顔が沸騰するかと思うくらい赤面した。いや、もう既に沸騰していると思う。

 

 私は枕に顔を埋めながら、初めてセンパイと会った時のことを思い出した。

 

 

 

 

 センパイと初めてあったときの第一印象は、チョロそうなイケメンだった。

 

 自分で言うのもなんだけど、私はいい顔をしている方だと思う。そうおもえる一番の理由は、たくさん告白されるからだ。つい最近だって、月乃と一緒に屋上に呼び出されて告白されたし、昨日だって、隣の席の男の子が筆箱を忘れたって言ってたから、私のペンを笑顔で貸して上げだら、顔を真っ赤にさせて俯いたし。しかもその日の放課後に告白されたし…だから、顔は悪くない方だと思う。

 

 

 そして、私の最近のブームは、男の子を落とすことでもある。

 

 これを聞いたら「うわぁ…」って思うかもしれない。でもね、振った男の子たちには申し訳ないけど、これが意外と楽しいんだよ!?

 

 

 なんて言うんだろー…あっ、そうだ。あれだよ、アレ。ラスボスを倒す感じ。

 

 ホラ、よくゲームとかでさ、攻略がほぼ不可能な、世間で言う無理ゲー?っていうヤツがあるじゃない? それとも同じような感覚なの。

 

 スポーツ系男子だったり、大人しくてクールな人、紳士的でモテる人だったり、彼女作らないって威張ってたヤンチャ王子だったり、落としたときの達成感はスゴく気持ちいいんだよ?

 

 まぁ、ビッチな性格なのは既に自覚済み。でも、ちゃんと友達もいるよ。最近は皆に師匠って言われるし…。

 

 

 とまぁ、こんな風に過ごしてきてんだけれど、あの日、センパイと屋上で会った日に、私に異変が起きたんだ。

 

 はじめの方は皆と同じように接してたんだけど、今日と同じように頭を撫でて貰った。そしたら、今まで余裕だった気持ちが、急に苦しくなって、普通の人とは、なにかが違うって、思った。

 

 そして、センパイの近くにいるだけで胸がドキドキして、煩くて、落ち着かなくて、最終的には素直になれなくて、ツンツンしたまんまで…それで、改めて実感したんだ。

 

 

 

 あ~、これが『好き』って気持ちなんだなー。って。

 

 そう思ったあとの行動は早かったな~。今の性格を知ったら、絶対に嫌われちゃうと思ったし、ライバルは数多くいる。もちろん、月乃もライバルに含まれてるし。とにかく変わらなきゃって、思った。

 

 振った男の子たちに頭を下げて心から謝罪もした。今思うと、とてもひどいことしたなって、深く反省してる。好きな人に勇気を振り絞って告白するのは、ホントはとても大変で、恐いのに、私はそれを簡単に踏み潰した。だから、心から謝罪したのだ。

 

 

 

「もう、告白しかないのかなぁ…」

 

 顔を突っ伏したままそう呟いてみた。その声は、誰にも届かないまま、私の部屋に響き、私は静かに目を瞑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 月乃side

 

「おねーちゃんは、まもる先輩…の事が…………好き、なんだよね…」

 

 私は椅子に座りながら、今までのおねーちゃんの行動を思い出していた。

 

 

 おねーちゃんは、とても不器用だ。本当に好きな人ができると、突然態度が変わって、冷たくなる。冷たくされている男の子は、おねーちゃんの態度の変化に驚いて、周りとの温度差があると気づき、そして、『嫌われている』と勘違いされて、呆気なくおねーちゃんの恋が終わってしまう。と言うパターンが、何回かあった。

 

 普段のおねーちゃんは、男女構わず笑顔で話しかけて、でも、変なことを考えていたりしてるけど、やっぱりいい人で。

 

 

 そんなおねーちゃんと好きな人が一緒になることは、今回が初めてで、正直困っている。

 

 

 私は、あんまり自分を表に出せなくて、よく人に誤解を生ませてしまう。最近は、クラスに慣れてきたけら、だんだんと話すことが出来るようになってきたけど、始めのほうなんて、話しかけられも、あたふたしちゃって、会話が続かない時だってあった。

 

 そんな引っ込み思案の私の初恋は、おねーちゃんと一緒なのである。

 

 

 しかも、おねーちゃんだけではないのだ。まもる先輩は数多くの人を虜にする能力を持っている。だから、ライバルはおねーちゃんだけではないのだ。

 

「うぅ…どうしたら………いいのかな。」

 

 机に頭を乗せて、一人で悩む。私、どうしてあの人を好きになったんだろう…

 

 

 そんなことを思うと、ふと、今日の出来事を思い出した。迷惑をかけていたのに、笑顔で許してくれて、心が広いな~。って思って、笑顔が素敵で、でも鈍感で。良いとこを見つけていくたんびに、こんな一面もあるんだな~。って。あっ、私

 

 

 

…良いところを見つけていくたんびに、どんどん好きになっていたんだ。

 

……恋って、嬉しいけど、苦しくもあるんだね。スゴくもどかしいよ。

 

 

「おねーちゃんには負けないよ。」

 

 私は起き上がって、笑顔でそう呟いてみたのだった。

 

 

 

 





修学旅行が近いな、投稿できるかな…

目標は50話で完結!!

これからも頑張っていくので

指摘&感想よろしくお願いします!!

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