何故俺は鈍感と言われるのか解らない   作:元気

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今回は前の物語の、サイドストーリーです。

真守がウハウハしていたときの、裏側です。






鈍感男に戻るとき 麗&美帆side

 真守が屋上にいた頃、真守の知らないところで、ある話がされていた。

 

 

 

 

 

 麗side

 

「ねぇ、ねぇ、レイちゃん。真守くんって知ってる?」

 

 同じ部活動をやっている先輩から、弟の名前が出てきたのでとても驚いた。

 

「えっと…まもるって人、どんな名字でしたか?」

 

 まさかと思って、一応名字を聞いてみることにしてみた。

 

 向の席に座って、私をみつめてくるのは、中野 美帆さん。高校二年生で、先程いったように、私の先輩だ。私からしての美帆さんの第一印象は、『見たことないほど綺麗。』だった。よく、テレビとかで可愛い女優さんが出てくるけど、美帆さんはそれと同じくらい、いや、それ以上と思えるほどの美人な先輩だ。

 

 ふんわりとした鮮やかな茶色の髪の毛を束にして、右肩にかけており。高校生とは思えないくらい、凄く大人っぽい顔立ちをしている。優しそうな目をしているけど、その瞳の奥には、小悪魔のような悪戯心が住み着いているらしいが、そこがとても可愛らしいと評判だ。そんな美帆さんは、ぶっちゃけとてもモテる。

 

 

 そのなかでも特に凄いと噂なのがある。それは……悩殺スマイルと言われている笑顔だ。それを見たものは、男女構わず好きになるらしい。因みに余談だけど、これを言っていたのは美帆さんの友達である。悩殺スマイルは、「ありがとう。」、「大好きだよ。」等の、何かのお礼の時や、美帆さんにとって嬉しいときにみれるらしい。

 

 

「う~んと、確か…」と、ついさっき始めたばかりの縫い物を、美帆さんの説明している最中に終わらせたらしく、先程完成したオシャレなティッシュカバーを眺めながら、美帆さんは口ごもって思い出し始めた。

 

「あっ、そうだ! 確かね、『塚崎』…だったような気がする! ううん、………絶対に塚崎だよっ!」

「あっ、うん。それ多分………私の弟です…。」

「ほ、ホントにっ!?…………ホントだ! 言われてみれば、真守くんと同じような茶色っぽい髪だし、目許も似てる! スゴい、スゴい!!」

 

 両目を大きく見開いて驚く美帆さん。そのあとすぐに顔が緩んで笑顔になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 っ!?……………………これが悩殺スマイル…か。…………威力高すぎでしょっ!?/////

 

 あと少しで私、変なのに目覚めるところだったよっ!?////

 

 それほどまでに、悩殺スマイルは破壊力抜群でした。

 

 

 

 

「…………………ハッ。…な、なんで美帆さんは真守の事を知ってるんですか?」

 

 

 意識が戻ってきて、私はハッとしてから、美帆さんに真守との出会いを聞いてみることにした。ヤバい、さっきの笑顔が頭から離れない…たすけて………///

 

 

 なんとかして、気持ちを切り替えそうと、首をとにかく横に振って、悩殺スマイルを頭から追い出そうとした。美帆さんはと言うと、机に両肘をついて、掌に顎を乗せ、嬉しそうに目を細めて笑った。その顔は、【恋する乙女】と、誰もが見ても解るような顔で、出会った当時を思い出しているのか、遠くを見つめるような、温かい眼で、語り始めた。

 

「真守くんと初めてであったのは、わたしがナンパをされていたときなんだ。」

「な、ナンパ…(何て王道な……)」

「うん。それで、男の人達がとてもしつこくて、連れ去られそうになったときに、真守くんと目が合ったんだ。その時に、ビビってきたの。この人なら、助けてくれるって。本能が言ってたから、真守くんの所に行ったんだ。」

「それで、真守が助けてくれた…と?」

「うん! それはもうカッコ良かったよ!」

 

 頭に『♪』マークがたくさん付くほど、美帆さんは嬉しそうに話していた。………恐ろしい奴め。

 

 私は、嬉しそうにニコニコ笑っている美帆さんとは反対に、「これでまた、真守を好きになった人が増えた…。」と、大きめの溜め息をついた。とうとう高校生にまで手を出したか……まったく、恐ろしくモテますね。真守が死んだら、お葬式は、男子より女子率の方が、圧倒的に多いだろうね。もちろん、そのなかにも、悩殺スマイルの美帆さんも入ってるけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 何でもできる自慢の弟に、たった今、少しだけ殺意を抱いた。

 

 ドジでも踏んで、たまにはモテない人の気持ちなもなれ。どれ程辛いか解らない奴は、バチが当たればいい。

 

 

 

 

 表面上では、美帆さんの話を聞きながらニコニコするが。内心では、少し赤黒く染まった殺意の種が、芽を出した。その芽には、異性にモテることのできない嫉妬や、怒りだけが込められている。もし、この殺意の花が咲いたとき、真守はこの世に居ないだろう。…………もちろん半分冗談だけどね。

 

 一瞬だが、口許がニヤリと上がったので、自分の口を一生懸命に結んだ。その時、朝に、真守に少し異変があったことを思い出した。確かアイツ、お母さんのいかにもヤバそうな緑色の液体を飲んでたな。ふふっ、ざまぁーみろっ♪おっと、ついつい弟に対しての感情が出てきてしまった。抑えないとっと。

 

 私は一人で両手を使って口を抑え、溢れる殺意を抑えた。

 

 

 …でも、あのあとの真守は少し変だったな~。

 

 

 今朝の真守を思い出してみる。いつもは「いってきます。」と、フツーに言ってるけど、今日はやけに元気だったな。それに、テーブルの上に、ヤバそうな薬が置いてあったし、そういえば、箱の表面に紙が貼ってあったな。確か…【性格変わり薬♪】って書いてあったような…………

 

 

 

「美帆さん、真守今、きっと性格が反対になってますよ。」

「ええぇ!?そうなのッ!?」

「はい。それにしても嬉しそうですね…。」

「そ、そうかな?(だって、だってさ! 優しい真守くんの性格が反対になったら…優男→ドS=変態っ!!だよね!?)」

 

 何を考えているのか解らないけど(真守が関係してることはわかるけど…)、美帆さんは頬を紅く染めて、その紅くなった頬に両手を添えてニヤニヤし始めた。

 

 

 マジで殺そうかなアイツ……

 

 

 

 

 そのあとも、真守についての話をたくさん美帆さんに教えた。性格や特技、小さい頃の話や、今のこと。入っている学校や成績もついでに教えてあげた。そのたんびに美帆さんは、笑顔で頷いたり、大きく目を見開いたりしていたと、表情がコロコロ変わって、私が男子だったら惚れてたな~と、思うぐらい可愛かった。真守は今日、死刑決定だな。

 

 

 

 なんとなく時計をチラッと見てみると、部活の終わる時間の1分前だった。私は美帆さんに時刻を知らせると、美帆さんも時計を見て確認した。

 

「あぁ、ホントだ。やっぱり、楽しい時間はすぐに終わっちゃうんだね…。」

 

 困ったような笑顔をして、美帆さんは若干物足りな表情をした。

 

「そうですね。また、真守について話しましょうよ。」

「それはた助かる! ありがとー♪」

 

 本日2回目の悩殺スマイルありがとうございました。私はもう真守を地獄でも殺し続けますっ!

 

 家庭科室をでて、鍵をかけた。私たち以外の人たちは、既に帰っていたらしく、私たちが最後だった。鍵を職員室にいる顧問の先生に返してから、私と美帆さんは家に帰ることにした。

 

「それじゃ、わたしほこのあと塾に行くから。じゃあねーレイちゃん! また明日っ!」

「はい。さようなら美帆さん。」

 

 手を左右にフリフリする美帆さんの背中を見ながら、私も帰ることにしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 美帆side

 

「あっ!もしもし? ガードマンさん? わたしですけど、………あのですね、光ヶ丘中学にいる、塚崎真守って人を、お父様のビルの地下に閉じ込めてください。あぁ、その時に、廃墟のビルっぽくセットしてくださいね。そっちの方が雰囲気でて良いですから♪………もちろん、イスに座らせて腕だけを縛っておいてください。はい。……………特徴はですね、少し茶色っぽい髪の毛に、イケメンの男の人で、黒ぶちの眼鏡をかけています。髪型は、右側の髪をかきあげて、ピンでその髪を留めて、余った髪を左に流した感じですね。演出、忘れないでくださいよ?…はい、それでは、よろしくお願いしまーす!」

 

 スマホから耳を離して、鞄にしまった。先程の電話の相手は、わたしのガードマンさんのガードマンさん。えぇ…っと、『ガードマン』って言う名前なのです。まぎらわしいよね!

 

 

 お父様のビルに向かって歩くけど、自然と足取りが軽くなり、スキップしながら向かっていた。真守くんと会えると思うと、心も体も嬉しくなるんだ。うん。やっぱり、わたしは、真守くんが大好きなんだ。と、改めてそう思った。

 

 そう思うと、更に嬉しくなって、気づいたら、誰もいない路地を一人で叫んでいた。

 

「待っててね、まもるくん~!!」

 

 綺麗な空に向かって、大声で真守くんに宣戦布告してみた。笑顔で言ってみるとそれに答えるようにして、ガードマンさんから電話が掛かってきたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──すみません、お嬢様。わたくしめが来なかったらきっと……」

 

 リムジンの運転をしながらガードマンさんはわたしに謝ってきた。バックミラー越しから、黒いサングラスをかけて、スーツをビッシッとキメた、ガードマンさんと視線が合った。

 

 わたしは明るく微笑んで、「全然大丈夫だよ? 次もよろしくね。」

 

 と言ってから、窓に視線を移した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 もし、あの時、真守くんにキスをされていたら……

 

 そう考えるだけで、頬がつり上がってニヤニヤしてしまった。それと同時に、嬉しすぎて倒れてしまう自分も想像した。

 

 

 うぅ、いまだにドキドキが止まらないよー…////

 

 でも、そうでもしないと真守くん、わたしの気持ちに気づかないから……だからここは、積極的にいかないとっ!!

 

 

 

 

 景色が変わって、赤色に染まる夕日を見ながら、もう一度さっきのことを思い出しては、照れる事を繰り返した。溢れる想いが口から出てしまうと、ガードマンさんはサングラス越しから優しく微笑んだ。

 

 

 リムジンが止まってわたしの家に着いた。ドアが自動で開いたので、そこから地面に足をつけた。「ありがとう。」と言ってから、ドアが閉まり、リムジンが去っていった。リムジンが見えなくなるまで見送ると、おもいっきり背伸びをしてみた。うん。今日は真守くんと夢で会えそうな気がするよ! そう思いながら、寝ることを楽しみにするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




こんな感じでした(笑)

途中集中力が無くなって雑になってる気がする…反省。

もし、この作品が終わったら、今度は、暗殺教室か、がっこうぐらし!か、スケットダンスか、未来日記の小説を書こうと思います。何故か懐かしいのばかり(笑)

指摘&感想よろしくお願いします!

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