皆さんも気をつけて下さい。
それに、何だかキャラがみんな同じような性格みたいに感じる…
朝、目が覚めると、いつも通り、みなが俺をお越しに来てくれてた。
「おにーちゃん、おはよう♪ 今日もいい寝顔だったよ。ごちそうさま♪」
「いやっ、何が「ごちそうさま♪」だよ……。」
アクビをしながら頭を掻いてそう言う。窓の方を見てみると、黒い雲が遠くの方にあり、いつ雨が降ってもおかしくないような天気だった。そう言えば、昨日の天気予報に、明日、激しい雨が降るとか言ってたな。
そんなことを思いながら、ベッドから出て、制服に着替えるために、みなを追い出した。俺の部屋から出るときに、「えぇ~。」と頬を膨らませながら反抗したが、「はい、はい。」とだけいって、綺麗にスルーして背中を押した。そうでもしないと、みなは部屋を出ていってくれないからな。年頃の男としてあまり体をじろじろと見られる事は、結構恥ずかしい。なので、部屋から出ていってもらった。
部屋着を脱いで、制服に腕を通しながら、昨日のHRの時に渡されたプリントの内容を思い出した。その内容はと言うと、今日、6月1日に、転校生(男)が来るのだ。このプリントを渡された後に、男子の悲願の声と、女子の喜色ある声が混ざったのを覚えていた。
「変な奴じゃなければ良いんだけど。」
つい、心の声が漏れてしまい、1人で苦笑いをする。最近、色々な事がありすぎて体が持たないのだ。昨日だって、美帆さんに拉致されて、大変な目にあったし、母さんには実験台にされていたし、とにかく疲れているのだ。なので、このタイミングで俺のまわりにメンドクサイ奴が増えてら、俺の精神状態は崩壊するだろう。
まぁ、とにかく、今日はまともな人だと期待するしかないな。
ネクタイをキュッと同時に、気持ちも一緒に引き締めて、鞄を片手に部屋をでた。
「おはよう。」
「おはよーまもる。昨日はゴメンね♪」
「謝るぐらいなら、初めからやるなよ。」
自分のいつも食べている席に腰を落として座りながら、母さんに文句をぶつけた。
「だいたい、何でよりによって俺なんだよ? 自分でやればいいだろ。」
「いやーね。まもるがやるから面白くなるのよっ♪」
「サイテーだよこの人。俺の事を何だと思ってんだ………」
「んーとね。タダで使える兼面白い実験台?」
「あんた最悪な人間だな………………。」
深すぎる溜め息を思いっきり吐いてから、目の前に置いてある、少し茶色くこんがり焼けている完璧なトーストに、こちらも綺麗に焼けている目玉焼きを乗せて、大きめに一口食べてみた。…………………うまい。
母さんの料理はとてもうまい。ウザいほどに。あーもう、何だな負けっぱなしで嫌なんだけど……
無言でトーストを頬張りながら、透明のガラスコップに入っているオレンジジュースと一緒に、トーストを飲み込んだのだった。
「なぁ、真守! 俺さ、最近ゲームだけじゃなくて、アニメにもハマりだしたんだよっ!」
「ふぅ~ん。どんなやつ?」
適当に流しながすつもりだが、面白そうなモノは見てみようと思って聞く準備はしていた……が、思っていたよりもあさは、熱く、熱く語り始めた。
「ご注文は〇さぎですか? の二期とか、あぁ、ごち〇さは、もぅ終わったけどな。あと、今やっているアニメは、無彩限のファントム〇ールドとか、暗殺〇室とか、僕だけがい〇い街とか、僕だけがい〇い街は、凄く面白いぞっ!!それから………お〇松さん!!あと、がっこ〇ぐらし!もよかったな~。終わったけど…、それにっ!!」
「もういい、ありがとう。後で見ておく…。」
コイツ、さっきまで長々と語っていたアニメ愛のせいで、全然寝てないな……。
チラッと、あさの様子を見てみると、目許には隈ができていて、髪の毛もボサボサのままな上に、制服も少しだらしなかった。
いつもはピシッと、ネクタイを上まで絞めて、ブレザーのボタンもきっちり着ているが、昨日は本当に全然寝ていなくて眠いのか、ネクタイは途中までしか絞まってなくて、ヨレヨレになっている。ブレザーのボタンも2つしかないのに、上のボタンをかけ間違えていた。うん。ヤバいなコイツ。
俺は少々哀れみの眼であさを見て溜め息をついた。溜め息をついてから、黒々とした空に眼を移した。
こりゃあ、転校生はまともじゃないやつが来るな。
なぜか俺はそう思ってしまった。残念ながら、その時の予想は見事に────
──ハズレた。
俺たちの教室に入ってきた男の子……いや、男の娘は、よっシーと同じぐらいの背の低さで、とてもじゃないが女にしか見えない。むしろ女なのではないか?そんな疑問が生まれるほど、女子っぽかった。顔だけを見ると…だけどな。
制服を見てみると、ブレザーのボタンは全てあけており、中のYシャツの上に半袖のカーディガンをきていて、ネクタイはしていなかった。Yシャツの上にカーディガンを着るのは、別に校則違反ではないので問題はないし、ネクタイも、何かの行事がない限り着けなくてもいいことになっていて、この学校は意外とユルかったりする。それを生かして、制服をかっこよく着こなしている転校生が、自己紹介を始めた。
「僕は、早乙女 ひかる(さおとめ ひかる)だよ。みんな、よろしくー!」
数秒間の沈黙が教室に駆け巡ったが、それは、女子の歓声で一気に無くなった。
『可愛いっ~!!』
「天使!!」
「男の娘サイコー!!!」
「弟にほしいぃー!!」
「は、鼻血がっ!?///」
仲のいい優と茜をチラリと盗み見してみてみたら、優は頬を両手で抑えて、ニヤニヤするのを必死で堪えていた。茜はと言うと、頬を赤くして、口を金魚みたいに、開けたり閉じたりして、自分を見失っていた。
そんな二人を苦笑いしながら眺めてから、再び前を向いた。
「……………(ニコッ)」
「っ!?(今、視線あったよな?)」
早乙女と視線がバッチリあってしまって、内心焦り始めた。おいおい、何か少しだけだが、ニヤニヤしてるように見えるんだけども……気のせいなのか?
早乙女は、テクテクと、自分の席に向かって歩き出した。因みにだけど、早乙女の席は、窓側の一番後ろだ。
つい最近、母さんの気分がご機嫌だった時があって、その日に席替えをした。そのときの席が、今、早乙女が座っている前の席で、早乙女が来る前までの、窓側の一番後ろの席だった。窓を開けると、暑い太陽が照らしつけてくるが、たまに吹く風がとても気持ちよくて、睡魔が襲ってくる。そのせいで、うとうとしてしまうが、俺のお気に入りの席であった。しかし、今は、前言ったように、教室の真ん中の辺りの席である。もっと詳しく言うと、真ん中の列の、前から4番目だ。余談だが、一番後ろは7列目まである。更に言うと、現在、早乙女が座っている席は1つだけ突き出ている8列目になるのだ。
一回だけ、早乙女の方をチラッと、見てみると、微笑みながら俺と眼があった。何故だか背筋がゾクりと凍った。よく解らないけど、嫌な予感がする。俺と早乙女は初対面だよな?あぁ、間違いなく初対面だ。なのに何故だろう、この気持ち悪い冷や汗は……。
首をとにかく横に振って、考えたくもない何かを、頭から追い出し、これから始まる授業に集中した。
ひかるside
ボクは、「早乙女 ひかる」といいます。突然ですが、あの黒ぶち眼鏡の人が、とても興味深いです。
……あっ、さっきも目があった♪
ん? ホモ? そんなの気にしないよ♪
男とか、女とか、そんなのぶっちゃけどうでもいいのさ。好きになった人が、たまたま男だっただけなんだから……………ね?
ふふふ、楽しみだなぁ~。何て話しかけようかな…。
自分の席に座りながら、あの人の背中をみつめる。隣から「よろしくね。」と、声が聞こえたので、「うん。よろしく。」と、顔をその人に向けながら言い終わった後、すぐさま背中にまた視線を戻した。立派な背中だなぁ~。抱き締めたくなってきちゃったよ。あはっ。
唇を自分の舌でなぞって、ニヤリと口角を上げた。前の学校では、『ヤンデレ』と言われていたが、そんなのはどうでもいい。ツンデレとか、クーデレとか、そんなのは人の個性だから仕方のないことだよ。ボクはただ、好きになった人を大切にするだけだよ。みんなと同じ、フツーの人さ。ははッ。
おっと、ついついボクの愛が溢れてきちゃったから抑えないとね。ふぅ、それにしてもこの学校が意外とユルくてよかったよ。そうでないと乗り込めなかったしね。ここの制服も案外男っぽくてよかった。前の学校では、男子がちょっとアレだったからな~。でも、あの人なら許しちゃいそうだな、じゅるり。なーんてねっ。アハハッ。あっ、でもやっぱり女子にはモテておきたいね、そうでないと後々めんどうになるからね。アハハハッ。
自然と笑顔になってしまう顔を堪えて、とにかくその人の背中を一時間目が終わるまで見続けた。
楽しみにしててね。まもる君。
ヤンデレキャラを入れてみました(笑)
こういうキャラもアリですよね。……………アリですよね?
書いてる途中で、美帆を連想しました。所々似てますよねコイツら(笑)
キャラの個性もしっかりと区別して書くように心がけます。
感想&指摘よろしくお願いします!