たぶんほかに類を見ない特典をもっての転生   作:osero11

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 タグをいろいろいじくってしまい、すみません。タグに入れるべきことを入れなかったせいで不快になった読者の方がいたらしく、その反省点を生かして整理することになりました。そのせいで迷惑をかけてしまった方、大変申し訳ありませんでした。
 これからもタグを変更する場合もあるかもしれませんので、ご了承ください。一応申し上げておきますと、『ピクミン』においてはタグから取り除く予定はありません。

 タグの方をご覧になって、不快になる要素がないという方だけどうぞご覧ください。それではStrikers第二話、始まります。



2016/ 3/13 修正しました。
2016/ 4/ 8 会話文を修正しました。
2016/ 9/16 改行などの修正を加えました。


第二話 機動六課/今日の主人公はサイエンティストなの?

 とある大きな建物の前に、理央は立っていた。レジアスの部屋から退室した後、理央は地上本部を出てここに向かっていったのだ。

 

 理央は建物の前で自分の身だしなみを軽く整えると、建物の中に入っていった。

 

 自動ドアを抜けた先には、とても広く、豪華な輝きに満ちたロビーがあった。しかし彼女は、前世でよくこういうところに入ったことがあるためか、あまり興奮したり緊張したりすることはなかった。

 

 ロビーに入った理央は、まっすぐ受付の方に向かっていく。

 

「カレドヴルフ・テクニクス社のミッドチルダオフィスにようこそいらっしゃいました。

 どのようなご用事でしょうか?」

 

 受付嬢がそう理央に問いかけてくる。それに対し理央は答えた。

 

「お世話になっております。今日の13時にこちらのほうに伺う連絡をしておりました、管理局ミッドチルダ地上本部の青葉理央と申します。

 第3新型魔導端末開発部の方とお約束をいただいておりますが、お取次ぎ願えますでしょうか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……とまあ、そんな経緯があって、八神二佐は新部隊設立のために奔走」

 

「4年ほどかかって、やっとそのスタートを切れた……、というわけや」

 

 試験を終えたスバルとティアナは、試験場の近くにある管理局の建物に場所を移された後で、はやてとフェイトに新部隊へのスカウトをされていた。そしてちょうどいま、二人から新部隊設立の経緯を聞き終えたところだった。

 

「部隊名は時空管理局本局、遺失物管理部、機動六課!」

 

「登録は陸士部隊、フォワード陣は陸戦魔導士が主体で、特定遺失物の捜査と、保守管理が主な任務や」

 

 さらにリインとはやてが、部隊の詳しい説明をし始めた。

 ティアナはその話を聞きながら、質問をした。

 

「遺失物……「ん?」ロストロギアですね?」

 

「そうや」

 

「?」

 

「でも広域捜査は一課から五課までが担当するから、うちは対策専門」

 

「なるほど、そうですか」

 

 ティアナの質問にはやてとフェイトが答える中、スバルはなにかわからないことがあるといった表情を浮かべた。

 はやてがさらに説明を続けている最中に、スバルは念話でティアナに話しかけた。

 

《ティア! ティア!》

 

《なによ?》

 

《ロストロギアってなんだっけ?》

 

 わかってなかったんかい。それでいいのか管理局員。

 

《うっさい! 話し中よ! 後にして!》「あ、はい」

 

「あう……」

 

 ティアナは念話でスバルを一蹴すると、はやてに返事をした。一方、一蹴されたスバルはうなだれてしまった。

 

「で……、スバル・ナカジマ二等陸士、それに、ティアナ・ランスター二等陸士」

 

「「はい!」」

 

 スバルのほうは少し面白い顔をしながらも、はやてからの呼びかけに二人は答えた。

 

「私は、二人を機動六課のフォワードとして迎えたいて考えてる。

 厳しい仕事にはなるやろうけど、濃い経験は積めると思うし、昇進機会も多くなる。どないやろ?」

 

「あ、えーと……」「あ、あの……」

 

 はやてから発せられたスカウトの言葉に、スバルとティアナは動揺するが、そこにすかさずフェイトが話しかけてくる。

 

「スバルは、高町教導官に魔法戦を直接教われるし……「あ、はい……」、執務官志望のティアナには、私でよければアドバイスとか出来ると思うんだ」

 

「あ、いえ……、とんでもない、といいますか……、恐縮です、といいますか……」

 

 フェイトからの提案に、スバルとティアナは顔を見合わせるが、そこに一人の人物が入ってきて、二人の視線はそっちの方にいってしまった。

 

「えーっと……、取り込み中、かな?」

 

「ふふっ。平気やよー」

 

 入ってきたのは、スバルの憧れの人物であり、はやてとフェイトの親友である高町なのはだった。

 なのはは、はやてとフェイトが座っているのと同じソファに座った。

 

「とりあえず、試験の結果ね」

 

「「!」」

 

 なのはの言葉に、スバルとティアナは身を固くする。

 

「二人とも、技術はほぼ問題なし」

 

 なのはの言葉に、スバルは一度安堵した様子を見せたが……、

 

「でも、危険行為や報告不良は見過ごせるレベルを超えています」

 

 その言葉を聞き、スバルとティアナは苦い表情になった。

 

「自分やパートナーの安全だとか、試験のルールも守れない魔導師が、人を守るなんて、できないよね?」

 

 なのははさらに言葉を続け、彼女の近くに飛んできたリインはうんうんとうなづいている。

 

「うぅ……」

 

「はい……」

 

 なのはの厳しい言葉にスバルは軽くうめき声をあげ、ティアナは元気のない様子で返事をした。

 

「だから残念ながら……二人とも不合格」

 

「うぅ……」

 

 なのはから伝えられた、不合格という結果にスバルは顔を伏せてしまった。

 

「……なんだけど」

 

「「えっ?」」

 

 しかし、そこから続けられた声を聞き、スバルとティアナは驚いた様子でなのはの顔を見る。

 

「二人の魔力値や能力を考えると、次の試験まで半年間もCランク扱いにしておくのは、かえって危ないかも、というのが、私と試験官の共通見解」

 

「ですー」

 

 なのはとリインはそう続けて言った。

 確かにアクシデントがあったとはいえ、二人が与えられた課題をクリアしたことに変わりはないのだ。

 そういう意味では、二人はBランク魔導師として十分な能力を持っているといっても過言ではなかった。

 

「ということで、これ」

 

 そう言いながらなのはは、二人の方に二つの封筒と一枚の紙を差し出した。

 

「特別講習に参加するための申請用紙と推薦状ね。

 これを持って本局武装隊で三日間の特別講習を受ければ、四日目に再試験を受けられるから」

 

「え……? ええ……?」

 

「あ……?」

 

 なのはからの思いもよらない言葉に、スバルとティアナは少し混乱した。

 

「来週から、本局の厳しい先輩たちにしっかりもまれて、安全とルールをよく学んでこよ? 

 そしたらBランクなんて、きっと楽勝だよ。ねっ!」

 

「! ありがとうございます!」

 

 再試験のための手配をしてくれたなのはの思いやりにスバルとティアナは笑顔になり、なのはに頭を下げた。

 

「合格までは試験に集中したいやろ?」

 

 はやてからの言葉に、二人は頭をあげて彼女の方を見た。

 

「あたしへの返事は、試験が済んでから、ってことにしとこか」

 

「「すみません! 恐れ入ります!」」

 

 はやての言葉に二人は起立して敬礼のポーズをとった。敬礼しながらも、二人は目を見合わせてほほ笑んだ。

 

 

 

 

 

「あー……、なんかいろいろ緊張したー……」

 

「まぁーねー」

 

「不合格は残念だったけど……、まあしゃーないよね」

 

「ま、再試験に引っかかれたのは幸運だったわ」

 

「だね」

 

 なのはたちとの話が終わり、二人は建物の外でリラックスしていた。

 芝生の上で、スバルは腰掛け、ティアナは寝っ転がりながら話をしていた。

 

「でさ、新部隊の話……ティアはどうする?」

 

 スバルは顔をティアナの方に向けながらそう問いかけた。

 

「アンタは行きたいんでしょ。

 なのはさんはあんたの憧れなんだし、おんなじ部隊なんてすごいラッキーじゃない」

 

「まあ……そうなんだけどさ……」

 

「あたしはどうしようかな……。

 遺失物管理部の機動課っていったら、ふつうはエキスパートとか、特殊能力持ちが勢揃いの生え抜き部隊でしょ? そんなとこに行ってさ……、今のあたしが、ちゃんと働けるかどうか……」

 

 ティアナは不安げな表情を浮かべて空を見上げながらそう答えていたが、ふとスバルの顔の方を見て、彼女が何故かにやけた表情を浮かべていることに気づいた。

 

「ふふふーん」

 

 しかもどこか得意げな様子だ。ティアナはそんな彼女の様子を見て、なんだか少し恥ずかしい気持ちになりながらも問いかけた。

 

「なによ、気持ち悪い」

 

「うふふふっ」

 

 ティアナからの辛辣な言葉にも表情を変えることなく、にやけていたスバルだったが、突然表情を真剣なものへと変え、自分の思っていることを伝えた。

 

「『そんなことないよ! ティアもちゃんとできるって!』って、言ってほしいんだろー?」

 

 途中までは真剣な表情だったが、後半になってからはどこかからかうような表情を浮かべながらスバルは言った。

 それを聞いたティアナの額に青筋が浮かんで、彼女はスバルの尻を思いっきりつねった。

 

「うわー!! いたいいたたたたたたたいたいいたいいたいいたい! あーあー! ギブギブギブギブ!」

 

「なーによそれは! 言ってほしくないわよ! バカ言ってんじゃないわよ!」

 

 最後にふんっ!と鼻を鳴らしながらそっぽを向き、ティアナはスバルの尻をつねるのをやめた。

 

「あー、いってー……。……ねえ、ティア……」

 

 スバルからの呼びかけに、ティアナは顔をスバルの方に向けなおした。

 

「あたしは知ってるよ。ティアは口ではふてくされたこと言うけど、本当は違うんだって。

 フェイト執務官にも、内心ではライバル心メラメラでしょー?」

 

「ラ、ライバル心とか、そんな大それたもんじゃないけど……。

 知ってるでしょ? 兄さんと同じ執務官はあたしの夢なんだから。兄さん以外の執務官から勉強できるならしたいっていう気持ちはあるわよ……」

 

「だったらさ、やろうよ! ティア!」

 

 スバルはティアナの方に身を乗り出し、まっすぐな目でティアナを見ながら自分の思っていることをはっきりと伝えた。

 

「あたしはなのはさんに、いろんなことを教わって、もっともっと強くなりたい! 

 ティアは新しい部隊で経験積んで、自分の夢を、最短距離で追いかける!」

 

 スバルからの真剣な言葉に、ティアナの顔も引き締まる。

 

「それにー♪」

 

「?」

 

 が、そこから続けられた言葉は

 

「当面まだまだ二人でやっと一人前扱いなんだしさぁ、まとめて引き取ってくれるの嬉しいじゃん♪」

 

 ティアナの顔にまた青筋を浮かばせた。ティアナは、今度はスバルの頬を思いっきり引っ張った。

 

「いふぁいいふぁいいふぁいふぁい! ふぃぶふぃぶふぃぶふぃぶ! ふぉめんなさいふぉめんなさい!

(いたいいたいいたいいたい! ギブギブギブギブ! ごめんなさいごめんなさい!)」

 

「そ・れ・を・言うなー! めっちゃくちゃむかつくのよ! 何が悲しくてあたしはアンタとコンビ扱いなのよっ!!」

 

 ティアナは頬を引っ張るのをやめ、またそっぽを向いて言葉を続けた。

 

「ふんっ! まあいいわ。うまくこなせれば、あたしの夢への短縮コース。

 あんたのお守りはごめんだけど、ま、我慢するわ」

 

 スバルは一度きょとんとした表情を浮かべたが、そのあとすぐ笑い出した。

 

「ちょーっと、何笑ってるのよ」

 

「ふふふ、別に笑ってない……」

 

 そんな二人の様子を、なのはとはやては建物の上の階から見ていた。

 

「あの二人は、まぁ入隊確定かな」

 

「だね」

 

「なのはちゃん、嬉しそうやね」

 

「二人とも育て甲斐がありそうだし、時間かけてじっくり教えられるしね」

 

「ふふっ。それは確実や」

 

 余談だが、なのはは教導官になる以前から、才能の持ち主や強く育つ可能性の持ち主を見つけるとこのような感じで目が輝く癖がある。そういう意味では彼女にとって教導官はまさに天職とでもいうべき職業であることがわかるだろう。

 

「新規のフォワード候補は、あと二人だっけ? そっちは?」

 

「二人とも別世界。今、シグナムが迎えに行ってるよ」

 

「なのは! はやて! お待たせ!」

 

「お待たせですー!」

 

 二人がそんなやり取りをしていると、フェイトがやってきて二人に話しかけてきた。その肩にはリインもいたが、声をかけるとすぐにはやての方に飛んで行った。

 

「ほんなら次に会うんは、六課の隊舎やね」

 

「お二人の部屋、しっ……かり! つくってあるですよー!」

 

「うん!」

 

「楽しみにしてるね」

 

 その後、なのはとフェイトははやてとリインの二人と別れて帰っていった。

 

「うーん、さて、それじゃあ隊に帰ろうかな」

 

「私、車で来てるから中央まで送ってくよ」

 

「ほんと!? ありがとう!」

 

「そういえば、なのは。体調は、平気……?」

 

「あははは! 平気平気! 全然問題なし!」

 

「だったらいいんだけど……」

 

「心配性だなー、フェイトちゃん。私の頑丈さは知ってるでしょ?」

 

「知ってるけど……心配はするよ……。友達だからね……」

 

「ほんとに平気だから、心配しないで」

 

「うん……」

 

(うん、やっぱりこの優しくて心配性で、どこか儚い感じがするフェイトちゃんがしっくりくる。間違っても理央ちゃんのようなフェイトちゃんはあったらダメなんだよ)

 

 フェイトがなのはの体を心配する中、なのははなのはで全然別のことを考えていた。

 以前デパートでテロが起こった日に理央が変装したフェイトのイメージがなのはの印象に残ってしまい、時折彼女を苦しめていた。

 

 ひどい時には、夢でジュエルシード事件での記憶がよみがえったのだが、なぜかフェイトが性格が理央のようになっていて、大切な思い出を穢されているように感じたなのはは「ちがう……ちがうよ……」と言いながら最悪の目覚めを迎えたこともあった。

 

 そんなこんなで、フェイトの性格が本当に優しそうだったのか今日まで自信が持てなかったなのはは、今日再会したフェイトがいつもの優しいフェイトであったことに内心とても安堵していた。

 

「それにしても、理央ちゃんにもこの前心配されるし、私ってそんなに危なっかしく見えるのかなー? (まあ、理央ちゃんが心配してくれたのは、機動六課がどんな部隊か、あんなほうに予測していたのもあるけど)」

 

「理央も心配してたの? というより、理央に会ってたの?」

 

「うん、この前……デパートでテロがあった日にね。

 あの日はちょうど休日だったから、理央ちゃんところに遊びに行ってたんだ」

 

「……ちょっと意外。理央はあまり、心配とか、そういうのしないと思ってた」

 

 フェイトがそう思うのも仕方ないかもしれない。フェイトが初めて理央に会ったのはジュエルシード事件の時だが、事件中に二人が話すことはあまりなかったのだ。

 もちろん、母や姉を救ってくれたことに感謝はしているが、その時の反応は「ああ、べつにいいよ、そんなの。偶然二人が助かっただけだし、私が想定してたわけじゃないし」という風な軽いものであったため、フェイトは理央のことをどこか冷たい人だと感じ取ったのだ。

 

 その後も、小学校が別であることもあり、あまり二人が接する機会はなく、フェイトが理央に抱いた印象は変わらないままだったのだ。だから、なのはの言葉はフェイトにとって意外なものだったのだ。

 

「ううん。友達だもん、ちゃんと心配してくれるんだよ」

 

「……友達、か……」

 

 なのはにとって理央は、自分が二人と出会うずっと前からの友人であることはフェイトもよく知っている。しかし、だからこそフェイトにとって理解できないでいることがあった。

 

「……それならどうして理央は、地上本部のほうに行っちゃったんだろうね……」

 

 なのはをはじめとした自分たちは本局で働くようになったのに対し、理央はミッドチルダの地上本部のほうで魔導師としての仕事をするようになってしまった。

 どうして彼女はなのはの友達なのに、なのはと同じ本局で働いていないのか……。それが、フェイトが理央にたいして抱いている疑問だった。

 

 ぽつりと漏らしてしまった一言だったが、すぐに口に出してしまったことにハッと気づき、なのはのことを気にして慌て始めた。理央のことを友達と思っているなのはにそんなことを聞かれては、なのはが傷ついてしまうかもしれないと思ったからだ。

 しかしなのはは笑顔のままで、フェイトに言葉を返した。

 

「ははは、理央ちゃんは管理局のどこで働こうか、かなり真剣に考えていたからね。

 頭のいい理央ちゃんのことだもん。いろいろ考えた結果、理央ちゃんは地上本部に行ったんだから、たぶん私が理解できないようなすごい理由なんじゃないのかな」

 

 この言葉は、なのはの嘘偽りない言葉だった。

 確かに理央が地上本部で働くと自分に言ってきたときは驚いたし、寂しい気持ちにもなったが、同時に頭のいい理央のことだからちゃんとした理由があるのだろうと納得できた。

 

 それに、同じ本局で働いているはやてとフェイトとだって、教導官、執務官、捜査官と進路が分かれて、中学生くらいまでは結構同じ任務に就いたりしていたが、卒業後はあまり会えなくなることが多くなっているのだ。理央も本局で働いていたとしても、結局会う回数が今と大して変わるわけではないとなのはは考えていた。

 

「……うん、そうだね。理央ってかなり頭がいいもんね。

 ジュエルシードの力を完全に引き出して操れる機械を作れる人が保護者だもんね」

 

「あー……、あれは本当に驚いたね……。まさかあんな機械を理香さんが作れるとは思ってなかったし、理央ちゃんのほうも、あれでプレシアさんが起こした次元震を止めて、挙句の果てに時の庭園を直しちゃうなんて想像もできなかったよ……」

 

 なにをしてんだ理央さん。ロストロギアもコントロールできるとか、天然チートもいいところである。

 

「それはおいといて……、機動六課の隊舎に移ったら、休日に理央ちゃんのところに遊びに行くのもいいかなと思ってるんだけど、フェイトちゃんもどう?」

 

「うん、そうだね。私も理央の最近の様子とか見てないし、プレゼントのお返しとかもしたいしね」

 

 そんなやり取りをしながら、なのはとフェイトは外へ歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ミッドチルダ、クラナガンのとある駅で、一人の男の子がきょろきょろとあたりを見回していた。

 

 歳は10歳で、ツンツンとした赤い髪が特徴の彼の名前はエリオ・モンディアル。今度新設される部隊『機動六課』のフォワードの一人となる少年である彼は、今この駅で迎えに来る人を待っていた。

 

 時計の機能を持つ腕のデバイスを確認しながら人を待っていたが、ピンク色の髪を後ろにポニーテールにして束ねている、コートを着た女性の姿を見て、エリオは彼女に駆け寄った。

 

「お疲れ様です!」

 

 彼がそう声をかけると、声をかけられた女性、八神はやての守護騎士、ヴォルケンリッターの烈火の将であるシグナムは目を彼の方に向いた。

 

「私服で失礼します! エリオ・モンディアル三等陸士です!」

 

 エリオは敬礼しながら言葉を続けた。シグナムは「ああ……」と納得した声を出しながら、体を彼のほうに向けた。

 

「遅れてすまない。遺失物管理部、機動六課のシグナム二等空尉だ。長旅ご苦労だったな」

 

「いえ!」

 

 そう、エリオを迎えに来る人物とは、彼が機動六課で所属することになる分隊『ライトニング』の副隊長を務める予定のシグナムだったのである。彼女は、ライトニングに所属する予定の新人二人を迎えにここに来たのだった。

 

 彼女はあたりを見回し、もう一人の新人の姿を探したのだが、どうにも見当たらない。シグナムはエリオに聞いてみることにした。

 

「もう一人は?」

 

「はい……、まだ来てないみたいで。

 ……あの、地方から出てくるとのことですので、迷ってるのかもしれません。探しに行ってもよろしいでしょうか?」

 

「頼んでいいか?」

 

「はい!」

 

 シグナムから許可をもらったエリオは、もう一人の新人、キャロ・ル・ルシエを探しに行ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーカレドヴルフ・テクニクス ミッドチルダオフィス 第3新型魔導端末開発部ー

 

「あっ! アオバさん! ようこそいらっしゃいました!」

 

「ええ、お久しぶりです」

 

 一方そのころ理央は、カレドヴルフ・テクニクス社の第3新型魔導端末開発部を訪れていた。

 開発部のメンバーと思われる女性が理央に挨拶をしてきて、理央は挨拶を返した。

 

 CW社の新型魔導端末開発部では、耐久性、魔法の展開速度、情報処理能力など、様々な面でより優れたデバイスを開発しようと日々デバイスの研究がおこなわれている。

 特にこの第3新型魔導端末開発部では、使用者が行使する魔法をより強力にするための研究がおこなわれていた。

 

 理央は個人的に(・・・・)この開発部とのデバイスの共同開発をおこなっていた。

 実はあまり知る人はいないのだが、理央はデバイスマイスターとしての資格を取っていたので、デバイスの知識は頭に入っているのだ。

 ちなみに試験はなぜか満点を通り越して120パーセントの点数だった。恐るべし青葉理央。

 

「いつもいつもすみません、素人の考えで意見させてもらってるだけで、あまりお役に立てなくて……」

 

「いえいえ! とんでもないです! アオバさんのご意見はもう本当に革新的で、本来なら10年かけないと結果が出せないプロジェクトだと思われていたのに、まさかわずか半年でもう終わりが見えてくるとは……。

 我々は管理局本局の開発部の方々とも共同開発をしたことが一度だけあるのですが、正直アオバさんとの共同開発の方が何十倍も効率がいいです! 

 むしろこちらの方が従来の技術にこだわりすぎていて、逆に足を引っ張ってるのではないかと……」

 

「そんなことあり得ませんよ。私はただ、素人だからこそこうした方がいいのではと感じたことを皆様に申し上げているだけで、実際にそれを新たな技術として昇華なさっているのは皆様ではないですか。

 やはり皆様がたいへん優秀な頭脳とチームワークをお持ちだからこそ、本来長い時間をかけることで到達することができる技術を、こんなにも早く発見なさることができたのだと私は思っております。私がそんな皆様のお力になれたのでしたら、それはとても喜ばしいことだと感じています」

 

「アオバさん……! ありがとうございます! アオバさんのご期待に沿えるよう、我々は全力を尽くす次第です!」

 

(あー疲れる。やっぱりこういうところで敬語を使うってなれないんだよなー。前世では自分が研究室のトップだったから敬語を使うのはあまりしなかったし、偉い人との話とかの面倒ごとはよく秘書(あの子)に押し付けてたからなー……。

 にしてもほんと、ここまでうまく誘導するのは大変だったわー。まあ、ここの人たちがなかなか優秀なおかげもあって半年で終わったんだけど)

 

 理央は丁寧な言葉で相手のことをほめていたが、内心では失礼極まりないことを考えていた。

 というより結局ほぼお前が考えた技術なのか。理央、(いろんな意味で)恐ろしい子……!

 

「ははは、……ところで、今はどのあたりまで進んでいるのでしょうか?」

 

「あ、はい。今はちょうど試作品の実験をしている最中でして……」

 

「はぁ、見せていただいてもよろしいでしょうか?」

 

「もちろんです! こちらにどうぞ」

 

 理央は女性に案内されて、試験場と思われるかなりの広さがある部屋にやってきた。

 そこでは、数人の魔導師たちが杖型デバイスを使って、魔力シールドが張られているスフィアに魔力弾や砲撃で攻撃していた。彼らが持っているデバイスがおそらく試作品なのだろうと理央は思った。

 

「彼らの魔導師ランクは、管理局基準ではCランクにあたるものだと判断されます。魔力量もまた、それに準ずるものかと」

 

「なるほど……ということはあのスフィアのシールドは、AAランクの魔法で破壊できるものに設定されているわけですね」

 

「そうなりますね、最終的には理論上、Cランクの魔導師でもAAランク相当の出力の魔法を使えるように作られていますから。これが成功すれば……」

 

 二人がそんなやり取りをしていると、実験に参加していた一人の魔導師が放った魔力弾がスフィアが張っていたシールドを破壊した。それに続くように、ほかのシールドもどんどん魔導師たちの攻撃で破壊されていく。

 それを見た開発部の女性は喜びの悲鳴を上げ、理央の両手を握りピョンピョン跳ね始めた。

 

「やった! やった! やりましたよ! ついに実現しましたよ! やった! やった!」

 

ピョンピョン

 

「は、ははは……、おめでとうございます(人目もはばからずピョンピョン跳ねてる……。よっぽどうれしいんだろうなー、やっぱり……。もうこの人たちだけの成果ってことでいいよね)」

 

「これであとはコストだとか量産体制だとかをどうにかできれば、もう大ヒット間違いなしの製品の完成ですよ!」

 

ピョンピョン

 

「え、ええ……そうですね。私もとても楽しみです(いやもうピョンピョンはいいから)」 

 

「あ……でも、Aランク以上の人が使ったら、出力機関がオーバーロードして暴発してしまうんでした……。そこも改善しないといけないですね……」

 

 女性は跳ねるのをやめ、シュンとなって落ち込んでしまった。

 

「ええ、でもそれはまたの機会でいいのでは? このままでも十分ニーズには応えられるわけですし……(やっと止まってくれた……。まあそれはわざと仕組んだことなんだけどね)」

 

 このデバイスこそ、理央が地上本部の新たな戦力として用意しているものである。

 低ランク魔導師が強力な魔法を使うことができるデバイス……それは高ランク魔導師が少ない地上部隊にとってはとても相性がいいのではないかと理央は考えた。そこで理央はCW社との共同開発でこのデバイスを作ってもらったのだ。

 後はこれが市場に出て地上の魔導師たちが使えるようになれば、低ランク魔導師の陸士でも高ランク魔導師の犯罪者に対応できると理央は予想していた。

 

 ではなぜAランク以上の魔導師には使えないように作らせたのか? それは必要以上に広いランクで使える様にして、高ランク魔導師の犯罪者もより強力な魔法を使える様になったら、元も子もないからだ。

 まあ、ミッドに現れる高ランク魔導師の犯罪者の大半がAAAランクどまりなので、AAランクの出力の魔法が使える陸士数人がいればたぶん大丈夫だろうと理央は考えていた。

 

 

 

 むろん理央なら、もっと高ランクの魔導師が使える様にすることも、出力をもっと上げることもできるのだが。やっぱ恐ろしい。

 

 

 

 なぜ管理局の開発部でこのデバイスを開発させなかったのかについては、またの機会に話すことになるだろう。

 

「じゃあ後は、大量生産ができるように調整をするのと、生産のためのラインを作るだけですか」

 

「えっ……あ、はい。そうなりますね。

 ……すみません、急にあんな行動をとってしまい……」

 

「いえ、かまいませんよ。それほど嬉しかったということなのでしょうし……。

 あと少しですが、最後までよろしくお願いしますね」

 

「あ、はい! こちらこそよろしくお願いします!」

 

 天才科学者、青葉理央。たとえ前世の知識があまり使えなくても、そんなこと知ったこっちゃねえと言わんばかりに彼女は新しい発明品を生み出したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、こちらはエリオとシグナムがいるクラナガンの駅。エリオは同じ部隊に所属するキャロを探しまわっていた。

 

「ルシエさーん! ルシエさーん! 管理局機動六課新隊員のルシエさーん! 

 いらっしゃいませんかー! ルシエさーん!」

 

「はーい! 私ですー! すみませーん! おそくなりましたー!」

 

 エリオが名前を呼びながら探していると、少女の声が聞こえてきた。

 エリオが声のした方を見ると、民族衣装のような服を着た少女が、手に大きなバッグを持ちながらエスカレーターを下りてやってきていた。顔はフードをかぶっていてよく見えない。

 

「あ、ルシエさんですね! 僕は……」

 

 エリオが彼女に気づいて自分の紹介をしようとしたとき、キャロはエスカレーターの段差を踏み外してしまった。

 

「ああっ!」

 

「!」

 

 彼女が階段から転げ落ちそうになった時、エリオの腕のデバイスから魔法発動時の音声が聞こえた。

 

『Sonic Move』

 

 その直後、エリオはまさに雷のような速さで動き、転びそうになったキャロを受け止め、そのまま上の階までキャロを運んで行った。

 

 しかし、途中でフードが外れてキャロの顔があらわになってしまい、エリオの視線は彼女の顔の方にいってしまった。そのため、エリオは着地に失敗し、キャロを上にして倒れてしまった。

 

「「うぁっ、うわあああ!」」

 

 その際キャロが持っていたバッグも地面に落ちてしまったが、地面に落ちた後でなぜかそのバッグはもぞもぞと動いたのだった。

 

「あいっててて……。す、すみません、失敗しました」

 

「い、いえっ、ありがとうございます。助かりました。……?」

 

「あ」

 

 二人は、失敗したことを謝ったり助けてくれたことに感謝したりなどのやり取りをした後、とある事実に気づく。それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 キャロの胸に、エリオの手が思いっきり当たっているということだった。

 

 

 

 

 

「あっ……!」

 

 とっさのこととはいえ、狙ってやったことではないとはいえ、結果的にセクハラをしてしまったエリオは固まってしまったのだが……

 

「あ、すみません。今どきます」

 

「あっ、あのっ、こちらこそすみません!」

 

 キャロはまるでそんなことどうでもいいかのように普通にどいたのであった。彼女自身がもともとそういうことを気にしない性質なのか、あるいはそういうことに疎い彼女の保護者の影響なのか、彼女はそういうことに無頓着のようだ。

 エリオも顔を赤くしながら彼女に謝った。

 

 すると、さっき落ちたバッグがまたもぞもぞと動き出し、二人もそのことに気づきバッグの方に目をやる。

 

「キュー」

 

 バッグのふたが開き、中から出てきたのは、竜の子供とでも言うような外見をした生き物だった。

 全体的に白く、蝙蝠のような翼を持ち、目が赤く、鼻の上に角があるその外見は、まさに竜といっても過言ではないだろう。

 

「ああ……。フリードもごめんね。大丈夫だった?」

 

「キュクルー!」

 

「竜の……子供……?」

 

 エリオが竜の子供と思われるその生き物、フリードに目を奪われる中、キャロはエリオに話しかけてきた。

 

「あの、すみませんでした。エリオ・モンディアル三等陸士ですよね?」

 

「あ、はい!」

 

 エリオが少し身を固くしながら答えると、キャロはまたかかってしまったフードを外しながらキャロは自分と竜の紹介を始めた。

 キャロはピンク色のセミショートで、エリオと同じ年頃の少女だった。

 

「はじめまして、キャロ・ル・ルシエ三等陸士であります。

 それから、この子はフリードリヒ。私の竜です」

 

「キュクー!」

 

 フリードはキャロのもとに飛んできて、キャロが広げた両手の上に着地し、翼を広げながら鳴き声を上げた。

 

 これが、エリオ・モンディアルとキャロ・ル・ルシエ……、金色の閃光、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンが保護した槍騎士と竜召喚士の初めての出会いであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日の夜、ミッドチルダのとある場所では結界が展開されていた。

 

《ヴィータちゃん、ザフィーラ、追い込んだわ。ガジェットⅠ型、そっちに3体!》

 

 足元にベルカ式の魔法陣を展開し、仲間に念話で通信をする白衣を着た金髪のセミショートの女性は、八神はやての守護騎士、ヴォルケンリッターの湖の騎士、シャマルである。

 

 その近くでは、カプセルの薬のような形をした機械が3体、建物と建物の間を低空飛行していた。その前には、青いオオカミが立ちふさがっていた。

 

「ておあぁーーーー!!」

 

 オオカミが叫ぶと、地面から銀色に輝く突起状が飛び出ていき、そのいくつかがカプセル型の機械のうち一つを突き刺した。突き刺された機械は耐え切れず、爆発四散した。

 

 このオオカミもまたヴォルケンリッターであり、盾の守護獣、ザフィーラという。

 そしてこの機械を破壊した魔法は『鋼の軛』と言い、本来は地面からの拘束条で相手を突き刺し動きを止める魔法なのだが、このような使い方もできる。

 残った機械はそのまま飛び去ろうとするが……。

 

「でぇぇぇぇぇぇい!!」

 

 そのうちの一体は、上から降ってきた少女が振るったハンマーの一撃をくらい、そのまま壁に激突し、爆発した。攻撃をした、

 オレンジ色の髪を三つ編みのおさげにした少女はすぐに次の攻撃の体勢を整える。最後の機械は急上昇して逃れようとした。

 

「アイゼン!」

 

『Schwalbefliegen!』

 

 少女が手に持ったハンマー、彼女のデバイスに呼びかけると、デバイスは魔法を発動し、一つの鉄球が彼女のすぐ近くに出現した。

 彼女はその鉄球を手に持ち、上に放り投げ、タイミングを合わせて……

 

「えいっ!」

 

 デバイスで強打した。まるでゲートボールのようだが、それとは比較にならないほどの力を込めて鉄球は打たれた。

 打たれた鉄球は強力な破壊力を持ち、そのまま機械に向かっていき、貫いた。鉄球に貫かれた機械は爆発し、すべての機械は破壊された。

 

 この少女もヴォルケンリッターであり、鉄槌の騎士、ヴィータという。見た目は少女のようだが、その強さは烈火の将であるシグナムにもおくれを取らないほどのものである。

 

「片付いたか……」

 

「シャマル、残りは?」

 

 ヴィータに聞かれ、残りの機械の反応があるかどうかシャマルは調べた。

 

「……残像反応なし。全部つぶしたわ」

 

「出現の頻度も、数も、増えてきているな」

 

「ああ、動きもだんだん賢くなってきてる……」

 

「でもこれくらいならまだ、私たちだけで抑えられるわ」

 

 破壊された機械のそばにいるザフィーラのもとに、ヴィータ、シャマルが下りてきた。

 

「そうだな」

 

「ド新人に任せるには、ちょっとメンドイ相手だけどな」

 

「仕方あるまい。我らだけでは手が足らぬ」

 

「そのための新部隊だもの」

 

「はやての……、いや、わたしたちの……新部隊……」

 

 

 

「機動六課、かぁ~」

 

 スバルが帰りの電車の中で思わずつぶやいた、この機動六課が動き出す日は、刻々と迫ってきているのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「あ! アオバ一佐! 見にきてくださったんですか!? ありがとうございます!」」」

 

「アイエェェェェェ!? ナンデ!? ナンデヤツラガココニ!?」

 

「あ、地上本部の陸士さんたちが、個人的に実験に協力してくださったんです。

 本当に地上本部って親切な方が多いんですねー♪」

 

「そういうことは先にっ……!! うっ、胃が痛み始めた……」

 

 実験に協力したのは、理央の信仰者(胃の破壊者)たちだったという。

 

 

お☆し☆ま☆い




 これにて今回のお話の本編は終了です。今回のお話を読んで不快になってしまった方がもしいらっしゃるなら、申し訳ございません。これが私の小説ですので、なにとぞご理解お願いします。

 次回はついに理央以外の転生者を出すつもりです。正直入れても入れなくてもそんなに変わらないキャラなので、あまり期待しないでくださいね。

 最後におまけをいくつか書いておきました。よかったらご覧ください。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。













おまけ① ミッドで出てきたとあるゲーム その2(禁断の一言)

「今年の冬、ついにピクピクモンスター、略してピクモンの最新作が登場!! その名も……


















『ピクピクモンスターSUN』!! 『ピクピクモンスターMOON』!!

 さあみんな、お店に急いで予約にいこーぜ!!
 新しい冒険が、みんなを待っている!!」

 ワーワーマジカ、スゲーナオイ、サッソクヨヤクシニイコー・・・














「…………『ゼット』じゃないの……?」













 ゼットじゃないんです( ´∀` )

おまけ② なのはの一言は彼の琴線にふれたようです

「来週から、本局の厳しい先輩たちにしっかりもまれて、安全とルールをしっかり学んでこよ? 
 そしたらBランクなんて、きっと楽勝だよ。ねっ!」

「お前は知っているのか……? Bランク取得の難しさを」

「え、だ、誰……?」

「なぜわからないんだ……!? 
 多くのCランク以下の陸戦魔導師は、空も飛べず、十分な魔力も持っていない……。だから、自分はBランク魔導師になれないと知っていたのだろう……。
 彼らの……彼らのC以下のランクは、そんな彼らの悔しい気持ちの表れなんだ!!」

「そ、それは大げさなんじゃ……」

「それを嘘だとは言わせないっ!! ……………言わせてなるものかっ……!
 現実を見ることもなく! 高みに立って俺たちを楽し気に観察して!
 ふざけるなっ!! 事実は一つだけだ!

 お前たち高ランク魔導師は、低ランク魔導師(俺たち)をバカにしたんだよっ!!!」

「ご、ごめんなさい~~~~!!」

・ルル・ランペルー……管理局地上の陸士部隊に所属するCランク魔導師。
          上から見下されるのが嫌い。そういうやつも嫌い。

 でもまあ、なのはのこの発言はふつうにCランク以下にしかなれない魔導師の心を傷つけますよね。












おまけ③ NGシーン集

「兄さんと同じ執務官はあたしの夢なんだから。兄さん以外の執務官から勉強できるならしたいっていう気持ちはあるわよ……」

「ティアってほんとにブラコン」

「黙れシスコン」



「ほんなら次に会うんは、六課の隊舎やね」

「お二人の部屋、しっ………………………………………………………………………」

「……リイン?」

「……………………………………………………………」バタン、キュー

「あ、あかん! タメすぎて窒息しとる!!」

「だ、誰かー!! 救急車ー!!」



「やった! やった! やりましたよ! ついに実現しましたよ! やった! やった!」ピョンピョン

「は、ははは……おめでとうございます」

「いやっほぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」ピョーン!! ドカッ!! パラパラパラ・・・

「……だからって天井突き抜けるほど高く跳ぶ……?」

 

お☆し☆ま☆い

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