『『彩南高校風紀維持!清廉潔白・文武両道ラジオ~!』』
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『ククク…帰ってきたぞ豚共、放置プレイというやつだ…しかし勘違いするなよ?ただ放置するだけではダメだ…適度にエサをやらんとな?真の放置プレイというものは苦痛と快楽の狭間…そこに閉じ込めてこそ真の
『ん?なんだ?今回はなんかダークめなキャラだな…パーソナリティーの西蓮寺、秋人。よろしく』
昼休み時間に待ちかねた声が教室に木霊した。
食事をしていた者達はピタリ、と箸を一斉に止めた。それもそのはず「彩南高校風紀維持!清廉潔白・文武両道ラジオ」は昼休みを満喫する生徒諸氏にとっては煩わしい、やれ勉強しろだの、風紀がどうだの、社会情勢がうんぬんかんぬん………そんな説教じみた情報提供しかしない―――ウルサイラジオ
そう、それも過去の事。
歴史を覆した前回の放送、高まった人気。しかし一回目以降ずっと放送延期であり『再開の目処はついておりません』との風紀委員会からの発表があったのだ。リスナーの豚ども(通称豚リス)は多数のメッセージと再開願いを風紀委員会に送ったが、その殆どをツンデレさんがシュレッダーにかけた。――――内容がハレンチ過ぎたのである。
「何者かのロリっこきゅんカワ妹に股間を踏みつけられ、アヘ顔を銀河ネットに晒された哀れな
「はぁ!?お前いつの間に!?」
「ククク…校舎中にバラ撒いてやったぞ…!さあ欲しがりな豚ども!構わん!こい!」
《ちゅぷっ、ちゅっぶぶ!…んん!ちゅぶっ…!おにいたぁん…!おいし…おいしいよぉ、んぅ……!またおっきく…!もうねめしすのおくちいっぱ 》ピッ!
「おにいたん…、なんて淫らな幼女ボイス…!一体どんな固い
「てめぇ…また勝手に変えやがって…ッ!もしもし?」
『もしもし?おにいちゃん?』
「げ。春菜」「…いきなりラスボスご登場だな」
『私、春菜じゃありません、勘違いしないでお兄ちゃん。ペンネームは春…"はるちゃん"です』
「クハハッ!そのままではないか!…ぁはあんっ!お、おにいたんが私を睨んだぁ♡…まだだ…まだ足りない…!イクな…私…!」
「ああん?何言ってんだこいつ、俺以外で春菜を悪く言う奴は許さんぞ…で?どうしたんだ?はるちゃんさん」
『今度、大好きなお兄ちゃんとデートしたいんだけど…どこへ行ったらいいかなぁ?パーソナリティーのお兄ちゃん、ネメシスさん、教えて下さい』
「なるほどねー、デートねぇ…春…はるちゃんさん、うーん…そうだな…」
「…うむ、やはりおにいたんも男なワケだし…朝からベッドでスッキリと出させて"天国"へ連れて行ってやればいいのではないか?」
『て、天国?そ、それってふたりで頑張る初夜の事…です、か?』
「ククク…そうだ、草木も寝静まる深夜に跨ってしまえばこっちの…あっはああんっっっ♡!」
校舎中に木霊する甘い嬌声
『きゃっ!…な、何?なんですか?!』
「ああ、はるちゃんさん気にしないでくれな…ちょーっとうるさかったから口を塞いでやっただけだぞ?これ以上このアホしすが喋ると俺の妹達の教育上良くないし、ツンツンデレなし委員会がうるさいから黙らせとく。そうだな…春菜は楽しいところが好きだし、遊園地なんかどうだ?こんど行くか?」
『遊園地?うん、はるちゃん行きたいな、お兄ちゃんと…秋人くんとふたりで…』
「そか、ジェットコースターとかスリルがあって楽しいよな!…はしゃぐ春菜が目に浮かぶ」
『もう、はしゃぐのはきっと秋人くんのほうだよ』
「むぅ…私の前でイチャつくとは…そうか遊園地だけに"次は俺に乗れよ春菜"ということ…あっ!はっあ♡おにいたんっ!そこっ!イイ♡」
『――――口塞いでるんじゃなかったの…?どうしてネメシスさん喋れるの?お兄ちゃん』
校舎中に響く低く冷たい落ち着いた声
「あっ、あっ♡…あんんっ♡!フフフッ口は口でも下のく、ちぁあああぁあっっんっ♡」ピッ
「はい、次」
「はぁ、はぁ、はぁ…イッ…切ってしまった…の、か…?」
秋人の膝上で浴衣を孔雀のようにはだけ、肩で息をするネメシス。批難の込めた潤んだ眼差しが背中越しに秋人へ向けられる――――
ラジオの収録現場、放送室は狭い。早々と放送室に到着したネメシス(授業は当然サボった)は
「ネメシス…」
「んっ♡なんだ…おにいたん…」
先程から秋人が話す度に耳を吐息混じりの声が擽りネメシスに快感を与え続けている
「お前の恥じらう甘い声……それは俺だけのものだ、ネメシス…」
「イッく――――ッ!…はぁ、ハァ…はぁ、お、おにいたぁああん♡ついに…ついにこの私に堕ちたの「アホか」」
ポーイと投げる秋人。小柄な為ネメシスはとても軽い
「お前な、春菜の嫉妬スイッチ入るとこだったろ…はい、気を取り直して次、かけて来ていいぞ…あ、ちょっと待てよ着信音の変更を…」
「!私がしてやろうか?おにいたん?」
むっくりと起き上がり舌なめずりをするネメシス。挑戦的な目で秋人を見つめる
「チッ、回復早いな――――それにその手に乗るかよ…はい、完了っと、よっしゃオッケー!かけてきていいぞー」
《んんんんんっ!れた…れたぁ…!んんぅ!白いのおくち…いっぱ 》ピッ!
「続きか?コレは…」「ククク…」
『ちょっと?あなたたち…ハレンチな真似してないでしょうね?』
「なんだ唯か」「ああ、レッドバニーか、乗ると言われてでてきたな?私は既に再びおにいたんに乗っているぞ」
(ん?レッドバニー?なんのことだ?)(ククク…気にするな)
目で会話を続ける二人
『この間は床がビショビショで掃除がタイヘンだったんだから…ちゃんとしなさいよね、今日は私じゃなくてコノ子、私のお友だちが相談に乗って欲しいんだって…聞いてあげて…―――はい。いいわよ』
『ガサガサァッ!ガサガサッ!』
「?」
「!?な、なんだ…?ま、まさか黒いGじゃないよな…?やめろよ?私はカオスは大好きだが夜遭遇するGのカオスは大嫌いだぞ、もし一匹でもエンカウントしたら部屋をまるごとブチ壊して引っ越しを考える」
「いや、それ引っ越しを考えるってか…引っ越すしかねぇじゃねぇか」
「そうとも言えるな。だがまぁ私に特定の住処など無い。そして寝ているのはいつもおにいたんのクローゼットの中、パンツハーレムアナスタシアなのだが…此処は流石に壊すには惜しすぎる」
「まったく。そんなとこいるならパンツくらい履けよ、……ちょっと待て――――ってことは壊されんのウチじゃねぇか!やめろよ!?」
『ガサ!ガサァッ!ガサガサッ』
「ああ、放置して悪かったな。あの時のネコサンタキグルミか、懐かしいな」
「ほっ…Gじゃなくキグルミが動く音か。というより分かるのか、おにいたん。流石おにいたんだな。さすおにツンツン」
「くっ!やめろ脇突くなっての!ったく人をオモチャにしやがって…あと当然のように膝に乗ってんじゃねぇ!」
「いいだろう?乙女の柔肌。むっちりとした尻の感触を楽しんでおけ」
『ガサ!ガサァッ!ガサガサッ』
「えーなになに?『世の中にはハレンチな告知や広告、看板が多い!そういうのは良くないと思うのよ』だとよ」
「ハレンチ…?ハレンチの化身たる古手川唯が世のハレンチを斬るのか?」
『ガサササササッ!ガサッ!ガサガサガサガサガサササササッ!』
「えーと、『ペペロンチーノなんて"ぺろぺろちーん"に見えてハレンチ過ぎて以ての外だし、カラオケ店などにある二時間1500円の意味で"2H 1500円"なんて勘違いして当然だし、駐車場の意味で"P"、"構内写生大会"などもっと言葉を慎重に選ぶべき、誇大広告は最早性犯罪の域』…―――大丈夫なのか唯、お兄ちゃん心配で頭痛が痛いわ」
「大丈夫か?おにいたん。お注射していいんだぞ?たっぷり濃い毒を吐き出すと良い。私はさっきから部屋に響くGっぽい音と、おにいたんの固い感触にきゅっと締まり濡れてしまっているからな…♡ところでおにいたん。私、アレ履いてないんだが…ツッコまないのか?いいんだぞ?突っ込んで♡」
「うーん…唯が、唯が…うーん、うーん…」
「ああ、これは駄目だな。ハレンチメス猫に犬のおまわりさん…おにいたんが困ってしまった、次だ次――――」ピッ
「うーんうーん…唯…」
「ンフフフ。無防備過ぎだぞ…おにいたん。今のうちに邪魔な服を脱がしておくか」
《…アキト、アキト。…――――ちゃんと寝ているようですね。コホン、で、では…ちょっと隣を失礼して……………………にへへへへふへへへへへへ》
「うーんうーん…」
「おにいたんが電話に出ないな…ククク、仕方ない。此処はとある金髪
《んへへへにへへへへへへパパの匂いに…パパの感触……ん、パパぁ…♡…――――、パパの指…ゴツゴツして固いよぉ…、男の人の指ってこんなに違うんだね………コレで……………ぅんっ♡》
ガッシャアア《…あああぁあんっ♡》アアアアンッッッッ!!!!
「今すぐその電話!えっちぃ電話を止めなさい!」
「うーんうーん…――――あ、ヤミ」「ククク…来たか、金色」
外側から破壊され消し飛んだドア。強い昼の陽光が放送室へ差し込む、羞恥の表情は逆光でパーソナリティー二人から見えない。ただ見えるのはゆらゆら立ち上り揺れる髪の輪郭と…――――振りかぶった
《あ、ン…いいよぉパパぁ――――♡あ、ぅん…は、…ぅんっ♡》ドバキッ!
「ああああっ!俺の!俺の!春菜とお揃いのケータイ…が――――ッ!!」
「うるさいですよアキト、他の女から着信の在る電話など…今度私とお揃いの、特製のものを買ってあげますから。…私からしか着信できないものを」
「もしかしてそれはトランシーバーではないのか、金色…」とネメシスはボソッと呟いた。そしてその場にはもう既に居ない。あるのは黒い霧のみである――――危険を回避し他者を煙に巻くのはネメシスの十八番だ
「――――しかしアキト、貴方はなぜパンツ一枚なのですか」
「あ、ホントだ」
頬を染めつつつチラチラと秋人に視線を投げかけるヤミ――――家族だから平気。という理由付けで必死に自身を落ち着けていた
「まったく…春菜おねえちゃんが見たら、他の人が見たら恥ずかしいでしょう。まったく…」
髪を
「あ、いや別に…ヤミまでこうする必要あんのか?…――――暑いぞ」
「ふ、んへへ………――――コホン。し、仕方ないではないですか。家族の貴方の裸を他の人に見せるなど…私が恥ずかしいでしょう」
顔を秋人の胸に埋めぶちぶちと呟くヤミ。自分でしておいて恥ずかしいのか頬も耳もさくらんぼのように染まっていた
「い、意外と鍛えていますね…まぁアレだけ春菜おねえちゃんに叩かれ、私に追いかけられれば…です、ね…ではアキト、せっかくですから人体の急所について教えましょうか?教えますね…まずは喉」
「いや、いいっての…、ちょっ、はっ、はは!くすぐってえ!」
「ふふ、擽ったいですか?ふふふ、それからみぞおち、脇腹…」
「はは!やめろ!ははは!」
「そ、それから脇腹の下は…」
身体を密着させこそこそと秋人の身体を弄っていくヤミ。幸せ笑顔だが内心ドキドキであった
「――――で?何を貴方達ハレンチな真似してるの?」
「にこにこ」
壊された入り口には腕を組み仁王立ちでキリリと睨む唯。言葉通りのニコニコ笑顔…――――でない冷たい笑顔の春菜
「じゃあちゃんとしたラジオにしましょうか」
「にこにこにっこり」
「こっ!これは!その…!」
「春菜まったく笑ってないからな…唯も…ああ、もうこれはアレだ。無理だな…春菜も唯もスイッチはいっちゃってるし」
自身以外のハレンチは絶対に許さない、風紀委員スイッチONの唯とカワイイ嫉妬スイッチが入った春菜――――二人の論理的で感情的な説教が始まりを告げた。
こうして「彩南高校風紀維持!清廉潔白・文武両道ラジオ」は昼休みを満喫する生徒諸氏にとっては煩わしい、やれ勉強しろだの、妹の風紀がどうだの、ハレンチなのはダメお兄ちゃんのばかうんぬんかんぬん………そんな説教じみた情報提供しかしない―――ウルサイラジオになった。
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2016/04/27 一部修正