Day 6
今日のレッスンは「年上の彼女」を演じること。「年上、といえば眼鏡の女教師とかでしょうか?ドジっ子とか?」「バカ、それじゃキャラかぶるだろ」と返される。ムム。
「取り敢えずコレやれ」と渡される台本を読む。ナニナニ……新婚だったが旦那は海外へ出張、昔の母校へ赴任してきたクールで清楚な女教師、高校時代の恋人に似た風貌の主人公に密かにイケナイ想いをつのらせ…なるほど。
「ではこんな感じでしょうか…あーあー、いきますよ?」
【女教師モモ】「あら、結城くん?シャツがはみ出てるわよ♡イケナイわね♡センセイが…あぎゃっ!」
はたかれた。
はたかれた………ですって…――――この私、モモ・ベリア・デビルークが…プリンセス・モモが……それに二度も……銀河のプリンセスですよ?Tシャツやら汚いパンツやらたたまされた挙句この扱い…ブチ○されたいんですか…?と、怒りに震える私の尻尾をくりくりと刺激される、ああんッ!この人…凄い……上手…ッ…!
オシオキされてしまいました
「いきなり好感度MAXじゃねーか、それとどこがクールなんだよ」
…ぐぅっ正論…
「いいか、これから間違えたらオシオキするからな?今みたいに。身体まさぐられたくなかったらちゃんとやれよ?」
それは嫌!……でもあのテクニックは間違うたびにもう一度…オホン。全く役柄を理解してなかったらしい。クールな年上は難しいことが分かった。
Day 7
今日のレッスンはえっちぃシチュエーション。ギロリとお兄様(ウザ)を睨む
「いいか、メインヒロインやりたいなら多少は我慢しろっての」
から始まる。ナニナニ…王子様とお姫様…お姫様は外交で隣国であり、長きにわたって戦争をしていた国に友好と和平のために恋人に黙って嫁ぐことに。なるほど、うぅ、切ないですわね、というよりコレこそ私が望んでいたものです!ナイス!お兄様(ちょいきゅん)さてさて…あれ続きは…?
「どっちがいいんだ?イヤイヤやるのと純情ものと?」選べるのですか?の私。
「まぁリト狙うなら純情物がいいんじゃないのか?寝取られものは良くないだろ?ちなみに隣国の王はブサイクでおデブ男と相場が決まってる」
と淡々とお兄様(せんせいっ!)
「ええぇー!そんな汚い男絶対嫌です!」「となると、純情物…俺がお姫様の真の恋人役になるわけだが、それは嫌じゃないのか?」それも嫌です。と即座に応える。「どっちか選ばんかい!」……ああんッ!また!またぁ尻尾を…だめぇ…モモの心読んじゃらめぇ!!…あぁっ、お尻もらめぇ…!やっぱりお兄様(ラブ)…凄いっ……自分でするのとはぜんぜんちがって・・・・・ああッ…!またぁ…ッ…イッちゃ…
またオシオキされてしまいました。
Day 8
【ピーチ姫】「ごめんなさい、オータム、この度わたくしは嫁ぐことに決めました」
【オータム】「そんな…!ウソだろ!?ピーチ姫!ウソだと言ってくれ!」
【ピーチ姫】「今宵が最後の逢瀬……炎のように抱いて下さい……」
【オータム】「ピーチ姫…」
かぁぁあっと!叫ぶ私。なんだよ?とお兄様(鈍感)
名前をなんとかしてください!感情移入できません!なんですか!ピーチ姫って!毎度さらわれてしまうキノコ困らせるの大好きで男の趣味サイアクのあれですか!?「ああん?なんて失礼なこと言うんだお前は」ああっ!さわらないでくださいっ!またぁっ!だめぇ!そこぉ…♡
またまたオシオキされてしまいました。
「リトに悪いし、なにより俺じゃ嫌だろうと思って気を使ったってのによ」と真顔でお兄様(鈍感!)
「ああ?なんだその目は、演技指導してやってる俺に対して…生意気な目しやがって」「…ああんっ!すごいっ!上手ぅ…らめぇっ!らめなのにぃ…♡モモは…リトさんのなのにぃ…!…はぁんっ!ピーチ姫のピーチもっといじってぇっ♡おにいさまぁっ!おーたむぅうっ!……」
またまたまたオシオキされてしまいました。
結局、なんとか言いくるめて名前は「王子」と「モモ姫」になった。
…まぁ髪の色からしてお兄様(ラブ)はさしずめ「暗黒王子」かしら、私は名前のままで。ピーチ姫はイヤ。
Day 9
「うむ、なかなかイイ演技するようになったな、台詞に感情が籠もってる。喘ぎ声も悩ましげだし…そそるぞ」
「うふふ♡お兄様のお陰です♡」と微笑む私。そりゃあもう鳴かされ啼かされイかされましたから、そりゃあ何度も何度も数え切れないほどに♡
「んじゃあの計画たのんだからな?」……あ、と気づく。そうだった。お兄様(激ラブ)は私を残して……正確には春菜さんを残して、消えてしまわれるのだった…
どうすれば……
この日のオシオキは一番切なかった。
2015/12/25 台詞改定