貴方にキスの花束を――   作:充電中/放電中

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【日記】"暗黒王子と桃色の姫"

『暗黒王子と桃色の姫』

 

執筆者:モモ・ベリア・デビルーク第三王女

 

first day

 

なんだか疲れた一日だった。勝負で一人のヒロインを攻略するごとに私にHなことをしても良いと告げたのに乗り気ナシ。勝てればハーレムの王になれるのにも乗り気ナシ。対価は"とらぶるくえすと"のプログラム改変でいいらしい…どうやら消えていくつもりらしい。いったいあの男は何がしたいのかしら、ま、関係ないですけど。リトさんブロマイドで癒やされよう

 

Second day

 

ちょっとだけ気になった私はお兄様(ウザ)へ押しかけに行った。窓から覗くとリトさんの本命、西連寺春菜さんにリトさんへのアピール方法を説明していた。曰く「リトと春菜は似た者同士」らしい。たしかに似ているかもしれない……ああいう方はどうやって攻略すればいいのかしら。それにしても地球の恋愛ゲームは面白いのね

 

Third day

 

お姉さまの帰りが遅い、との通信が入ったきた。

ザスティンさんは当てにならない。だって漫画書いてるんですもの。貴方は親衛隊ですよ?しかも隊長…お給料下げて私のお小遣いへと変えておきますね。

こっそり探しにいくとウザい偽お兄様と公園でココアを飲んで温まっていた。ふたりとも優しげで親しげな雰囲気。本当に兄妹のよう、あの無邪気で天真爛漫なお姉さまが今は落ち着いた、銀河を統べるにふさわしいプリンセスに見えた。どうやってあの勉強キライではちゃめちゃなお姉様に教育を?

 

Fourth day

 

なにやら変なことになった。意外にもあの男と趣味が合う。

ついつい話に盛り上がって本音の「メインヒロインになりたいんです」と言ってしまった。「そうか?それじゃあよ…」と二人で恋愛ゲームごっこ(18禁)をすることになった。プレイヤーはお兄様(ウザ)でメインヒロインは私。イロイロ教えてくれるらしい……勿論お触りなどえっちぃシーンはないですよ?と睨んだけどハイハイしってますよ。分かってますっての、と軽く流された。相変わらず軽い扱い…なんだか腑に落ちない。けれどまぁいいでしょう、なんだってメイン。メインヒロインですから……まぁお遊びなんですけど。お姉様をあんな素敵な女性に変えたのですし、これで経験を積んで魅力が高まれば、きっとリトさんを落とせるはず。うふふふふ♡

 

Fifth day

 

ではやるか、の一言でレッスン開始。正座の私。

ホワイトボード(貸した)で様々な萌えシチュエーションを教わる。ふむふむ…ナルホド…勉強に…って!ちょっと!コレは何ですか!?の私。「なんだよ?」と不思議がるお兄様(ウザ)

「そういう授業ではなく!演じる私を攻略するちょっとHでドキドキな行為をするのではなくて!?」と怒鳴る。するとお兄様はしてやったり、と満足気な顔でそうそう、そういう展開を期待するモモをイジメる…ところに萌えるだろ?な?と微笑むお兄様(きゅん)…ムムム、難しい、してやられてしまいましたわ…とにかくリトさんを落とせるべく魅力的ヒロイン目指して頑張りましょう

 


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