超虚弱体質の不幸少年も異世界から来るそうですよ?   作:ほにゃー

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ネタ死

世間的にネタとして有名な死

ネタ死は最初の方で出ます。

なんのネタか全部分かったら、抽選一名様に《蓮花と過ごす介護生活一週間》をプレゼントです(笑)


第二十六話 ネタ死と毒殺死

リオナちゃんが飛び出して一週間が経った。

 

あれからリオナちゃんは常に僕の事を殺しに来ている。

 

寝起きに心臓を木の杭で貫かれたり、部屋を出ようとした所で短剣で背中を刺されたり、階段から突き落され、喉を下に置いてあった傘の先端で貫かれたり、窓から落されブリッジの体勢で死んだり、頭を食いちぎられてブラーンとぶら下がったり、バズーカで頭を吹き飛ばされたり、一番凄かったのは僕の頭に爆弾を埋め込み、人間爆弾にして、上空から“ノーネーム”の屋敷に落そうとしたことかな。

 

結局、それは狙いがずれて僕は地面に落ちて、地面で爆発した。

 

復活した時は無茶しやがって体勢だったそうだ。

 

「ねぇ、リオナちゃん。まだ殺すの?」

 

「当たり前でしょ!」

 

リオナちゃんはそう叫び、用意されたクッキーをバグバグ食べる。

 

「むごっ!?」

 

あ、のどに詰まらせた。

 

用意された紅茶を飲み干し、のどに詰まったクッキーを流し込む。

 

「アンタは、私の父を殺した!アンタを殺すまで私の復讐は終わらないんだから!ごちそうさま!」

 

リオナちゃんはそう言い残し、窓から出て行く。

 

「…………ちゃんとお礼を言ってくるから良い子だよね」

 

「だが、あまり関心はしないぞ」

 

「そうですよ、ご主人様」

 

するとメイド服姿のレティシアちゃんとアルちゃん(アルちゃんは鎖付き)が部屋に入って来た。

 

「自分を殺そうとする輩を部屋に招いて、もてなすなどと聞いたことが無いぞ」

 

「もしかしてご主人様、自分が狙われてるって自覚ありませんか?」

 

「いやいや、そんな訳ないじゃん」

 

そう言う二人に僕は笑って言う。

 

「では、何故ガルドの娘をもてなす?」

 

「レティシアちゃん。あの子はガルドの娘って名前じゃないよ。リオナちゃんだから」

 

「……そうか、なら訂正だ。何故、リオナをもてなす?」

 

「そんなの決まってるじゃん。リオナちゃんの為だよ」

 

そう言うと、二人はポカーンとする。

 

「確かにリオナちゃんにとって、僕たちは仇だよ。でも、今のリオナちゃんは仇を取りたいって言うより、自分の今の感情を誰かにぶつけたがってるんだ。なら、その怒りを僕にぶつければいい。僕なら死んでも死なないからね。でも、ずっとそればっかじゃ疲れるでしょ。だから、少しでも疲れが取れるようにもてなしてあげようってね」

 

「つまり、リオナが満足するまで相手をし続けるつもりなんだな、蓮花は」

 

「そうだね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アハハっと笑う蓮花に、レティシアは呆れた。

 

自分の感情をぶつけに来てるとはいえ、リオナは仇を討つことを目標にしてる。

 

仇を討つ、それは復讐と言う事だ。

 

(復讐と言う感情程、厄介で根強い物はないぞ)

 

そう思いながら、レティアは紅茶に手を着ける蓮花を見る。

 

「がふっ!?」

 

すると、蓮花は急に血を吐いて苦しみ出し、倒れた。

 

アルゴールは蓮花が口にした紅茶のカップを手で持ち、匂いを嗅ぎ、一口舐める。

 

「………青酸カリだ」

 

「「………………あのガキィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!」」

 

二人の絶叫が屋敷中に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそっ!また死ななかった!」

 

リオナは屋敷の部屋の様子を見ることの出来る木の上から、蓮花の様子を見ていた。

 

毒を飲んであっさり死んだと思ったら、復活。

 

「どうやったら殺せるのよ!」

 

苛立ちながら木を降り、無意識のうちにペンダントを手に取り、カバーを開く。

 

そこには父と母の二人と一緒に撮った家族写真があった。

 

まだ幼い自分を抱き、嬉しそうな笑みを浮かべる母と、写真撮影に緊張し、冷や汗を掻きながらも嬉しそうな父。

 

「……お父さん………」

 

リオナは父を失った悲しみと、仇を討てない悔しさで目から涙を流す。

 

その時、背後から誰かが現れるのを感じた。

 

慌てて振り向こうとしたが、その前に何者かの太い丸太の様な腕に捕まれる。

 

もがきながら必死に逃げ出そうとするが、それも叶わず、リオナはそのまま意識を落とした。

 




本当はこの一話で終わらせる予定でしたが、ここら辺がちょうどキリの良さそうな感じなので、ラストは次回になります。

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