超虚弱体質の不幸少年も異世界から来るそうですよ? 作:ほにゃー
世間的にネタとして有名な死
ネタ死は最初の方で出ます。
なんのネタか全部分かったら、抽選一名様に《蓮花と過ごす介護生活一週間》をプレゼントです(笑)
リオナちゃんが飛び出して一週間が経った。
あれからリオナちゃんは常に僕の事を殺しに来ている。
寝起きに心臓を木の杭で貫かれたり、部屋を出ようとした所で短剣で背中を刺されたり、階段から突き落され、喉を下に置いてあった傘の先端で貫かれたり、窓から落されブリッジの体勢で死んだり、頭を食いちぎられてブラーンとぶら下がったり、バズーカで頭を吹き飛ばされたり、一番凄かったのは僕の頭に爆弾を埋め込み、人間爆弾にして、上空から“ノーネーム”の屋敷に落そうとしたことかな。
結局、それは狙いがずれて僕は地面に落ちて、地面で爆発した。
復活した時は無茶しやがって体勢だったそうだ。
「ねぇ、リオナちゃん。まだ殺すの?」
「当たり前でしょ!」
リオナちゃんはそう叫び、用意されたクッキーをバグバグ食べる。
「むごっ!?」
あ、のどに詰まらせた。
用意された紅茶を飲み干し、のどに詰まったクッキーを流し込む。
「アンタは、私の父を殺した!アンタを殺すまで私の復讐は終わらないんだから!ごちそうさま!」
リオナちゃんはそう言い残し、窓から出て行く。
「…………ちゃんとお礼を言ってくるから良い子だよね」
「だが、あまり関心はしないぞ」
「そうですよ、ご主人様」
するとメイド服姿のレティシアちゃんとアルちゃん(アルちゃんは鎖付き)が部屋に入って来た。
「自分を殺そうとする輩を部屋に招いて、もてなすなどと聞いたことが無いぞ」
「もしかしてご主人様、自分が狙われてるって自覚ありませんか?」
「いやいや、そんな訳ないじゃん」
そう言う二人に僕は笑って言う。
「では、何故ガルドの娘をもてなす?」
「レティシアちゃん。あの子はガルドの娘って名前じゃないよ。リオナちゃんだから」
「……そうか、なら訂正だ。何故、リオナをもてなす?」
「そんなの決まってるじゃん。リオナちゃんの為だよ」
そう言うと、二人はポカーンとする。
「確かにリオナちゃんにとって、僕たちは仇だよ。でも、今のリオナちゃんは仇を取りたいって言うより、自分の今の感情を誰かにぶつけたがってるんだ。なら、その怒りを僕にぶつければいい。僕なら死んでも死なないからね。でも、ずっとそればっかじゃ疲れるでしょ。だから、少しでも疲れが取れるようにもてなしてあげようってね」
「つまり、リオナが満足するまで相手をし続けるつもりなんだな、蓮花は」
「そうだね」
アハハっと笑う蓮花に、レティシアは呆れた。
自分の感情をぶつけに来てるとはいえ、リオナは仇を討つことを目標にしてる。
仇を討つ、それは復讐と言う事だ。
(復讐と言う感情程、厄介で根強い物はないぞ)
そう思いながら、レティアは紅茶に手を着ける蓮花を見る。
「がふっ!?」
すると、蓮花は急に血を吐いて苦しみ出し、倒れた。
アルゴールは蓮花が口にした紅茶のカップを手で持ち、匂いを嗅ぎ、一口舐める。
「………青酸カリだ」
「「………………あのガキィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!」」
二人の絶叫が屋敷中に響いた。
「くそっ!また死ななかった!」
リオナは屋敷の部屋の様子を見ることの出来る木の上から、蓮花の様子を見ていた。
毒を飲んであっさり死んだと思ったら、復活。
「どうやったら殺せるのよ!」
苛立ちながら木を降り、無意識のうちにペンダントを手に取り、カバーを開く。
そこには父と母の二人と一緒に撮った家族写真があった。
まだ幼い自分を抱き、嬉しそうな笑みを浮かべる母と、写真撮影に緊張し、冷や汗を掻きながらも嬉しそうな父。
「……お父さん………」
リオナは父を失った悲しみと、仇を討てない悔しさで目から涙を流す。
その時、背後から誰かが現れるのを感じた。
慌てて振り向こうとしたが、その前に何者かの太い丸太の様な腕に捕まれる。
もがきながら必死に逃げ出そうとするが、それも叶わず、リオナはそのまま意識を落とした。
本当はこの一話で終わらせる予定でしたが、ここら辺がちょうどキリの良さそうな感じなので、ラストは次回になります。