超虚弱体質の不幸少年も異世界から来るそうですよ?   作:ほにゃー

25 / 27
捥傷 読み:わんしょう

意味:手足や体の一部が捥げた傷の総称


*ガルドの娘の名前は変更しました。理由は、リリィだとリリと被りそうだからです。


第二十五話 右腕捥傷と顔面抉傷

「で?こいつどうするよ?」

 

目が覚めたら、僕の部屋に全員が集まっていた。

 

そして、僕の心臓を掴んで引き抜いて潰した女の子、リオナちゃんは縄で縛られ(何故か亀甲縛り)床に放置されてた。

 

「普通に考えたらコミュニティ内への不法侵入と人の殺害、いや殺害未遂?で、フロアマスターに引き渡し、然るべき処分を下すのが妥当だろう」

 

十六夜君の質問にレティシアちゃんが言う。

 

「なら、すぐに引き渡しましょう」

 

飛鳥ちゃんがそう言って、リオナちゃんを掴む。

 

「誰が……捕まるか!」

 

リオナちゃんは自分を縛っていた縄を無理矢理引き千切り、飛鳥ちゃんを蹴り飛ばす。

 

蹴られた飛鳥ちゃんが後ろに倒れそうになるが、咄嗟に何かを掴んで転ぶのを防ぐ

 

「私はこんな所で復讐を終わらせるつもりはない!」

 

リオナちゃんはそう叫ぶと、素手で壁を破壊する。

 

「神代蓮花!覚えていろ!お前は、私が必ず殺す!精々首を洗って待っていることね!」

 

そう言い残し、リオナちゃんは破壊した壁から、外へと出て行った。

 

「やれやれ元気の良いロリだな」

 

「十六夜、どうするの?多分、あの子、また蓮花を狙いに来るよ」

 

「ま、襲ってきたらその都度俺たちで対処すれば問題無いだろ。蓮花、お前の事だからあまり心配はしてないが、一応用心しておけよ」

 

十六夜君は僕に向かってそう言う。

 

だが、僕は返事しない。

 

「ん?蓮花?(きっとまた何かしらで死んでんだろうな。もう驚かねーぞ。さっき、お嬢様が転びそうになってたし、その時にお嬢様にぶつかられて死んだかだな)」

 

僕の声が聞こえないことに十六夜君は疑問を感じ、振り返って来る。

 

そして、顔をひきつらせた。

 

何故なら、先程リオナちゃんが引き千切った縄が予想より早いスピードで飛び、僕の顔に思いっきりめり込んでいたからだ。

 

縄がめり込むって凄い痛い……………

 

ちなみに、飛鳥ちゃんがさっき転びそうになって掴んだのは、僕の右腕で、その右腕はまだちゃんと体が治っていない為、捥げちゃった。

 

「う、腕が………きゃああああああ!!?」

 

飛鳥ちゃんは余りにもショッキング過ぎる出来事に絶叫し、空いてる窓から僕の腕を全力投球する。

 

「飛鳥!?それ投げちゃ駄目!」

 

耀ちゃんは大慌てで腕を回収しに行こうとする。

 

「耀ちゃん大丈夫だよ。腕ならその内生えて来るから」

 

「生えるの!?」

 

「うん。腕なら一日で生えるよ」

 

ちなみに、心臓とか脳とかの生きるのに重要な部分は瞬時に再生&回復するよ。

 

「傷口の断面に取れた手足をくっ付けて置けば数秒でくっ付くけどね」

 

レティシアちゃんに止血をしてもらいながら笑ってそう言う。

 

別に止血しなくてもいいけど……………

 

「あ、そう言えば十六夜君が静かね」

 

「確かに。普段なら「蓮花あああああああ!!」って叫ぶ所」

 

十六夜君が何も言わないことを不思議に思って、飛鳥ちゃんと耀ちゃんは十六夜君の方を振り向く。

 

「2 3 5 7 11 13 17 19 23 29 31 37 41 43 47 53 59 61 67 71 73 79 83 89 97 101 103 107 109 113 127 131 137 139 149 151 157 163 167 173 179 181 191 193 197 199 211 223 227 229 233 239 241 251 257 263 269 271 277 281 283 293 307 311 313 317 331 337 347 349 353 359 367 373 379 383 389 397 401 409 419 421 431 433 439 443 449 457 461 463 467 479 487 491 499 503 509 521 523 541 547 557 563 569 571 577 587 593 599 601 607 613 617 619 631 641 643 647 etc………………」

 

顔を両手で覆い、ぶつぶつと素数を数えていた。

 

「「十六夜(君)!?」」

 

予想外な反応に飛鳥ちゃんと耀ちゃんは叫ぶ。

 

「縄がめり込むとか………腕が捥げるとか………有り得なさすぎだろ………もう嫌だ………心が痛い……カナリアファミリーホームに帰りたい………」

 

「こんなにも弱気な十六夜君初めて見たわ!?」

 

「十六夜!気をしっかり持って!」

 

「もう無理だ……もう一人保護者増えてくれよ……頼むから………俺の負担を減らしてくれ………」

 

十六夜君はとうとう蹲り、涙声になり始めていた。

 

ちなみにジン君と黒ウサギはと言うと………

 

「○月×日 今日もノーネームは平和でした(まる)

 

「ジン坊ちゃん、現実から目を背けないでください………」

 

現実逃避をするジン君と、正気に戻そうとする黒ウサギがいた。




十六夜君がどんどん豆腐メンタルになっていく………

ノーネームに新たな保護者は現れるのだろうか………(十六夜ポジで)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。