超虚弱体質の不幸少年も異世界から来るそうですよ?   作:ほにゃー

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第二十四話 後頭部裂傷と背骨骨折と脊髄損傷

ベッドのシーツに真っ赤なシミを付くり、蓮花は倒れる。

 

「き、貴様!」

 

レティシアは槍を出し、その少女に槍の穂先を向ける。

 

「ご主人様をよくも!」

 

アルゴールも両手を上げて、腕輪に着いた鉄球を持ち上げる。

 

「ふん!こいつは私の父を殺した。こいつさえ、余計なことをしなければ、父は死なずに済んだ。そう、こいつさえいなければ!」

 

少女は屍となった蓮花の体を踏みつけ、叫ぶ。

 

「こいつは殺した。次はあの女どもだ。直接父に手を下した奴、そして、父のゲームを仕掛けた奴、最後に、“ノーネーム”のクズリーダー。その三人を殺して、私の復讐は終わりを告げる!」

 

少女の叫びを聞き、レティシアはあることに気付いた。

 

「まさか……貴様の父とは、ガルド・ガスパーか!?」

 

「そうよ。私はリオナ・ガスパー。ガルドの娘よ」

 

「………身内を失うのは辛いだろう。だが、ギフトゲームのルールは絶対だ。耀も飛鳥も、ジンもルールを脅かしてはいない。ギフトゲームで死んだのならば、それは死んだ奴が悪い。ギフトゲームはそう言う物だと言う事は、“箱庭”に住まう物なら、知っているだろう。貴様の父、ガルドもそれを覚悟の上だったはずだ!」

 

レティシアの言い分は正論だった。

 

だが、世の中には正論で済ませれることなどそうそう無い。

 

「それで身内を殺された人が納得するとでも?例え、ルールに乗っ取った上での死であっても、アンタの仲間が父を殺した…………私にとって、復讐をするには十分すぎる動機よ!」

 

「呆れた!そんなのただの逆恨みじゃない!」

 

アルゴールは指をリオナに突きつけながら言う。

 

「アンタの父親、随分と悪いことしてたそうじゃない。揚句、子供を攫って、コミュニティ存続を賭けたゲームをして、無理矢理仲間にして、人質は殺す。とんだ外道よ!」

 

「………ええ、そうよ。私の父は外道よ」

 

アルゴールの話に、リオナはあっさりと肯定した。

 

「今まで多くの犯罪を犯してきたし、人に言えないことも沢山やって来たわ。でもね…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私にとっては大切な家族なのよ」

 

リオナの言葉に思わずレティシアとアルゴールははっとする。

 

「母が死んでから父は私を育てるために、必死だったわ。他者への優しさを捨て、外道にその身を落としてでも、生き抜くための力を手に入れようとした。でも、そんな人でも、父としての気持だけは捨てなかった」

 

拳を握り、そして胸元のペンダントを握りしめる。

 

「私は娘として、父の仇を討つ。それだけだ!」

 

手の爪を構え、リオナは走り出す。

 

レティシアとアルゴールも同様に構える。

 

すると―――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ~、心臓を握りつぶされるとか初めてだな」

 

心臓が再生して復活する蓮花がリオナの前に現れる。

 

「ふぎゅっ!?」

 

「あぐっ!?」

 

リオナは顔面を蓮花の後頭部にぶつけ、そのまま背中から倒れ気絶し、蓮花は後頭部を割られ前に倒れる。

 

前に倒れる時、勢いが強すぎて背骨がへし折れる音も響く。

 

その光景にレティシアとアルゴールは唖然とし、沈黙が漂う。

 

「………アルゴール。取り敢えず、ガルドの娘を縛るぞ」

 

「縛るなら任せて」

 




はい、前回出て来た少女はガルドの娘です。

分かった方はいたでしょうか?

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