超虚弱体質の不幸少年も異世界から来るそうですよ? 作:ほにゃー
「信じられないわ!まさか、問答無用で呼ばれて、水の中に落とされるなんて!」
お嬢様っぽい女の子が文句を言いながら湖から上がる。
「右に同じだ。クソッタレ。これなら石の中に呼び出される方がよっぽとマシだ」
同じく学ランに金髪、見た目不良な男の子も文句を言いながら湖から上がる
「石の中に呼び出されては動けないでしょう?」
「俺は問題ない」
「そう。身勝手ね」
「三毛猫……大丈夫?」
『二、ニャ~』
無表情な女の子はペットと思われる三毛猫を抱え、湖から上がる。
三人は湖から上がり、服を絞る。
「そう言えば、もう一人誰かいた気がするんだが?」
「確かに、もう一人いたはずよ」
それは僕だな。
だが、残念。
僕はまだ動けない。
すると、無表情だった女の子は僕の方を見て青ざめる。
「あ、あそこに………」
「「なっ!?」」
金髪君とお嬢様も青ざめる。
まぁ、仕方ないよね。
湖に浮かんでる体はピクリともせず、血を流して湖の表面を真っ赤に染めてるんだし。
「おい!アレ死んでるんじゃねぇのか!」
「は、早く助けないと!」
三人共慌てて、僕を湖から引き上げる。
これは初めてのパターンだ。
大抵の人は僕がこんな状態になると見捨てるもんだから、ちょっと新鮮だ。
さて、体も治ったし、起き上がるか。
そう思い、体が川から上がった所で起き上が…………起き上がれない。
「あの~、死んでないよ?」
仕方ないので引き摺られた状態で言う。
「「「……………」」」
あれ?なんで無言?
「「「キェェェェェェアァァァァァァ゙シャァベッタァァァァァァァ!!!」」」
その反応はちょっと傷付く…………
「ちょっと待って。僕は別に死人じゃないよ」
「あの状態で良くそう言えるな」
「慣れてるからね」
そう言い、這いつくばりながら近くの岩の上に座ろうと奮戦する。
…………あ~、疲れた。
「大丈夫?」
先程の無表情の子が聞いて来る。
「悪いけど、疲れちゃったからこの岩の上に座らせてもらってもいいかな?」
「いいよ」
その子のお陰でなんとか岩の上に座れた。
ふぅ~、やっと楽できる。
「一応確認しとくが、お前たちも変な手紙が来たのか?」
金髪君が、髪をかき上げながら聞く。
「そうだけど、まず“お前”って呼び方を訂正して。私は久遠飛鳥よ。以後気を付けて。それで、そこで猫を抱えている貴女は?」
お嬢様もとい久遠さんは無表情な子に質問をする。
「………春日部耀。以下同文」
「そう。よろしく、春日部さん。それで………貴方のお名前は?」
恐る恐ると言った感じに、僕にも名前を訪ねて来る。
「神代蓮花。こんななりだけど、男だよ。よろしくね」
そう言って片手を上げる。
すると久遠さんや春日部さんの顔が青ざめた。
金髪君は口元を引き攣らせていた。
どうしたんだろう?
そう思って持ち上げた右腕を見ると曲がってはいけない方に関節が曲がっていた。
どうやらまた折れちゃったみたい。
関節の方向を直し、ぐいぐいと押し込む。
うん、これで治った。
「ん?どうしたの?」
「え?あ、いや、その…………で、最後に貴方は?」
「お、おう。逆廻十六夜だ。……まぁ、よろしくな」
逆廻君が引き攣った笑顔で自己紹介をする。
どうしたんだろう?
その頃、隣の茂みの中
「な、なんか…………色んな意味でヤバそうな人がいるのですよ!?」