オーバーロード 四方山話《完結》   作:ラゼ

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ちょっと残酷な描写があったりなかったり。一応R15タグつけときます。


ようやく登場、その名は…

ナザリック地下大墳墓。

 

その中のオデンキングに割り当てられた一室で今、3人の男女が一つの巨大なベッドの上で話に花を咲かせていた。

 

アウラとシャルティア、そしてオデンキング。それぞれが微妙に勘違いをしつつ、お喋りを始めておおよそ1時間弱。

 

「それで、ザリュースが出てきたと思ったらいきなり結婚するなんて言い出して…」

「はは、情熱的じゃないか。蜥蜴人っていってもその辺は変わんないんだなー」

 

アウラは扇情さと可愛さを感じられる、少し生地の透けたベビードールを着用しその上にガウンを羽織ってここまで来ていた。

取り敢えずは話をする体で来たために蜥蜴人の集落で合ったことをオデンキングに話していた。

 

お喋りをしているうちに緊張もほぐれ、シャルティアが上手くアレをする方向へ雰囲気をもっていってくれるのを待っていた。

部屋に入った瞬間何故か動揺していたのは気にかかっていたアウラだが、なんだかんだでシャルティアも緊張しているのかと仲間意識が芽生えただけにとどまった。

 

「それでゼンベルって奴がもうしつこくて…」

「まあ慕われてるってんならそう邪険にしなくてもいいんじゃないか?」

 

対してオデンキングは今、非常に精神的にもやもやさせられていた。

今夜に部屋を訪ねてくるとアウラに言われ、少し煩悶としながらも楽しみにしていたオデンキング。そしていざ迎えてみれば訪問してきたのはアウラだけではなく、シャルティアもだった。

 

すわ3Pかと期待を寄せたオデンキングであったがいつまで経ってもそういった雰囲気にはならず、もしや本当に話をしたかっただけかと悩み始め自分の心の汚らわしさに弱冠ダメージを食らっていた。

 

「で、その爺さんが6位階まで使えるって話でさ、3位階までが限界に近いとかって言う割には意外と上の位階使う奴もポンポンいるし、結構集めた情報も当てにはできないかなって…」

「確かに前に来た人間も、接近戦のみで1対1だと私でも少し苦戦しそうでした。アインズ様の言う通りやっぱり侮りは厳禁ですよね」

 

そしてシャルティア。今彼女の脳内では怒りが渦巻いていた。

 

「(ふふ、いい度胸してるじゃないオチビ。そっちがその気ならもう遠慮はしないわ!)」

 

アインズの夜伽に参加出切ると思っていたら何故かオデンキングの寝所に来ていた。この状況に到ってシャルティアは気付いた、アウラに嵌められたのだと。自分をオデンキングに押し付け、アウラはアインズの元へ向かうのだと。

 

盛大な勘違いである。

 

どう考えればそうなるのか、ラナーやデミウルゴスとは逆の意味で思考が常人には理解できないアホっぷりである。

 

「(残念だけど、アインズ様の元へ向かうのは妾。オチビの作戦、逆手にとって見せましょう!)」

 

ここまで殆んど喋っていないシャルティア。驚愕が抜け、怒りを噛み殺し、作戦を練り、そして今行動に移す。

 

「そ、そそそそれにしてもアウラとオーディン様は仲がよろしいでありんすねぇ。傍目には仲睦まじいカップルに見えんすよ。あ、あー。わ、私は邪魔のようですありんす。ここらでおいとまさせて、いた、頂きんしょう」

 

これがシャルティアの限界である。彼女は阿呆なのだ。

 

楽しく喋っていたところにいきなりの良く解らない発言を受け、アウラとオデンキングは困惑した。

やっぱりそういう意味合いでここに来たのかと、モテ期万歳とばかりにテンションが上がるオデンキング。

そしてアウラは困惑した後は、シャルティアの気遣いに感動していた。自身の恋心を押し止めアウラの恋心を優先するその姿に、実は単に言いくるめられただけじゃないかと思っていた先程の自分を恥じていた。

 

そしてだからこそ、だからこそアウラはそんな優しい親友を行かせるわけには行かなかった。

 

シャルティアは自分達を姉妹同然だと言ってくれた、ならば彼女だけが貧乏クジを引いていいわけがない。

 

「…馬鹿、何言ってんのよ。思う気持ちは同じじゃん。一緒に…ね?」

 

優しい顔でシャルティアの腕を掴み引き寄せるアウラ。覚悟を決めてシャルティアの片腕を抱き締めながらオデンキングに自らの想いを伝える。

 

「くっ…離すであり」

 

「わ、私達、オーディン様のことが好きです! だ、抱いてください!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伝言ゲームというものがある。一つの言葉を多数の人間を介して伝えていくというゲームだ。

そしてこのゲームは不思議なことに、最初に伝え始めた言葉と最後に伝わった言葉が全く違うということがままある。

 

言葉を伝えるというのは簡単なようで難しい。特に一つの場面を伝えるともなれば主観が入り交じり、聞く人によって千差万別の想いを受けるといっても過言ではないだろう。

 

そう、場面だ。

 

態々Barで恋バナをしていたアウラとシャルティア。騒いでいた彼女達を見ていた人が皆無だったというのは有り得ない。

そして情報とは伝わるにつれてねじまがるものだが、発信源からして心のねじまがった者が拡散した場合どうなるか。

 

それはオデンキングの部屋の前の修羅場が答である。

 

「何故邪魔をするの? デミウルゴス。私はただ裏切り者を排除するだけよ?」

「…それは寧ろ私のセリフでは? アルベド。貴女は一途な女性だと思っていたのですが」

「あ、あの、お姉ちゃんも、悪気は……ひゃっ!?」

 

アルベドが修羅のごとき表情で嫉妬のオーラを振り撒く。

 

「落チ着ケ。我々守護者ガ仲間割レヲスルナドソレコソアインズ様ヘノ裏切リニ等シイ」

「悪気がないですって? 態々こんな客室でこそこそと…! もはや一刻の猶予もないわ! そこをどきなさいデミウルゴス!」

 

守護者達がオデンキングの部屋の前で対立している。

ちなみにアレな展開を期待していたオデンキングによって部屋の外からの音も中からの音も聴こえないようになっているのが、修羅場の要因の一つである。

そして、彼等の中でも既に認識が違っているのは何故か。

 

「あー、ドウシテコンナコトニなっちゃったんスかねえ…」

 

それは誰にも解らない不思議である。

 

「アルベド、確かにあの方とは一番仲良くなったとは思っていましたが…。これは喜ぶべきなのかもしれませんが今は全力で止めさせていただきますよ」

 

勘違い100%のデミウルゴスの言葉に、もはや地獄の閻魔でもこれほどではないだろうという形相になる勘違い100%のアルベド。その顔にマーレは姉を諦めた。

 

「あ、あのボク、しなくちゃいけないことを思い出した……」

 

何気に酷い男の娘である。

 

「邪魔するならっ…! 少し痛い思いをするわよ」

 

マーレは逃げ腰、コキュートスは中立、実質ドアを開ける障害はデミウルゴスだけだ。そして、デミウルゴスは1体1の戦闘ともなればアウラの次に弱い。

 

そもそも直接的な戦闘をするタイプではないのだ。防御に重きをおいているアルベドといえども簡単にドアを突破されるのは目に見えている。

 

だが彼には勝算があった。三千世界を見渡しても比肩しうる者が少ない、悪魔の頭脳。それを十全に発揮して策を弄する。

 

「ふっ、アルげふぅっ!」

 

突進してくるアルベドにまずは言葉にて翻弄するための、策謀の一手目を発動する前に彼は落とされた。どう考えても言葉を掛けるタイミングなど無かったというのに彼はそれを選択した。

 

そう、彼は疲れていたのだ。

 

「デ、デミウルゴス!?」

 

何か策があるのだろうと静観していたコキュートスはそれをみて駆け寄る。だがその瞬間ドアが開け放たれ、四人の視界と聴覚にその光景が目に入った。

 

「わ、私達、オーディン様のことが好きです! だ、抱いてください!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フム、それで?」

 

玉座の間。

 

顔を俯かせ泣きあとの見えるアウラと、やっと事態を把握したシャルティアを横につかせアインズが片膝をつき頭を垂れるアルベド達に続きを促す。

 

「うぅ…その、申し訳ありません。全ては私の勘違いで御座いました」

 

ドアを開け放った後に飛び込んで来た光景に、自分が勘違いしていたことに気付いたアルベド。羞恥により暴走したアウラにより一騒動あったため事態はアインズの知るところとなった。

 

原因と思われる関係者を集め話を聞いているアインズは中々愉快なことになっているな、とかつての仲間達の間にもあった騒動や馬鹿騒ぎを思いだし悪いとは思いつつも機嫌をよくする。

 

「他の者はどうだ。何か言うことはあるか?」

 

同じく頭を垂れているデミウルゴス、マーレ、コキュートスに尋ねるアインズ。

 

「ございません、アインズ様。不確かな情報に踊らされ軽挙妄動としか言えぬ我等の行い、如何様にも罰して下さい」

 

コキュートス、マーレも同じように謝罪する。

 

「フム、そうか。だがお前達、謝る相手を間違っていないか? 今回の騒ぎで一番被害を受けたのは誰だ?」

 

ハッとアインズの横に佇むアウラとシャルティアを見る守護者達。特に泣きあとのあるアウラを見て罪悪感をちくちくと刺激された彼等は口々に謝っていく。

 

暴れたアウラも、正直バツが悪くなっていたためその謝罪も受け入れていく。そしてシャルティア。彼女はというとーーー

 

「あぁー、本当にキズついたでありんす。これは並大抵のことでは到底癒せないでありんしょう」

 

調子に乗っていた。しかもシャルティアはこれをきっかけにデミウルゴスにアインズからの寵愛を受けられるよう知恵を借り、アルベドから正妻の座を掠め取ろうと画策していた。

 

しかし、これは完全に悪手である。聡明と言う言葉が霞むほどの頭脳を持つデミウルゴスとアルベドは既に気付いていたのだ。

後でお仕置き予定の犬っころがわざと勘違いさせるように話した場面の真実、すなわちシャルティアもまた勘違いしてオデンキングの部屋に行ったのだと。

ならば調子に乗ったシャルティアに対して彼等がすることはーーー

「申し訳ありませんね、シャルティア。しかし貴女もオーディン様をあれほどに愛していたとは気付きませんでした。侘びと言ってはなんですが貴女の恋愛、このデミウルゴスが全力で応援させていただきますよ」

「え?」

「成る程、それはよい考えだともデミウルゴス。オーディンさんとの縁を強化するには最良の一手だな」

 

長らく会えなかったことで、もう少しナザリックに愛着を持ってもらえないかと考えていたアインズ。なんともタイミングのいいことだとシャルティアとアウラの恋を応援することに決めたようだ。

 

「え、いや私はアイ……」

「アインズ様」

「なんだ? アルベドよ」

「アインズ様は恋愛に不誠実な女をどう思われますか?」

「なんだ急に? そういったことは個人の好きずきだ、私に言えることはないな。…まあ個人的に言うならばあまりそういった人物は好みではないがな」

「うぁ……」

 

だからこの結果は頭脳の差を考えれば自明の理であるといえるだろう。シャルティアの強欲のせいで第2夫人の座すら怪しくなった一幕である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝都アーウィンタール。

 

皇宮のとある一室にてスレイン法国の暗部が赤裸々に語られていた。

 

「そうそう、だから漆黒聖典の一席と番外だけには手を出さない方がいいよー」

「成る程、重々気を付けます。ご協力ありがとうございました。また聞きたいことがある時はお願い致します」

「ま、気が向いたらね」

 

帝国の情報局はかなりの部分魔法に依存しており、特にフールーダでさえ解らないスレイン法国の深い部分については詳細は全くといっていいほどに解明していなかった。

 

だから雑談をしている最中にオデンキングの連れ添いであったクレマンティーヌが元漆黒聖典の一人だったと判明した時、皇帝がかなりの報酬を提示して情報を求めたのは当然の帰結であった。

 

「ふぅ、ディンちゃん帰ってこないなー。また闘技場で弱いもの虐めして遊ぼっかな」

 

強くなったクレマンティーヌにとって合法的に殺し合いの出来る闘技場は打ってつけだった。なにせ殺してしまってもよっぽどでなければ事故ですむのだ。

 

「クレマンティーヌ殿は血気盛んだな。よければ中々難度の高そうな依頼でも紹介しようか。冒険者の登録もしているのだろう?」

 

そういってクレマンティーヌの後ろから声を掛けたのはこの国の皇帝ジルクニフ。

 

「あら、ジルちゃん。政務はいいの? さっき事務官が探していたけど」

「休憩だ休憩。通常の政務に加えて戦も近い、法国はキナ臭い、それに関わっていそうな謎の建造物の調査も慎重を期して調査せねばならん。正直やってられんな」

 

以外と仲良くなっている二人である。

 

「ふーん。依頼ってそれに関すること?」

「ああ、王国との国境付近でうちの軍隊に扮した法国の部隊が村を襲撃して回っていたと情報があってな。そしてその部隊が壊滅、国境付近に謎の建造物。流石に怪しすぎて調べんわけにもいかん」

 

面倒なことだと嘆息するジルクニフ。そしてその情報を聞いたクレマンティーヌは顔を引きつらせる。

 

「…そこは調べない方がいいと思うよ? 国を滅ぼしたくなければ、だけど」

 

下手にナザリックを怒らして巻き込まれたらかなわないと助言するクレマンティーヌ。

 

「なに? あそこについてなにか知っているのか?」

「まあ、知っていると言えば知ってるけど私から情報流したって知れるのもやだし、ディンちゃんが帰ってきたら聞いてみればー? 私が言えるのは一つだけ。あそこに手を出したら火傷じゃすまないってことだけよ」

 

ジルクニフは考える。目の前の女性もオーディン曰く、王国の戦士長ですら相手にならないレベルだそうだ。その女性をしてこの言い回しだ、聡明なジルクニフは早々に正解を導きだした。おそらくその建造物も異世界からの来訪者なのだろうと。

 

そしてクレマンティーヌがそれを知っていてまだ生きている事実。ならばおそらくオデンキングの知り合いであるのは間違いない。加えて初めて出会ったときに質問した、他の仲間は居ないのかという問いに少し言い淀んだオデンキングの返答。

 

それをもってジルクニフは看破する。あそこに居るのは理知的ではあるが人類に敵対的な存在であり、オデンキングにも比肩しうる者達なのだと。

 

「成る程。……ワーカーにでも調べさせるつもりだったがやめだな。オーディンが帰ってくるまでは一切干渉しないでおくとしよう」

「賢明ね。じゃ、私は闘技場に行ってくるからー」

 

手をヒラヒラとさせクレマンティーヌが皇宮を後にする。それを見送ったジルクニフは割りと間一髪だったんじゃないかと思い至り冷や汗をかいていた。

 

 

 

 

 

 

闘技場。

 

そこでクレマンティーヌはとても言葉には言い表せられない充足感を味わっていた。

 

「くそっ、くそっ、くそっ。この私が…!」

 

それは目の前の男、対戦相手のエルヤーが原因である。クレマンティーヌから見てこの男は最高の獲物だった。

 

まずはそこそこに高い実力であること。

次に自尊心が人一倍、いや十倍は高いこと。

最後に感情表現が豊かであることだ。

 

これらが相まって、その悔しがりかたが芸術の域に達している。

最初は手を緩め相手の優勢を演出し、中盤からは圧倒する。それだけなのにこの男の表情の落差はまるで国王から奴隷に落ちたような悔しがりっぷりなのだ。

クレマンティーヌは確信した。この男は自分に虐められるために生まれてきたのだと。

 

「あっはははは! ほらほら、もう少し速くするよー? もしかして着いてこれないかなー?」

「くっ…! 調子に…乗るなぁーっ!」

 

武技により強化された一撃でクレマンティーヌの武器を狙うエルヤー。

 

「嘘っ…!?」

 

そして狙いは寸分違わずスティレットの根本に当たり、クレマンティーヌは武器を弾き飛ばされた。

 

「はっ…はははっ! 見ろ! 調子に乗るからだ!」

 

その表情に嘲笑を取り戻したエルヤーは殺すつもりでクレマンティーヌの首筋に神刀を振るう。

 

「あはは、なんちゃってー。ねぇ、今どんな気持ち? お姉さん知りたいなー」

 

2本の指でピタリと刀身を掴みとるクレマンティーヌ。それを見たエルヤーは自分が遊ばれていたのだと気付き更に悔しがる。それを見たクレマンティーヌは更にエクスタシーを感じる。永久機関の完成である。

 

だがあまりの悔しさにエルヤーは言ってはならない禁句を口に出してしまう。

 

「くっ…なにがお姉さんだ、ババアの分際で! さっさと私の神刀から手を放しなさい! 加齢臭が移ってしまっては困ります!」

 

遊ばれ続けたことによってフラストレーションが溜まっていたのだろう。普段は奴隷と亜人以外に使うことのないような口汚い罵りの言葉を叫ぶエルヤー。そして、その罵倒が彼の生涯における最後の発言となった。

 

「……死ね」

 

表情から感情が抜け落ちたクレマンティーヌ。20代後半に差し掛かった彼女だってまだまだ乙女なのだ。これもむべなるかなといったところである。

 

だが彼女もオデンキングに会って変わったのだ、すんでのところで思い直しスティレットの軌道を変更し舌と下顎を消し飛ばし、手首と足首にそれぞれ風穴を開け、おまけとして両目を潰しておいた。完全に再起不能である。勝敗の決まったあと彼女は心に暖かいものを感じそれに思い当たる。

 

「そっか…。これが、これが〈優しさ〉なんだ」

 

そう、彼女は真っ当な人の心を手にいれたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エ・ランテルの某所。

 

自分のアジトであるこの場所で、カジットは期が熟したと高笑いしている。死の宝珠に負のエネルギーが溜まり、いよいよこのエ・ランテルを死の螺旋に巻き込み絶望の都市へと変える準備が整ったのだ。

 

「もっと早くに始めることも出来たが、やはりあのモモンという冒険者と伝説の魔獣は厄介だ。…だがここ一週間は姿を表していない。凄腕のマジックキャスターとやらも情報通り帝国に向かったと見て間違いない」

 

不安要素は消えた。今こそ計画発動の時、母を蘇えさせる第一歩が始まるのだと狂気の笑みでカジットは高笑いを続ける。

 

「明日だ…。明日にはこのエ・ランテルは死の都市へと姿を変える」

 

母を想う気持ちが狂気となり、凶器となってエ・ランテルへ降りかかろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナザリック地下大墳墓 アインズの私室

 

 

「オーディンさん、明日あたりエ・ランテルで何か依頼を受けませんか? 少し気分転換も兼ねて」

「お、いいですね。…アウラちゃんも誘っていいですかね? 少し沈んでいるみたいですし」

「ええ。ありがとうございます」

 

今、運命と言う名の予定調和が始まる…!




真っ当な人の心()
優しさ()

次話 頑張れカジッちゃん。~輝く明日へ~

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