魔法少女うえだ☆マギカ 希望を得る物語   作:ハピナ

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前編から続く後編、黒板の魔女と決着をつける時。

というわけで今回は本格的に魔女と戦っていきます!(・ω・。)ノ

魔女は使い魔と段違い……

果たして魔法少女達は黒板の魔女に勝つ事ができるか?

絵莉ちゃんは一体、どうなってしまうのか?


2月17日
○変則改行本格討伐
○『w』や顔文字を削除
○『ー』や『~』の引き延ばし
○その他修正、索敵



(4)初絶望と初戦闘[後編]

1つの目的のため一時的に結成された追っかけ+aのクインテット。

 

彼女らが考えた作戦は以下の通り。 相手が未知数な以上、大まかな作戦になる。

 

 

まず2人と3人に分かれ、利奈が不意をついて先制。 その後は乱舞を続投。

 

うちわと紙吹雪は魔女の弱点を探しながら利奈をちょっと後ろから援護。

弱点を見つけ次第3人で発見した弱点に集中攻撃!

 

メガホンは応援ボイスで攻撃力とか防御力を上げ、

CDは鋭く磨かれたアイドルジャケットのCDを手裏剣のように投げつける。

 

後衛はこれでバッチリ。

 

 

上田「アンヴォカシオン! ……準備はいいね?」

 

「「「「はぁーーい!」」」」

 

子供みたいに元気良く返事をする仲間の魔法少女達。

 

利奈はふと笑って棍を構えた。

 

 

上田「ゲーム、スタート!」

 

 

利奈が走り出したのを合図に、うちわと紙吹雪も走り出す。

 

魔女の足元当たりまで来た所で、利奈は持っていた棍で走りながらガッと床を突く。

 

 

上田「アロンジェ!」

 

 

棒高跳びの要領と伸びる棍で利奈は高く飛んだかと思うと、

 

 

上田「スフェール!」

 

 

恐らく魔女の1番の武器になるであろう、黄金のチョークを狙って赤い弾を打った!

 

定規で出来た手からチョークが離れて古びた木材の床の上、

ポッキリ折れて金粉が舞う。 黒板を引っ掻く様な金切り声で魔女は吠えた。

 

流石に黒板引っ掻く音には一同は怯んでしまうが、その行動はやめない。

 

 

上田「っ……! やあああああっ!!」

 

 

魔女に対し利奈は乱舞する。 時に回転し時に蹴り上げ振り上げ……

魔女の体至る所を足場にして確実に魔女にダメージを蓄積させていった。

 

魔女は武器を失い、素手で利奈を振り払おうとした。

 

だがそれはなかなか当たらない。

 

利奈が戦闘の才能があるのもそうだが、

うちわと紙吹雪の準前衛からのフォローもなかなかだった。

 

 

「天音! そっちに髪行った!」

 

「お!? ダブルブロウ!」

 

「やばっ、紙吹雪ロック向き!」

 

 

利奈の死角、鞭のようにしなる重量あるツインテールの攻撃を、

2枚のうちわで吹き飛ばしてど派手な紙吹雪が切り裂いた。

 

 

「がああああんばれええええ!!」

 

 

メガホンの補助魔法が魔女の隙をつき、強化の魔法で3人を強くする。

 

 

「聞け!デビュー曲!!」

 

 

磨かれたCDが魔女の体、黒板消しの体を引き裂いた。

 

 

4人の連携はなかなかの物だった。

 

やはり友情というかお互いをよく知っているとか……理解してるのだろう。

 

友情というのは、本当に素晴らしい。

 

この調子なら魔女を倒せるだろう。 ……この調子なら、ね。

 

 

 

 

「ばっ、化け物だ!? うわああああ!!!」

 

「お? やってるやってる!」

 

「ずるぅ~~い! 私も混ぜてよ!」

 

「魔女倒したらグリーフシード出すんだろ?」

 

「その魔女のグリーフシードは俺のだっ! 邪魔するなぁ!」

 

「いぇ~~い! 行け! 魔法弾!」

 

「え、何!? 待って待って!」

 

「あっ、ダメ! そっちに打ったら!!」

 

 

……魔法弾が飛んで行く先、勢いよく肉が沈むような鈍い音がした。

 

 

上田「っあ!?」

 

 

 

不意に、利奈は未知の攻撃を受けてしまった。

 

なんの考えもなしに放たれた魔法、死角で何なのかはわからなかったが、

順調だった利奈の乱舞は打ち落とされて利奈はほぼ直下に落ちた。

 

受け身や対策をとる時間さえ与えられず……

 

 

骨が折れる聞きたくもない音を立てて、地面に強打した。

 

 

味わったことのない激痛が、利奈の体全体まんべんなく響く。

 

 

上田「う゛ああぁ……っ!! あぁ……」

 

「「危ない!!!」」

 

 

うちわと紙吹雪はとっさに2人がかりで利奈の両手両足を持って走る。

めちゃめちゃな運び方だったが、利奈は魔女に踏みつぶされずに済んだ。

 

 

「うおっ!? こいつ強ぇぞ!?」

 

「適当に魔法ぶっ放してれば楽に勝てるでしょ」

 

「いやいやいや無理無理無理!! 一回下がろうぜ!」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

急遽、そこは魔女の死角。

 

2人の魔法少女は協力してうちわの骨組みと大きな紙吹雪を組み合わせ、

大人数が入ることが出来るでかいテントを張った。

 

突然の乱入に大怪我を負った利奈、骨は何本折れたかな?

 

 

「紙吹雪バラード向き!」

 

 

パステルカラーの紙吹雪が利奈の頭上に舞う、わずかながらの回復魔法。

 

さすがは魔法少女の身体、骨はくっついたが痛みが残る。

 

と、治療が終わってすぐに逃げ帰るようにバタバタと

突っ込んでいったくせに戻ってきた乱入者は大勢いた。

 

7人……恐らく、別の集まりだろう。

 

 

「なんで突っ込んできたの!? 危ないじゃないの!!」

 

「ごめんごめん、いると思わなかったの」

 

「いやぁ~~しっかし、魔女ってあんな強いとはな」

 

「ま、今度は近づかず遠くから適当にぶっ放せばなんとかなるだろ」

 

「うひょ~~! 楽しくなってきた!!」

 

「楽しんでる場合じゃないわ!!」

 

……『真剣』と、『楽観的』。

 

感情が真逆な魔法少女や魔法少年が両立する中、利奈は1つ気がついた。

 

 

上田「……メガホンとCDの魔法の子は?」

 

 

「あ? 知らね、魔法少女って丈夫だから大丈夫だろ」

 

「えっ? わかってないの!?」

 

「まぁ行く時になったら途中で適当に見つかるっしょ」

 

そしてジャングル並の騒がしさになる……利奈は、我慢の限界だった。

 

上田「いい加減にしてよ!!

 

ったた……せっかく作戦組んで被害少ないように、

魔法あんまり使わないようにって工夫しながら戦ってたのに!!」

 

「は? 魔法なんかぶっ放してなんぼだろ、使わないとかツマンネ」

 

「それはそっちの都合でしょ? 私達はそんなの知らないし」

 

「なっ……!? そんな言い方ないじゃない!!」

 

「そうだよ! 下がるにしても探さずに2人を置いて行くなんて!」

 

利奈はわかっていた……『こいつらは、魔法少女と魔法少年の真実を知らない』。

 

それでも、乱入者の態度や対応にはちょっとどころかかなり問題があった。

 

 

「大丈夫だって適当に魔法で遊ぼうぜ?」

 

 

魔法は、遊びに使うものじゃない。

 

「しっかし、逃げるなら走ればいいのにねぇ……」

 

 

乱入する直前まで、戦ってたんだ。

 

 

「ったくあそこで倒れるとかバカの極みだろ!」

 

 

上田「…………!!」

 

 

その言葉に利奈は本気で怒った、痛む体に響こうが腹から声を出す。

 

 

上田「遊ぶのと戦うのは違うんだ!! 人の命がかかってる!!

こんな調子じゃ池宮に他の魔女や魔男が来たら1日も立たない内に滅ぶね!!」

 

 

「……な、な、なあぁっ!?」

 

「何だよふざけなのに、キレてるワロス」

 

「それに人が死んだとしたらその人の責任じゃない! まぁ死なないと思うけど」

 

「だろ? 俺らは悪くねぇよ!」

 

「怒ってるそっちが間違ってるんだってば、はい! 僕らの勝ち~~!」

 

利奈は分かっている……悪気はない、()()()()()()()()()()んだ。

 

 

じゃなかったら、こんな言い方しないだろう。

 

 

上田「……もう、いい。

 

 

アンヴォカシオン。

 

 

うちわの子と紙吹雪の子は倒れた2人の救助を」

 

「きゅ、救助を?  あっ!? まだ休んでなきゃダメだよ!」

 

「ん~~? ん~~? 上田さんどうしたのかなぁ~~?」

 

 

刹那、その少年は急に痛がる。

 

 

「んぐぉ!?いってぇ!!」

 

次の瞬間、利奈は目の前で挑発してきたバカな魔法少年を棍で弾き飛ばすと、

痛みを抱えたまま1人でテントを飛び出した。

 

後ろの方でで何かギャーギャー言ってるが、今の利奈には聞こえない。

 

途中止まって倒れていたメガホンとCDを魔女の死角にずらす。

怪我の仕方を見た感じ、魔女によるものではない。

なんかこう、()()()()()()()というか……

 

上田「…………」

 

ふと、魔女を見る……折れたチョークで黒板に何か書いていた。

魔法少女達がいない間に拾ってしまったのだろう。

 

普通ならそこでもうダメだと絶望するが、利奈は本当に才能があった。

 

 

上田「あれだ、見つけてくれてたんだ」

 

 

切り裂かれた黒板消しの身体……

 

そこから見えていたのはもちろん黄色いスポンジだったが、

1箇所はみ出るスポンジが多い場所があった。

 

所々にCDが刺さっている。

 

それは……黄金のチョークを持つ腕、プラスチックの腕に巻きつく魔女の皮膚、若しくは腕全体。

 

1人でも魔女の利き腕を何とかすれば倒せるだろうと利奈は推測する。

 

 

利奈「アンヴォカシオン!」

 

 

そして利奈はもう1本棍を出した、2本の棍を片手1本ずつ持つ。

……もう誰も頼らない、少なくとも今回は。

 

 

上田「ゲーム、再開」

 

 

戦闘の再開を宣言し勢いよく走り出す、魔女に向かって一直線。

 

 

上田「アロンジェ!」

 

 

棍の伸縮でもう一度、魔女の目の前まで迫る。

 

 

上田「やあああああああああっ!!!」

 

 

そして乱舞……早い!?

 

武器が2つあれば攻撃も2倍という、ゲームでしか存在しないあり得ぬ理論が時にはあった。

 

利奈の場合2倍、いや3倍?

 

 

本当にこの子はたった1人で初戦の魔女を倒そうとしてるのか!?

 

 

しかも基本的な魔法だけで!?

 

 

痛みに耐えながら乱舞する利奈の攻撃は1人分には収まらない。

 

途中、魔女がチョークを降ると、無数のカラフルなチョークが利奈に降りかかった。

 

その時は無数のチョークが折れる音が鳴った。

 

今度は数式や文字が黒板から剥がれ、怪しげな光を放ちながらふわふわやってくる。

 

利奈はそれら全てを2本の棍で絡め取り、床に向かってダンッと投げ、止めた。

 

 

上田「アンヴォカシオン!!」

 

 

新しい棍を出して乱舞再開。 魔女の金切り声も今の利奈には届かない。

 

 

上田「ああああああああああ!!!」

 

 

叩いて叩いて魔力の刃で切り裂いて……ついに、終わりが見える。

 

棍を1本投げ捨てると、残りの1本を両手でしっかり持って構えた。

強力な魔力が1本の棍に密集し、ますます強く赤い光を放つ。

そして、光り輝く巨大な魔力の大剣が出来たかと思うと……

 

 

「ソリテールフォール!!」

 

 

おもっきり、力の限り振り下ろした!

 

バスっと重い音がしたと思うと、そのまま魔女の片腕に沈む。

 

 

 

 

上田「絵莉ちゃあああああん!!!」

 

 

 

 

スポンジが断ち切れる音と共に、魔女の利き腕が切り落とされた。

 

 

 

 

魔女が金切り声を上げて苦しむ、体全体から黒い魔力が噴き出す。

 

上田「やっ……たぁ!」

 

利奈は攻撃を終えて落下していく、もう受け身をする体力もない。

 

 

落ちて、落ちて、落ちて……不意に、浮いた。

 

 

 

 

上田「……ぁ、れ?」

 

 

朦朧とした意識の中、利奈はふと抱きつかれたような感覚に陥った。

 

利奈が唯一覚えているのは、深海のように深い青、淡く光り輝く……

 

 

上田「……羽?」

 

 

 

 

ここで、利奈の意識は途切れてしまう。

 

そして全てが1点に飲み込まれる。

魔女も椅子と机のパーツも、残った使い魔も全部全部、

結界ごとその結界にあるもの全て飲み込まれる……

 

あとに残ったのは、濁りなき緑のソウルジェムと黒板モチーフのグリーフシード。

 

 

魔法少女は、黒板の魔女を救った。

 

 

………………………………

 

 

次回、

 

 

 

「悪い夢を見てるみたいだったの」

 

 

 

「それだけ恐ろしい存在ってことでしょ?」

 

 

 

「ありがとう……! ありがとう……!!」

 

 

 

「これは利奈が持つべきだろう?」

 

 

 

〜終……(4)初絶望と初戦闘[後編]〜

〜次……(5)緑の記憶と赤の逃走〜

 

 

 

魔法使いは運命に沿う。

 




書 き 切 っ た …… !(;゚∀゚)
いやっふうぅ!! 初めて魔女戦を書き切りましたよ!
読み返しても我ながら良い出来、そして乱入者頭スッカスカだったw

ひと段落ついたので一旦ストック溜め込み期間に入ります~~枯渇しそうw

金曜日には投稿できる……かなぁ? φ(・・。)ゞ ウーン

初めて書いた魔女戦、無事に書き終わって良かった。
一応色々なバトルシーンを読んでから書いたけど、上手く書けてるかなぁ……w

まぁ、今はとにかくストックを貯めなければ……!(°ロ°)

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