魔法少女うえだ☆マギカ 希望を得る物語   作:ハピナ

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なんだかんだで 3 0 話! 時が立つのは早いものですよ、総文字数でしみじみ。

どうも、少ない晴れにテンションが上がるハピナです。 晴天の空が見たい^q^

久々に1話を見返してみたら、あまりにも書き方が違い過ぎて逆に笑えましたね。

何故嫌われるような台本形式で書こうと思ったのか……わけがわからないy(殴

まぁ今更30話分も書き換える気力も時間も無いのでこのまま書いていきますonz
せめて読みやすいようには努力していきたいと思います、というかそうします。


さて、前回30話記念になんか書こうと言いましたが未だ何するか決まってませんonz

誰かの過去編を書こうとは思っていますが、アンケートをする気力がありません正直。

まぁ感想等1人でも希望があったら選別して書きますよ、脇役に限っちゃいますが……


前回のあらすじとしては、光と闇と影のごちゃまぜで締めくくりましたね。

例の孵卵器の名前が出てきましたが、ハチべぇとの関係性は未だ謎。
 
あと『星屑の天の川』のその後ですか、どうやら先に目覚めて逃げた様子。

命にかかわる等何やら事情がありそうですが……果たして真相はどうなのやら。

さて、舞台の幕を再度上げましょう。 最初の発声は謎の白い魔法少年。



(30)粉の終わりと七つ目の光

 

「わあぁ……! ここがアジト? すごい、アジトって感じがする!!」

 

清水「あんまりギャーギャー騒ぐなよ、アジトって言うほど物騒じゃねぇし」

 

「でも、外からここが認知されないように魔法がかかっているんでしょ?

すっごく は い て く ? だよ、やっぱりすごいよ!!」

 

清水「あのなぁ……『ハイテク』って言葉は機械に対して使う言葉で」

 

上田「まぁ楽しんでるなら良いんじゃないかな? この倉庫気に入ったみたいだよ」

 

 

放課後の第三椛学園を後にして、辿り着いたのはリュミエール本部だ。

 

夕闇さえ消えた成り立ての夜を雪を踏みしめながら歩き、辿り着いた先。

 

火本「ここが、本部? 周りの建物に溶け込ん程目立たなかったのにな」

 

橋谷「目立たないように、海里さんが魔法をかけてくれたんですよ」

 

火本「なるほど……それなりに有名だし、変に扱われる可能性があっでな」

 

何故かリュミエールじゃない魔法侍もいるという状態になってしまっているが……

まぁこの際細かい事は気にしなくて良いだろう、彼も貢献者の内の1人だ。

 

 

清水「早速話を聞きたいわけだが、そういやお前の名前を聞いてなかったな」

 

「僕の名前? そういやそうだね、今まで言わなくても成立してた」

 

清水「おう、良い機会だし教えてくれれば助かるぜ」

 

そう海里が言うと、アルビノの少年はにこやかに笑った。

 

待ってましたと言わんばかりの笑み、明る気な声で彼は自分の名前を言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕は()()()()だよ! 利奈以外はさっきが初めましてだね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼が自分の名前だという道具の名前、それを聞いた一同の反応は疑問か驚愕。

 

火本「チョークちゅうと、黒板に文字や図を()たりする道具(しょどっ)の事だな」

 

清水「……おい、ちょっと待て! 『チョーク』ってそれ本当か!?」

 

橋谷「えっ、利奈さんも海里さんもどうしたんですか?

確かに名前を聞かれて道具の名前を言うのは変ですが」

 

上田「ちょっ、 チ ョ ー ク ! ? 本当にチョークなの!?」

 

利奈はチョークと名乗る少年の両肩を持って軽く揺さぶった。

彼は驚かれるのをわかっていたらしく、驚くことなく軽い説明をした。

 

チョーク「うん! 今は色々あって、ニンゲンになることが出来たけどね」

 

橋谷「()()()()()()()()()()? ごめんなさい、理解が追い付かないです」

 

チョーク「……そっか、僕の事初めてな人がいたんだっけ。

とりあえず座ろうよ、話が長くなったいそうだしね」

 

そう言うと、彼は倉庫の中心に円状に置かれたソファーの内の1つに座った。

確かに話は長くなりそうだ、ここは座って聞いた方が楽だろう。

 

 

ハチべぇ「チョークの事を話すのなら、僕もこの場にいた方がいいね」

 

チョーク「ハチべぇ! あの時は本当に助かったよ、急だったのに臨機応変で」

 

清水「待て待て、1人と1匹で話し込むのは俺たちに説明してからにしてくれ」

 

チョーク「あぁ、ごめんごめん。 まず何から話したら良いかな?」

 

上田「……チョークに、『チョークに何があったか』を聞かせてほしいんだ」

 

ハチべぇ「それに関しては僕も気になる所だね、最初はどんな状態だったんだい?」

 

チョーク「僕の状態? ……そうだね、それを話すと長くなるけど良いかな?」

 

清水「おう、少なくとも俺は時間があるからゆっくり話してくれて構わないぜ」

 

チョーク「ありがとう! 僕、元はグリーフシードの中の結界にいたんだけどね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少年は語り始めた、自分に身にあった出来事を。

 

行われるのは追憶、少年は……()()()()()()()()

 

自身の死を覚悟して迎えた崩壊、その後に待つのは死では無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めて、覚めることが出来て……僕はまだ生きてたんだってわかった。

 

散らばった僕の欠片を踏みしめて起き上がる、皮膚に刺さる破片が痛い。

 

……()()? まさか! 僕の硬い体じゃ痛みなんて……え?

 

チョーク「なっ……なんで!? 僕の、身体……」

 

僕の前足は白くない、手のひらが出来ていてそこから5本の指が伸びている。

 

僕の後ろ足も白くない、足首の先にはつま先とかかとが出来ていた。

 

餅みたいに柔らかな皮膚……石のように硬かった皮膚じゃない。

 

顔を覆ってみる。 無かったはずの鼻、飛び出ていない口……

 

頭を触ったら、真っ白な髪の毛が伸びていた。 髪なんて、無かったのに。

 

チョーク「これ、僕の顔……? そうだ、下にある鏡!」

 

四足歩行で移動しようとしたけど、今の身体じゃ上手く進めない。

 

力の入れ方を工夫してみたら、よくわからないけど後ろ足だけで立つことが出来た。

 

右足、左足、右足、左……うわっ!? バランスを崩して倒れた!

 

何回も何回も転んだけど、しばらくしたら進むのに慣れる。

 

それはまるで、元々刻まれていた技能。 長い時の中で刻み付けられたスキル。

 

 

辿り着いた先は道の下、そこら中に学校の机や椅子がある所。

 

移動式の黒板やホワイトボードなんかもあるけど、僕の目当てはこれじゃない。

 

結界の端から端まで続く真っ直ぐ道を支える柱、その根元にあるのは水道。

 

円で囲うように水道が設置されている、水道の上についているのは丸い鏡だ。

 

『鏡』、これが僕が探していた物で……利奈が前に探したことのある物。

 

 

かつてこれには、1人の少女と生き残りの使い魔の姿が映し出されていた。

 

 

今映し出しているのは1人の少年だけ、見覚えのない顔がそこにはあった。

 

 

真珠のような輝く白い髪、ビー玉みたいな真っ赤な瞳……僕と同じように動く。

 

 

チョーク「これが……僕、今の僕」

 

そう自覚するのにそんなに時間はかからなかった、何故ならこれは鏡だから。

 

鏡は素直なまでに、そのままの景色を映してくれる。 反転しているけど。

 

これが僕、僕の得てきた知識が正しければ……これはヒトだ。

 

チョーク「……ニン、ゲン?」

 

何故こうなったのかはわからない、理由なんて思い浮かばない。

ただ1つ、やらなきゃいけないと思えたこととしては……

 

チョーク「服、着てないや……何か着た方が良いよね」

 

この結界には幸運にも服はたくさんある、制服という名の服だ。

 

……正直、どうやって着ればいいのかわからなかった。

 

スカートだとこの身体には似合わない、なら着る必要があるのはズボンの方か。

 

えっと、必要なのはシャツとズボンと……ベルトかな? タイツは無理だから靴下。

 

鏡を見ながら試行錯誤、ちょっと変だけど上手く着れたかな?

 

チョーク「……完成、かな? 出来上がりを聞けそうな人が1人もいない」

 

上を着て下を着て、長い髪はヘアゴムで結ぶ……うん、なんとか形にはなった。

 

何だか利奈に会いたくなってきた、早く僕のこの姿を見せてあげたい。

 

褒めてくれるかな? そうだったら嬉しいな、次に会うのが楽しみだ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

あの時も、僕はその時の気分で決めた場所に座って外を見ていた。

 

この姿になる前もそうだったけど、僕には外の景色を見る力が備わっているらしい。

 

外の景色……それはグリーフシードの外、利奈が住む()()()()の事。

 

深呼吸して見ようと意識すると、割と簡単に見ることが出来る。

 

まぁどこかに収納されているせいか、いつも若干の赤を帯びた暗闇なんだけどね。

 

利奈の姿が見えた時なんか、いつも見れてやったぁってなるんだ。

 

その時に告げる言葉が『おやすみ』ならなおさらラッキー!

 

だって、高確率で利奈が僕のいるこの結界にやってくるんだから。

 

来てくれた時は色んな話をするんだよ、明るい話も暗い話も。 たくさん!

 

 

それでね、どういう原理かはわからないけど……利奈に僕の声が届く時があるんだ。

 

ホントに稀だよ? 僕の言ったことを認識してくれるんだ。

 

最初は僕らの言葉の意味を教えてあげた時だったかな? あの時は本当に驚いた。

 

まぁ3~4回しか聞こえなかったけどね、条件がわかればもっと話せたのかな。

 

あの時も、利奈の事を見守っていた。 何故か、外の景色は見えていた。

 

収納された場所から出てきた? いや、その時はそれどころじゃなかった。

 

気がつけば見えるのは利奈の倒れる姿、僕は声をかけずにはいられない。

 

 

チョーク「利奈! 利奈!! 大丈夫だよ、ちゃんと周りを見て!」

 

 

頭が痛いみたいだけど……起き上がった、身体をぶつけただけで済んだみたいだ。

 

ハチべぇが利奈に花を持ってくる、きっと利奈の身体を癒す物。

 

でもどうしよう、今のところの事態はどう考えても利奈達が不利。

僕に出来ることは無いのだろうか? 何か、僕に出来ること……

 

 

ハチべぇ((驚いたね、グリーフシードの中に生物がいるなんて初めて見たよ))

 

 

……あれ? 今、ハチべぇが僕の方を、見て…… 僕 ! ? 

 

 

チョーク「僕の事が見えるの!? 僕の声が聞こえるの!?」

 

ハチべぇ((その解釈は間違っているね、魔力として君を認識出来ているだけだよ))

 

チョーク「魔力として僕を認識……? でも今の僕はニンゲンに」

 

ハチべぇ((わけがわからないよ、君は()()()人間なだけじゃないか))

 

チョーク「形だけ、ニンゲン……?」

 

……うん、実はわかってはいた。 ニンゲンの形をしているだけだって。

 

だって、全然暖かくない。 自分の手首を見ても、利奈のような青い血管が無いんだ。

 

ヒトの形をしてるだけ、使い魔の身体とまるで変わらない……生気が無い人形。

ニンゲンだなんて言えるわけがない、ニンゲンらしさは魔法使いよりも少ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

待てよ、魔法使い? ……そうだ、そうだ! この方法なら利奈を助けれるかもしれない!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チョーク「ハチべぇ! 君に頼みがあるんだ、出来れば今すぐに!」

 

ハチべぇ((身も蓋もないね、内容を言ってくれなきゃ何が言いたいのかわからないよ))

 

チョーク「あっ、ごめん! 僕が君に頼みたいこと、えっと……」

 

必死で頭の中を整理する、事態は一刻を争うって表現で合っているのかな?

 

とにかく、僕は言いたいことをまとめた。 良いと言ってくれるかわからないけど言う!

 

これは必死の頼み事、僕の……咄嗟の思いつき。

 

 

チョーク「僕と契約してほしい! 僕を魔法使いにしてくれ!!」

 

 

……次のハチべぇの言葉まで少し間が開いた、さすがに驚いたのかな?

 

ハチべぇ((それは難しい話だね、僕の契約方法は))

 

チョーク「『集団に限られる』って言いたいんでしょ? それでもお願い!

ハチべぇの方にも僕と契約すれば確実にメリットがあるから!」

 

ハチべぇ((わけがわからないよ、第一君は人間じゃなくて使い魔じゃないか))

 

チョーク「僕の願い事は『ヒトになること』って言っても、契約を断る?」

 

ハチべぇ((……君の願いが、『ヒトになること』だって?))

 

 

うん、ほんのちょっとだけど反応があった、ここでとどめの言葉をぶつけるんだ!

 

 

チョーク「僕で、()()をしてみない? 使い魔と契約したらどうなるかを試すんだ!

 

それで失敗したとしても、デメリットは契約をした使い魔の僕にしかない……

 

さぁ、僕の願いを叶えてよ! 孵卵器(インキュベーター)!!」

 

ハチべぇの言葉は途切れてしまった、ハチべぇなりに悩んでいるらしい。

 

でも、急な殺気と共に彼は来た。 【余計な事をするな】って、利奈を本気で○す気で。

 

その時の僕は……ハチべぇを急がせるのを我慢出来なかった、悲痛なまでに叫ぶ。

 

チョーク「 早 く ! ! 」

 

ハチべぇ((……君の言う事は一見わけがわからない、それでも契約する価値があるようだね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

契約しよう、黒板の使い魔『チョーク』。 君の願いはエントロピーを凌駕した))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハチべぇが契約の了承を告げた瞬間、この身体の奥で強い熱が生まれたのを感じた。

 

それはどくどくと脈打って全身へと駆け巡る……これが、この暖かみが生命。

 

暖かみは熱さへと変わってゆき、一点に集約して身体から飛び出す。

 

これが、ソウルジェム……? チョークのように真っ白な魔力が溢れかえってきた。

 

ソウルジェムを手にすると、正しく着ているかもわからない制服は変化を遂げる。

 

服装は利奈に似た白のタキシード、彼女を連想出来るのがかなり嬉しいな。

 

これで僕も加勢をすることが出来る……行ける、みんなの所へ。

 

 

よし! 魔法使いも魔男も全部、僕の魔法で救いに行くぞ!

 

 

この、残骸として取り残された世界を取り込み飛び出して!!

 

 

チョーク「利奈をこれ以上傷つけるなああああぁぁぁぁーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それがチョークが人になるまでの経緯だ、彼がいなかったら利奈は確かに危なかった。

 

ハチべぇ「その実験の結果、君の身体は変質を遂げて正真正銘の人間になったんだね」

 

チョークの最初の説明が終わって、間を置かず口を開いたのはハチべぇだった。

相変わらず動揺もせず感情の大きな揺らぎをみせない、いやそもそも感情が無い。

 

清水「契約と実験……そんな短時間でよくハチべぇを納得させたな」

 

チョーク「ちょっとした賭けだったんだ、ハチべぇは『先駆者』? に拘ってるから」

 

ハチべぇ「結果は良かったね、ヒト以外でも契約をする事が可能なのが判明した」

 

火本「となっと、犬や猫とかの動物でも契約出来(でく)っちゅうことか?」

 

ハチべぇ「それは無いよ、契約をする対象は感情が複雑に絡んでいなきゃいけない」

 

でなければ、わざわざ孵卵器(インキュベーター)がこの地球に来たりはしないだろう。

 

地球という惑星に住むヒト程、最適な契約対象はいなかったという事か。

 

逆を言えば、今回わかったのはヒトから生まれた者でも契約は可能だという事実。

 

例をあげるなら……既に死を迎えたとしても魂がある幽霊(ゴースト)

魂が無くとも入り組んだ感情を持つ魔なる者(使い魔)

 

チョークの件も『先駆者』の契約で普通は考えられない特殊な事例……

その点では、ハチべぇのシステムは一回り有利となったと言っても過言ではない。

 

 

上田「……チョーク、本当に大丈夫なんだね?」

 

 

チョークが一通り自分の身に起きた事を話し終えると、

利奈は彼を気遣って心配そうな声でそう聞いてくる。

 

チョーク「え? 僕は……あぁ、そっか。 利奈は僕の死に様を見ていたんだっけ」

 

橋谷「しっ、死に様ですって!? チョークさん死にかけたんですか!?」

 

清水「最初の方の、死んだと思ってたけどそうじゃなかったって話だな」

 

橋谷「……あぁ、ごめんなさい。 少しビックリしてしまって」

 

チョーク「大丈夫だよ利奈、ちょっと身体の形が変わっただけだよ」

 

そう言って首を回したり、腕を回したりして元気な様子を見せた。

 

チョーク「これは僕の考えなんだけど……僕の食べてきた物って

一種のヒトの要素だったと思うんだ、知識でもあるし質量でもある。

 

ヒトの要素が元の使い魔の身体に収まりきらなくなっただけの話だと思う。

それだけの話なんだよ、ただ形が変わっただけなんだ」

 

チョークはにこやかに笑っているが、それでも利奈はまだ心配な様子だ。

 

上田「……チョークの身体に何かあったら、私か他の誰かに言うんだよ!」

 

まぁ不安を完全に除けないのも無理はない、利奈は目の前でその死に様を見てるのだから。

 

でも大丈夫、そう確信出来る。

 

何故なら……今のチョークは、人間(ニンゲン)なのだから。

 

この身体の奥、脈打つ生命(いのち)が全身に暖かさを巡らせる……

もう硬い体じゃない、粉々になって砕ける事も無い。

 

彼はただ嬉しく思った、姿が変わったとしても気をかけてくれる利奈と自分。

 

チョーク「うんっ! ありがとう利奈、みんなもこれからよろしくね!」

 

 

清水「……って、もうこんな時間になっちまったのか! 結構話し込んじまったな。

俺はまだ大丈夫だが……利奈と俐樹辺りはそろそろ帰らねぇとまずいだろ」

 

海里はタイムキーパーをしてくれていたらしい、確かにもう遅い時間だ。

 

窓の外を見れば見上げる先に程々の星空、暗めな街中で見える星の量。

 

早く帰らなければ。 特に、病弱な俐樹は心配されやすいだろう。

 

ハチべぇ「まだ話していない事はたくさんあるね、それはどうするんだい?」

 

上田「それはまた、今度みんなで集まった時に話すのが良いかな」

 

橋谷「す、すみません……私のせいで話を打ち切らせてしまって」

 

清水「気にすることねぇよ、だからって俺たちは咎めねぇし」

 

火本「あれ? (もど)っって()ても、チョーク君わやどけ(もど)っんだ?」

 

その言葉に一瞬来る静寂、彼は忘れていた一番重要な事を言ってくれた。

 

火本「……ん、(おい)言っちゃいかんこと()たよな空気かな?」

 

 

徳穂の言う通りチョークには 帰 る 場 所 が 無 い !

 

 

チョーク「あれ? ハチべぇ、そっちの方は対応されなかったの?」

 

ハチべぇ「君の願いは『ヒトになること』だ、それ以外の事を願っていない」

 

清水「……ケチくせぇなオイ、それぐらい用意してやれよ」

 

ハチべぇ「身も蓋も無いね、何故そこまで僕がやる必要があるのかい?」

 

チョーク「やっちゃったなぁ……あの時は咄嗟だったから簡単な願いだったんだ」

 

チョークは困り果てたような様子でこれからどうするかを考え始めた。

 

自分で何とかするつもりらしい、まぁ1人でどうにかなる問題ではないが。

 

利奈も一緒に考えたがなかなか名案が思い浮かばない……そんな中、彼女は言った。

 

 

 

橋谷「ぁ、あの! 良かったら……良ければですが、(うち)に来ませんか?」

 

チョーク「君の家に? ……あ、そういえば名前を聞いていなかったな」

 

橋谷「橋谷俐樹です、私なら……チョークさんに力になれるかと」

 

つまり泊めてあげる事が出来るということか? だけど俐樹に負担はかけられない……

 

利奈はそう考えた、俐樹の家の事情がどんなのかは知らないがそういう考え。

 

止めようとしたが、海里は利奈の行動を止めて俐樹に1つ質問をする。

 

清水「……俐樹」

 

橋谷「はっ、はいっ! 何でしょうかリーダー」

 

清水「そんな固くなるなよ、お前ん家……()()()()空いているんだな?」

 

橋谷「……! はい、チョーク君位なら泊める事が出来ます」

 

清水「なら決まりだな、心配することねぇよ利奈! 俐樹に任せれば大丈夫だ」

 

海里には変な確信があるらしい、それは利奈にはわからない確信だ。

 

若干の信憑性に欠けるが……それでも、情報屋でもある彼の言葉には信用性がある。

 

最終的には利奈も含め、チョークの事は俐樹に任せることで一同は納得をした。

 

 

これで最後になるだが、次に話すのはチョークとの連絡手段だ。

連絡手段に関しては、スマホが無くともある程度の目処は付いている。

 

上田「やっぱり魔法使いだし、チョークとの連絡手段は念話でかな?」

 

清水「そういや携帯もスマホもねぇもんなぁ……お前自身はどういった風に繋ぎたい?」

 

チョーク「リュミエールに入りたい!!」

 

清水「……あ? 悪りぃ、それは嬉しいんだが答えの方向性がずれてるぞ」

 

チョーク「ずれてないよ!? チームに入れば、そのチーム専用の念話が出来るでしょ?」

 

確かに、チームに所属すればそのチーム専用の念話が使えるようになる。

その点に関しては、チームに入っていない徳穂にはあまり関係の無い話。

 

火本「まってか(そういえば)そげな機能もあったな、(おい)は無所属じゃっであんまい実感無かったけど」

 

橋谷「いわゆる、『コンビ』という者ですね……入らなくていいんですか?」

 

火本「チームに入らずとも、(おい)には最強の相棒がいる! 所属の必要()のさ」

 

 

チョーク「 と に か く ! 僕がリュミエールに入るってことでいいね?」

 

火本「流れ的にちっとばかし強引になっちゃってるな」

 

清水「それだけ加入したいってだけだろ、俺は全然構わねぇぞ」

 

ハチべぇ「この場にいないメンバーの分の光は、僕が3人の元へ届けるよ」

 

清水「おう、その辺は頼んだぜハチべぇ」

 

 

チョークの意志も固い、周囲の反対意見も特に無い。

 

彼に関してはまだまだわからないこともある、それを知る一環になるだろう。

 

チョークにはまだ謎が多い、もしかしたらとてつもない秘密を持っている……かもしれない。

 

清水「じゃ、いつのまにか恒例になった最終確認を一応取っておくぜ。

チョーク、お前はチーム『リュミエール』の一員になる事を望むか?」

 

チョーク「はい! 僕はリュミエールに入りたいです!!」

 

チョークの返事は当然の如く肯定だ、その声はとても元気が良い。

指輪を変わったソウルジェム戻し、海里の前に力強く差し出して来る。

 

清水「まぁ返事はそうだろうな、かなり入りたがってたみたいだし。

それじゃ、リュミエールのリーダー権限で正式に加入を許可する!」

 

そう海里が言ったなら、青のソウルジェムと白のソウルジェム、

2つの魂の結晶はは強く明る気な輝きを放ち始めた。

 

それだけではない、輝きを放つ色には赤に黄緑もある。

 

唯一リュミエールではない徳穂は、腕を組んでその様子を見守っている。

 

4人のソウルジェムに白の光が入り込むのはもちろん、

チョークのソウルジェムにも3つの光が入り込む。

 

ハチべぇは4つの光をその体に受け取ると、本部(倉庫)の窓からどこかに行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今、ここに『白の光』リュミエールに新たに生まれた。

 

家さえも無かったヒトになりたての元黒板の使い魔、その先は未知数。

 

誰も彼がこの先、どうなってしまうかはわからない……

 

けれども、その先が明るい事は確実だろう。

 

何故なら彼には仲間がいる、自ら救った親友に自分を導いてくれる長や提供の友達。

 

この先何があってもきっと大丈夫、彼はもう……1人じゃない。

 

一人きりだった結界の残骸には、とっくの昔に別れを告げた。

 

 

………………………………

 

 

次回、

 

 

 

上田「どう、して……!? どうして、そんな悲しい事言うの!!」

 

 

 

?「どぉ~~もぉ~~! ちょいとお礼言いたくてわざわざ訪ねたでござる!」

 

 

 

清水「……どうやらしてやられちまったみてぇだな」

 

 

 

「近い内にリュミエールを脱退する、方法はハチべぇにでも聞くつもり」

 

 

 

〜終……(30)粉の終わりと七つ目の光〜

〜次……(31)腐った果実と仮の解決〜

 

 

 

魔法使いは運命に沿う。

 





……さて、いかがだったでしょうか? 驚 い て く れ ま し た ?

え、『大体の予想は付いていた』? アッハイ、かなり調子乗ってました^q^;

この先、チョークは物語を進める上でかなりの重要人物になってくるのでね。


閑話休題、これからの展開は『コンビ』を1つのテーマとして進めていきますよ!

ここでの『コンビ』の説明は次回にでも混ぜ込んでいるのであしからず。

自分としてはそろそろ花組の生徒を全員登場させたい、あと3人くらいかな?

あぁスポットライト当たっていない生徒の人数です、このテーマを上手く生かしたい。

まぁこの先しっかりと設定決めて芯を固めて書いていかないとゴタゴタになりそうですねぇ……


おっと、30話記念としてイラストを描いていたのを忘れるところでした^q^

時間が無かったので、余った折り紙やら余ったモールやらで創作を実施。

いつもの凝った絵じゃないですが……まぁ、無いよりはマシってやつですわw

【挿絵表示】




さぁ! 最後は雑談を放り込みますよ!! もちろん面倒な人は下までGOです^q^




今回はいつもと違う特別な回、なので『誕生秘話』についてでも話しますか。

実を言うと、うえマギの原文が出来たのって〈6年前〉のことなんですよね。

自分は勉強ノートも大量に持ってましたが、同時に小説ノートも結構な数持ってました。

本当はスマホに直接書ければ良かったのですが、なにぶん校則を守りたがる身でして……ハイ。
制服のスカート? 可愛いと定評のある制服をひざ下で着用ですよもちろん。

絵の方は当時所属をしていたイラスト部で鍛えました(先輩のレベル高くて死にそうでしたが^q^;)。

後にスマホにデータを移したりして小説の執筆をしていましたが、完全に自己満足。
投稿サイトに投稿することなく自分の中で押し込めたままでした。

えぇ、今の名前と違うのですがその時のハンドルネームを暴いて言いふらした意地悪な団体がいまして。
(悪気無いけ面白半分だったと弁解してますが、それでも許す気にはなれないです)

最初の作品と最初の名前は当時のクラスメート達の手によって全部 台 無 し onz

で、もし共感性のあるクラスメートがいたらなぁ……って、
さらに当時全盛期だったまどマギに影響されて書いたのがうえマギです。

身も蓋も無い駄文でしたよ……前回29話までは、その原文のシナリオ通りに進めていました。

誕生秘話としてはこんなもんですかね? 6年前の原文を修正して執筆をしているのです。
まぁ今回からは完全に1からの制作なんで、これからは苦労する事になりますonz

あぁ、その時のクラスメートに味方なんて1人しかいませんでしたよ。
どれも現実のアイドル大好きオタクばかりでね、よくうちわを持ち込んでいたのを覚えてます。

対象といえば、女子はジャニー○に男子はA○B48……
当時全く話についていけませんでした、私だけついていけずに置いてけぼり(´・ω・`)




さて、今回はこの辺にしておきましょうか。 言い忘れてたけどチョーク主観多めでしたね。

30話突破記念としては……まぁ、希望があればぼちぼちとやっていきますよ。
(企画自体消える可能性がありそうですけどねこのままだと(;゚∀゚) )

この先は私でさえ未知数の物語、芯がぶれないようしっかり設定等を組みながら書いてく次第。


それでは皆様、また次回。 ここまで読んでくれてありがとうございます!

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