彼らの異世界ライフ モモンガさんがやっぱり苦労する話 作:やがみ0821
「あんた何やってんの!」
玉座の間でモモンガは見事な飛び膝蹴りを放った。
単なる魔法詠唱者である彼の飛び膝蹴りはメリエルに無残にも簡単に防がれる。
メリエルは驚きながら問いかける。
「いつからモンクになったの?」
「黙らっしゃい!」
モモンガのまさかの行動にたまたま同席していたアルベドは目を丸くしているが、そんなことを気にしている場合ではない。
「……何で冒険者やろうとしていたのに、冒険者狩りを拾って、仲間にしているんですか? 絶対、ワケありでしょう」
そして、強制的に精神が安定化させられたのか、モモンガは比較的平静な声で問いかけてきた。
「強い奴探してたら、彼女しかいなかった。あと、容姿と性格が気に入ったので、つい」
頭をかくメリエル。
しかし、その横ではクレマンティーヌが震えている。
モモンガに怯えているかと思いきや、そうではなく、我に返ったアルベドが思いっきりクレマンティーヌを睨みつけているからだった。
アルベドとしては単純に、メリエルの寵愛を――たとえペットであったとしても――受けたいという思いが強い。
無論、彼女はモモンガの寵愛を受けたいとも強く思っているが、それはナザリックのNPCであるならば、当然の思いだった。
幸か不幸か、モモンガにもメリエルにも見えないように睨んでいる為、クレマンティーヌはただ震えるしかなかった。
「事情については今から、ここで彼女が話してくれるわよ」
ねー? と首を傾げて告げるメリエルにクレマンティーヌは何度も頷いた。
「とりあえず、知っていることを全て吐いてもらいましょうか」
窪んだ眼窩にある紅い光に、クレマンティーヌは震えながらもゆっくりと口を開いた。
そして、彼女は必死に説明した。
当初の打算等は全部吹っ飛んでしまい、彼女は自分の立ち位置をようやく悟ったのだ。
メリエルは確かに殺さないかもしれない。
だけど、それ以外の存在には殺される。
拠点に一度帰るとメリエルが言ったとき、クレマンティーヌはメリエルという最強の存在の庇護の下、快適に過ごしてやろうと思っていたが、まさか案内された場所がおよそこの世には比較できる場がない程に荘厳にして豪華絢爛な場所であり、そして、自分を容易く上回る者が多数存在するとは思ってもみなかった。
無論、彼女とて漆黒聖典時代から、否、それよりも以前から理解はしていた。
自分を上回る者は存在する、と。
しかし、ナザリック内のそこらを歩くモンスターですら、クレマンティーヌよりも圧倒的に格上であった。
クレマンティーヌの常識は玉座の間に来る間に、完全に打ち砕かれていた。
「またスレイン法国か……そして、ズーラーノーン、と」
モモンガは深く溜息を吐いた。
もう何でこう、次から次へと面倒くさいことが発覚するのか。
彼はそう思いながら、メリエルへと視線を向ける。
彼女はにこにこ笑顔だ。
とても機嫌が良さそうに見える。
しかし、モモンガにはよく分かった。
アレは戦闘したがっている顔だ、と。
基本、メリエルは戦闘好きだ。
しかし、公式のPvP大会には制限がありすぎると本人は宣言し、ほぼ出場していない。
彼女が好きなのは何でもアリの戦闘であり、それはつまるところ戦争である、とウルベルトさんが言ってたなー、とモモンガは思い出し、ハッとする。
もしかして、メリエルは単独でスレイン法国に戦争をふっかけるつもりなんじゃなかろうか、と。
漆黒聖典の番外席次とかいう、神人、いわゆるユグドラシルプレーヤーの力を持つらしい存在に、どうにも強く反応していた。
とはいえ、とモモンガは思う。
「メリエルさん、番外席次と戦う為にスレイン法国と戦争したそうな顔してますが、たぶんメリエルさんが望むような結果にはなりませんよ」
「え?」
「だって、メリエルさんの全力全開の戦闘って……大軍勢展開させて、戦列の一番奥まで来れた力ある挑戦者と戦うってスタイルですし」
「……ワールドチャンピオンならできたわよ?」
「アレはワールドチャンピオンと支援用のワールド・ガーディアン、ワールド・ディザスター、ワード・オブ・ディザスター、ホリーバニッシャーのみで構成された、ガチ討伐隊じゃないですか」
「いやー、支援は全員潰せたんだけど、ワールドチャンピオンの連中は削りきれなかった。何アレ反則でしょ」
「逆になんで支援全員を討ち取れたんですかね……あのとき、どんだけ軍勢展開してたんですか?」
「ホムンクルスと天使を超たくさん。地平線埋め尽くすぐらい。個人個人がとんでもなく強くても、MPもスキルも有限。なら、物量で押しつぶせばいいって思った」
モモンガは深く、深く溜息を吐く。
あの戦いは結局、引き分けに終わっている。
双方がMPもスキルも尽きて、あとは殴るしかないような状態で、討伐隊の側からメリエルに引き分けにしようと持ちかけ、メリエルが承諾した形で。
ワールドチャンピオンが勢揃いし、支援も最高の面々を揃えたとしても、数多の戦列を突破し、最奥にいるメリエルのところに辿り着くまでに消耗し、結局はメリエルを倒せなかったのだ。
この結果によりネット上の掲示板では実はメリエルは運営が用意した隠しワールドエネミーじゃないかという疑惑まで出てきた始末。
「あのとき、ファウンダー持ってればなぁ……」
「ファウンダー、欲しいんですが、くれませんかね?」
モモンガの問いににっこりとメリエルは笑いながら、問う。
「承諾すると思う?」
「思いません」
ファウンダーとはワールドアイテムの一つであり、サービス終了間際、駆け込みでメリエルが手に入れたものだ。
所持していたプレーヤーからこっそりと彼女にメールがあり、譲ります、と言われた。
メリエルはソロ時代からアインズ・ウール・ゴウン時代まで数々の戦いを展開してきた。
大規模なものでも20を超え、それらは全てネット上にムービーとして残っているし、ナザリックの図書館にもスクロールで保存されている。
どれもこれもが伝説の戦いとして語り継がれ、Wikiにはメリエル専用の攻略ページができたり、討伐専門ギルドが結成されたりと中々の有名人だった。
そんな彼女が心から欲しかったファウンダー、その外装は単なる指輪だ。
しかし、その効果は運営の頭が狂ってるとしか言いようがない。
HP・MPを10倍に引き上げ、HPの自動回復付き……とここまではまだ許せる範囲だ。
そして、最後の運営の頭が狂ってるという効果が――全ての位階魔法のMP消費を1にすること。
魔法職であるならば、喉から手が出る程に欲しいワールドアイテムだ。
「リアリティ・スラッシュの乱射魔になるんですね、わかります」
相手が強敵で、かつ、短期決戦が必要な場合という枷が外れる。
それがどれだけに恐ろしいか、モモンガはよく知っていた。
「で、メリエルさん。結局、冒険者やるんですか?」
「……モモンガさんや、冒険者の仕事内容知ってて私に言ったんでしょ?」
「勿論ですとも」
「私、やめます」
「分かりました、じゃあ潜入任務やってもらいます。王都で生活して、情報収集してください」
「メンドクセ」
「少しは働け脳筋」
あーだこーだやり取りするモモンガとメリエルにアルベドは微笑ましく、クレマンティーヌは困惑の表情でもって見つめる。
「……で、結局どうするんですか?」
「じゃあ、分かった。潜入任務するから。クレマンティーヌは当然として、ソリュシャンかナーベラル、あとシャルティアつけて」
モモンガは問いに思案する。
元々シャルティアは適当な武技を使える者を捜索し、捕獲するよう任務を与えるつもりであった。
しかし、メリエルが連れてきたクレマンティーヌは面倒くさい事情はともかくとして、武技も使えるとのこと。
別段新しく捕まえる必要はない。
ニグンからの情報や今のクレマンティーヌからの情報は大いに役立つ。
そうであるが故、不用意に探索系魔法・スキルを持たない、戦闘特化のシャルティアを投入するのは不味い。
聞けば、スレイン法国にはワールドアイテムと思しきものがあるというし、彼の国で信仰されている六大神は紛うことなき、ユグドラシルプレーヤーだろうし、八欲王や十三英雄とやらもおそらくはそうだろう。
こちら側にやってくるのに時間差があるというならば、今この瞬間にも、世界のどこかで100レベルの廃人プレーヤーがやってきているかもしれない。
そして、それはあることをモモンガに思わせるには十分だった。
もしかしたら、かつての39人のうち、誰かがこちら側にやってきているかもしれない、あるいはやってくるかもしれない、と。
「ソリュシャンをつけましょう。ナーベラルは私が冒険者として活動するので、そのサポート役とします。シャルティアは……必要ですか?」
いざ必要か、と言われるとメリエルは口ごもる。
単に話し相手とか目の保養とか、そういう魂胆であったからだ。
「ソリュシャンだけで大丈夫ですね?」
「……そうね、たぶん」
モモンガに、ずいっと迫られ、メリエルは承諾する。
そして、おずおずと予想外のところから声が発せられた。
「あ、あの、私、そういうことは得意ですので役に立つかと……」
半ば無意識的に、クレマンティーヌは敬語でそう切り出した。
さすがの彼女も、そうせざるを得なかった。
この面子は――ヤバイのだ。
「ほう……中々、使える人間のようだな。お前の面倒くさい事情、それはどう片を付ける?」
モモンガは試すように問いかけてみた。
彼としてはズーラーノーンやらスレイン法国やら、単純に潰すことは簡単だが、下手に潰すとどんなことになるか分からない為、極めて面倒くさいことだった。
クレマンティーヌは必死に頭を働かせる。
劣等感故に、何よりも強さを重視し、また自らの強さにもプライドがある彼女にとって、ある意味でこれはチャンスでもあった。
兄は勿論のこと、番外席次ですらも敵わないだろう、絶対の強者。
たとえ人外であっても、それは彼女にとって問題にはならない。
もしかしたら、自分はもっと強くなれるかもしれない――
そういう思考が今、彼女にはあった。
やがて意を決し、クレマンティーヌは言葉を紡ぐ。
「ズーラーノーンは元々事前に加入するとは相手側に通告してありませんでした。あのとき、メリエル様と出会ったのは、叡者の額冠を手土産に、あそこの墓地を拠点としているズーラーノーンの者へ加入を通告する為です」
モモンガは僅かに頷き、続きを促す。
「あそこの墓地にズーラーノーンがいる、ということであれば、冒険者としての名声を一気に得るチャンスだと考えます。モモンガ様やメリエル様ならば当然にあの程度の雑魚は容易く一掃できるかと」
ふむ、とモモンガは頷く。
そこに更にクレマンティーヌは畳み掛ける。
「スレイン法国に関しては、漆黒聖典が総動員されるような事態でなければ、私が処理できます」
そう彼女は言い切った。
彼女の白いうなじを、冷や汗が伝う。
ズーラーノーンに関してはメリットを提示した、しかしスレイン法国に関しては一か八かの賭けだ。
スレイン法国に関してはメリットを彼女は提示できなかった。
国家と敵対したところで、結局はデメリットしかない。
故に、切り捨てればそちらに被害はない、とそう彼女は言外に告げたのだ。
重い沈黙が支配する中、モモンガはゆっくりと口を開く。
「なるほど……確かにズーラーノーンはメリットだろうし、こちらとしてもお前を切り捨てれば良いだろう」
勝った――
クレマンティーヌは確信した。
強さだけでなく、頭脳すらも人類を圧倒的に上回るだろう存在に、彼女は自らを売り込むことに成功したのだ。
「ただ一つ、問題がある」
ゆっくりとモモンガは指を一つ立てた。
クレマンティーヌが疑問に思う間もなく、彼は言葉を続ける。
「あくまでお前はメリエルさんのペットという立ち位置だ。メリエルさんの性格上、お前が絶体絶命のピンチにでもなったなら、相手がこの世から消え去っているだろう」
そう告げ、モモンガは「まあ、なんというか、その」と言いにくそうに続ける。
「メリエルさんの相手、色々頑張ってくれ。できれば最悪、抑えてくれると助かる」
クレマンティーヌは確信した。
この骸骨野郎、私に宥め役をやらせるつもりだ、と。
無論、そんなことは顔には出さない。
「それってどういうことよ?」
「言葉通りの意味ですよ」
などとやり取りしている2人のうち、メリエルへと彼女は視線を向ける。
女である自分が見ても、見惚れてしまう程の容姿だ。
しかも、どうも自分と戦う際の会話からすると、自分と波長が合う気がする。
クレマンティーヌは意外と快適に働けるかもしれないと、なんとなく思った。
「あ、それとちょっとコキュートスと戦いたいから、第六階層の闘技場使っていい?」
「あ、どうぞ」
モモンガもあっさりと了承した。
彼はあらかじめ、クレマンティーヌをナザリックへ連れてくるというメッセージをメリエルから受け取っていたが、同時にそのとき、スキルに関しての消化不良を引き起こしたことも聞いていたのだ。
玉座の間を出、クレマンティーヌを引き連れ、メリエルは転移門でもって第六階層へと向かった。
スキルに関しての消化不良もあるが――クレマンティーヌが戦う前に降伏してしまった――自分の強さを見てもらいたい、そんな欲求がメリエルにはある。
相手に選択したのはコキュートス。
最強装備で来い、と伝えた為、彼は要望通りに最強装備で来てくれることだろう。
「あのぉ、メリエル様。ここ、外、ですか?」
第六階層に来た時、クレマンティーヌはそう尋ねた。
いつの間にか外に出たのだろう、と。
「いいえ、ここはまだ地下よ。そういうのが好きな奴がいてね。作ったのよ」
思わず、クレマンティーヌは天を見る。
太陽もあるし、青空もある。
風も心地よい。
「いえいえ、コレどう見ても外ですよね?」
「外じゃないわよ。あの太陽も青空も全部作ったの」
メリエルは予想通りの反応にニヤニヤしながら、2人とも歩みを進め、闘技場へとやってきた。
直接、闘技場内へ転移しても良かったのだが、メリエルはクレマンティーヌの反応を引き出したいが為に、わざわざこうしたのだ。
そして、闘技場のリングの中央にいた存在にクレマンティーヌは本能的に脅威を感じ取り、スティレットを素早く抜いた。
「ソノ人間ガメリエル様ノペットデスカ」
キチキチと虫の鳴くような音と共に紡がれる言葉に、クレマンティーヌはスティレットを鞘へと収める。
おそらくはコレも部下なのだろう、と。
「ええ、そうよ。今日は彼女に私の力を見せてあげようかなって思ったのよ」
そう言って、メリエルはクレマンティーヌへと問う。
「彼、コキュートスって言うんだけど、戦ってみる? もし死んでも蘇生するから大丈夫よ」
「是非に」
クレマンティーヌは即答した。
収めたスティレットを抜き放ち、その切っ先をコキュートスへと向ける。
「フム……相手ヲシヨウ」
コキュートスは言葉少なく、四本の腕全てに剣を持ち、構えた。
その中には彼の創造主たる武人建御雷の愛用していた斬神刀皇も含まれている。
コキュートスが構えた直後、クレマンティーヌは自身の死を確信した。
純粋に戦士としての勘が告げている。
一撃で、殺される――
「……負けました」
自らも驚くほどに、すんなりとその言葉が出てきた。
クレマンティーヌの言葉にコキュートスは構えを解く。
「メリエル様、コノ者ハ戦士トシテ優レテオリマス。並デハアリマセン」
「……まあ、負けを認めるっていうのは凄いんだけど……」
消化不良なのよね、とメリエルの言葉にコキュートスは興奮を隠しきれぬ様子で告げる。
「全力デ御相手サセテ頂キマス」
「何アレ、神話の戦いかよ」
クレマンティーヌは端的に、目の前の光景を表現した。
剣速は光もかくやと思う程に速く、彼女の目を以てしても、捉えきれない。
何よりもおかしいのは4本の剣が全て法国が持っている六大神の武具と同等クラスのような感じであることだ。
その剣戟が作り出すのはもはや結界に等しい。
飛び込めば即、死が約束された代物だ。
そして、そんな死の結界を涼しい顔で剣一本で捌き続け、かすり傷一つ負っていないメリエル。
無論、戦闘前に補助魔法を幾つか唱えていた為、その影響もあるだろうが、純粋に戦士としてみても、神人よりもヤバイ。
しかし、もっとヤバイところはお互いにまだ全力を出しているようには見えないところだった。
「本当に頂点の戦いだよな……」
「何当たり前のこと言ってるの?」
横から掛けられた声にクレマンティーヌはゆっくりと首をそちらへ向ける。
ダークエルフまでいるのかよ、何でもアリだな――
内心そう思いつつ、問いかける。
「あんたもあれくらいできるんでしょ? 誰だか知らないけど」
半分、投げやりであった。
「あたしはアウラ。この第六階層の守護者よ。あんな風には戦えない。んで、あんたがメリエル様のペットのクレマンティーヌとかいうの?」
「そーよー、哀れに思いなさい」
「哀れって……ペットってことは常にメリエル様のお傍にいられるんでしょ? 羨ましいじゃん」
「は?」
いやいや待て待て、どういうことだ、とクレマンティーヌは思ったが、すぐに思い直した。
モモンガとメリエルがここでは最高の存在なのだろう。
そりゃ、あんな神に等しいような輩がいる場所だ。そこにいる部下も、2人を崇拝しているのだろう、と。
「まあ、そうね……ところでさ、メリエル様ってどんな方なの?」
ついでとばかりにクレマンティーヌは問いかける。
すると、アウラはすぐに口を開く。
「すっごい強い。正面での戦闘ならモモンガ様よりも強いらしい。あと、男であり女でもあるらしい」
さらっと告げられる事実、特に後半部分に思わずクレマンティーヌは何度目になるか分からない驚きを覚える。
「男であり女でもあるって……両性具有?」
「そうっぽいよ」
あの番外席次が聞いたら、あいつから結婚申し込んできそうとクレマンティーヌは思いつつ、更に口を開く。
「メリエル様の全力ってどんなもんなの? なんか大軍勢を展開して、その軍勢を抜けることができた挑戦者と戦うとかってモモンガ様が言ってたんだけど」
「たぶん守護者は誰も見たことないんじゃないかなぁ。基本、メリエル様が全力で戦うって全部ナザリックの外みたいだし……あ、そういえば図書館にメリエル様が戦った映像がスクロールであるってデミウルゴスが言ってた」
そのとき、一際大きな音が鳴り響いた。
クレマンティーヌとアウラが視線を向ければ、ちょうど2人がぶつかり合い、距離を取ったところらしかった。
「メリエル様ぁ! お願いがありますぅ!」
クレマンティーヌは手を挙げて、そう叫んだ。
「なぁに?」
瞬時に目の前にきたメリエルにクレマンティーヌはビクッとしたが、笑顔で告げる。
「メリエル様が全力で戦ったスクロールがあるって聞いたんですけど、それ見たいです」
メリエルの強さを簡単に表すと、拘束制御術式零号とか王の軍勢みたいなものが使える真・バーン(回復・蘇生魔法・チートアイテム満載)
クトゥルフなら勝てるんじゃないですかね(こなみ