「ほい。キノコシチューだ。うまいぜ?」
そう言いながら魔理沙は人数分のキノコシチューを出してくる。
「おお、うまそうだな」
「おいしそ~」
「いいかおり~」
「・・・」
ちなみに鈴仙は頭からはえているうさ耳がピコピコと動いていた。
「じゃあ」
サイタマは手を合わせる。
皆もつられて手を合わせる。
「いただきます」
「「「「いただきます!」」」」
サイタマたちはシチューを口に運ぼうとした。
コンコン
そんな時、ドアはノックされた。
魔理沙は少し不機嫌そうに立ち上がるとドアを開けるために歩いていく。
「ヘイヘーイ、いったいどなたなんだぜー?」ガチャ
「私よ」
そこには金髪で青い瞳を持ったなんかかわいらしい子がいた。彼女の近くには人形が浮いている。
「アリスか。どうしたんだ?」
「前貸した本を返してもらおうと思って」
「ああ、あれか。ちょっと待ってろ」
そう言いながら魔理沙は奥のほうへ消えて言った。
するとアリスと呼ばれた少女はサイタマたちを一瞥する。
サイタマは視線に気づき、アリスのほうを見る。
フランとこいしは気にせずに黙々とシチューを頬張っていた。
鈴仙は気づいてはいるのだろう。目線はシチューのほうを向いていたがうさ耳は彼女のほうを向いていた。
「おーい、アリスー。これだろ?」
そう言いながら魔理沙が戻ってきた。手には分厚い本が握られていた。
それを彼女は受け取るとページを開けてぺらぺらとみる。少しして本を閉じると言った。
「今回は間違えなかったわね」
「前回も間違えていなかっただろ?」
「そうだったかしら?まあ、それは置いとくわ」
「おいとかれたぜ」
「そこの男の人、最近噂の外来人かしら?」
「そうだぜ。サイタマって名前なんだぜ。というより驚いたぜ」
「・・・何に驚いたのかしら?」
「だってさ、アリスって引きこもりでコミュ障だろ?霊夢と話すだけでも少しまごつくレベルの」
「否定しないわ」
「そこは少し否定してもいいと思うんだぜ。まあ、そんなお前が最近の噂とかよく知ってたなぁ、と」
するとアリスは髪の毛をくるくるとしながら言った。
「・・・嫌でも入ってくるのよ。こういう系の噂はね」
「ああ、そうかい。それ以上は探らないでおくぜ」
そう言いながら魔理沙はドアを閉めようとする。
アリスは扉をガッと掴んでいった。
「あなた、少しはいたわってもいいんじゃないかしら?」
「へ?何が?」
「吹雪が吹いてる中で私は徒歩でここまで来たのよ?!少しはいたわってもいんじゃないかしら?!!」
サイタマたちが外を見ると確かに吹雪が吹いていた。
「・・・あー、命蓮寺行こうと思ってたんだけどなぁ~」
サイタマはそうぼやいた。
続く