「あるぜ。あんたのことをずっと探してたんだからな!」
魔理沙の発言に対し、サイタマはこう言った。
「なんで俺を探してたんだ?」
「え?なんで探してたかって?言わせんなよ!わかってんだろ?お前と勝負したいからだよ!」
「やめとけ。絶対いいことなんかねぇぞ」
鈴仙は少し意外だった。
今までハゲと言われて少しけんか腰になっていたサイタマさんがここで魔理沙に止まるチャンスを与えるということを(本人にはそんなつもりはないんだろうけど)。
「いいことなんかないって?笑わせんなよ!お前を倒すことがいいことに決まってるじゃねぇか!」
「だからそれをやめとけって言ってんの。後悔するぞ、お前」
「しねぇよ。どうした?この魔理沙様に怖気づいたか?」
「いや、怖気づいてねぇし。というよりそもそもお前誰だよ」
鈴仙はここで気づいた。そういや魔理沙の紹介していないな、と。
「紹介しますよ。彼女の名は霧雨魔理沙。魔法の森に住んでいる普通の魔法使いです」
「フランとは違うの?」
「この子は吸血鬼で魔法を放てますよ?しかし、彼女は人間でありながら魔法を扱うことができるのです」
「へぇ、それはすごいな」
「へへーん!もっとたたえてもいいんだぜ?」
「まあ。こういう風につけあがるのが悪い癖ですけど…」
「はは、いいじゃねぇか。自信があることはいいことだろうしよ」
「こういうのは自信じゃなくて慢心というのです」
「そうなの?」
「そうですよ」
「おーい、無駄話終わったか?」
魔理沙が待ちくたびれたかのようにぼやいた。
「おう。で、何したいの?」
「さっき言ったろ?勝負したいんだよ。この幻想郷は戦うことがルールなんだぜ?」
「そんなルールなんかない」
「今私が決めた」
「おいおい」
「じゃあ、鈴仙含む3人は下がってな!こっからは私とこいつのステージだ!」
そう言って魔理沙はミニ八卦炉を構える。
それと同時にサイタマも軽く構えを取る。
「ナロウスパーク!」
次の瞬間、複数の光線がサイタマを襲った。
「連続・普通のパンチ」
サイタマはつぶやくとそれらすべてを落としにかかる。
「まだまだぁ!」
そう言って魔理沙はカードを一枚取り出すと叫ぶ。
「魔符『スターダストレヴァリエ』!!」
するとどうだろうか。
彼女は高速で箒にまたがって突っ込んでくるではないか!そして猛スピードでサイタマの横をすり抜けていく!
魔理沙は確信を持った。
これは勝った
と。
しかし、予想外の出来事が彼女を襲った…!
ガチッ
なんと、サイタマに捕まえられたのだ!
そして箒から引きづり降ろされる。
「ああ、すまん。つい手を出したら」
魔理沙は確信した。
ああ、これは霊夢も勝てないわ
と。
しかし、ここで思考を停止してそのままあきらめる魔理沙ではない。
箒をサイタマのどてっぱらに突っ込ませて吹っ飛ばすと再び呼び出してそれにまたがると上空へ飛んだ。
「・・・意外と頭使うな、あの魔法使い」
サイタマは起き上がりながらそう言った。
【普通の魔法使い】こと霧雨魔理沙は努力の天才である。彼女は今まですべて努力で何とかしてきた。霊夢に追いつくにはそうするしかなかった。霊夢と並ぶにはその方法しかなかったのだ。
そして生み出した大技がある。
魔理沙はカードを複数取り出すと叫ぶ。
「恋符『マスタースパーク』!!」
すると八卦炉から太いビームが発射されたではないか!
サイタマはそれを軽い裏拳でかき消した。
「なるほど。これではだめか!じゃあ次だ!恋心『ツインスパーク』!!」
次の瞬間、八卦炉が分離してそこからそれぞれ太いビームが発射される。
そのうちサイタマは一本をかき消し、二本目はよけることにした。
サイタマがよけた後の地面は大きくえぐられていた。
「うわ・・・」
サイタマはよけるんじゃなかったなぁ。と思った。
「じゃあ、これで最後だ!!魔砲『ファイナルスパーク』!!」
次の瞬間、ボロスと同レベルの極太ビームが発射された。
「これは、あれを発動すべきか…?」
サイタマは少し迷った。相手が人間じゃなかったらこういう風に迷わなかったであろう。
そう考えているうちにサイタマはビームに飲み込まれた。
「サイタマさぁん?!」
鈴仙が叫ぶ。そしてビームが終わったとき、そこにいたのは
パンツ一丁のサイタマであった。
「うーわ、服が焦げちまった。」
サイタマは顔をしかめながら言った。
「おお、すげぇな」
魔理沙は降りながら言った。
「これ以上やるか?」
「いや、もうやんねぇさ。参ったよ。まさか、私の最後の切り札まで服を燃やしただけだったら自信もなくすわ。私の負けでいいよ」
「おお、あんがと」
「で、このままじゃだめだよな・・・。そうだ、香霖堂にいこうぜ。そのあとは私んとこで飯食わしてやるよ」
「マジで?あんがとよ」
サイタマは嬉々として魔理沙についていくことにした。
その一方で鈴仙はうんざりとしながらこいしとフランは笑いながら二人についていった。
続く
小説と関係ないことですが、雨が降らなくて困ることって水やりが面倒なことくらいかなぁと思います。