五十一撃目-参上!普通の魔法使い!-
次の日
「ありがとうな」
「「「ありがとうございました!」」」
4人はお辞儀をした。
「いえいえ、私たちは当然のことをしたまでですよ。あなた方と話せて本当に面白かったです。」
あの後、話をした。
サイタマがなぜ幻想郷に来たのか。
なぜ鈴仙やフラン、そしてこいしは彼について行っているのか。
永江衣玖も話した。
昔の自分はどうだったか。
昔の天子はどうだったか。
「ああ、飯もおいしかったし、ホントよかった。もう一回言うぜ。ありがとな」
「はい。では、お気をつけて」
そう言って彼女は礼をし、サイタマたちは雲から飛び降りた。
「・・・飄々と荒野を渡る風の中、一人で戦う戦士、ですか・・・」
衣玖はそんなことをつぶやくとその場を立ち去った。
「ん?あれは鈴仙にフランにこいしに・・・、ハゲ?」
~☆~
「で、次どこ行くんですか?」
鈴仙がサイタマに訊く。
「あらかた行ったしな~。・・・ん?」
サイタマは地図のとある場所を指さした。鈴仙はのぞき込む。
「ここなんだ?」
「ああ、そこですか。命蓮寺ですね。聖白蓮を中心とした宗教団体の総本山です。といってもそこにしかありませんが」
「どんなこと教えてんの?」
「教えてるというか、広めてるというか・・・。まあ、説明しづらいのでこれだけ頭に入れといてください。彼女の考え方では妖怪と人間はみな平等であり、共存して生きていくべきである。という考え方です」
それを聞くとサイタマは少し面倒くさそうな顔をした。
「・・・なんか、ちっさい子が考え付くようなことだな」
「それは禁句です。」
「だってよ、元々のスペックが違うんだぜ?理解しようとすればできるだろうけどさ、普通は無理だと思うぜ?」
「サイタマさんは今こうして私たちと話しているし、理解しているじゃないですか」
「俺は普通の人と違って異常だからいいんだよ。そんなことより行くぞ、お前ら!」
「「オー!」」
サイタマが腕を天に向かって突き上げるとフランとこいしも手を上にあげる。
そんな光景を見ながら鈴仙は思った。というより願ったに近いかもしれない。
(これ以上面倒くさいことになりませんように。そして巻き込まれませんように)
「おい!そこのハゲ野郎!」
(誰だ。サイタマさんをハゲ野郎と言いやがったのは)
「誰ですか?」
「私だ私」
声のしたほうを皆が見る。
そこには霧雨魔理沙【普通の魔法使い】がいた。
「・・・なんか用かよ」
サイタマは少し機嫌を損ねながら訊く。
すると魔理沙はニヤッと笑いながら言った。
「あるぜ。あんたのことをずっと探してたんだからな!」
続く