一撃男が幻想入り   作:海棠

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三十一撃目-帰還/Back to the earth-

「すまない」

依姫は目を真っ赤にして泣いた後、すぐに冷静さを取り戻した。

「別に気にしてねぇよ。生きてんだったら泣くのは別に普通だろ」

「久しぶりだぞ、こんなに泣いたのは」

「おうおう、泣け泣け。泣きたいときに泣け。そうしないと泣くべきところで泣けないからな」

サイタマは二カッとして笑った。

「そ、そうか」

依姫は少し顔を赤くして言った。

「・・・だったらさ、自分よりも上の相手でも探したらどうだ?」

「え・・・?」

「旅に出たらどうだ?いろいろと探してさ。自分よりも格上のやつと勝負してみたらどうだ?強くなれると思うぞ?」

「・・・」

「あと、あんな大層なものは使わずに勝負する、とかな?」

「お前は、そうだったのか?」

「俺?俺は戦うとき、昔から素手だったよ。今でも変わんねぇよ。殴るほうが分かりやすくて明快だろ?それに手加減しやすいし」

「・・・お前、周りから変わってるって言われないか?」

「ん~、言われたことあったかな~?俺そんなの気にしないから覚えてねーや」

そこが変わってるんだ、と依姫は思った。

「ところで、帰りはどうするんだ?」

「え?飛んで帰るけど?」

「「「「は?」」」」

全員が声を上げた。

「だから、ジャンプして戻るって」

「正気ですか?!!」

「正気も何も、一回やったし」

「まじかぁ・・・」

サイタマはロケットに鈴仙とフラン、そしてこいしを乗せる。

『サイタマさ~ん、ここからどうする気ですか~?』

「ん?こうする」

サイタマはそのロケットを片手でぶん投げた。

『『『ウワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア』』』

サイタマはそれを見届けると依姫に言った。

「またどこかで会えたらいいな」

「ああ・・・!」

サイタマはそういうと思い切りジャンプした。

依姫は見上げて言った。

「また会おう、ヒーローよ」

 

 

~しばらくして~

 

 

「死ぬかと思った・・・」

げっそりと鈴仙が言った。

「スマンスマン」

とサイタマはころころと笑いながら言った。

「笑い話じゃないです!」

「おじさん、すごかったよ~」

「おにいさん、かいりきなんだねぇ~」

「それよりも・・・」

サイタマは紅魔館があった場所を見る。

レミリアが絶望したような顔をしてそこにたっていた。

「いや、その、悪気はなかったんだよ。ただフランたちをすぐに帰らしてやろうと思って」

「・・・」

「いや・・・、その・・・、すまん」

「あんたって・・・」

レミリアが口を開いた。

「ん?」

「あんたって・・・いったい何者なの?いや、割とマジで」

「俺?趣味でヒーローをやっている人間だ。」

「でもね?あんたは規格外よ、それはわかるわ?でもね?ロケットを片手でぶん投げたっておかしくない?それにあの依姫によ?終始有利で立っていたっておかしくない?」

「そうか?」

「そうだよ」

レミリアは困惑しきった顔で言った。

「あんたって本当に人間なの・・・?」

「ああ」

その時、フランがサイタマの腕にしがみつく。

「おじさ~ん、どっか行こうよ~」

「おう、わかった」

そういってサイタマは地図を開ける。

「どこいくの~?」

こいしがのぞき込んでくる。

「どこ行こうか・・・」

 

続く




次回はどこを目指しましょうか

博麗神社(半壊)

命連寺

神霊廟

魔界

魔法の森

霧の湖

白玉楼

天界

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