萌え袖おいしいです。
「両手連続・普通のパンチ」
次の瞬間、すべての光弾が叩き落される。
そしてサイタマは急に衝撃を感じた。いつの間にかフランがサイタマの胸倉をつかんでいたのだ。右手には斧がしっかりと握られていた。
(おお、物騒)
サイタマは暢気に考えながら踏ん張った。首に衝撃が走るがサイタマにはどうってことなかった。
「わっぷ」
同時にフランがサイタマに突っ込む形となるが、サイタマはそれを受け止めると言った。
「おい、こんなんじゃないだろ?もっと遊ぼうぜ?」
といってポーンと押し出すようにして離す。
「っとと・・・。うん!」
フランは斧をもう一回振り下ろしにかかる。
「・・・」
サイタマはそれを指先でつまんで止める。
斧にひびが入った。
「あれ?」
フランは不思議がってサイタマを見た。その目は純粋な子供の目そのものだった。
「これはやっぱ危ないからダメ」
サイタマは斧を取り上げると壁に突き刺した。
「道具に頼るのはいけないぜ?もっと全身を使ってやらねぇと」
「・・・うん!そうする!」
次の瞬間、フランの右手に炎の剣『レーヴァティン』が召喚される。
「そぉれ!!」
「え」
話聞いてたのか?
そんなサイタマの声はフランの一振りでかき消された。炎が舞い、サイタマに直撃する。爆炎が上がった。
「あれ?もうこわれちゃった?」
フランが少し心配そうに言う。
「大丈夫だ。パーカーが燃えただけだからな」
煙の中から姿を現したのはヒーロースーツを着たサイタマだった。
黄色い服に赤い手袋、白いマントにはげ頭。
そう、今ここに『
「おじさんすごーい!かっこいい~!」
フランは戦隊モノを見た子供のように興奮して言った。
「おじさん、ホントにヒーローなんだぁ!」
「ああ、そうだぞ」
「じゃあえんりょなくやれるんだね?!」
「ああ、最初からそう言ってるだろ?俺には手加減なしだって」
「うん!いくよー!」
(下にヒーロースーツ着といてよかった…)
サイタマは内心安堵した。
ズドォン ドォン ドガァ
「なんか今日はやけにうるさいですね」
「あのサイタマっていう人が頑丈なんじゃないかしらね」
「・・・そうですかね」
「ええ。ま、いつまでもつかしら」
レミリアと咲夜がサイタマについて少し話していた次の瞬間、
ドォン
壁が崩壊した。
「「?!」」
二人は驚いたようにその方向を見る。
「おいコラ!いくら楽しいからって思い切り吹っ飛ばすこたないだろ?!」
「えへへー、だってたのしいんだもーん♪」
そこには口でこそ注意はしているが少し笑っているサイタマと、今まで自分たちが見たことないような満面な笑みのフランがいた。
「・・・なんで、あんなに・・・」
レミリアはショックを受けたような顔をしていた。
「・・・」
咲夜も少し衝撃を受けたような顔をしていた。
「ねえ!おじさん!おそとであそぼー?」
「おう、いいぞ」
「わーい!」
そういってフランはまたサイタマの胸倉をつかむと思いっきり壁にたたきつける。
「おいおい、荒っぽいぞ?!」
「だってたのしいんだもーん!!」
壁が崩壊して二人とも外に飛び出した。
「「・・・」」
二人はぽかんとしていた。
なんせ、
サイタマがフランの相手して余裕な顔をしているのだから。
続く