ISー天廊の番竜ー   作:晴れの日

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書き溜めはあるんで、そのまま連投です


第七話:父親(前編)

「で、なんで女の子の格好⁉つかマジで女の子なのかよ!」

 

 朝起きた3人だが、一夏は朝から元気が大変よろしかった。今の言葉は、目が覚めたシャルロットに対しての慟哭であった。

 

「うるさいぞ一夏。朝から元気というのは結構だが、叫んでは迷惑だ。」

 

 寝ぼけ眼のシャルロットの膝の上で、抱き締められているラウラが、腕を組んで偉そうに注意する。そのせいで彼女の態度と状況のギャップが、彼女の体格の小ささを強調し、一夏の目から見ても可愛らしかった。

 

「アハハ……まぁ月曜の朝から元気だってのは良いことだと思うよ。……で、一夏の質問なんだけどね、そう、私の正式な性別は女性。デュノア社の命令で、織斑一夏の調査にやって来たの。」

 

 

 

 

 

 

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 時間は先日の昼間、一夏とラウラが海鮮屋大旗で海鮮丼を頼んだ頃合いだった。

 IS学園の食堂に、いまだ男装していたシャルロットは、その足を運んだ。自室に1人でいたのに飽きた訳ではない。そもそも、彼女にとっては一夏の出掛けた休日の自室など、その目的からすれば絶好の機会だった。隠しカメラを設置したり、過去の一夏の戦闘データを全てつぶさに観察したりと、出来ることは幅広い。だが、自分していることの後ろめたさや、罪の意識に耐えきれなくなり、気分転換に食堂にやって来たのだ。

 

「あら、デュノアさんも昼食ですの?」

 

 そんな彼女に声を掛けたのは、書類の束を脇に挟み、手に持つお盆にはBLTサンドとアイスコーヒーのセットを乗せたセシリアだった。

 

「あ、うん。僕も少しお腹が減ってきたから。」

 

「よろしければご一緒しませんか?席は私が確保しておきますので。」

 

 セシリアの提案を、シャルロットは快く受け入れて、ひとまずカウンターへと向かう。さて、何を食べようかとメニューを眺め、特に思い付かなかった彼女は、セシリアと同じサンドイッチとコーヒーのセットを頼むことにした。

 

「おまたせ。」

 

「デュノアさんもサンドイッチセットですのね。」

 

 セシリアは、眺めていた書類から目線をずらしシャルロットに笑顔を向ける。

 

「うん……。オルコットさんは、なんの書類見てたの?」

 

「あぁ、ここ一週間の私の射撃訓練データに今確認されているテオ・テスカトル、ラオシャンロン、ラギアクルス、ディスフィロアのデータと過去のモンスターのデータですわ。」

 

 事も無げにセシリアは云うが、そのデータ量は多い。紙の書類は400枚近くはあるだろうか?それとプラスで、タブレットでの電子上のデータも確認しているのだから、大したものだとシャルロットは感嘆する。

 

「オルコットさん凄いね、そんな沢山の情報を捌くなんて。」

 

「スナイパーには、情報は命ですわ。敵を知らば、百戦危うからず。誰の言葉だったかは忘れてしまいましたが、正にその言葉の通り、敵を知らなければ的確な狙撃は行えません。……ですが、モンスターに関しての情報はいまだ満足とは言えませんね。こう目を通してはいますが、どれも予測や希望的観測ばかりで、身になる情報と言えるものは数少ないのが現状ですわね。」

 

「そうなんだ。……でも、モンスターの行動って、モンスターハンターっていうゲームに出てくる同種のモンスターに近い行動をするんでしょ?じゃぁそのゲームでも練習になるんじゃ?」

 

 シャルロットの疑問に、セシリアは首を振って否定する。

 

「現実に現れたモンスターは、全てゲームとは比較にならない速さを持っています。それに、IS戦では空中戦がメインになるのに対して、ゲームでは地上戦止まりなのが現実です。そのせいで、ゲーム内の行動もそれほど参照に出来ないのです。」

 

「そうだったんだ……。」

 

 シャルロットは、机の上の束の1つ、『ディアブロスについて』という書類に目を通してみる。

 エジプト陸軍所属ISパイロット四名(ディアブロス出現地のエジプト陸軍基地)、国連所属ISパイロット二名が死亡。ISコア計六つが破壊。現地陸軍、国連派遣軍壊滅。現地住民含み、総死傷者数21,541名(内8724名が軍属)。

 痛ましいまでの記録が、その書類には記されていた。世界的にも、初めてのIS搭乗中のパイロット死亡。IS誕生から初めてのISコアの破壊と、世界に与えた衝撃は小さいものではなかった。そのせいで、モンスター信奉宗教などと称される宗教団体が、世界中でその勢力を広げるようになった要因とも云える。討伐者は、ロシア国家代表更識楯無と、IS学園管理下ドゥレムディラと書かれている。作戦記録も観るに、かなりの強敵なのだとシャルロットにも理解できる。

 

「やっぱり、モンスターって強いの?」

 

「そうですわね……一部例外を除いて、単純な攻撃力の面で言えば近代兵器の方が優れていますわ。今デュノアさんが手に取られているディアブロスも、確かに単独がもたらした被害は甚大ですし、その攻撃能力は驚異の一言に突きます。しかし数値上で見れば、ディアブロスの持つ戦力はIS換算で1.5。いえ、絶対防御がないことを鑑みれば、一機相当が妥当でしょう。しかし…」

 

 そこで、セシリアは一拍置く。ディアブロスを表現するのに、適した言葉を探っているのだ。

 

「そうですわね。本能の面で、私達とモンスターでは大きな差があるように感じます。」

 

「本能?」

 

「えぇ、『戦う』という行為に最適に進化した生物郡。それがモンスターなのかもしれません。ISという鎧を、差も当然のように突き穿つ戦闘能力には、そういう根本的な部分の力を感じますわ。」

 

 セシリアの言葉には、確かな重みがあった。実際にモンスターと対峙し、その力を時かに感じたという、経験から来る重みだ。

 

「ではどうするか。私達人類は知恵に頼り、モンスターと対峙するのです。そのために彼等の性質を調べ、予測し、対策して万全に備えてモンスターと戦うべきなのでしょう。だからこそ、ちょっとした予測でも私は吸収しますわ。」

 

 膨大な資料と格闘するセシリアは、シャルロットにとって余りにも眩しすぎた。有事に備え、いざという時にすぐ動けるように彼女はなっているのだ。対してシャルロット自身はどうか、父親の、会社の命令と言えどその行いは、決して胸を張れるものではない。今すぐ、自身の秘密をうち明かし、断罪してほしいと願う欲求すら、彼女を襲っていた。

 だがそれは出来ない。欲求よりも、恐怖が勝っていたのだ。なんの成果も得られないまま、デュノア社に戻ればどうなるか。自分が女性だとうち明ければ、母国の刑務所に連行されるだろう。それが、シャルロットにとっては怖かった。母を亡くし、唯一残った父とも関わりは少なかったが、彼からの信用を失いたくなかった。義母からの叱責や罵詈雑言を、再び浴びたくはなかった。まだ16の身の上で、刑務所になど入りたくはなかった。故に、彼女の口は固く閉ざされているのだ。

 

「あら、珍しい二人組ね?」

 

「こっちも、あまり言えないだろうがな。」

 

「ハハッ、ドゥレム君の言うとおりだけとね。」

 

 次いで食堂に現れたのは、お盆に南蛮漬け定食を乗せた鈴と、日替わり定食(コロッケ)のドゥレム。そして麻婆豆腐定食の現の3人だった。

 

「あら、鈴さんにドゥレムさんもお昼ご飯で?」

 

 セシリアは、テーブルの上の書類をひとまず片付け、3人が座れるスペースを作る。

 

「そうよ。でもセシリアはそろそろ食べ終わっちゃう?」

 

「いえ、私ももう少しゆっくりしていきますのでご一緒させて頂きますわ。あと、……あの、こちらの方は?」

 

 隣に座った鈴の言葉に、にこやかに答えるセシリアだったが、現とは初対面であった。当然シャルロットもだ。

 

「初めまして、佐山現よ。確かセシリア・オルコットさんと、シャルル・デュノアさんだよね?二年生だけどヨロシクね。」

 

 現の自己紹介に、セシリアとシャルロットが答え、全員が着席する。

 

「佐山先輩って、もしかしてIS開発コンテストで受賞した佐山現さんですか?」

 

 とシャルロットが訊ね、何故か鈴が自信満々に答え、現が「アハハ」と恥ずかしげに笑う。すると、セシリアが現に自身の射撃データを見て欲しいと現に頼む。

 「専門じゃないけど…」と前置きしながらも、現はそのデータに目を通す。

 

「……かなり、ブレてるね。」

 

 開口一番、現は口にする。その表情は普段の柔和な雰囲気ではなく、技術屋として顔になっていた。

 

「ハイ。実弾訓練を始めてそれなりになりますが、どうも収弾率が悪く結果として命中率も下がっています。」

 

「これは……オルコットさんの腕というより、ドラグノフの方が問題かも。この後も訓練?」

 

「はい。」

 

 セシリアの返答に、自身のメモ帳を確認する現。予定に問題がなかったのか、「うん」と頷き自身がその訓練に同伴する事を提案する。SVD-ドラグノフISカスタムを調整しながら、セシリアに実射して欲しいそうだ。それをセシリアは、願ったり叶ったりだと喜び、是非と頭を下げる。

 

「でもドラグノフとは渋いね。確かにISカスタムで攻撃力は上がってるけど、ISで運用するなら対物ライフルの方が攻撃力はあるでしょ?」

 

「えぇ。ですが、今までレーザー兵器の無反動射撃に体が慣れてしまったせいで、反動の強い武器では連続した射撃には、些かの問題がありまして。」

 

「反動の抑えられるものから慣れていこうって訳ね。確かに、それも良いかもしれないね。」

 

 等と二人は話している。その間ドゥレムは黙々とコロッケ定食を食べているのだが、鈴から持ち掛けられた南蛮チキン一切れと、コロッケ一切れの交換要求を持ち掛けられ、それに応じていた。とすれば、セシリアと現も話に一息吐いたため、五人は世間話に会話の内容はシフトしていく。

 やれ、今日本で流行っている服は何だとか、それぞれの母国ではどんなものが流行しているだとか、年相応の女の子らしい会話が飛び交う。結局、国家代表候補生と言えども、その実齢15,6の少女達なのだから当然その手の話題は大好物である。後は色恋話にも飛び火し、鈴とセシリアが一夏の朴念人ぷりに気分を落としたりと、中々に楽しい昼食の時間を過ごしていた。

 だが、不意にドゥレムが口を開く。

 

「シャルルはあれだな……どちらかと言えば女子寄りなんだな。」

 

 ビクッと、シャルロットは体を震わせる。何か探りを入れたわけではないし、狙いがあるわけではない。ただただ思った事をドゥレムは口にしただけなのだが、シャルロットにはその言葉だけで致命的な恐怖を感じさせた。

 

「まぁ、確かにシャルルってぶっちゃけ一夏よりも話易い時あるわよね。」

 

「ええ、聞き上手なのでしょうね。本国の方では相当異性に好かれていたのではないですか?」

 

 鈴とセシリアの、思わぬの助け船にシャルルは乗っかり、違和感なくこの場をやり過ごそうと努める。

 

「そ、そうだと良かったんだけどね。実際には相談されるだけで、色恋沙汰とはさっぱりだったよ。」

 

 シャルロットの言葉に、鈴とセシリア、現の三人が「なんとなく分かる」と同意しているが、ドゥレムが再び口を開く。

 

「いや、それだけじゃなくてな……時々、女子から匂う血のっ「ドゥレム君。それ以上はデリケートな問題だから二度と口にしないでね。」

 

 ドゥレムの言葉を遮り、半ば掌底染みた勢いで彼の口を塞いだ現。その表情は笑顔だが、影のある怖い笑顔だった。鈴とセシリア、それからシャルロットも思わずドゥレムを引いたような目で見ている。

 

「ドゥレム……知らないとはいえ、匂いとか、それにその血の匂いってまさかアンタ。」

 

「ぶっちゃけドン引きですわ。」

 

「……流石にそれは酷いよ。」

 

 ドゥレムは、自分の失言がここにいる女子を全て敵に回しかねない物だったと気が付き、すぐに謝罪する。

 

「そんなに大変な問題だったのか……知らなかったとはいえ失礼した、申し訳ない。以後似たような発言は控えると約束する、どうか許して欲しい。」

 

 まぁ反省してくれているならと、ドゥレム以外の四人が妥協する。知らなかったから仕方ないと、彼女達は云うしかないのだ。これが仮に一夏だったりしたら。鈴の部分展開ISパンチや、セシリアの零距離狙撃、シャルロットのシールドピアーズの刑に処されている可能性は濃厚だった。

 

「で、シャルル……掘り返したくは無いけど、今のドゥレムの発言はもしかして……。」

 

 鈴が、始めて疑惑の眼差しを彼女に向ける。セシリアもそうだ。その眼差しが、シャルロットには些かキツかった。後ろめたさがあるから、余計にそう感じたのだろう。我慢できず、彼女は口を開く。

 

「うん。実は、私は女の子なんだ。」

 

 重々しく、シャルロットは語り始める。自分が本当はシャルル・デュノアではなく、シャルロット・デュノアなのだと。そして、デュノア社社長の父と、愛人の間に出来た隠し子である身分。経営が傾き、回復の兆しがない会社のために、自分に男装させて一夏に取り入るためにIS学園に送り込まれた産業スパイであること。歯止めが効かなくなり、気付けば父とはまともにコミュニケーションを取れておらず、義母とは不仲である事。実の母は既に亡くなっているという話を、涙を流しながら彼女な語る。

 鈴はもらい泣きをし始め、セシリアもシャルロットのその立ち位置の危うさに、思わず同情を隠しきれず、現は、そのまるでドラマのような悲運の彼女に、打開策を模索していた。

 

「でも、これでバレちゃったから……ぼ、いや私は皆とお別れしなきゃ。」

 

 始めて、ドゥレム達の前で本来の一人称を彼女は使う。その表情は絶望が彩っていたが、まるで、胸のつかえが取れたような、そんな清々しさと抱いていた。が、我慢できなくなった鈴がテーブル越しにシャルロットを抱き締める。

 

「そんな事言わないでよ!何とかしなきゃ!そんな理不尽に……これ以上滅茶苦茶にされる道理はないよ!」

 

「そうですわ、手はあるハズです。少なくとも、IS学園に席がある間は他国の干渉は受けない決まりです。在学中になんとか手立てを見付け出さなければ。」

 

「そうだね……でも少なくとも、学園側にも協力してもらう必要がある。今日は織斑先生は居るのかな?」

 

 鈴、セシリア、現が語る言葉は、諦めていたシャルロットとは違い、前向きに事態を解決しようとする物だった。だが、その優しさが彼女には、苦痛のなっていた。

 

「大丈夫だよ。そんな事することないよ……止めてよ、こんな私に優しくしないでよぉ……。」

 

 止めどなく涙が零れる。自身の後ろめたさが、彼女を暗い底へ誘おうとするのだ。それは拒絶となり言葉に現れる。ただその言葉は弱く、抱き締める鈴を払う力すら出ない。

 

「シャルロット、お前がそのままで良い。俺達と離れ離れになっても平気だと言うのなら、きっとお前は平気なのかもしれない。」

 

 平気なわけない。シャルロットは思っても口にはしなかった。言えば、彼等はきっと力を尽くす。どうにかなるんじゃないか?という淡い希望を抱かせられる。もし、その希望が叶わなかった時の絶望を、彼女は恐れたのだ。

 だが、ドゥレムは続いて言葉を紡ぐ。強い意思に象られた、強固な言葉を

 

「だが、俺はそれを許容しない。お前を1人にさせない。お前を俺達から離れさせない。例えお前がそれを我慢できると言おうが、俺達はそれを否定する。暗闇に向かい、離れていくその手を離すものか。何故なら友だからだ。愛すべき隣人だからだ。そのような、お前が絶望するだけの場所に、俺達は決して行かせはしない。」

 

 ドゥレムの紅い眼が、シャルロットを射抜く。揺るぎない決意と意思に彩られたその瞳は、シャルロットの意思など関係ないと、悠然と物語っていた。

 

「ドゥレムさん……少し、言い方を考えましょうか。」

 

 と、セシリアがため息混じりに口にする。

 現も、呆れた表情でセシリアに同意するように頷く。

 

「…何か、おかしかったか?」

 

「なんかこう…、少女マンガに出てくるウザイ俺様キャラみたいだったよ。」

 

 ドゥレムの呟きに、現が指摘するとうぅんと、ドゥレムは唸り思巡する。

 

「じゃぁそうか、こう言えば良いのか!シャルロット、俺はお前と離れたくない。一緒に居てくれ。」

 

「ウェッ⁉」

 

 ドゥレムの簡潔な言葉に、涙目だったシャルロットの顔は一気に真っ赤に染まる。そして、セシリアは怖い笑顔を浮かべドゥレムの肩に手を置く。

 

「ドゥレムさん?私以前言いましたわよね。その愛の告白を思わせ振りな話し方はお辞めになった方がよろしいと。」

 

「え?いや、セシリア肩が痛いんだが。握力上がってないか?いや、本当に痛いんだがあっ⁉」

 

 ギリギリと音が出るように、セシリアの細い指がドゥレムの肩に食い込む。人の形をとっている以上、ツボを的確に刺激すれば、いかにドゥレムであろうとその激痛に顔を歪める。

 

「プッ、…アハハ、アハハハハッ。」

 

 その様子が可笑しかった。シャルロットは我慢できずに破顔し、笑いが止まらなくなる。

 セシリアは手の力を緩めず、シャルロットに視線を向け、現も鈴も彼女に注目する。ドゥレムは肩の痛みに悶絶しているままだが。

 

「ドゥレムはアレだね。セシリアにも似たような事言ったのかな?」

 

「はい。あの時は一瞬ドキリとしましたが、冷静に考えればコレがそんな気の利いた言葉など使うはずがありませんし。」

 

 セシリアが、ドゥレムを見下すその瞳は冷淡であった。

 

「そうだよね。あんな真っ直ぐ言われたら、一瞬でもビックリするよね。でも言ったのが常識はずれのドゥレムだからね、危うくその気にさせられる所だったよ……。」

 

「ちょっ、コイツは辞めときなさい⁉見てくれは確かに良いけど、常識はずれだし、良い奴だし最高の友人だけど、多分恋仲とか成ったら尋常じゃない苦労するタイプよ?」

 

 慌てて鈴が指摘するが、シャルロットは頷き「大丈夫」と口にする。

 現は端から聞いてて、酷い言われようだなぁと苦笑していた。

 

「うん鈴、セシリア、佐山先輩。そしてドゥレム。お願い私を助けて下さい。」

 

 シャルロット自身も覚悟を決め、四人に頭を下げる。四人は「任せて」と力強く答えた(ドゥレムの声だけ、少し弱々しかったが、さして問題ではないだろう)。





前後編です。
ぶっちゃけ4000字前後で手頃に読めるのを目指してるんですが………。

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