Hightension School Jo×Jo 作:尾河七国
お待たせしました、尾河です。
今回はプール回でございます。しばらくはプール回が続きますが、どうぞお楽しみにしていてください。ネタでカバーしますので!(オイ)
それではどうぞ。
ゼクスの思わぬ訪問から数日後。
「…ったく、どーして俺まで駆り出されねぇといけないんだよ」
「いいじゃんか。バイト代として昼メシとオカ研メンバーと一緒にプール先取り権だぜ? たまの休みぐらいパーッと遊ぼうぜ!」
「…まぁ悪い話じゃないからいいけどさ。あと呼び出すのにいきなり天井からコンニチワしないでくれる? 素で驚くから」
「そうか……じゃあ今度からは窓ガラスブチ破ってのダイナミック訪問を…」
「やめて!!」
夏真っ盛りのとある休日。丈城とサジ、オーフィスとリーフは駒王学園へと向かっていた。
この日はオカ研の召集で学園に向かうことになっており、関係ないサジに至っては丈城のキャトルミューティレーションで御用。オーフィスとリーフは面白そうなのでくっついてきたという形である。
「そういや、何気にお初なんだけど…この子は誰だ? お前の妹か?」
「『無限の龍神』。俺ん家に居候しているドラゴンだよ」
「ドッ…!? ここっ、この子ドラゴンなの!?」
「あぁそうだ。今はこーゆー姿だけど本当の姿はかなりデカイぞ。それこそ次元の狭間に棲まう『真なる赤龍神帝』グレートレッドと並ぶくらいだし」
「グレートレッド…会長から話は聞いているけど、この子がドラゴンか……。イマイチ実感が湧かないな」
「なら一回その力見せてもらうか? 最もその的は……わかってるよな?」
「OK、わかった信じる」
「ジョジョ、威圧凄い」
『ニャッ』
そんな雑談を展開しつつ、三人と一匹は歩みを進める。因みにリアとアーシアは先に学園に行っており、諸々の準備をしているためここにはいない。
移動を開始してから数分後。学園付近のコンビニで待ち合わせていた裕斗・小猫・ゼノヴィアと合流し、サジとゼノヴィア、リーフの初顔合わせを終えた一同は改めて学園へと足を向ける。
「会長から色々な悪魔の事情を聞かされているけど…まさかルシファー様が大のゲーム好きだったとはなぁ…」
「ゲームのみならず、ゼクスはアニメとかコスプレとかにも関心があるみたいだし。近々大手の映像制作会社と取引するとか、魔界に声優学校作るんだとか言ってたぜ」
「うむ、幅広い分野を更に広めることは双方の文化の発展に繋がる。冥界と人間界のメリットにもなる良いアイデアだ」
「その分野が違う方向に偏り過ぎていると思うんだけど…」
「俺もそう思う…」
『ニャー?』
ゼクスによるアニメ文化魔界拡散計画が露見したところで、一同は駒王学園へ到着。リア達が待つ校舎裏のプールへと向かった。プールでは既にモップやバケツを用意していたリア達がおり、残すところあと丈城達の着替えだけとなっていた。
「チーッス、リアー! 来たぜ〜」
「あらジョジョ、早かったじゃない…ってあら? なんでサジ君がここに?」
「どーもリアス先輩…休日なんで寝てたら、おたくの契約者にドナドナされまして……」
「またね…。ジョジョ、サジ君と喧嘩をするなとは言ったけど、これはそれ以前の問題よ。自重しなさい」
「わかったやめるよ……なんてこと言うと思ったかいウゥーフーフーフーフッ♪」
「やめなさいその初期の22世紀製ロボットみたいな口調」
〔駒王学園プール取り決め その①『プール掃除の為に生徒会の人間をドナドナしてはいけません』〕
そんな珍問答はさておき、リアはため息をつきながら視線をプールへ移す。
「とりあえず、まずはプールの槽内掃除からね。毎年のコレは最初に片付けておかないと厄介なのよ」
彼女につられて二人が槽内を覗き込むと、そこには一面の深緑景色……もとい、見事なまでに藻や苔で染まりきっていた。
「うっへー…なんか魔物が誕生しそうな沼みてぇ……」
「いつ見てもえげつねぇよな、これって…。しかも妙にヌメってるから気持ち悪さが増してるし……」
「これはとろろ昆布みたいだな。昨日食したばかりなんだ」
「「食べ物で例えるのやめてよォ〜……」」
水を抜けば更なる地獄が待っていると思うと気が気でない。とりあえずプール開きを楽しみに待つ全校生徒のため、一同は決戦準備をしに更衣室へ。
数分後、各自の服装に着替えた丈城らはリア達のもとへ集結し、リーフは見学コースへ直行。
ちなみにメンバーの服装はというと……
リア、朱乃、ゼノヴィア…ビキニ+Tシャツorパーカー
アーシア、小猫、オーフィス…スクール水着にTシャツ
裕斗、サジ…男性用水着にTシャツ
丈城…ワムウのコスプレ
「ジョジョさん、かなり個性的な水着ですね」
「いや水着ですらないでしょコレ…」
「……ただのコスプレ」
「いやーホントは水着買ってこようと思ってたけど忘れちってて。これはどーすっか悩んだ挙句の結果でつ」
やる気十分と言わんばかりに、手にしたデッキブラシを天高く掲げる丈城。その隣でオーフィスがそれを真似てバケツを掲げる。楽しそうで何よりだ。
「ともかく皆、準備はいいかしら? さぁ、プール掃除を始めるわよ!」
「「「「「はい!(All right!)」」」」」
リアの号令と共に、丈城らは各々の掃除用具を手に槽内へと突撃した。
☆☆☆
「…ふぅ、粗方削ってみたけど…な」
掃除を開始してから30分後。こまめにスポーツドリンクを飲みながら作業を進めていたサジは、額の汗を拭って目の前の光景にふと呟く。
「どした? サジ」
「ん? あぁ、プール掃除してると大概こいつらいるよなーって思ってさ」
「こいつら? …あーなるほどね」
近くにいた丈城もそれを見て合点がいった。
削った藻や苔の山、まだこびりつく苔の上を徘徊する複数の小さな影。すなわち、ヤゴとカエルである。
「マスクドド◯イクと諏◯子がゾロゾロと」
「諏◯子言うなし。俺らは別に何とも思わないけどさ、女の子達の方は大丈夫かな? こうゆうのって結構苦手な女子がいるって聞くし…」
サジの言う通り、メンバーの七割方は女子である。ヤゴはわからないが、カエルが苦手な女子もいると思うのだが。
「そうでもなさそうだよ。二人共」
「えっ、何で?」
「だってホラ、あそこ」
裕斗は後ろのリア達に視線を向けて、丈城とサジもその方へ顔を向ける。
『ニャー♪』
「コラ、リーフ。これ、食べ物じゃない」
「……ケロちゃん」
「ちっちゃくて可愛いです!」
「ひゃっ!? か、カエルが谷間に!?」
「あらあら、えっちなカエルさんですわね」
「ビキニを取れば自然と出て行くだろう」
「男子もいるのにそんなことできるわけないでしょ!?」
「…楽しそうだし放っとくか」
「「賛成」」
ヤゴとカエルを手に大はしゃぎするリア達。それを遠い目で見守った後、丈城ら三人は目の前の処理に取り掛かった。
〔駒王学園プール取り決め その②『ヤゴとカエルではしゃぐ女の子達は放っておきましょう』〕
「…で、俺らはどうするよ」
「ヤゴもカエルも水生生物だしねぇ。でもここら辺にキレイな川があるわけでもないし……」
背後でワーキャー聞こえる中、男子チームは冷静にヤゴとカエルの処理を考えていた。しかし駒王学園周辺には住宅街やオフィスビルが立ち並んでおり、自然は殆ど残っていないのが現状だ。とても放流できるような環境が整っているわけではない。
「あ、そういえば特訓山の裏手に清流があったな。そこいいんじゃねぇか? あんまり人の手が入ってないような場所だし」
「それじゃあ放流先はそこでいっか。あとは…一時的に隔離できる場所か」
「更衣室の隣の倉庫に、確か使われていない水槽があったはずだよ。後で生物部の先生に一言言っておくから、使わせてもらおう」
「じゃあヤゴはそこに隔離するか」
着々と処理の方針が定まってゆく。残るはカエルだ。
「あとは……諏◯子だけか」
「だから諏◯子言うなし」
方針が未定のカエル達をじっと眺める丈城。そして何を思ったのか、適当な一匹を指でつまんで固定すると……
「…よし、カエルを潰さずにプールの底にクレーター作れるかどうかやってみよう」
「じょっ、ジョジョ君ストォォ━━━━━━ップッ!!」
「失敗してカエルが四散する未来しか見えねぇよッ!!」
〔駒王学園プール取り決め その③『プール内でカエルを使っての波紋の修行はやめましょう』〕
(←To Be continued…)
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