Hightension School Jo×Jo   作:尾河七国

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お待たせしました、尾河です。
今回はプール回でございます。しばらくはプール回が続きますが、どうぞお楽しみにしていてください。ネタでカバーしますので!(オイ)

それではどうぞ。



第39話《プールでのお約束事 その①》

 

 ゼクスの思わぬ訪問から数日後。

 

 

「…ったく、どーして俺まで駆り出されねぇといけないんだよ」

「いいじゃんか。バイト代として昼メシとオカ研メンバーと一緒にプール先取り権だぜ? たまの休みぐらいパーッと遊ぼうぜ!」

「…まぁ悪い話じゃないからいいけどさ。あと呼び出すのにいきなり天井からコンニチワしないでくれる? 素で驚くから」

「そうか……じゃあ今度からは窓ガラスブチ破ってのダイナミック訪問を…」

「やめて!!」

 

 

 夏真っ盛りのとある休日。丈城とサジ、オーフィスとリーフは駒王学園へと向かっていた。

 この日はオカ研の召集で学園に向かうことになっており、関係ないサジに至っては丈城のキャトルミューティレーションで御用。オーフィスとリーフは面白そうなのでくっついてきたという形である。

 

 

「そういや、何気にお初なんだけど…この子は誰だ? お前の妹か?」

「『無限の龍神』。俺ん家に居候しているドラゴンだよ」

「ドッ…!? ここっ、この子ドラゴンなの!?」

「あぁそうだ。今はこーゆー姿だけど本当の姿はかなりデカイぞ。それこそ次元の狭間に棲まう『真なる赤龍神帝』グレートレッドと並ぶくらいだし」

「グレートレッド…会長から話は聞いているけど、この子がドラゴンか……。イマイチ実感が湧かないな」

「なら一回その力見せてもらうか? 最もその的は……わかってるよな?」

「OK、わかった信じる」

「ジョジョ、威圧凄い」

『ニャッ』

 

 

 そんな雑談を展開しつつ、三人と一匹は歩みを進める。因みにリアとアーシアは先に学園に行っており、諸々の準備をしているためここにはいない。

 

 移動を開始してから数分後。学園付近のコンビニで待ち合わせていた裕斗・小猫・ゼノヴィアと合流し、サジとゼノヴィア、リーフの初顔合わせを終えた一同は改めて学園へと足を向ける。

 

 

「会長から色々な悪魔の事情を聞かされているけど…まさかルシファー様が大のゲーム好きだったとはなぁ…」

「ゲームのみならず、ゼクスはアニメとかコスプレとかにも関心があるみたいだし。近々大手の映像制作会社と取引するとか、魔界に声優学校作るんだとか言ってたぜ」

「うむ、幅広い分野を更に広めることは双方の文化の発展に繋がる。冥界と人間界のメリットにもなる良いアイデアだ」

「その分野が違う方向に偏り過ぎていると思うんだけど…」

「俺もそう思う…」

『ニャー?』

 

 

 ゼクスによるアニメ文化魔界拡散計画が露見したところで、一同は駒王学園へ到着。リア達が待つ校舎裏のプールへと向かった。プールでは既にモップやバケツを用意していたリア達がおり、残すところあと丈城達の着替えだけとなっていた。

 

 

「チーッス、リアー! 来たぜ〜」

「あらジョジョ、早かったじゃない…ってあら? なんでサジ君がここに?」

「どーもリアス先輩…休日なんで寝てたら、おたくの契約者にドナドナされまして……」

「またね…。ジョジョ、サジ君と喧嘩をするなとは言ったけど、これはそれ以前の問題よ。自重しなさい」

「わかったやめるよ……なんてこと言うと思ったかいウゥーフーフーフーフッ♪」

「やめなさいその初期の22世紀製ロボットみたいな口調」

 

 

 

 〔駒王学園プール取り決め その①『プール掃除の為に生徒会の人間をドナドナしてはいけません』〕

 

 

 

 そんな珍問答はさておき、リアはため息をつきながら視線をプールへ移す。

 

 

「とりあえず、まずはプールの槽内掃除からね。毎年のコレは最初に片付けておかないと厄介なのよ」

 

 

 彼女につられて二人が槽内を覗き込むと、そこには一面の深緑景色……もとい、見事なまでに藻や苔で染まりきっていた。

 

 

「うっへー…なんか魔物が誕生しそうな沼みてぇ……」

「いつ見てもえげつねぇよな、これって…。しかも妙にヌメってるから気持ち悪さが増してるし……」

「これはとろろ昆布みたいだな。昨日食したばかりなんだ」

「「食べ物で例えるのやめてよォ〜……」」

 

 

 水を抜けば更なる地獄が待っていると思うと気が気でない。とりあえずプール開きを楽しみに待つ全校生徒のため、一同は決戦準備をしに更衣室へ。

 数分後、各自の服装に着替えた丈城らはリア達のもとへ集結し、リーフは見学コースへ直行。

 ちなみにメンバーの服装はというと……

 

 リア、朱乃、ゼノヴィア…ビキニ+Tシャツorパーカー

 アーシア、小猫、オーフィス…スクール水着にTシャツ

 裕斗、サジ…男性用水着にTシャツ

 丈城…ワムウのコスプレ

 

 

「ジョジョさん、かなり個性的な水着ですね」

「いや水着ですらないでしょコレ…」

「……ただのコスプレ」

「いやーホントは水着買ってこようと思ってたけど忘れちってて。これはどーすっか悩んだ挙句の結果でつ」

 

 

 やる気十分と言わんばかりに、手にしたデッキブラシを天高く掲げる丈城。その隣でオーフィスがそれを真似てバケツを掲げる。楽しそうで何よりだ。

 

 

「ともかく皆、準備はいいかしら? さぁ、プール掃除を始めるわよ!」

「「「「「はい!(All right!)」」」」」

 

 

 リアの号令と共に、丈城らは各々の掃除用具を手に槽内へと突撃した。

 

 

 

 ☆☆☆

 

 

「…ふぅ、粗方削ってみたけど…な」

 

 

 掃除を開始してから30分後。こまめにスポーツドリンクを飲みながら作業を進めていたサジは、額の汗を拭って目の前の光景にふと呟く。

 

 

「どした? サジ」

「ん? あぁ、プール掃除してると大概こいつらいるよなーって思ってさ」

「こいつら? …あーなるほどね」

 

 

 近くにいた丈城もそれを見て合点がいった。

 

 削った藻や苔の山、まだこびりつく苔の上を徘徊する複数の小さな影。すなわち、ヤゴとカエルである。

 

 

「マスクドド◯イクと諏◯子がゾロゾロと」

「諏◯子言うなし。俺らは別に何とも思わないけどさ、女の子達の方は大丈夫かな? こうゆうのって結構苦手な女子がいるって聞くし…」

 

 

 サジの言う通り、メンバーの七割方は女子である。ヤゴはわからないが、カエルが苦手な女子もいると思うのだが。

 

 

「そうでもなさそうだよ。二人共」

「えっ、何で?」

「だってホラ、あそこ」

 

 

 裕斗は後ろのリア達に視線を向けて、丈城とサジもその方へ顔を向ける。

 

 

『ニャー♪』

「コラ、リーフ。これ、食べ物じゃない」

「……ケロちゃん」

「ちっちゃくて可愛いです!」

「ひゃっ!? か、カエルが谷間に!?」

「あらあら、えっちなカエルさんですわね」

「ビキニを取れば自然と出て行くだろう」

「男子もいるのにそんなことできるわけないでしょ!?」

「…楽しそうだし放っとくか」

「「賛成」」

 

 

 ヤゴとカエルを手に大はしゃぎするリア達。それを遠い目で見守った後、丈城ら三人は目の前の処理に取り掛かった。

 

 

 

 〔駒王学園プール取り決め その②『ヤゴとカエルではしゃぐ女の子達は放っておきましょう』〕

 

 

 

「…で、俺らはどうするよ」

「ヤゴもカエルも水生生物だしねぇ。でもここら辺にキレイな川があるわけでもないし……」

 

 

 背後でワーキャー聞こえる中、男子チームは冷静にヤゴとカエルの処理を考えていた。しかし駒王学園周辺には住宅街やオフィスビルが立ち並んでおり、自然は殆ど残っていないのが現状だ。とても放流できるような環境が整っているわけではない。

 

 

「あ、そういえば特訓山の裏手に清流があったな。そこいいんじゃねぇか? あんまり人の手が入ってないような場所だし」

「それじゃあ放流先はそこでいっか。あとは…一時的に隔離できる場所か」

「更衣室の隣の倉庫に、確か使われていない水槽があったはずだよ。後で生物部の先生に一言言っておくから、使わせてもらおう」

「じゃあヤゴはそこに隔離するか」

 

 

 着々と処理の方針が定まってゆく。残るはカエルだ。

 

 

「あとは……諏◯子だけか」

「だから諏◯子言うなし」

 

 

 方針が未定のカエル達をじっと眺める丈城。そして何を思ったのか、適当な一匹を指でつまんで固定すると……

 

 

 

 

「…よし、カエルを潰さずにプールの底にクレーター作れるかどうかやってみよう」

「じょっ、ジョジョ君ストォォ━━━━━━ップッ!!」

「失敗してカエルが四散する未来しか見えねぇよッ!!」

 

 

 

 〔駒王学園プール取り決め その③『プール内でカエルを使っての波紋の修行はやめましょう』〕

 

 

(←To Be continued…)

 





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