妖精達と歩む大空   作:グリーン

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地獄の12月を終えてようやく僅かばかりの正月休みに入りました。お待ちになっていてくれた読者の皆様には大変感謝しています。これからもよろしくお願いいたします。


アレグリア

 

 

-冥界島

 

「はあああぁっ!!」

 

「ちっ!」

 

エルザの鋭い剣閃を紙一重で避けながらキョウカは苛立っていた。本来ならとっくにフェイスが発動してもいい時間である。だが目の前の女魔道士は魔力を失う事もなく次々に剣や鎧を換装しながらこちらを攻め続けている。

 

それが意味するところはフェイスの発動に失敗したということだ。万全を期してエゼルまで配置したというのにこんな結果になった事に内心でエゼルに毒づく。

 

-役立たずめ!-

 

確かに目の前のエルザを含め数人は九鬼門でも苦戦する者もいるようだがそれでも自分達ゼレフ書の悪魔が負ける程ではないはずだとキョウカは自信を持っている。

 

-フェイス計画が失敗した今エルザにばかり時間を掛けてはいられんな……-

 

一度盟主に報告に戻る為にこの場をある者に任せる事にした。その者の気配を感じとり、キョウカは大きく跳躍してその者に声をかける。

 

「この場はソナタに任せたぞ」

 

「是非もない。この時を待っておった……また会ったなエルザよ……」

 

「なっ!!貴様は……ミネルバ!?」

 

キョウカに代わってエルザの前に立ち塞がったのは大魔闘演武で死闘を繰り広げた元セイバートゥースのミネルバ……だが本当にミネルバなのかエルザは確証が持てなかった。何故なら……

 

「フフ……それは違うな。妾は新たな力を得て進化したネオミネルバだ!!」

 

その姿は面影こそあれど以前とは違う……ミネルバは悪魔になっていた。

 

「なんということを……」

 

「妾は人間を超越した存在になった。エルザも!ツナヨシ・サワダですら最早妾の敵ではない!!」

 

「スティング達はずっとお前を探していたんだぞ!そんな姿になったお前を見たらどう思うか分かるだろう!?」

 

「……妾には関係のない事だ」

 

スティング達に何と言えばいいのか……エルザは叫びながら後悔する。以前に遭遇した時に何がなんでも捕まえてセイバートゥースに引き渡すべきだった。

 

「以前のお前は人間的には最低だった。だがその心の根底にはセイバートゥースの勝利の為なら何でもするギルドへの想いが確かにあった……」

 

「くだらんな……今の妾には関係のない事だ。妾に残っているのは貴様を殺す事だけだ!!」

 

「想いを捨て去ったお前は弱い!行くぞ!それを教えてやるぞミネルバ!!」

 

「妾はネオミネルバだエルザァ!!」

 

こうして二人は三度目の激突を開始する……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヒュル……」

 

「!!」

 

全身に雷を纏いながら高速で通路を進んでいたラクサスの耳に聞き覚えのある声がした。忘れようにも忘れられないその声の一拍後に竜巻がラクサスへと迫ってきた。その風を躱しながらその風の源を睨み付ける。

 

だがそこにいたのはラクサスの思っていた人物とは似ても似つかぬ色黒の人間のような姿をした美形の男だった。だがそれは間違いなくヤジマの店を襲い、仲間と街の人々を傷つけた男だとラクサスは確信していた。

 

ラクサスの勘は当たっている。目の前の男はタルタロス九鬼門の一人、不死のテンペスターだった。ヘルズ・コアで再生される際にイケメン好きのラミーによってこの姿に改造されたのだ。

 

「見つけたぜ……随分と変わっちまったなあ」

 

「貴様は誰だ?我を知る者か?」

 

「忘れちまったのなら思い出させてやるぜ!!」

 

ラクサスは纏う雷を更に激しく放電させる。魔障粒子が体内から消えたとはいえ、その傷痕は未だにラクサスの体の中に刻まれている。魔力を練る度に激痛が走り、呼吸が乱れるが……

 

「雷竜の……咆哮!!」

 

その痛みの全てを無視してラクサスの口から雷撃が放たれる。

 

「!……ゴロン」

 

テンペスターはその一撃を相殺しようと雷を発生させるが怒りのラクサスの一撃はその雷を取り込んで更に大きくなるとテンペスターを飲み込んだ。

 

テンペスターは腕を眼前でクロスさせて耐えようとするが……

 

「オラァッ!!」

 

「ガフッ!」

 

その隙に高速で後ろへ回り込んだラクサスの拳がテンペスターの後頭部を強打した。吹き飛ばされながらも体勢を立て直したテンペスターはその痛みに失った記憶を刺激される……

 

「雷……貴様は……」

 

「思い出してきたみてぇだな!!フリード達や街の奴らの分の借りも纏めて返してやる!!」

 

守れなかった者達を思いながらラクサスは激しい怒りと共にテンペスターへと突っ込んでいった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エルザの前から姿を消したキョウカはタルタロスのマスターのENDの代理でもある現在の最高責任者の冥王マルド・ギールの前に跪いていた。キョウカは現状を報告して打開策を提案する。

 

「冥王マルド・ギール様、敵の力は予想以上です。ENDを復活させましょう」

 

現在の状況は九鬼門のうち、フランマルス、エゼル、セイラがやられてしまっていた。更に九鬼門が復活する為に必要な施設であるヘルズ・コアさえも破壊されてしまっている。

 

「それは不可能だ。マスターを蘇らせる為には呪力が足らぬ。大陸中の魔力を消しさらなければな……」

 

「しかし!その為のフェイス計画も失敗に終わり、最早大陸中の魔力を消すすべは……」

 

「心配はいらん。このマルド・ギールは完全なる策略家、大局的にはフェイスの崩壊も予定通りということだ。それよりも……」

 

マルド・ギールが右手をキョウカに向けるとどこからともなく荊が現れてキョウカを拘束する。

 

「な!何を……」

 

「貴様は捕らえた人間で遊んでいたな?これは罰だ。虫ケラ以下の人間で遊んでいた貴様に与えるな……」

 

「がっ……はっ……マルド……ギール様……!」

 

「ん?何か言いたい事でもあるのかな?」

 

荊がキョウカの体をきつく締めつけるがそれでも伝えたい事があるのかキョウカは声を搾り出そうとする。それを見たマルド・ギールは少しだけ荊を緩めた。

 

「はあっ!はあっ!……奴らの中にリリスを完全に消滅させた者がいます!我らエーテリアスにとっての天敵とも言える人間です!何としても始末せねば!」

 

「何……?あのリリスを……そのような虫ケラが存在するのか?……ならばアレグリアを発動させるか」

 

自身に匹敵しうる力を持っていたリリスの消滅にマルド・ギールは新たな一手を打つ事にしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゼレフの目的を聞いたツナは呆然としていた。ゼレフの求める永久魔法フェアリーハート……それが初代の心臓だというのはどういう意味なのか、ツナにはゼレフが何を言っているのか理解できなかった。

 

そもそも初代は大昔に死んでいるはずだ。何度も幽体となったメイビスには会ってはいるが会話は出来ても触れる事も出来ない……

 

「何を言っている……?初代は既に死んでいるはずだろう?」

 

「どうやら君は何も知らないようだね……メイビスの肉体はラクリマに封じられて保存されているみたいなんだ。元々は蘇生させるためだったんだけどその過程でメイビスの心臓に宿るフェアリーハートが発見されたのさ」

 

-それがフェアリーテイルの最高機密、ルーメン・イストワール……フェアリーハートなのか……-

 

「それを奪う為に攻めて来るのか」

 

「そうだよ。僕に必要な物だからね」

 

「かつて愛した者の心臓を奪うのか」

 

「心は痛むけど仕方ないね」

 

「何故……わざわざ俺にそこまで話した?」

 

「……ほんの気紛れさ」

 

ゼレフがほんの一瞬見せた表情をツナは見逃さなかった。戦いの最中、ツナの超直感……見透かす力を持ってしてもゼレフの感情は読み取れなかったが、今わずかな悲しみと期待を感じ取る事が出来た。

 

「お前は……」

 

「さて!おしゃべりもここまでだ。そろそろ元の場所へ戻してあげるよ」

 

「待て!まだ話が……」

 

急に話を打ち切ろうとするゼレフに対して追いすがるツナだったがゼレフの次の言葉に目を見開く。

 

「残念だがもうその時間はないよ。フェアリーテイルはほぼ全滅したようだからね」

 

「何っ!?そんなバカな!!」

 

ツナには信じられなかった。確かにタルタロスは強いがこの短時間でラクサスやエルザ、マカロフまでもがやられるとは思えない……

 

「タルタロスの現在のリーダー、冥王マルド・ギールがアレグリアを発動した。冥界島そのものが巨大な悪魔なんだよ。フェアリーテイルのメンバーはその殆どがアレグリアに飲み込まれてしまった」

 

「みんなが……」

 

「さあ仲間の元へとお帰り……」

 

「!!」

 

ゼレフが手をかざすとツナの足下に魔方陣が現れて光に包まれたツナはそのままこの場からいなくなった。それを見送ったゼレフはツナが消えた場所を見つめながら呟いた。

 

「懐かしい炎だったよツナヨシ……君なら僕を止める事が出来るかもしれないと感じさせられた。けれど既に竜王祭の序章は始まっているんだ」

 

近づきつつある存在を感じ取ったゼレフはまるで友に語りかけるように言葉を紡いでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

変貌した冥界島……アレグリアによってフェアリーテイルの殆どのメンバーが捕らわれてしまった。冥界島そのものが巨大な悪魔……つまりフェアリーテイルは巨大な悪魔の腹の中にいたと同様だった。

 

ツナを除いてアレグリアから逃れたのは二人……その内の一人であるルーシィは窮地に陥っていた。ルーシィに対してタルタロスの兵達が執拗に攻撃を仕掛けて来たのだ。

 

何とかそれらを撃退するも時を置かずしてミケロ老師を狙って来た九鬼門のジャッカル、さらには九鬼門の一人で赤い鮫のような大柄な姿をしている晦冥のトラフザー、おまけにラミーまでもが現れて三対一の戦いを余儀なくされる……

 

ロキとバルゴを2体同時に呼び出して三対三に持ち込むが通路を川のように流れる水で自由に戦えないルーシィはアレグリアによって自分と後一人しか現況を打破できない事を知り、ある決断を下した。

 

「開け!宝瓶宮の扉!アクエリアス!!」

 

「3体同時開門!?」

 

「いけません!姫の体が持ちません!!」

 

「バカ野郎が……」

 

ロキとバルゴの制止も聞かずに3体目の星霊、アクエリアスを召喚して反撃する。水を操るこの戦場にうってつけのアクエリアスのお陰で窮地を脱したに見えたが、同じく水の戦場を得意とするトラフザーにアクエリアスは傷を負わされ、ジャッカルによってロキとバルゴも還された。

 

ジャッカルは魔力を使い果たして動けないルーシィを残虐な笑みで見る……

 

「アーハッハッ!無様やなぁ!!この前の借りは全部ワレに返してやるからなぁ!しっかり楽しませえよ!!」

 

「ねえねえジャッカルく~ん。コイツのこの無駄にデカイ乳をボーンってやっちゃってくれない?ムカつくんだよね~お願い~」

 

「ウザいんじゃボケ!!」

 

「へっ?」

 

倒れたルーシィの上体を起こしてその大きな胸を強調させてジャッカルに差し出したラミーだったがその媚びるような喋り方が気に障ったのかジャッカルによって爆散されてしまう。

 

「アンタ!仲間を……」

 

「どーでもいいっちゅうねん。さーて二人っきりで楽しもか。簡単に壊れるんやないでぇ……って何や!?」

 

ルーシィに迫るジャッカルだが触れる直前に濁流がジャッカルを押し流した。

 

「アクエリアス……」

 

「ルーシィ……奴らは強すぎる……こうなったら最後の手段を使うしかない」

 

トラフザーは下劣なジャッカルとラミーに愛想をつかしてこの場から去っていた。その為還される程のダメージではなかったアクエリアスがフリーになっていた。

 

だが傷を負っているアクエリアスではジャッカルを倒すのは不可能だった。その為にルーシィにある秘策を打ち明ける。

 

「ルーシィ!星霊王を召喚するんだ!星霊王の召喚は金の鍵を壊すことによって可能になる代償召喚術だ!私の鍵を壊せ!!」

 

「なっ!?何を言っているの!?そんな事出来るわけがないよ!!」

 

「それしか方法はない……それに全天88星を統べる星霊王を召喚すればその力で仲間達を救う事も出来るはずだ」

 

「嫌だよアクエリアス!もう2度と会えなくなっちゃうのよ!!」

 

泣きわめくルーシィを見てアクエリアスはまるで母のように優しく微笑む。

 

「聞き分けろルーシィ……それに私は元々お前の母親レイラの星霊だ。お前みたいなガキは大キライだからな。ちょうどいい機会だ」

 

「いや……嫌いでもいい……だってあたしは……大好きなの……」

 

「だからガキだっつてんだよ……そんなセリフはあの男にとっておけ……」

 

かつて一度星霊界で会った青年の顔を思い浮かべながらアクエリアスは苦笑する。全てを包み込むようなあの青年とルーシィの未来が見れないのは残念だが彼がいればルーシィも悲しみから立ち直れるとアクエリアスは確信していた。

 

「何をゴチャゴチャ言うとんのや!もう怒ったで!二人纏めて粉々にしたるわ!!」

 

「ルーシィ早く!!」

 

「死ねやぁっ!!……ぐはあっ!!」

 

「えっ……?」

 

「あっ……ああ……」

 

「遅れてすまない……誰も犠牲になんてさせない!」

 

水の流れに逆らって近寄って来ていたジャッカルを横から高速で殴り飛ばしたのはツナだった。

 

「ツナ!やっぱり無事だったのね!!」

 

-嬉しそうな顔しやがって……-

 

アクエリアスは呆れたように溜め息をつく……さっきまで泣いていたのにもう笑顔になっている。

 

「いったいわ~……けどワイに触ったな!出てきたばっかやけどオノレはもう終わりや!!ドカンと弾けろや!!」

 

ジャッカルは起き上がりながら乱入してきたツナを睨み付ける。そしてジャッカルの呪力を思い出したルーシィが叫ぶ。

 

「ツナ!ソイツに触った所は爆発するわ!」

 

「もう遅いわ!!早よドカンと弾けんかい!!」

 

ツナがジャッカルを殴った右手にその場の視線が集中するが……

 

「……は?何や!?何で何も起こらんのや!?」

 

「無駄だ。お前の呪力は俺の炎が調和して無力化した。俺には通用しない」

 

「何やとぉぉっ!?そ……そんなアホな……」

 

「凄いわツナ!!」

 

「くっ……なら直接体に触れて爆発させてやるからなぁ!!」

 

「その前に……頭上注意だ」

 

「何やと!?……ってのわあっ!!テ……テンペスター何やっとんねん!?」

 

テンペスターが真上から落ちてきてジャッカルはその下敷きになってしまった。さらに……

 

「雷竜方天戟!!」

 

「のわあっ!!」

 

「ヌッ……!!」

 

雷の槍がテンペスターを追ってジャッカル共々串刺しにしようと迫る。だが二人はもつれ合いながらも紙一重でその槍を躱した。

 

「無事だったかラクサス……」

 

「ようツナ……ルーシィも一緒か」

 

「ラクサス!?」

 

槍の後から降りてきた男はラクサスだった。3人は再会を喜ぶも目の前の敵に集中しなければならないと前を向く。

 

ラクサスがテンペスターと戦っていた場所はツナが冥界島に突入する時に放ったX BURNERによってかなり削られていた。その為、ラクサスはアレグリアから逃れることが出来たのだった。

 

「体は大丈夫なのか?」

 

「おかげさんでな……お前こそかなり消耗しているようだな」

 

「ちょっとね……まずいことにそろそろ炎が尽きそうだ……」

 

「なら前に夢魔を倒したあの技は使えねえよな……頼みがある。俺が追ってきたアイツは倒すと魔障粒子になっちまうから少しだけ時間を稼いでくれ。他の奴らも助けねえとな」

 

「じゃあアイツがあの街を……!!」

 

「どうやってみんなを助けるの?」

 

「今この島が悪魔になって全員を取り込んでる状態だ。みんなを傷つけずに悪魔だけを倒すしかない。ツナの炎が最適だが消耗しきってやがる……俺に任せろ」

 

「任せるしかないね。なら俺は絶対にここを通さない!」

 

全てを理解しているラクサスに苦笑するツナ……ルーシィはツナがそこまで消耗しているとは思わず驚愕していた。

 

「何があったの!ツナ!?」

 

「後で話すよ……とにかく今はアイツらを抑える!ラクサス頼むぞ!!」

 

ツナはテンペスターとジャッカルに向かって飛翔すると最後の炎を使って接近戦を仕掛ける。

 

-炎が悪魔に特効なら逆もあり得る……零地点突発・改はコイツらには使えない。炎を使いきってもラクサスの策に繋げる!!-

 

「ええ加減鬱陶しいわ!!」

 

「ヒュル……」

 

「ここは通さない!!」

 

ルーシィは既に魔力も残り少なくツナと違って九鬼門と格闘できる程の技術もない。己の無力さに唇を噛み締めるルーシィの肩に誰かの手が置かれる。振り向くと優しく微笑むアクエリアスがいた。

 

「3体同時開門をやってのけたお前なら使いこなせるはずだ。私の力を貸してやる」

 

「え?アクエリアス……これは!?アクエリアスの魔力が流れ込んでくる!?」

 

「星霊の力をその身に宿す……これが選ばれた星霊魔道士のみが纏うことのできるスタードレスだ」

 

ルーシィの服装が変わり、胸に宝瓶宮の紋章が現れる……アクエリアスの水の魔力をその身に纏ったスタードレス・アクエリアスフォームだ。

 

「すごい……」

 

「さあ自分の好きな男くらい自分で守ってやんな」

 

「うん!!」

 

アクエリアスはそのまま星霊界へと帰還していく。笑顔でそれを見送ったルーシィは前を見据える。自分の好きな人が2対1で戦っている。確かにいつもほど動きにキレがないし炎も弱々しい……普段のツナならば既に倒していてもおかしくない。ルーシィはツナの元へと駆け出した……

 

それを笑みを浮かべて見送っていたラクサスだったが気を引き締めて両手に魔力を集中させる。

 

-頼んだぜ二人とも……俺のこれはジジイと違って少しばかり時間がかかるからよ……-

 

魔障粒子によって傷つけられたラクサスは激痛に顔を歪めながらもさらに魔力を練りあげていくのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 




この話ではアクエリアスの鍵は壊してません。

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