妖精達と歩む大空   作:グリーン

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岩のドラゴンに勝手に名前を付けてしまいました。名前分からなかったので……


人類の反撃

-クロッカス

 

『ツナがドラゴンを一人倒したぞぉぉっ!!』

 

このナツの叫びはクロッカスの街中に響き、戦いの真っ只中にある魔導士達全員に伝わった……中でも驚いたのはドラゴンスレイヤー達。滅竜の魔法を持っている彼らでさえあまりダメージを与えられていない……

 

「へへっ!!やっぱりツナは強ぇな!!」

 

「アイツに差をつけられっぱなしじゃ癪に障るな!!」

 

「ギヒッ!俺も負けてらんねえぜ!!」

 

「マジかよツナヨシさん……すげぇ!!」

 

「ツナヨシ・サワダ……さすがだな」

 

「「「「「俺も続くぞ!!」」」」」

 

ウェンディを除いたドラゴンスレイヤーはツナの勝利に闘志を漲らせてそれぞれの敵へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんと!!ツナがやりおったのか!?」

 

「さすがはツナ!まさに大空を継ぐ者ですね!」

 

「まさかドラゴンまで倒すなんて……ツナ兄すげぇ!!」

 

「すげぇ奴だぜほんとによ……俺達も負けてらんねえな!!」

 

「ええ!グレイ様!!ツナさんに負けないよう私達もがんばりましょう!!」

 

「やはり漢の中の漢だ!!」

 

「私達も負けてはいられんぞ!!フェアリーテイル!!ツナに続くのだ!!」

 

「「「「「「おう!!!」」」」」」

 

小型竜を無数の剣で串刺しにしながら号令するエルザに続いてフェアリーテイルのメンバー達は小型竜の群れに突っ込んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

「なんと!ツナヨシ殿が!!」

 

「倒したというのか!ドラゴンを!!」

 

「なんという男だ……」

 

「ニャ~!ツナすご~い!」

 

「ほんとにすごいね~」

 

「なんという強さ……まさに真のイケメン!」

 

「さすがだね……僕達も負けてはいられない!」

 

「ツナ君は強いけど私達にもやれることがあるわ!」

 

ラミアスケイル、マーメイドヒール、ブルーペガサス連合もツナの勝利が戦意を高揚させていた。

 

「皆の者!!ツナヨシ殿が証明してくれた!!人はドラゴンを倒す事が出来ると!!」

 

「彼のようには出来ないかもしれん!!しかし力を合わせれば必ず勝利への道が開かれる!!」

 

「今こそ全ての力を合わせる時!!恐れを捨てて共に戦おうではないか!!」

 

「「「「「「おう!!!」」」」」」

 

各ギルドのリーダーの声にメンバー達は岩の竜に対してこれまで以上の猛攻を加え始めた……

 

他の場所でもツナの勝利が魔導士達に勇気と闘志を与え、押されていた戦況は盛り返し始めた。

 

 

 

 

 

 

「ナッツお疲れ様。しばらく休んでていいよ」

 

「ガルル……」

 

地上に戻って形態変化(カンビオ・フォルマ)を解除したツナは自身の周りをフラフラと飛んでいたナッツを労うとボックスに戻した。

 

ふとジルコニスを見るとピクリとも動かないが一応生きてはいるようだ。これなら意識が戻っても何も出来ないだろう……

 

「ふう……」

 

「ツナ!やったわね!」

 

「ありがとう。みんなのおかげだよ」

 

「すごい一撃でした!」

 

「残りは後6頭ね……みんな無事だといいけど」

 

「ナツがみんなに知らせてたからね~みんな気合入ってるんじゃない?」

 

「魔導士はみんな血の気が多そうだしね」

 

「次はどう行動するのだ?」

 

リリーの問いに次の行動を思案していたツナにヒスイ姫とアルカディオス、ユキノが近寄って来た。

 

「ツナヨシ様……フェアリーテイルの皆様……」

 

「見事な戦いだった」

 

「お疲れ様です。皆様力になれず申し訳ありません」

 

「ヒスイ姫……まだ避難なさっていなかったのですか?」

 

「我々も進言したのだがな……」

 

「私のせいでっ……このような事態になったというのに避難など出来ません!……ですが私には何も……出来なくて……あなた達に頼ることしか……」

 

泣きながら顔を伏せるヒスイ姫に一同は気遣わしげな目を向けるが慰めの言葉が出てこない……その中でツナは優しげに微笑みながら声をかける。

 

「何も出来ないなんてそんなことありませんよ。あなたはここにいるということをしてるじゃないですか」

 

「えっ……」

 

「この状況であなたが避難せずにここにいる……安全面から考えると悪手としか言えませんが……戦う兵士達はあなたのその姿に勇気付けられている……」

 

「ですが……私は……」

 

「……今のあなたは何を言っても避難しないでしょう。ならばあなたがやらなければいけないことはその涙を拭いて顔をあげる事です」

 

「ツナヨシ様……」

 

「あなたは毅然とした態度で堂々と兵士達の後ろで立っていて下さい……それが兵士達の力になる。それが今あなたがやる事……やらなければならない事です」

 

「……分かりました。それが今私のやるべき事……ドラゴンの事はお任せしてもよろしいですか?」

 

「勿論です。ね?みんな」

 

「そうよ!あたし達はフェアリーテイルなんだから!」

 

「こんな事慣れっこです!!」

 

「確かにいつものことね……」

 

「アイ!」

 

「やれやれね……」

 

「ま、仕方あるまい」

 

ツナに賛同するフェアリーテイルメンバー達……ヒスイ姫やユキノはそれを眩しいものを見るような瞳と笑顔で見つめていた……

 

「さあ!まだ終わってない!ここからは別れて動こう!まずルーシィとハッピーはナツの援護に!但し下手に手は出さない事!危ない時に助けてあげて」

 

「分かったわ!」

 

「任せて~!!」

 

「次にミラはフェアリーテイルの元へ!俺達の現況を伝えて小型竜の殲滅を手伝ってあげて!」

 

「任せてちょうだい!!」

 

「リリー!戦闘モードになれる?」

 

「少し休めばな」

 

「ならリリーはここで姫を守って!ここにもそろそろ小型竜が来そうだからね!ユキノにも手伝って欲しいけど……」

 

「ウム。心得た」

 

「お……お任せ下さい!」

 

「そしてウェンディとシャルルは俺と一緒に岩のドラゴンの元へ行ってくれるかい?危険だけどドラゴンスレイヤーがいなくて苦労してるだろうからね」

 

「大丈夫です!ツナさんが一緒ですから!」

 

「やれやれ……仕方ないわね」

 

「それじゃあみんな……行くぞ!!」

 

フェアリーテイルのメンバーは再びハイパーモードになったツナに続いてそれぞれの戦場へと向かって動き出した……

 

「フェアリーテイル……」

 

「彼らならばこの危機を何とかしてくれるでしょう……」

 

「本当に凄いギルドですね……」

 

「いつも騒がしいがな」

 

「そうなんですか?でも楽しそうなギルドですね。……では我々は我々に出来る事を!」

 

「了解しました。姫!」

 

 

 

 

 

 

 

「ホワイトファング!!」

 

「アイスメイク……白竜(スノードラゴン)!押さえ込め!」

 

イヴの雪魔法とリオンの造形魔法が岩石の竜の足を凍らせて押さえつけた。

 

「今です!ジュラさん!!」

 

「ゆくぞ!鳴動富嶽!!」

 

ジュラの最強の魔法が岩のドラゴンに炸裂するがMPFで8000超の数値を叩き出した魔法でさえもドラゴンに多少の煩わしさを与えるだけで傷一つつけられない。

 

「無駄なことを……我が名は岩窟王!我が岩鉄の体はドラゴンの中でも最も硬い部類に入るのだ!」

 

「くっ……弱点はないのか!?」

 

ヒビキはアーカイブの魔法を使用しながら岩窟王のデータを集めているがこれといったものが見つからない。

 

「硬い分動きは鈍い!不倶戴天・剛の型!!」

 

「この身が砕かれるまで攻撃を加えるのみ!!力の香り(パルファム)!メェェェン!!」

 

「鬱陶しいわ!!」

 

「くうっ!!」

 

「メェェェン!?」

 

「キトゥンブラスト!!」

 

「ニンジンミサイル!!」

 

「エアリアルフォーゼ!!」

 

「天神の怒号!!」

 

「いい加減にしろ!!」

 

「「「「うわぁっ!!」」」」

 

「怪我人は一旦下がるのだ!」

 

「まだまだ!!」

 

「イケメンとして後方には下がれませんな!」

 

「私だってまだまだ元気だよ!!」

 

ジュラが怪我を負った者は下がるように指示を出すも誰一人として下がろうとしない。全員が巨大な敵を相手に燃えるような瞳で挑んでいた。

 

「いつまで無駄なことを続ける気だ!?」

 

「無論!勝つまでだ!!」

 

「カグラの言う通りだ!俺達は負けんぞ!!」

 

「絶対諦めないんだから!!」

 

「人間風情が調子に乗るなよ!!」

 

「ドラゴンだからって威張んなよ!一匹やられてんじゃねえかよ!!」

 

「キレんなよ」

 

「フン!我はジルコニスとは違う!人間如きに傷一つ付けられんわ!!」

 

「……いいや同じだな」

 

「なっ!!」

 

岩窟王は自分の背中に何かが降ってきたのを感じ、聞こえた声の主が背中の上に立っていることに気付いた。

 

「おおっ!!ツナヨシ殿!!」

 

「人間を見下している。だからこそ隙も多い……零地点突破・初代エディション」

 

「ぬおおおおっ!!」

 

空中から岩窟王の背中に着地したツナはすかさず手を付いて零地点突破・初代エディションを発動する。瞬く間に氷が広がってそこにはドラゴンを封じた氷山が作られた。ツナは連合チームの元へと向かう……

 

「ニャ~!!ツナやった~!!」

 

「怪我をしてる人は少し下がれ!今の内に態勢を立て直すんだ!!」

 

「助力かたじけない……我らでは傷一つ付ける事すら叶わなかった……」

 

「まだ終わってはいない!俺の氷は俺の炎でしか溶けないはずだがきっと壊して出て来る!」

 

「だが見事な氷だ……師匠ウル以上かもしれん……」

 

「ツナさ~ん!シェリア~!!」

 

「あ、ウェンディ!!」

 

「あんた速すぎるわよ!!」

 

「ドラゴンスレイヤーの少女も来たか……ツナヨシ…と呼ばせてもらう。これからどう戦う?相手の体が固すぎて攻撃が通らない」

 

「城の方にいた竜を倒した技はしばらく使えない……協力してくれ。策はある」

 

「無論ですツナヨシ殿」

 

「イケメンによる共闘というわけですな」

 

話している内に岩窟王は顔の部分の氷を無理矢理砕いてツナに怒りの言葉を浴びせる。

 

「やはりドラゴンの力は凄まじいな。零地点突破の氷を砕くなんて……」

 

「やってくれたな!ジルコニスを倒した者よ!だが我まで倒せると思っているなら大間違いだ!」

 

「動けない癖によく言うな……」

 

「フン!こんな氷などすぐに粉々に砕いてくれる!グヌヌヌヌ……」

 

氷がミシミシと音をたてているのを聞いてツナは氷が砕かれる前に行動を起こす。

 

「カグラは今から俺が攻撃を加えるからその直後に全力の一撃を叩き込んでくれ!」

 

「だが……私の力では……」

 

「今度は大丈夫だ。俺を信じてくれ……ウェンディとシェリアは魔力を溜めてカグラの攻撃後にその場所に向かって奥義を放ってくれ」

 

「分かりました!」

 

「よーし!やるぞー!!」

 

ウェンディとシェリアは二人揃って空気を食べて魔力を溜め始めた

 

「他のみんなの出番はその後だ」

 

そう言うとツナは両手の炎を激しく燃やして凍っている岩窟王を見据える。そして超スピードで岩窟王の周りを飛び始めた。

 

「超高熱!Xストリーム!!」

 

「む!」

 

いつもよりも炎の温度を高めることに特化させたXストリームは岩窟王を封じていた氷をみるみる溶かしていく。

 

「わざわざ溶かしてくれるとはな!」

 

「織り込み済みだ!カグラ!!」

 

「承知!!我が全霊の一撃を受けよ!!」

 

炎が消えると同時にカグラが自身に最大の重力をかけて空中からものすごい勢いで斬りかかった。今まで傷一つ付けられていない為に岩窟王はそれを鼻で嘲笑っている……鼻はないが。

 

「はあぁぁぁっ!!!」

 

「何ぃぃっ!!」

 

カグラの全力を込めた一撃は今までと違い岩窟王の硬い表皮を斬り裂いた。岩窟王よりもカグラ自身が一番驚いた顔をしている。

 

「ウェンディ、シェリア!狙うんだ!!」

 

「はい!滅竜奥義……照破!天空穿!!」

 

「任せて!滅神奥義……天の叢雲(アマノムラクモ)!!」

 

二人の奥義が融合して黒と白の混じった風が回転しながらまっすぐにカグラがつけた傷口へと向かう。

 

「ぐがあぁぁぁっ!!」

 

回転した風がまるで削岩機のように傷口を抉り、岩窟王の絶叫が響きわたる……初めてまともにダメージを与えた為にギルドメンバー達から喝采があがる。

 

「しかし何故私の一撃が通用したのだ?」

 

「そうか!温度差で表皮を脆くしたのか!!」

 

カグラが疑問に思っていると岩窟王の状態を調べていたヒビキが答えを導きだした。

 

「なるほど!冷えた湯飲みに煮えたぎった湯を入れると割れるのと同じ原理か!!」

 

「だがそんな作戦を瞬時に思い付くとは……」

 

「頭も切れるようだな……」

 

「攻撃はあの傷口を中心に狙っていこう!硬い表皮でガードしていたならその内側は脆いはずだ!」

 

ジュラもカグラもリオンもツナの作戦に感心していた。ウェンディとシェリアの攻撃で傷口は広がり岩石の表皮にポッカリと穴が空いていた。

 

「さあ!反撃開始だ!!」

 

ツナの声にその場にいたメンバー全てが自身の出せる最大の声で応えたのだった……

 

 

 

 

 

 




子供の頃実験して湯飲みを割って怒られた事があったなあ……

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