妖精達と歩む大空   作:グリーン

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仕事が始まりました……休みが多いとキツいですね……


限界突破!!

 

 

-フェアリーテイル応援席

 

『グレイVS.ルーファス、ラクサスVS.ジュラ!どちらも目が離せないぞー!!』

 

「これも計算通りなのか!?初代」

 

「はい」

 

ロメオの質問に是と答えるメイビスだが必勝の組合せかと思いきや勝敗は分からないという。カナが疑問を口にする。

 

「てかジュラにはツナを当てた方がいいんじゃないの?一日目に勝ってるし……」

 

「私もそのつもりでしたが……ラクサスからのたっての願いでしたから」

 

「何と!!」

 

「ルーファスと戦うのもグレイの希望です。グレイにとってあまり相性は良くないのですが……」

 

「グレイ様なら絶対に勝てます!」

 

「勝たねばなりません。セイバートゥースを攻略するにはルーファスの打倒が鍵になります」

 

メイビスは昨日の作戦会議を思い出す……

 

 

 

 

 

-試合前日 作戦会議

 

初代によるとセイバートゥースの打倒にはルーファスを先に倒すことが必須であるらしい。ガジルが確認を取る。

 

「ルーファスって奴が俺達の位置を特定してるってことか?」

 

「その通りです」

 

「まずはルーファスを倒すのが良さそうだな」

 

エルザの提案にグレイが立ち上がる。

 

「ソイツは俺に任せてくれ。いいだろ初代?」

 

「……あなたの造形魔法は彼にとって相性は最悪といってもいいと思います。勝てる可能性はとても……」

 

「そんなのどうでもいい!ルーシィを助ける!やられた借りは返す!今ここで戦わなかったら何の為にナツと交代したのか分かんねぇ!フェアリーテイルの魔導士として同じ奴には負けねえ!!」

 

グレイの想いを感じ取ったメイビスはその想いの力に賭けることにした。その後も作戦会議は続く……

 

「最も気を付けるのはセイバーのミネルバ、マーメイドのカグラ、ラミアのジュラの3人です。中でもやはりジュラは1ランク上でしょう」

 

「ではやはりジュラにはツナを?」

 

「ええ……お願い出来ますか?」

 

「いや……ジュラのおっさんとは俺がやる」

 

今まで黙って会議の決定に従っていたラクサスが初めて異を唱えた。ツナもラクサスの提案に驚いていた。

 

「ラクサス……」

 

「ツナが勝った相手だ。本来ならツナが当たるのが最善と分かっちゃいるがな」

 

「その通りです。あの者は生半可な相手ではありませんよ……何故ジュラと?」

 

「俺はいつか絶対にツナに追いついてみせる……そのためにまずはツナが勝った聖十の称号を持つジュラを倒さなきゃならねえ」

 

「ジュラさんは強いよラクサス」

 

「分かってる……ジジイと同じ聖十だからな」

 

「この3ヶ月でどれだけ強くなったか見せてもらうよ」

 

ツナとラクサスのやり取りをメイビスは懐かしく思っていた。いつも無茶をするユーリを毎回諫めながらもフォローしていたのはジョットだった。

 

-血は争えないということでしょうか…そういえばユーリもいつかジョットより強くなると言っていましたね-

 

「分かりました。ラクサス頼みましたよ」

 

「ああ!」

 

 

 

 

 

-フェアリーテイル応援席

 

「時に想いは計算を超える……見せてくださいあなた方の想いを……」

 

メイビスの言葉に応援席にいる者達が二組の戦いに目を向ける。勝利を信じて……

 

 

 

 

 

-バトルフィールド

 

「行くぞ!仮面野郎!アイスメイク…氷創騎兵(フリーズランサー)!!」

 

グレイの先制攻撃がルーファスに襲いかかる。無数の氷の矢がルーファスの座っていた椅子や床を破壊するがルーファスは軽やかに身を躱す。

 

「記憶」

 

「まだまだ……氷撃の鎚(アイスインパクト)!!」

 

「記憶」

 

追撃に放った巨大なハンマーも躱すルーファス。グレイの魔法を見るたびに「記憶」と呟いているのをグレイも聞き咎める。

 

「何をブツブツ言ってやがる?」

 

「君の魔法を記憶していたのだよ。私は見たことのある魔法を記憶してそれを元に新たな魔法を造形できるのだ」

 

「何だそりゃ?」

 

「君の記憶“氷”の魔法…オルガの記憶“雷”の魔法…覚えている。メモリーメイク…凍エル黒雷ノ剣!!」

 

「がはっ!」

 

いくつもの黒い雷がグレイの周りに落ちる……それだけでなく雷が落ちた場所に氷が発生してグレイは二重にダメージを受けてしまう。

 

「荒ブル風牙ノ社!!」

 

「くっ……アイスメイク…(シールド)!!」

 

(シールド)…記憶…忘却!」

 

「何ぃ!!」

 

複数の竜巻がグレイを囲むように出現するとグレイが造形で盾を作り出した……がルーファスは記憶するだけでなく忘れさせることもできるらしい。盾の作り方を忘れさせられたグレイは直撃を喰らってしまう。

 

次々と属性の異なる魔法を作り出すルーファスの猛攻になすすべなくグレイは一方的にダメージを受け続ける。

 

「やはり分からないね。何故ナツ・ドラグニルの代わりに君が出てきたのか……」

 

「何だと!?」

 

「セイバートゥースの双竜をたった一人で撃破したナツ・ドラグニルは実に興味深かった……彼をじっくりと記憶したかったのだがね」

 

「……」

 

「ナツ・ドラグニルにそれと同等の力を持つガジル・レッドフォックス、妖精女王(ティターニア)のエルザ・スカーレット、レイヴンを一人で全滅させたラクサス・ドレアー、そして何よりツナヨシ・サワダ……フェアリーテイルには記憶するに値する者が多い……」

 

「……」

 

「にも関わらずどうやら私の相手はハズレのようだ……ガッカリだよ」

 

「いいてぇことはそれだけか?」

 

「そうだね。最早記憶するに値しない……早々に決着をつけるとしよう」

 

「記憶できねぇの間違いだろ?このフェアリーテイルの紋章を刻んでるからには同じ相手に2度は負けねぇ!!」

 

グレイは着ていた上着を脱ぎ捨て自身の胸に刻まれた紋章を指差す。……ちなみにグレイが脱ぐとフェアリーテイル応援席のジュビアがトリップしていた。

 

「行くぜ!アイスメイク……」

 

「記憶」

 

限界突破(アンリミテッド)!!」

 

「何……これは!?」

 

グレイが次々と剣や槍を作り出した。そしてその武器の形状は少しずつ違った物を作っている。同じものではないのでルーファスも一つずつ記憶していくしかない。

 

「バカな……記憶が追いつかない!!」

 

「どうだい?覚えたかい?」

 

無数の武器を造形したグレイはそれをルーファスに向かって放った。

 

「一斉乱舞!!」

 

ひとかたまりになっていた武器が舞い踊り一斉にルーファスに向かって飛翔する。ルーファスも避けきれずに傷と共に体温が奪われて氷づけになっていく……

 

「くっ……見事……だが!氷属性だけなのが惜しい!……この氷を溶かす炎を覚えている…メモリーメイク…燃ユル大地ノ業!!」

 

辺り一面に炎が出現してグレイの氷を全て溶かしてしまう。ルーファスはヒヤッとしながらも勝利を確信するが……次に見たのは炎の壁を突破して自身に迫る黒い影……

 

「なっ!?」

 

「俺はもっと熱い炎を覚えている……」

 

グレイの両手にそれぞれ剣が造形されてゆく……グレイは一気に間合いへと飛び込む。

 

氷魔剣(アイスブリンガー)!!!」

 

「ガハッ!!」

 

すれ違いざまにグレイはルーファスの胸を十字に切り裂いた。切り裂いた場所に氷の華が咲く……そのままルーファスは仰向けに倒れた。

 

『グレイだぁ~!!ルーファス敗れる!!フェアリーテイル大逆転だぁ~!!』

 

「記憶しとけよグレイ・フルバスターの名前を……」

 

ルーファスが被っていた帽子をキャッチして自分で被りながらそう口にした。会場を揺るがす大歓声がグレイを祝福する。

 

フェアリーテイル→51pt

 

 

 

 

一方その頃ラクサスはジュラと様子見を続けていたがグレイの戦いに決着がついたのを確認するとジュラが笑みを浮かべる。

 

「やはりフェアリーテイルは面白いな……」

 

「グレイはやっぱり勝ちやがったか」

 

「ほう……仲間の勝利を信じていたと?」

 

「ナツもグレイも…フェアリーテイルで育った奴等は諦めるってことを知らねぇからな」

 

「では……気にしていた事も片付いたことであろうしそろそろお互い本気になるとしようか?」

 

「望むところだ……」

 

二人の間を凄まじい闘気が立ち上る……先に動いたのはラクサスだ。雷を纏って高速で突っ込むがジュラは揺るがない……凄まじい魔力を込めた手刀をラクサスに叩きつけた。地面がひび割れる程の手刀を喰らったラクサスは地に沈む。

 

「世の中上には上がおる」

 

『な…何と一撃でラクサスを沈めた~!!やはり聖十のジュラ!強い!!』

 

「それは良く知ってる……だがたまには下も見るもんだ……ソイツはすぐ足下にいるかもしれねぇ!!」

 

起き上がりながらもジュラの顎に雷を纏いながらアッパーカットを食らわせる。ジュラは大きく仰け反りながらも反撃する。

 

「ぬんっ!」

 

ジュラが気合いと共に腕を振るうと地面がまるで生き物のように隆起してラクサスに襲いかかる。

 

「ちっ!」

 

空中に打ち上げられながらも高速で動き回り隆起した地面を躱すラクサスは右手に雷を集めてそれを放った。

 

「雷竜方天戟!!」

 

「崖錘!!」

 

雷の槍を岩の壁でガードするジュラに高速で動き回りながら接近するラクサスだがジュラも魔力を漲らせて格闘戦に持ち込む。互いの肉体を使って繰り出す攻撃を受けては返し観客達は息をつく暇もない。

 

やがてラクサスが雷を集めた拳を地面に叩きつけることで間合いをとった。

 

「ふう……これはたまげたわい……」

 

「はぁ…はぁ……こういう時は何て言うんだっけな……ナツ……」

 

息を整えながらいつも格上の相手に向かっていくナツを思い出すラクサス。

 

「そうだった……燃えてきたぜ!!」

 

「来い!どちらかが果てるまで戦おうぞ!!」

 

 

 

 

-フェアリーテイル応援席

 

「いっけーラクサス!!」

 

「ラクサスその調子だ!!」

 

「ラクサスならジュラも超えられるわ!!」

 

雷神衆が一際大きな声を出してラクサスを応援する。マカロフは自分の孫がここまで強くなっていたことに驚きを隠せない……

 

「育ってますね……次の世代を担う若者達が……」

 

メイビスは嬉しそうに語る……マカロフが照れて視線を反らした先にいたリサーナが浮かない顔をしているのに気づいて声をかける。

 

「リサーナ……どうしたのじゃ?」

 

「まだ合図がないから……」

 

ナツ達はルーシィを助け出したら合図を送る手筈になっている。それがないということは……

 

「こうまで遅いということは何かあったのかもしれませんね」

 

「確かに……トラブルがあったのやも知れんな……」

 

「でも!ナツもミラ姉もウェンディ達も絶対に大丈夫!きっとルーシィを助けてくれるから!」

 

心配だろうに無理して笑顔を浮かべるリサーナ……

 

「そうじゃな……ワシらが信じてやらなければな……」

 

マカロフは城の方を見ながらも彼にとっての子供達が無事であるように願う。

 

一方そのナツ達には新たなる危機が迫っていた……

 

 

 

 




ラクサスのバトルも気になるとは思いますが……場面は城の方へと移り変わります。

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