妖精達と歩む大空   作:グリーン

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天狼島編終了!やっとギルドへ…


新たな力

―天狼島

 

気絶から目覚めたナツ達に襲い掛かられるという一幕もあったが、エルザが4人を沈めたことにより事無きを得た。ツナはエルザのその姿を見て某風紀委員長を思い出していた。現在はメイビスについてみんなで歩いている。

 

「しっかし、ツナ強いよな~。ギルドに着いたらまた勝負してくれよ!」

 

「それはかまわないけど…怪我が治ってからにしたほうがいいんじゃない?」

 

「こんなのすぐ治るさ!俺の炎とツナの炎どっちが強いか勝負しようぜ…ってか腹減ったからツナの炎食わせてくれよ!」

 

「えっ?炎を…食わせる?」

 

ツナの頭は混乱していた。ハッピーとルーシィが教えてくれる。

 

「ナツは火の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)だからね。火を食べて自分のエネルギーにしちゃうんだ。」

 

「ここに滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)は4人いてね、ウェンディが空気、ガジルが鉄、ラクサスが雷を食べることができるの。ラクサス以外はドラゴンに教わったらしいけど…」

 

「いろいろ突っ込みどころ満載だけど…とりあえずハイ。」

 

ツナは指輪に炎を灯しナツへと向ける。

 

「これこれ!最初見たときから食ってみたかったんだ。では早速…うめぇ!めちゃくちゃうめぇぞこの炎!!今まで食った中で一番うまい!すげぇぞツナ!」

 

「ええと…どういたしまして?」

 

「はは…」

 

ナツのテンションにツナもルーシィも苦笑いだ。

 

「いいな~ナツ…オイラも魚食べたいよ…」

 

それを聞いたツナは、指輪に炎を灯し、保存用のボックスを開くために炎を注入する。周りの面々は怪訝な表情でツナを見つめる。すると、ボックスの中から串に刺さった焼きたてと思われる魚が出てきた。それをハッピーに渡す。

 

「魚!!焼きたて!?なんで??」

 

これにはみんなもびっくりで口々に説明を求める。保存ボックスは死ぬ気の炎の力で入れたときの状態のまま保存することが可能だ。このように焼きたての魚なども簡単に保存できる。みんな驚きながら色々と質問をして道中を過ごした。…余談だが他の食べ物は何を入れているか答えるとき、イタリア産のスイーツとワインが入っていることを知ったエルザとカナがものすごく反応していた。結局帰りの船までお預けとなったが、二人は絶対逃がさない!とばかりに肉食獣のような目をツナに向けるのだった…

 

 

 

 

 

「ここです…あなたなら開くことができるはずです。」

 

初代に連れられてやって来たのは、ツナは知る由もないがS級魔導士試験においてBルートと呼ばれたところだった。お墓が一つあり、その奥の台座にはボンゴレの紋章が描かれていた。その台座には炎を注入するための穴があり何かを保護しているのはツナにとっては明白だった。早速炎を注入すると、台座が崩れ中から宝箱が出てきた。箱の中にはきれいな装飾が施されたリングとフェアリーテイルの紋章が入ったボックスが一つずつ入っていた。

 

「それはジョットが愛用していた妖精の指輪(フェアリーリング)です。箱のほうはよく分かりませんがよくジョットが研究していたのを覚えています。あなたが使っているのと同じようなものと推測しますが…」

 

―すごいな…このフェアリーリングは明らかにAランクオーバー。ボンゴレギアよりもすごいリングだ。このリングならナッツも形態変化(カンビオ・フォルマ)できそうだな。こっちのボックスは…ジッリョネロファミリーのガンマが持っていたようなアップデートボックスだな。ナッツをパワーアップさせることが出来るのかな?後で試してみよう。しかしプリーモの時代ってゆうかこの世界にもボックスってあったのかな?できた理由が偶然って雲雀さんが言ってたからありえない話じゃないかも…―

 

「ありがとうございます。メイビスさん。」

 

「いいえ、ジョットが残したものをあなたに渡すのは当たり前です。もう一つジョットが残した言葉があります。《全てを支配しつつ全てを包み込む大空の調和の炎、その行き着く先は(アルコバレーノ)の炎》意味は分かりますね?」

 

「意味は分かりますが、可能かどうかは分かりません。」

 

ツナは大空の7属性全てを使えるわけではないのでそう答えた。

 

「きっと出来ます。そのフェアリーリングがその力になってくれるのを願います。…さあ長々と申し訳ありません。捜索組の皆も待ちくたびれているでしょう。あなた達の家…ギルドにお帰りなさい。」

 

「はい…初代、ガキどもの命を救ってくださったこと誠に感謝いたします。ではギルドに戻るぞい。」

 

「よっしゃあ!!あ、ツナ後でまた炎くれよ。」

 

「あい!魚も!」

 

「ちょっと!さっきもらったばっかりじゃない!二人とも我慢しなさい!」

 

「そうだぞ!あまりツナに負担をかけるな…ところでスイーツとはケーキなのか?」

 

「エルザさん…でも気になりますね。どんなものなんでしょうか?」

 

「ウェンディ…あんたまで…」

 

「ははっセミフレッドっていってアイスとケーキを合わせたようなものだよ。自作だからあんまり自信ないけど。」

 

「うわぁ!ミラ姉おいしそうだよ!」

 

「そうね。待ってツナ自分で作れるの!?」

 

(おとこ)の料理!?」

 

「うん…家庭教師がスパルタでね。自分のコーヒータイムのためにうまいコーヒーの淹れ方からスイーツの作り方まで覚えさせられたんだ。強制的に…」

 

「鉄はねえのか?」

 

「雷は?」

 

「あるわけないじゃないですか…雷なら雷の炎というものがありますけど俺は使えませんしね。」

 

「チッ!」

 

「舌打ち!…ってカナさん!何で抱きついてくるんですか!?」

 

「だってぇ、しばらく禁酒してたし…早くおいしいお酒が飲みたいんだもん。」

 

「分かりました!分かりましたから離れてください。何か殺気が…」

 

「カナにつく悪い虫は粉々に…」

 

「落ち着けギルダーツ!」

 

「なあ炎くれよ~。」

 

「うるせえよ、クソ炎。」

 

「何だと変態野郎!」

 

「どこが変態だ!」

 

「グレイ様服~!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「行ってしまいましたか…ふふっ、にぎやかなギルドですね。懐かしい顔を見たからかしら、昔を思い出します。ツナ、この先の戦いあなたの力が勝利の鍵です。」

 

メイビスはやがて来るであろう戦いを思いながら、悲しそうな笑みを浮かべる。大空と妖精達の未来をいつまでも案じていた…




大魔闘演舞編の前に数話日常のオリジナルを入れます。

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