妖精達と歩む大空   作:グリーン

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あけましておめでとうございます。
新年初投稿です。


妖精達の快進撃

 

 

-フェアリーテイル応援席

 

『フェアリーテイルが動いたー!!』

 

最終日始まってから動いていなかったフェアリーテイルが動き出したことにより観客の大歓声が響く。

 

「各自散開!次の目的地へ!」

 

フィールドで戦うメンバーには聞こえていないだろうがメイビスがいきなり指示を出したことにマカロフを始め応援席のメンバーは呆然とメイビスを見る。

 

「この時点で97%の確率でルーファスが動きます」

 

バトルフィールドではルーファスがメイビスの言う通り一日目の競技で使った記憶造形・星降ル夜二を使ってフェアリーテイルの5人を攻撃する。

 

……だがラクサス以外の四人はそれを楽々と避け、ラクサスは雷属性の魔法なので無傷で受け止めた。その後のルーファスの行動すら予想しているメイビス。

 

その瞳はいつもの天真爛漫としたものではなく冷静に戦局を見極める指揮官のようだった……

 

 

 

 

 

-バトルフィールド

 

〈エルザはこの時点で北西に進むことによって敵と接触……撃破!〉

 

「初代の言った通りか……恐ろしい御方だ」

 

「エルザー!?」

 

エルザが天馬のジェニーと接触して木刀を換装して一撃で撃破する。

 

フェアリーテイル→46pt

 

 

初代に言われた場所で立ち止まったラクサスは来るであろう敵を待ち構える。そこに来たのは……天馬のトライメンズ。

 

「やばい!ラクサスだ!」

 

「ちっ!ヒビキ、イヴ!バラバラに逃げろ!俺が食い止める……別にお前らの為じゃないからな!」

 

「ゴメン!レン!」

 

〈ツンデレのレンなら悪態をつきながら残りの二人を逃がすでしょう。ラクサスはレンを確実に倒して下さい〉

 

「どこまで読んでるんだ?初代は……」

 

「ぎゃああああ!!」

 

ラクサスはメイビスの作戦に感嘆しながらも雷を落としてレンを即座に戦闘不能にする。

 

フェアリーテイル→47pt

 

 

 

〈ラクサスの雷を確認したらガジルはBの17へ、グレイは噴水エリアで待機!〉

 

「ここは通行止めだ!鉄竜の咆哮!」

 

「うわぁぁぁっ!!」

 

ガジルが待ち構えてる場所へとやってきたイヴを瞬殺する。さらに噴水広場にやって来たヒビキをグレイが待ち構えていた。

 

「フェアリーテイルには僕のアーカイブの計算を超える者がいるのか!?」

 

「そーいうこった!」

 

グレイがヒビキを氷付けにする事によってさらにフェアリーテイルに得点が入る。

 

フェアリーテイル→49pt

 

 

 

『ここでフェアリーテイルが再びトップに並んだ!!やはり強い!!』

 

フェアリーテイルの活躍に観客達もヒートアップして大歓声が巻き起こる。

 

 

 

 

 

-フェアリーテイル応援席

 

「やったー!!」

 

「初代の作戦が全部的中してる!」

 

「思い出したぞ。初代の異名……その天才的な戦略眼で数々の戦に勝利をもたらした……妖精軍師メイビス」

 

マカロフが畏怖を込めた視線でメイビスの二つ名を口にする。フェアリーテイルの応援メンバーはメイビスがただの癒し系じゃないことに驚愕していた。

 

 

 

 

 

-バトルフィールド

 

「一夜さん……申し訳ありません……」

 

「ウム……後は私に……」

 

グレイに氷漬けにされながらも一夜へと念話を送るヒビキ。それを受けた一夜の背後にジュラが迫るが……

 

「影竜の咆哮!!」

 

「むっ!」

 

「メエエエエン!?」

 

いきなり影から姿を現したローグの咆哮は一夜を直撃してそのままジュラにも迫る……がジュラは微動だにせずに受け止めた。ジュラがローグに攻撃しようとする頃には再び影となって離脱していた……

 

 

 

 

-実況席

 

『おおっと!ローグがブルーペガサスのリーダーの一夜を仕留めた!』

 

『これでセイバートゥースは54ptだね』

 

『やっぱりセイバートゥース強いカボ!!』

 

『そうこうしてる内にいつのまにかラミアスケイルのリオンがマーメイドヒールのリズリーを撃破!44ptに!』

 

『これでブルーペガサスとクワトロパピーは全滅したから優勝は四チームに絞られたね』

 

『ややっ!ツナヨシと相対しているのは……』

 

 

 

 

 

-バトルフィールド

 

ツナは一人の敵と向かい合っていた。メイビスの予想通りだがツナにとっては戦いにくい相手だ。

 

「やはり君が来たか……」

 

「ウェンディの愛する人……あなたはすごく強いけど愛の為に負けない!」

 

『シェリアたんだー!ラミアスケイルのシェリアたんがフェアリーテイルのツナヨシの前に立ち塞がったー!!』

 

 

 

 

 

-試合前日 作戦会議

 

「基本的にツナには指示を出しません。スタートさえ合わせてもらえば戦場のどこに行こうと自由です」

 

メイビスの言葉にツナだけでなく他のメンバーも驚く。

 

「……かつて私がフェアリーテイルのマスターだった頃ジョットも同じようにフリーで動かしていました。超直感を持つジョットには作戦という枠でくくるよりもその閃きに期待していたのです」

 

「じゃあ俺の相手は分からないんですか?」

 

「最初は恐らくシェリアが来るでしょう……ツナの足止めとして彼女以上の適任はいないですから」

 

「やりにくいなあ……」

 

「ですが彼女と戦う時はなるべく早く片付けないといけません……彼女とジュラやリオンが合流すれば厄介です」

 

 

 

 

 

-バトルフィールド

 

-確かにジュラさんが何度も復活して向かってくるのは厄介かな?-

 

「じゃあ行くよ!天神の北風(ボレアス)!!」

 

黒い風がツナへと襲いかかった。ツナは風の動きを読みきって大空の炎による高速移動でシェリアの背後に回る。

 

「すまない」

 

そう言って手刀をシェリアの細い首に叩き込むとシェリアは倒れこむ。一瞬で勝負がついたことに観客が呆然としている。

 

「まだだよっ!!」

 

突然シェリアが起き上がり風を纏った拳でツナに襲いかかる。だがいくら魔力が高くても格闘戦においてはツナとの差は歴然だ。

 

ツナに攻撃は当たらない、しかしツナの攻撃は当たっているのにすぐに回復してしまう。勿論殺す気でやれば一撃で勝負は決まるがそんなことをツナができる訳がない。

 

-さっきので気絶しないのか……この自己回復は本当に厄介だな……-

 

「天神の舞!!」

 

ツナを引きはなそうと自分の周囲に大量の風を発生させるシェリアに対してツナは一旦距離を取った。シェリアはすかさず勝負を仕掛ける。

 

「天神の怒号!!」

 

-これ以上長びかせる訳にはいかない!-

 

ツナは手を地面につけて炎を放つ。巨大な炎の壁がブラインドとなりシェリアからツナの姿が見えなくなってしまった。その炎の壁はシェリアの魔法を防ぐ。

 

生半可な風ではこの炎は消えないと察したシェリアは両手を上げて魔力を高める。魔力が鳥の羽根のような形に変化してゆく……

 

「滅神奥義!天の叢雲(アマノムラクモ)!!」

 

シェリアの放った魔法は炎の壁を吹き飛ばそうとするがやはりツナの炎は強力でなかなか突破できない。

 

「はあああっ!!」

 

シェリアは何とか炎の壁を突破しようとさらに魔力を込めていく……その時シェリアは誰かの手が背中に当てられているのに気付いた。

 

「いつの間に!?」

 

「零地点突破・改」

 

顔だけ振り返ったシェリアが見たのはツナの姿。炎で視界を遮った直後に目にも止まらぬスピードで回り込んだのだ。

 

「きゃあああっ!!」

 

シェリアが気付いた時にはひどい脱力感がシェリアを襲う。ツナから離れようにも奥義を放っている最中に魔力を吸収されては動くに動けない。

 

「ふにゃ~……」

 

奥義が止まった頃シェリアは目を回して倒れた。ツナは死ぬ気を解くとシェリアの顔を覗きこむ。全部吸い尽くしてはいないので魔力欠乏症にはなっていない。

 

「大丈夫?」

 

「う~大丈夫じゃないよ~」

 

「ゴメンね。回復の元をどうにかしないと倒せそうになかったから……」

 

「それはいいけど悔しいなぁ……全然本気じゃないんだもん……」

 

「う……でもね!さっきの技は俺の切り札の一つだからね!」

 

「そうなの?ならまあいいか」

 

「そこのベンチまで運ぼうか?」

 

「えっ!?だ…大丈夫!自分で行けるよ!」

 

「じゃあ俺は行くけどしばらく休んでるんだよ」

 

「了解~」

 

こうしてツナはシェリアを倒して先へと進むのだった……

 

フェアリーテイル→50pt

 

 

 

 

 

 

 

-華灯宮メルクリアス

 

ミラの作戦で首尾よく地下牢まで侵入したナツ達はルーシィとユキノが閉じ込められている牢屋を発見した。

 

「ルーシィ……」

 

「ナツ!ウェンディ!ミラさんも……」

 

「おいら達もいるよ」

 

「ルーシィ、静かにね」

 

「あ、ごめんなさい」

 

ナツが炎の熱で牢の鉄を変形させて二人を脱出させる。

 

「みんな……ありがとう……」

 

「おう!ツナにも頼まれたしな!」

 

「本当はツナさんが来たがったんですけどナツさんの方が国防大臣の目を欺けますから」

 

「そういえばアンタエクリプスに魔力を吸われてたよね?大丈夫なの?」

 

「ツナが山ほど炎を食べさせてたから大丈夫よ」

 

「おう!」

 

ルーシィは持ってきた着替えに着替えると脱出する前に鍵を探したいと願う。

 

その時、牢屋の通路の床が割れて全員まっ逆さまに落ちていった。落ちた先は洞窟のような場所で辺りにはいくつもの人骨が落ちている。

 

「ようこそ奈落宮へ」

 

どこからともなく声が聞こえてきて辺りを見渡すと空中に映像が浮かんでいる。この国の王女のヒスイ姫が兵士を従えて映っていた。

 

「ここは死の都、奈落宮……罪人の行き着く最後の自由。しかしここから出られたものは一人もいません。そこで朽ちてゆくがよい……賊よ」

 

一方的に通信を切られてナツ達は出口を探して彷徨うことになる……ヒスイ姫は賊を退治したと喜ぶ兵士達に見られないように憂いの表情を浮かべていた。

 

 

 

 

 

-バトルフィールド

 

「ここに来ればアンタに会えるって聞いてたが……さすが初代」

 

足を組んで椅子に座っている者に声をかけるグレイ……

 

「これはこれは……記憶は君を忘れかけていた。思い出させてくれるかな?」

 

椅子に座っている者……セイバートゥースのルーファスはグレイを見て嘲笑うように挑発する。

 

「無理して思い出すことはねぇや……お前はここで終わりだから」

 

 

『図書館エリアでフェアリーテイル、グレイとセイバートゥース、ルーファスが激突だー!!……おおっと!さらに!』

 

 

 

 

「シェリアの救援は間に合わんかったか……あの短時間でシェリアを倒すとはさすがはツナヨシ殿……お主もそう思わんか?」

 

ジュラは振り返りもせずに自分の後ろにいる者に声をかける。

 

「アイツの強さは俺も戦った事があるからよく知ってるよ……アンタと同じく負けたがな……」

 

 

『市街地南エリアではフェアリーテイルのラクサスとラミアスケイルのジュラが出会ってしまったー!!』

 

 

「ツナヨシ殿にばかり目がいっていたがそなたも注目していた……マカロフ殿の孫にしてフェアリーテイルの最強候補ラクサス殿……」

 

「最強の座はアイツに取られちまってるがな……いつか取り返すけどな」

 

「ほう……」

 

「アイツにやられたモン同士どっちがアイツへのリベンジを先にするか勝負といこうぜ」

 

「ほほう……面白い。そういうことなら負けられんな……血が滾ってきたわい」

 

グレイVS.ルーファスそして、ラクサスVS.ジュラの戦いが始まる……

 

 

 




ちょっと展開を変えてます。

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